ビジネス・プロセス・マネージメントに おける WebSphere Service - IBM

ビジネス・プロセス・マネージメント・ソリューション
ホワイト・ペーパー
ビジネス・プロセス・マネージメントに
おける WebSphere Service Registry and
Repository のシナリオ
Naveen Sachdeva (IBM Worldwide Technical Sales Leader)
Marc-Thomas Schmidt (IBM Distinguished Engineer)
2008 年 1 月
ビジネス・プロセス・マネージメントにおける WebSphere Service Registry and Repository のシナリオ
ページ 2
目次
2 概要
2 BPM とは
5 WebSphere Service Registry and
Repository とは
7 作業の開始
7 モデル化 : プロセスの作成
9 組み立て : プロセスの組み立て
11 配置 : メディエーションを使用した動的
プロセス
12 管理 : プロセスの監視
13 ガバナンス : コンプライアンスの確保
15 作業の調整
16 要約
17 詳細情報
17 その他のリソース
概要
このホワイト・ペーパーでは、ビジネス・プロセス・マネージメン
ト (BPM) 分野における、IBM WebSphere® Service Registry and
Repository の主な利用シナリオについて説明します。WebSphere
Service Registry and Repository が「モデル化」、
「組み立て」、
「管理」、
「ガバナンス」という BPM ライフ・サイクルの各フェーズに対して
どのように価値を提供して、再利用を促進し、ビジネスの柔軟性を
向上させるのかを解説します。また、ガバナンスの重要性、および、
WebSphere Service Registry and Repository が BPM ライフ・サイ
クルを通してガバナンスを実現する方法についても説明します。こ
のホワイト・ペーパーの続編では IBM WebSphere Business
Services Fabric がどのようにして複合ビジネス・アプリケーション
とビジネス指向ポリシーを使ってビジネス・プロセスの柔軟性と即
応性を実現するのか、またどのようにして WebSphere Service
Registry and Repository やその他の WebSphere 製品を利用して、
包括的なビジネス・プロセス・マネージメント・ソリューションを
提供するのかについて説明する予定です。
BPM とは
様々なアセットやサービスと同様に、ビジネス・プロセスにもライ
フ・サイクルがあり、「モデル化」、「組み立て」、「配置」、「管理」
というフェーズを経て、再び「モデル化」に戻ります。IBM BPM ソ
リューションは、この継続的な、エンドツーエンドのビジネス・プ
ロセスのライフ・サイクルをサポートします。
ビジネス・プロセス・マネージメントにおける WebSphere Service Registry and Repository のシナリオ
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以下のセクションでは、BPM ライフ・サイクルのタスクの全容を説明し
ます。ただし、これらの手順のすべてがすべての BPM シナリオに組み
込まれているわけではなく、例えばモデル化フェーズが省略される場合
があります。IBM BPM ソリューションのコンポーネントは以下のような
主要なアクティビティーをサポートします ( 詳細については、IBM
Redbook「Business process management: Modeling through
monitoring using WebSphere V6.0.2 products」、 http://www.
redbooks.ibm.com/redpieces/abstracts/sg247148.html を参照 )。ビ
ジネス・アナリストは IBM WebSphere Business Modeler を使って、
企業のニーズを反映した新しいビジネス・プロセスの草案を作成したり、
過去に作成したプロセスを変更したりできます。ビジネス・アナリストは、
プロセスで実行する主なアクティビティーの特定、アクティビティーの責
任の割り当て、アクティビティー実装に際して自社でまかなえるサービス
の割り出し、アクティビティー間のプロセス・フローの記述を行います。
また、後にプロセスのパフォーマンスを測定するのに使用する主要業績
評価指標 (KPI) の特定も行います。プロセスのシミュレーションを行
い、代替案を試したうえで、ハイレベルのビジネス・プロセス設計を実
装担当者に手渡します。
BPM アプリケーションのライフ・サイクルの次のステップを担当するの
は、インテグレーション開発者とアプリケーション開発者です。これら
の開発者は、プロセス・サーバーとして IBM WebSphere Process
Server を使用している場合は IBM WebSphere Integration Developer
を、IBM FileNet Process Engine を使用している場合は IBM FileNet®
Process Designer をそれぞれ用いて、ビジネス・プロセス設計を
Business Process Execution Language (BPEL)/XML Process
Definition Language (XPDL) で記述した実行可能なプロセス・モデル
に変換します。これにより、アクティビティーは実際のサービスによって
実装され、完成したアプリケーションが KPI 測定データを提供する仕
組みをもちます。この作業には、プロセスのサービス要件と実際の既
存のサービスの間で生じる不一致に対処する作業が含まれますが、こ
れにはエンタープライズ・サービス・バス (ESB) によるメディエーション
が使われます。完成したアプリケーションには変更可能点が組み込ま
れ、配置担当者や管理者はここからアプリケーションの動作をある程
度調整できます。
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アプリケーションの配置フェーズではサービス・メタデータの手直しや
定義を行い、アプリケーションの具体的な動作を確定します。プロセス
実行エンジン (WebSphere Process Server または FileNet Process
Engine) は IBM WebSphere Message Broker、IBM WebSphere
Enterprise Service Bus、IBM WebSphere DataPower® SOA Appliance
XI50 といった ESB と連携して、定義されたサービス・メタデータに従っ
てプロセスを実行したり、最適なサービスを選択してアクティビティー
を実行したりします。
複合プロセス・アプリケーションに組み込まれた KPI 測定機能は、プロ
セスのパフォーマンスを IBM WebSphere Business Monitor などで監
視・分析するためのイベントを発生させます。さらに、IBM Tivoli®
Composite Application Manager for SOA などのサービス監視・管理製
品は、インタラクションとそのインタラクションに関わるエンドポイント
のステータスを記録します。
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WebSphere Service Registry and Repository とは
WebSphere Service Registry and Repository は IBM BPM ポートフォ
リオに新たに追加された製品で、配置済みのサービス、関連する成
果物、関連付けられたメタデータ ( プロパティー、関係、分類 ) な
どのすべてを格納するマスター・ストアです。公開、検索、強化、
管理、ガバナンス という 5 つの主要機能によって BPM ライフ・サ
イクル全体に価値を提供します ( 図 1 を参照 )。WebSphere Service
Registry and Repository の詳細については、IBM インフォメーショ
ン・センター Web サイト (http://publib.boulder.ibm.com/
infocenter/sr/v6r1/index.jsp) をご覧ください。
公開
公開
検索
強化
管理
ガバナンス
検索
強化
再利用の促進
接続性の強化
新しいアプリケーション
のビルディング・ブロッ
クとして使用できるサー
ビスの検索・再利用
ガバナンス
ガバナンスの実現
ライフ・サイクル全体でのサービスの
管理 管理されたサービスと配置済みの
サービスの調整
動的で効率的なサービス統合
の実現ポリシーの適用
管理
サービス使用率の最適化
•
•
•
•
影響分析
変更通知
バージョン管理
健全性およびパフォーマンス情報
の公表
図 1. WebSphere Service Registry and Repository は BPM ライフ・サイクル全体を通して価値を提供
します
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公開 は、サービス、関係する成果物、関連付けられているメタデー
タを公開する機能です。検索 は、メタデータを使用してサービスを
検索する機能です。強化 は、実行時ルックアップの効率的な API を
通じてランタイムを拡張し、そこからビジネスの柔軟性を向上させ
る機能です。管理 は、影響分析、変更通知、バージョン管理、サー
ビス監視製品の組み込みによる実行時メタデータ ( ステータスや平
均応答時間 ) の自動更新などによって、サービス ( および
WS-Policy ドキュメントを使って収集したポリシーなど、関連する
エンティティー ) を管理する機能です。ガバナンス は、きめ細かな
アクセス制御、メタデータ検証ポリシーの実施、配置済みサービス
の自動検出などを通じて、サービス・ライフ・サイクル全体でサー
ビスおよび関連するメタデータを制御する機能です。
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作業の開始
では、モデル化フェーズで草案を作成した時点から、組み立てフェー
ズでの実装、配置および実装のフェーズ、監視のフェーズへと進ん
だ後、発見されたボトルネックに基づいて再びプロセスを修正する
というビジネス・プロセスの流れに沿って、WebSphere Service
Registry and Repository のユース・ケースを見ていきましょう。
モデル化 : プロセスの作成
あるビジネス・アナリストが、IBM WebSphere Business Modeler
などのビジネス・プロセス分析ツールを使用して、新しいビジネス・
プロセスのモデル化とシミュレーションを行うとします。
WebSphere Business Modeler は標準で WebSphere Service
Registry and Repository と統合できるため、このアナリストはビジ
ネス・プロセス内のタスクを自動化するのに使える既存サービスを
探す、対応する Web Services Description Language (WSDL) ファ
イルをダウンロードする、サービスをビジネス・プロセスに接続す
るといった作業ができます。またビジネス・アナリストは、図 2 に
示すように、インテグレーション開発者の協力を得て、BPEL また
は XPDL 形式のビジネス・プロセスと、対応する XML Schema
Definition (XSD) および WSDL ファイルをエクスポートし、それら
を IBM Rational® ClearCase® などのソース・コントロール・マネー
ジメント (SCM) システムに格納できます。
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この時点で、ビジネス・アナリストは WebSphere Service Registry
and Repository にプロセスのエンティティーを作成し、既存サービ
スとの関係を確定義し、エンティティーを管理可能にし、さらにラ
イフ・サイクルのステータスを「作成中 」に設定することによって、
新しいプロセスと既存サービスの間に構築される予定の依存関係を
ユーザー・コミュニティーに認識させることができます。さらに、
このプロセスの成果物へのリンクをプロセス・エンティティーのプ
ロパティーとして WebSphere Service Registry and Repository に登
録して、プロセス・エンティティーを組み立てフェーズに移します。
WebSphere Service Registry and Repository は、プロセス成果物へ
のリンクが指定されたことを確認した後、インテグレーション開発
者に通知を送ります。
図 2. ビジネス・アナリストはビジネス・プロセスを BPEL または XPDL 形式でエクスポートできます
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組み立て : プロセスの組み立て
インテグレーション開発者は、プロセスのタイプに応じて
WebSphere Integration Developer か FileNet Process Designer のい
ずれかを使用して、技術的な詳細を定義してプロセスとサービスを
統合します。どちらのツールでも、プロセス成果物の取得、アナリ
ストが再利用を希望したサービスの特定、WebSphere Service
Registry and Repository からの対応するサービス WSDL ファイルの
ダウンロード、それらのプロセスへの組み込み、サービスとしての
プロセスの公開、WebSphere Service Registry and Repository での
サービスの一般公開が可能です ( 図 3 を参照 )。
図 3. インテグレーション開発者は WebSphere Integration Developer または FileNet Process
Designer を使用して、WebSphere Service Registry and Repository からサービスを取得したり、サー
ビスを WebSphere Service Registry and Repository で公開したりできます。
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WebSphere Integration Developer では、インテグレーション開発
者はプロジェクトをサービス・コンポーネント・アーキテクチャー
(SCA) のモジュールとしてエクスポートし、それを WebSphere
Service Registry and Repository で公開することもできます。構築す
るソリューションには、プロセスのサービス要件と既存のサービス
の間のマッピングを容易にする、メディエーション・モジュールを
組み入れることもできます。また、WebSphere Service Registry and
Repository 用のプリミティブである EndpointLookup とバインディ
ングを使って、動的なエンドポイント・ルックアップが可能なプロ
キシー・サービス ( この場合はメディエーション・フロー ) を作成
すると、プロセスを実際のサービスではなくプロキシー・サービス
にリンクさせることができます ( 図 4 を参照 )。
図 4. インテグレーション開発者は WebSphere Integration Developer を使用して動的なメディエー
ション・フローを作成できます
ビジネス・プロセス・マネージメントにおける WebSphere Service Registry and Repository のシナリオ
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これによって、コードに変更を加えることなく、例えばフェイルオー
バー用エンドポイントや後方互換性のあるバージョンのサービスに
ルーティングするなど、サービス要求を新しいエンドポイントに動
的にルーティングできるようになります。メディエーションでエン
ドポイントを選択する際には、サービスのインターフェースや、エ
ンドポイントのステータスを保持するプロパティーといった、対応
するエンドポイントに関連付けられたメタデータを考慮できます。
配置 : メディエーションを使用した動的プロセス
前のセクションで説明したように、WebSphere Service Registry
and Repository のコンテンツは、複合アプリケーションがその情報
を使うように構成されている場合、配置されたプロセス・サービス
を実行する際に大きな役割を果たします。その鍵を握るのが ESB 層
です。動的ルックアップを利用することで、設計や配置時点で利用
できなかったエンドポイントを、ビジネス・プロセスから発行され
たサービス要求のターゲットにすることができます。エンドポイン
トの選択は WebSphere Service Registry and Repository にあるサー
ビスについてのメタデータを更新することによって変更でき、開発
サイクルを経る必要はありません。応答時間や SLA の基準を満たさ
ないサービスは選択から除外できます。こうすることで、プロセス
の柔軟性が大幅に向上し、実行環境内の変更に応じた調整が可能に
なります。
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管理 : プロセスの監視
管理フェーズでは、ビジネス・プロセスで使用されるサービスだけでなく、
ビジネス・プロセスのビジネス指標が WebSphere Business Monitor
によって監視されます。これらの指標には、月毎の新規アカウント数、
平均アカウント作成時間などがあります。信用調査サービスのステータ
スや平均応答時間といった IT 指標は、それぞれ IBM Tivoli
Composite Application Manager for SOA で監視されます。これらの
指標が事前に定められた限度を超えると、監視製品は状況イベントを
発行して、要求をより迅速なサービスに自動的にルーティングするとい
う是正措置の実行を促します。図 5 に示すように、発行された状況イ
ベントは、対応するプロセスおよびサービスのプロパティーとして
WebSphere Service Registry and Repository に保存され、ESB によっ
て動的に発見・処理されます。
図 5: WebSphere Service Registry and Repository のメタデータは監視製品によって更新できます
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ガバナンス : コンプライアンスの確保
ここまで、WebSphere Service Registry and Repository が BPM ライ
フ・サイクルにどのようにして価値を提供するのか、例えば再利用をい
かに促進し、ビジネスの柔軟性をいかに向上させるのかについて説明し
てきました。しかし、この価値を実現するためには、BPM ライフ・サイ
クル層の下にあるガバナンスおよびプロセスの層で定義されているよう
にガバナンスを実施する必要があります。例えば、適切なメタデータで
サービスを装飾し、それが正しく識別できるようにしてからでなければ、
ビジネス・アナリストは適切なサービスを発見できません。メタデータ
がサービス・ライフ・サイクルの過程でサービスにきちんと付加された
ことを、どのようにして確認できるのでしょうか。再利用が承認されてい
るサービスだけをビジネス・アナリストに提示するにはどうすればよいの
でしょうか。プロセスで使用されているサービスの特定のバージョンの
使用が推奨されなくなった場合、それをインテグレーション開発者に通
知するにはどうすればよいのでしょうか。他のサービスやプロセスが使
用しているバージョンのサービスが運用停止されないようにするにはど
うすればいいのでしょうか。
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これについても、WebSphere Service Registry and Repository が以下
の機能によって貢献します。
•
種別 : ビジネス・アナリストはビジネス・ドメインを定義し、これを使ってプ
ロセスやサービスが発見しやすいように分類できます。
•
きめ細かいアクセス制御 : 管理者は役割やエンティティーのメタデータに基
づいてアクセス制御を定義できます。例えば、組織 1 _ ビジネス・アナリス
ト という役割の場合は、
「公開済み」で「組織 1 _ サービス」または「共通
サービス」に分類されたサービスのみを取得できるようにするなどです。
•
ライフ・サイクル管理 : 管理者は、サービスや関連するエンティティーがた
どる状態と遷移、それを実施できる役割を定義できます。例えば、管理者は、
組み立てフェーズと配置フェーズの間に複数のレビュー状態を追加し、イン
テグレーション開発者がサービスを組み立てからレビューに遷移できるよう
にアクセス制御を設定できます。しかし、レビューから配置への遷移ができ
るのはレビューアーかガバナンス・マネージャーのみで、これらの担当者は
プロセスやサービス・メタデータを手作業でレビューした後、サービスを配
置フェーズへと遷移させます。
•
検証フレームワーク : 管理者はメタデータの検証ポリシーを定義して、プロ
セスまたはサービスがある状態から別の状態に遷移するときにメタデータ
が自動的に検証されるように設定できます。例えば、いずれかのプロセスが
あるサービスに依存している場合、そのサービスを運用停止状態に移行で
きないようにする IT ポリシーを設定できます。
•
通知フレームワーク : 管理者はサブスクリプションを設定して、関係者に自
動的に通知を送ることができます。例えば、プロセスが使用するサービスの
サブスクリプションを作成し、それらのサービスが停止予定の状態になった
場合に、インテグレーション開発者が電子メールを受け取れるように設定
できます。
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作業の調整
すでに述べたように、ビジネスや IT の指標がビジネス目標を満たさな
い場合は、動的に是正措置を取ることができます。ただし、いつも是
正措置が取れるとは限りません。ビジネス・プロセスにボトルネックが
ある場合、ビジネス・アナリストは最初の段階 ( この場合は IBM
WebSphere Business Modeler) に戻り、シミュレーションによってボト
ルネックを特定する必要があります。WebSphere Business Monitor と
WebSphere Business Modeler を統合することにより、アナリストは
WebSphere Business Monitor で収集した情報をシミュレーションに用
いて、新しいバージョンのビジネス・プロセス・モデルを作成できます。
WebSphere Service Registry and Repository ではプロセスやサービス
の複数のバージョンの共存がサポートされているため、複数のプロセス
やサービスのバージョンにそれぞれ独立してライフ・サイクルをたどらせ
ることができます。
プロセスのインターフェースを変更した場合、アナリストまたはインテグ
レーション開発者はプロセス上で影響分析を行って ( 図 6 を参照 )、影
響を受ける利用者を特定し、それらの利用者に通知できます。
図 6. WebSphere Service Registry and Repository を使用した影響分析
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古いバージョンから新しいバージョンへのプロセスの切り替えは、
WebSphere Process Server のプロセス開始日とプロセス終了日の入力
によって制御できます。またこのような変更は、WebSphere Service
Registry and Repository のプロセス終了日を更新することにより、古
いバージョンのプロセスを使用し、プロセス更新のサブスクライブを設
定している利用者に自動的に電子メールで通知できます。
要約
WebSphere Service Registry and Repository は公開、検索、強化、管
理、ガバナンスという 5 つの主要機能を通じて、基盤となるガバナンス
層だけでなく、BPM ライフ・サイクル全体に価値をもたらします。ビジ
ネス・アナリストとインテグレーション開発者は WebSphere Service
Registry and Repository を利用することによりサービスを公開および
検索できます。WebSphere Service Registry and Repository はまた、
インテグレーション開発者が作成したメディエーション・フローが実行
時にサービス・メタデータを取得して、動的に最適なサービスを選択す
ることを可能にします。さらに、監視製品から状況イベントを受け取っ
て、プロセスやサービス・メタデータを自動的に更新し、ESB 層のメディ
エーション・フローに取得させます。これに加えて、WebSphere Service
Registry and Repository は、きめ細かいアクセス制御、影響分析、ラ
イフ・サイクル管理、ビジネス・モデル作成、検証および通知フレームワー
クなどのガバナンス機能を提供します。新しいホワイト・ペーパーでは、
ビジネス・サービスや関連するメタデータの管理において WebSphere
Business Services Fabric が機能を発揮するシナリオと、それが
WebSphere Service Registry and Repository を利用することで、どの
ようにして包括的なビジネス・プロセス管理ソリューションをお客様に
提供できるのかを紹介する予定です。
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詳細情報
WebSphere Service Registry and Repository の詳細については、次
の Web サイトをご覧ください。
ibm.com/software/integration/wsrr
その他のリソース
IBM Redbooks、「WebSphere Service Registry and Repository
Handbook」: http://www.redbooks.ibm.com/abstracts/SG247386.
html?Open
サービス指向アーキテクチャー (SOA): ibm.com/soa
SOA ガバナンス : ibm.com/soa/gov
BPM による SOA の実現 : http://www-304.ibm.com/jct03002c/software/
info/bpmsoa
IBM FileNet Content Manager: http://www-306.ibm.com/software/data/
content-management/filenet-content-manager
IBM WebSphere Process Server: http://www-304.ibm.com/jct03001c/
software/integration/wps/
IBM WebSphere Business Services Fabric: http://www-306.ibm.com/
software/integration/wbsf/
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