資料5 コンビニエンスストアを取り巻く環境に関する調査結果 - 経済産業省

資料5
コンビニエンスストアを取り巻く環境に関する調査結果
2014年9月4日
株式会社野村総合研究所
コンサルティング事業本部
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビル
目次
0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
2.地域社会とコンビニエンスストア
(1)人口・世帯の変化
(1)地域における買い物支援
(少子高齢化、単身世帯化、都市化、共働き化、貯蓄性低下)
(2)価値観の変化
(震災後の意識の変化、エコ・環境意識、家族意識、コミュニティ
意識、健康・長寿意識の高まり、所有から共有へ、モノより体験)
(3)その他の変化
(住宅・建設、新たな技術、オリンピック、買い物サービス、防災・
警備への取組強化)
1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(1)コンビニエンスストアの経済的拡大
・国内におけるコンビニエンスストアの経済的拡大
(2)コンビニエンスストアの社会インフラ化
・社会インフラとしてのコンビニエンスストア
・我が国が抱える課題にコンビニエンスストアが果たす役割
(3)負の外部性に対するこれまでの対応と新たな課題
・環境問題に対するコンビニエンスストアの取組
(2)地域の治安維持・防犯対策
(3)災害時における支援
(4)行政サービスの提供
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(1)コンビニエンスストアの海外展開
(2)雇用・人材
(3)地産地消・農業
(4)健康・福祉
(5)観光
(6)商工会との関係
4.フランチャイズシステム
(0)基礎情報
(1)店舗展開状況
(2)起業
(3)サプライチェーン
(4)食品ロスに対する取り組み
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1
0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
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2
0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(1)人口・世帯の変化
少子高齢化の進展
少子高齢化の進展により、生産年齢人口の減少が続く。
人口ピラミッドの推移
2010年
2030年
出所)国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」の中位推計
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(1)人口・世帯の変化
単身(世帯)化の進展
未婚率が増加し、全国の世帯構成は単独世帯が核家族世帯の比率を上回る。
男女別 生涯未婚率※の推移(全国)
世帯構成の将来予測(全国)
※ 生涯未婚率 : 「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」
の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したもの。
注)生涯未婚率とは、50差異時点で一度も結婚したことのない人の割合
出所)厚生労働省「平成23年度 厚生労働白書」
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注)核家族とは、「夫婦のみの世帯」「夫婦と子どもから成る世帯」、「ひとり親と子どもから成る世帯」の総称
出所)厚生労働省「平成23年度 厚生労働白書」
4
0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(1)人口・世帯の変化
都市化の進展
都市部への人口流入と、それ以外の地域の人口流出の傾向は継続。2050年には東京の人口が総人口の3割を占める予測も
出ている。
三大都市圏及び東京件の人口が総人口に占める割合
出所)国土交通省国土審議会政策部会長期展望委員会「国土の長期展望」中間とりまとめ
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(1)人口・世帯の変化
共働き化の進展
女性の労働参加は年々進んでいる。結婚・出産期に当たる年齢階級での労働力率上昇に伴い、共働き世帯比率も高まってき
ている。
女性の年齢階級別労働力の推移
子育て世帯における共働きの増加
(万世帯)
700
600
60%
571
500
400
554
52.3%
542
54.0%
55%
50%
49.7%
45%
300
40%
200
35%
100
0
30%
平成12年
平成17年
共働き世帯数
平成22年
共働きシェア
出所)総務省「国勢調査」をもとにNRI作成
(注)「子育て世帯」とは、18歳未満の子どもと夫婦のいる一般世帯。
「共働き世帯のシェア」とは、夫・妻ともに就業している子育て世帯/子育て世帯の総数。
出所)内閣府「男女共同参画白書 平成25年版 」
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(1)人口・世帯の変化
家計の貯蓄性低下
家計貯蓄率は、人口の年齢構成や社会保障制度、景気等の影響を受け、低下傾向。
貯蓄と負債の1世帯当たり現在高
日本の家計貯蓄率の将来予測(ただし2010年時点での予測)
(単位 金額 万円)
2000
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
二人以上の世帯_貯蓄
二人以上の世帯_負債
勤労者世帯_貯蓄
勤労者世帯_負債
出所)総務省統計局「日本の統計 2014」
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注)理論値(予測値)はGDP、預金利子率、充足人口比率等を説明変数として算出した値
出所)ファイナンス2010年4月「シリーズ日本を考える③ 日本の家計貯蓄」より抜粋
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
震災後の意識変化
震災を経て、防災意識が高まっただけでなく、節電や家族の絆などに対する意識も高まった。
震災による意識変化
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
エコ・環境意識の高まり
ほとんどの財・サービスの購入について、環境に配慮して購入しているという回答者の割合が増加している。
多少高くても選択する環境配慮型の商品やサービス
出所) 電通「グリーンコンシューマー調査」(2013年)
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
家族意識の高まり
家族と同居している世帯の割合は減少しているが、近居・隣居の形態が増加傾向にあり、身近に親世帯がいる世帯の割合は
15年前から大きな変化は見られない。家族とのつながりを重視すると回答した人は全体の9割を占める。
親世帯と自分達の居住距離の推移(全国)
人とのつながりを大切にする意識
(%)
100
13
10
11
11
10
10
90
日帰りでは往復できないところ
日帰りで往復できるところ
80
23
24
24
23
23
24
近居・隣居
同居
70
60
50
43
46
47
48
51
22
20
18
18
16
40
51
注1)対象は、自分の親が健在で、配偶者
がいる一般生活者(15~69歳)
注2)近居・隣居は、隣同士・同じ敷地内、歩
いて行ける距離、交通手段を使って片
道1時間以内のところ
注3)同居には、玄関が別の二世帯住宅を
含む
30
20
10
0
出所)NRI「社会貢献意識に関するWebアンケート調査」(2012年3月)
15
注)満15~69歳の男女個人
3,000人を対象にインターネッ
ト調査を実施
出所)NRI「生活者1万人アンケート調査」(1997年~2012年)
1997年
2000年
2003年
2006年
2009年
2012年
(N=4867) (N=4867) (N=4889) (N=4766) (N=5061) (N=4083)
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
コミュニティ意識の高まり
隣近所との付き合いは希薄化してきたが、NPOやボランティア等の活動に興味・関心を持っている人は多い。
隣近所との付き合い方の推移
地域活動への期待
出所)内閣府「国民生活選好度調査
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出所)内閣府「平成19年版」国民生活白書
11
0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
所有から共有への変化
カーシェアリングやシェアハウスなど共有(シェア)を鍵とした新たな需要が人気。
持ち家志向の変化(1987年対2012年)
シェアハウスへの居住意向・実態
A:一生借家住まいでもかまわないと思っている
B:無理してでもいつかは自分の家を持ちたい
間で自分の意見はどちらに近いかを聞いた質問。Aを選択した人の割合
(%)
(%)
15~24歳
28.8
25~29歳
30~34歳
35~39歳
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60歳代
30.9
男性
15~24歳
32.6
25~29歳
33.0
30~34歳
29.3
35~39歳
28.0
28.6
40~44歳
26.8
27.8
45~49歳
28.2
28.6
26.3
23.5
25.1
21.4
50~54歳
1987年
2012年
55~59歳
60歳代
女性
32.4
22.6
19.6
1987年
2012年
出所)NRI「社会貢献意識に関するWebアンケート調査」(2012年3月)
注)1987年調査は、訪問留置法を実施。
1606人(18~64歳)、2012年は10348人(15~69歳)で、該当する年代別に集計
出所)NRI「生活者アンケート調査」(1987年)、「生活者1万人アンケート調査」(2012年)
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
モノより体験を重視する傾向
モノよりも体験を重視する“コト消費”へのシフトが進む。
魅力を感じ積極的にお金を使いたい非日常な商品・体験(※複数回答・3つまで選択)
魅力を感じ積極的にお金を使いたい非日常な商品・体験
(※複数回答・3つまで選択)(性年代別、上位選択肢のみ)
大野さん
出所)NRI「将来の生活に関するインターネットアンケート」(2011年12月)
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出所)NRI「日本の将来や政治に関するWebアンケート調査」(2011年12月)
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(2)価値観の変化
健康・長寿への意識の高まり
寿命は延びていく中で、今後はとくに健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)への関心が
高まる。
平均寿命(出生時の平均余命)の将来予測
健康寿命と平均寿命の推移
(歳)
92
90
88
86
84
82
80
78
76
平成 22 (2010)年
23 (2011)
24 (2012)
25 (2013)
26 (2014)
27 (2015)
28 (2016)
29 (2017)
30 (2018)
31 (2019)
32 (2020)
33 (2021)
34 (2022)
35 (2023)
36 (2024)
37 (2025)
38 (2026)
39 (2027)
40 (2028)
41 (2029)
42 (2030)
43 (2031)
44 (2032)
45 (2033)
46 (2034)
47 (2035)
48 (2036)
49 (2037)
50 (2038)
51 (2039)
52 (2040)
74
男
注)健康寿命は厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果
に関する研究」を参照
出所)内閣府「平成25年版 高齢社会白書」
女
出所)厚労省「日本の将来推計人口」
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(3)その他の変化
新たな技術の登場
ウェアラブル端末やスマホを活用したオンラインサービスの普及などが見込まれる。
遺伝子検査や血液検査等を実施し、管理栄養士がダイエット家庭教師となり
、60日間でダイエットの知識や食事のバランス、トレーニング方法等を指導し
、ユーザーは電話やSkypeで相談をすることが可能なサービス
出所)FiNC社Webサイト
出所)次世代杖:総務省「スマートプラチナ社会推進会議 戦略部会(第1回会合)」(平成26年1月)【部会資料17】原構成員配布資料(提供:富士通)
新たなバイタル情報・生活情報等取得センサ:同上【部会資料1-5】石原構成員配布資料(提供:NTT)
出所)各種WebサイトよりNRI作成
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(3)その他の変化
オリンピックに伴う変化
オリンピックに合わせ、開催地の開発や新しいサービス・製品の開発が進むと考えられる。
東京五輪による産業別の新規需要額
出所)日本経済研究センター
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東京五輪による需要押し上げ額
出所)日本経済研究センター
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(3)その他の変化
買い物サービスのニーズ拡大
買い物弱者が増加に伴い「近くて便利な」店や「宅配サービス」のニーズが高まる。
小売業の事業所数、従業者数、年間商品販売額の推移
出所)経済産業省商業統計
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日常の食料品・日用品を買うとき、重要視している・
高齢者になったときに重要視するだろう項目
出所)経済産業省「地域生活インフラを支える
流通のあり方研究会報告書
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0.我が国の経済・社会を取り巻く環境変化
(3)その他の変化
警備への取組みの強化
防災・警備への意識はあっても相談先がない人が少なくない。セキュリティシステムの市場は今後拡大傾向。
犯罪に対する不安感
カテゴリ別市場規模推移予測
250,000
200,000
150,000
2011年(実績)
100,000
2012年(実績)
50,000
2013年(見込)
2014年(予測)
0
2015年(予測)
2016年(予測)
出所)富士経済「2013セキュリティ関連市場の将来展望」
出所)社会安全研究財団「犯罪に対する不安感等に関する調査研究」(2010)
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1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
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1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(1)コンビニエンスストアのさらなる経済的拡大
国内におけるコンビニエンスストアの経済的拡大
小売業全体が低迷した間もコンビニの販売額は拡大し、平成21年に百貨店を抜いた。店舗数も5万店を超えた。
小売業販売額の推移(単位:兆円)
コンビニエンスストアの店舗数の推移
150
15
14
145
12.60
小
売 140
業
販
売
額 135
(
棒
グ
ラ
フ 130
)
7.64
125
6.84
55000
13.06
13
9.39
6.72
業
12 態
別
11 販
売
額
10 (
折
れ
9 線
グ
ラ
8
フ
)
7
6
50000
50,234
45000
店
舗
数
(
店
) 40000
40,745
35000
30000
H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年
120
5
(出所)経済産業省「商業動態統計調査」平成25年
小売業販売額
百貨店
スーパー
コンビニ
(出所)経済産業省「商業動態統計調査」平成25年
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1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(2)コンビニエンスストアの社会インフラ化
【その他のデータ】
都道府県別店舗数
商品・サービスラインナップ充実の変遷
社会インフラとしてのコンビニエンスストア
公的サービス提供主体の拠点数が減少する中、コンビニエンスストアの店舗数は増加。異業種との共同出店や駅、空港、病
院、パーキングエリア等への出店等、出店形態も多様化している。
コンビニエンスストア店舗数と公的サービス提供主体拠点数の推移
コンビニエンスストアの出店形態の多様化
異業種との共同出店
( 箇所)
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
空港
病院
20,000
10,000
コンビニエンスストア
郵便局数
ガソリンスタンド
平成25年
平成24年
平成23年
平成22年
平成21年
平成20年
平成19年
平成18年
平成17年
平成16年
平成15年
平成14年
平成13年
平成12年
平成11年
平成9年
平成10年
平成8年
平成7年
平成6年
平成5年
平成4年
平成3年
平成2年
平成元年
昭和63年
昭和62年
0
交番・駐在所
パーキングエリア
駅ナカ
(出所)郵便局は日本郵政株式会社「旧日本郵政公社統計データ年報(郵便編)」、「郵便局数情報」、総
務省「平成19年度版情報通信白書」
一般社団法人全国石油協会「給油所数推移」
コンビニエンスストアは一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会「FC統計データ」
交番・駐在所は警察庁「警察白書」
※H25のコンビニエンスストア店舗数は10月に
公開予定
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(出所)各社ホームページ
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1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(2)コンビニエンスストアの社会インフラ化
我が国が抱える課題にコンビニエンスストアが果たす役割 (高齢化、世帯人員減少)
高齢化や世帯人員減少によって出現している新たなニーズに対し、コンビニエンスストアは宅配・移動販売や生活支援機能の
提供、医薬品や生鮮品等商品ラインナップ拡充を進めている。
コンビニエンスストアにおける高齢化、世帯人員減少対応実施状況
0
1
2
導入途上
実験段階
3
4
5
(社)
御用聞き
宅配
ネットスーパー機能
出張販売(移動販売)
銀行ATMサービス
公共料金等の収納代行サービス
宅配便受付&預かりサービス.
ECサイト注文品の受取りサービス
保険の取り扱い
クリーニング受付
弁当等の高齢者向け商品の強化
惣菜類の品揃え強化
カット野菜の取り扱い
生鮮品の取り扱い
商品の小ポーション化
介護用品の取り扱いもしくは品揃強化
医薬品の取り扱い
振り込め詐欺防止
導入済み
(出所)日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズエイジ2012年3月号」
(注)対象はセブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップの5社
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【本部ヒアリング】
各社対応状況(最新)
22
1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(2)コンビニエンスストアの社会インフラ化
我が国が抱える課題にコンビニエンスストアが果たす役割 (高齢化、世帯人員減少)
高齢化対応事例
世帯人員減少対応事例
セブン-イレブンの宅配サービス・移動販売
サークルKサンクス ミニスーパー型
(青果・生鮮食品の取り扱い)
ローソンストア100
(生鮮食品、日用品の取り扱い、
均一料金、適量・小分け対応)
セブンプレミアム
(小分け惣菜、簡単調理)
ファミリーマートの
宅配サービス
(出所)各社ニュースリリース、ホームページ、CSR報告書等
Copyright(C) 2014 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
23
1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(2)コンビニエンスストアの社会インフラ化
【その他のデータ】
セブン-イレブンの非常用電話の設置、NTT東
の「光iフレーム」を利用した買物支援サービス
我が国が抱える課題にコンビニエンスストアが果たす役割 (震災時ライフライン)
東日本大震災時も被災地において仮設店舗や移動販売車による営業を実施。本年2月に東北・関東甲信越地方にて起きた記
録的な大雪の際もヘリコプターでパンなど食料を輸送した。
東日本大震災におけるコンビニエンスストアの対応事例
東北・関東甲信越地方の雪害におけるコンビニエンスストアの対応事例
仮設住宅内における仮設店舗での営業
被災地における移動販売車による販売
(出所)各社ニュースリリース、アニュアルリポート
Copyright(C) 2014 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
(出所)各社ニュースリリース、CSR報告書、アニュアルリポート
24
1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(3)負の外部性に対するこれまでの対応と新たな課題
環境問題に対するコンビニエンスストアの取組 (CO2排出削減)
CO2排出量の測定についてサプライチェーン単位での算出と公開が求められているが、コンビニエンスストア業界では自主行
動計画を策定し、継続的に温暖化対策を実施してきた。店舗数増加によってエネルギー消費量全体は増加傾向にあるが、
LED照明や太陽光発電装置など最新の省エネ機器を積極的に導入するなどして面積当たりのエネルギー消費量は減少傾向
にある。
コンビニエンスストア業界のCO2排出量の推移
コンビニエンスストア業界のCO2排出削減等についての対策
(店)
12.00
0.18
(台・基)
30000
300
EV・PHV (右軸)
0.16
10.00
0.14
8.00
0.12
25000
250
20000
200
EV・PHV用充電スタンド
(右軸)
LED照明 看板 (左軸)
0.10
6.00
15000
150
10000
100
0.08
4.00
0.06
LED照明 店舗 (左軸)
LED照明 その他 (左軸)
0.04
5000
2.00
50
0.02
0.00
0.00
1990年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
109kwh)
エネルギー消費量(×109kwh)
(左軸)
JFA加盟店舗数(万店)
エネルギー消費原単位(kwh/㎡・h)
(左軸)
(右軸)
(出所)一般社団法人フランチャイズチェーン協会「 地球温暖化対策の取り組みについて」
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0
太陽光発電装置 (左軸)
0
2010年 2011年 2012年 2013年
(出所)一般社団法人フランチャイズチェーン協会
「 地球温暖化対策の取り組みについて」
25
1.コンビニエンスストアを取り巻く環境
(3)負の外部性に対するこれまでの対応と新たな課題
環境問題に対するコンビニエンスストアの取組 (食品廃棄対策)
コンビニエンスストアでは食品廃棄対策として、店舗において廃食用油のリサイクルや肥料化を進めている。
コンビニエンスストア業界における食品廃棄ついての対策
( 店) 50,000
コンビニエンスストアにおける食品廃棄、リサイクル対策事例
100%
廃食用油リサイクル
店舗数に占める構成比
45,000
90%
40,000
80%
35,000
70%
30,000
60%
25,000
50%
20,000
40%
15,000
30%
10,000
20%
5,000
10%
0
0%
H22.3末
( 店) 12,000
H23.3末
H23.5末
H24.3末
食品リサイクル_肥料化
食品リサイクル_熱回収
店舗数に占める構成比
H24.5末
H24.8末
H25.2末
ローソン「食品リサイクルループ」
(出所)ローソン「統合報告書2013」
H26.2末
100%
食品リサイクル_飼料化
食品リサイクル_その他
サークルKサンクス「食品リサイクルループ」
90%
10,000
80%
70%
8,000
60%
6,000
50%
40%
4,000
30%
20%
2,000
10%
0
0%
H22.3末
H23.3末
H23.5末
H24.3末
H24.5末
H24.8末
H25.2末
(出所)一般社団法人フランチャイズチェーン協会
(注)下表におけるH22.3末の肥料化には飼料化も含む。
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H26.2末
(出所)サークルKサンクス「社会環境報告書2013」
26
2.地域社会とコンビニエンスストア
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27
2.地域社会とコンビニエンスストア
(1)地域における買い物支援
【オーナーアンケート】
取り扱い商品数の推移
生鮮食品取り扱い店舗数
小商圏を対象としたコンビニエンスストアは消費者に身近な店舗として買い物拠点となっている。
コンビニエンスストア人口1万人当たり店舗数の推移<全国平均>
各種小売店の来店頻度
0%
5
人
口
1
万
人
当
た
り
店
舗
数
(
店
)
10%
商店街の中の一般小売店
4
3.1
3.2
3.2
3.3
3.3
3.5
3.4
3.6
3.7
3.9
20%
21.6
30%
11.5
コンビニエンスストア
50%
60%
11.1
70%
33.9
6.6
18.0
72.6
13.5
7.2
ネットスーパー 2.0
90%
100%
7.5
21.7
34.4
主に食料品・日用品を販売している
スーパーマーケット
80%
48.3
59.0
衣料品・家電等も販売している
総合的なスーパーマーケット
3
40%
4.0
11.1
1.6
12.2
1.4
8.2 1.6
83.9
2.9
4.0
2
百貨店・デパート
5.1
36.6
17.9
薬局・薬店、ドラッグストア
1
25.6
100円ショップ
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
16.7
10.1 1.8
29.8
41.3
9.2
2.1
35.9
28.5
13.4
1.5
24.9
1.5
25.5
1.9
H25
ファミリーレストラン
(出所)店舗数は一般社団法人フランチャイズチェーン協会資料
人口は総務省統計局「人口推計(各年10月1日現在)」
45.7
14.0
衣料品店・飲食店・映画館などからなる
総合的なショッピングセンター・モール
0
38.4
5.5
ファストフード店
食事の宅配 2.0
野菜、食材の宅配サービス
週に1回以上
41.0
26.1
10.4
31.6
28.5
20.9
69.2
6.0
13.6
月に1~2回程度
1.5
2.2
半年に1~2回程度・年に1~2回程度
27.9
1.7
1.8
1.7
81.0
ほとんど利用していない
N.A.
(出所)NRI「生活者一万人アンケート(2012年)」
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28
2.地域社会とコンビニエンスストア
(1)地域における買い物支援
過疎地等に多く見られる日常の買い物が困難な状況に置かれている人に対し、コンビニエンスストアは過疎地への出店や移
動販売、御用聞き等を行うことで、地域における買い物支援に取り組んでいる。
買い物弱者解消に向けたコンビニエンスストアの取組
宅配サービス
「セブンらくらくお届け便」
移動販売
(出所)経済産業省「買い物弱者(買い物難民)応援マニュアル(第2版)」
(出所)各社ニュースリリース、ホームページ、CSR報告書等
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29
2.地域社会とコンビニエンスストア
(2)地域の治安維持・防犯対策
【その他のデータ】
コンビニ防犯拠点制度(東京都)の事例
【オーナーアンケート】
深夜複数人勤務、酒・たばこ販売時の年齢確認の実施状況
【ユーザー・自治体アンケート】
地域の治安維持・防犯対策におけるコンビニに対する期待
コンビニエンスストアは、年中無休・24時間営業、まちの要所に存在する特性を活かし、安全・安心なまちづくりや青少年環境
の健全化に取り組んでいる。
コンビニエンスストアによるセーフティステーション活動の概要と実績
(出所)日本フランチャイズチェーン協会
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(出所)日本フランチャイズチェーン協会
「平成25年度版コンビニエンスストアセーフティステーション活動リポート」
30
2.地域社会とコンビニエンスストア
(2)地域の治安維持・防犯対策:コンビニ強盗の発生状況等
1 過去5年間の発生状況
※ 数値は、平成26年8月1日現在の統計等を元に作成。
H21
コンビニ強盗
認知件数
刑法犯
認知件数
件数
増減率
件数
H22
H23
H24
H25
897
723
630
626
590
+46.8%
-19.4%
-12.9%
-0.6%
-5.8%
1,714,001
1,604,205
1,502,802
1,403,270
1,314,140
-6.2%
-6.4%
-6.3%
-6.6%
-6.4%
増減率
2 本年の発生状況
※ 数値は平成26年7月末の暫定値。
発生件数
刑法犯認知件数
増減率
699,245
-6.3%
コンビニ強盗
398
+8.2%
金融機関強盗
22
-21.4%
3 コンビニ等被害店舗における防犯設備設置状況等
設置率
活用率
4 コンビニ等被害店舗における被害額状況(H25)
件数
3万円未満
33
11.0%
3万円~5万円未満
88
29.3%
5万円~10万円未満
101
33.7%
10万円~20万円未満
51
17.0%
20万円~50万円未満
21
7.0%
50万円~100万円未満
5
1.7%
100万円以上
1
0.3%
300
100.0%
現金被害件数計
※ 数値は、平成25年中の深夜スーパーマーケット強盗被害店舗(504件)を
対象に調査したもので、既遂事件(331件)のうち現金被害のあった値。
5 深夜帯(22時~7時)の発生状況
合計
22時~7時
割合
H21
897
770
85.8%
H22
723
606
83.8%
非常通報装置
77.2%
46.5%
H23
630
541
85.9%
非常ベル
77.8%
16.3%
H24
626
545
87.1%
防犯カメラ
100.0%
98.8%
H25
590
508
86.1%
98.4%
3.2%
カラーボール
※数値は、平成25年中の深夜スー
パーマーケット強盗被害店舗(504
件)を対象に調査した値。
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割合
6 自主防犯対策の内容
来店者に対する顔を見ての声かけ
レジ内の現金は5万円以下
深夜時間帯における複数勤務
etc
徹底が重要
未然防止が重要
※ 数値は、平成26年8月1日現在の統計等を元に作成。
31
2.地域社会とコンビニエンスストア
(3)災害時における支援
【その他のデータ】
各社のBCP策定状況
地域別包括協定締結状況
災害時帰宅支援ステーション(九都県市首脳会議)など
【ユーザー・自治体アンケート】
コンビニエンスストアによる災害時支援への期待
コンビニエンスストアは、災害時に帰宅困難者を支援したり、物資調達を支援したりする自治体と協定締結を進めている。
災害時支援協定の締結状況
コンビニエンスストアによる災害時支援の実例 (東日本大震災)
帰宅困難者支援協定
地震や火災等の災害発生時に交通機関等が普
通になって自宅に帰れない人達に対して「水道
水」「トイレ」「道路情報」の提供等の支援を行う。
38都道府県9政令都市との間で締結してる。
物資調達支援協定
地震等の大規模な災害が発生した場合、自治体
からの要請に基づいて支援物資の調達について
協力を行い。
全ての当道府県が1社以上と締結している。
仮設住宅内における仮設店舗での営業
帰宅困難者支援協定締結数の推移(都道府県数)
40
被災地における移動販売車による販売
35
30
25
20
15
10
【確認事項】
物資調達支援協定の締結日のデータの有無
5
0
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
(出所)一般社団法人フランチャイズチェーン協会資料
(注)いずれかのコンビニエンスストア本部と締結した日を基準に作成
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(出所)各社ニュースリリース、アニュアルリポート
32
【本部ヒアリング】
各サービスについての各社対応状況(最新)
【ユーザーアンケート】
コンビニエンスストアによる公共サービスの利用経験
【自治体アンケート】
コンビニエンスストアによる行政サービス提供への期待
2.地域社会とコンビニエンスストア
(4)行政サービスの提供
コンビニエンスストアでは各種税金の納税に加え、最近は住基カードを利用した証明書等の自動交付サービスも実施している。
コンビニエンスストアで納税できる税金
 税金各種(自動車税、軽自動車税、固定資産税・都市計画税、
住民税等)
 国民健康保険料
 介護保険料
 国民年金保険料
等
(注)都道府県・市区町村によって異なる。また、都道府県・市区町
村が発行するバーコード付納付書があり、納付金額が30万円以下
であるものが対象。
(出所)コンビニエンスストア各社ホームページよりNRI作成
証明書発行サービスの実施状況
100
87
90
参
加
市
区
町
村
数
(
累
積
)
77
80
70
59
60
50
42
40
30
20
10
6
0
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
(出所)地方公共団体情報システム機構「コンビニエンスストアにおける証明書等の自動交付(
コンビニ交付)」
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33
3.経済活性化とコンビニエンスストア
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34
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(1)コンビニエンスストアの海外展開
日本のコンビニ各社は海外展開も進めており、2013年時点で世界各地に26,139店舗を展開している。
コンビニエンスストア海外進出状況(2013年6月末現在)
カナダ 484店
その他 21店
(ベトナム、マレーシア、オー
ストラリア、フランス、ロシア、
ポーランド、ドイツ、エルサル
バドル、ブルネイ、カザフス
タン、トルコ、サウジアラビア、
メキシコ等を含む)
中国 3,344店
韓国 9,881店
台湾 2,864店
フィリピン 352店
米国 8,215店
海外店舗数の推移
30000
26,139
25000
タイ 886店
インドネシア 92店
20000
店
舗
数 15000
(
店
) 10000
22,164
12,282
5000
0
2011年
(出所)日本フランチャイズチェーン協会「海外展開状況アンケート」(平成10年度調査~平成12年度調査)
(注)同協会会員企業が対象。各年の店舗数は6月末現在。
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2012年
2013年
35
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(2)雇用・人材
【オーナーアンケート】
高齢者、障害者、外国人の雇用状況
人材に関する課題
コンビニエンスストアで働く就業者は多く、63万人を超える。高齢者や外国人の就業も増えている。一方、昨今の人手不足の影
響を受け、コンビニエンスストアにおいても人材の確保が難しくなっている。
コンビニエンスストアの従業者数
(人) 700,000
600,000
596,339
604,560
平成14年
平成16年
635,413
536,429
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
平成11年
平成19年
(出所)経済産業省「商業統計」
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36
【その他のデータ】
ローソン酒々井インター店敷地内に開設された
地元新鮮野菜の直売施設「すみの野菜直売所」
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(3)地産地消・農業
コンビニエンスストアは地域農産品を活用した商品開発を行うなど地産地消の取組を進めている。また、一部は農業に参入し、
店舗から出た食品残さから作る堆肥を使用して作物を栽培し、出荷するなど循環型農業を行っている。
コンビニエンスストアの地産地消事例
コンビニエンスストアの農業参入事例
サークルKサンクスの地産地消活動
「MOT PUROJECT」
セブン-イレブンの農業参入
「セブンファーム」
ローソンの農業参入
「ローソンファーム」
(出所)各社ホームページ、CSR報告書
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37
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(4)健康・福祉 (医薬品販売)
【その他のデータ】
コンビニ×介護の事例 (要事例)
医薬品を販売するコンビニエンスストアが増えている。また、薬局機能を兼ね備えた新形態店舗も出始めている。
コンビニエンスストアによる医薬品販売の現状
(出所)日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズエイジ 2014年5月号」
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薬局との一体型店舗事例
(出所)各社ホームーページ
38
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(4)健康・福祉 (見守り支援)
コンビニエンスストアは、高齢化社会や社会的弱者への対応を視野に地域の見守りネットワークに参加したり、地域包括支援
センターとの協力を行っている。
コンビニエンスストアによる見守り支援
ファミリーマートと神戸市による
「高齢者見守りに関する協定」
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セブン-イレブンと福岡県による
「見守りネットふくおか」
(出所)コンビニエンスストア各社ホームーページ
39
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(5)観光
【その他のデータ】
表示の多言語対応、外国語対応 (要事例)
コンビニエンスストアでは、外国人が利用可能なATMの設置、Wi-Fiスポットサービスの提供、道案内等、訪日外国人向けサー
ビスの提供も行っている。
訪日外国人向けサービス事例
海外発行カードが海外で発行されたキャッシュカード
・クレジットカードが利用可能なATMの設置
道案内(案内所、マップ)の提供
Wi-Fiスポットサービスの提供
独自のWi-Fi接続サービスを提供
セブン-イレブン(セブンスポット)
ローソン(LAWSON Wi-Fi)
ファミリーマート(Famima_Wi-Fi)
その他
サークルKサンクス
ミニストップ
ポプラ
スリーエフ
(いずれもソフトバンクWi-Fiスポットが利用可能)
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(出所)コンビニエンスストア各社、京都観光Naviホームーページ
40
3.経済活性化とコンビニエンスストア
(6)商工会との関係
【オーナーアンケート】
コンビニエンスストアの商工会入会率(最新)
コンビニエンスストアは、商工会・商工会議所などに加盟したり、青少年の健全育成や地域の美化・治安維持などの活動も行う
など、地域社会の一員として自治体や商店街、消費者と連携しながらまちづくりに貢献している。
地域社会における活動・協力
地域社会と関係を深めるための現在行っている活動・協力
(N=47,468、複数回答)
商工会入会率
商工会・商工会議所に加盟
197,
20%
7,194
体験学習の実施
6,246
清掃活動
6,122
商店街活動
はい
いいえ
5,996
自治体・子ども会・敬老会などに参加
4,581
防犯(防災)活動
3,856
PTA活動に参加
1,789
地域の見守りネットワークに参加
779,
80%
1,518
児童登下校の見守り活動
1,137
消防団
1,076
地域包括支援センターとの協力
【確認事項】
上記は平成21年報告書のデータ
746
少年野球・サッカーなどの指導
597
医療系・福祉系の学生を雇用
592
認知症サポーター
438
交通指導員
211
補導員
184
自ら民生委員としての活動
125
民生委員を従業員として雇用
98
その他
1,438
0
5,000
10,000
(件)
(出所)平成25年度版コンビニエンスストアセーフティステーション活動レポート
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41
4.フランチャイズシステム
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42
4.フランチャイズシステム
(0)基礎情報
【フランチャイズシステムが日本で発展した経緯(政策の観点から)】
 中小小売商業振興法が、我が国でのコンビニ設立とほぼ同じ時期の1973年に制定され、その後も時代の変
化に合わせて修正されてきた。
 制定当時は「スーパーなどの大型チェーンストアが個人商店を圧迫している」と言われている中、同法はこうした中小小
売店の経営力を高めることを立法の目的としている。第一条に「中小小売商業者の経営の近代化を促進すること等に
より、中小小売商業の振興を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与する」とある。
 中でもフランチャイズビジネスは同法11条の中で特定連鎖化事業として定義され、その運営の適正化を図っている。
 コンビニ本部各社はこうした国の方針に沿う形で、中小小売店との共存共栄の理念のもと、事業を発展させ
てきた。
 またやはり1973年に大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(大店法)が制定され、
店舗面積500㎡以上の店舗の出店は事実上規制されてきた。(同法は2000年に大店立地法が制定された
ことにより廃止された。)
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4.フランチャイズシステム
(0)基礎情報
【コンビニエンスストアのフランチャイズシステムの基本構造】
 加盟店と本部が明確な役割分担・責任分担のもと、両者が対等なパートナーとして共同で事業を運営する
加盟店 (フランチャイジー)
店舗経営と販売に専念
共同事業
共存共栄
 地域密着・接客・販売
 人のマネジメント
(ストアスタッフの募集・採用・教育等)
サービス提供
加盟店オーナーの人件費
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 会計簿記サービス
 物流システム・情報システムサービス
 商品開発・推奨・商品情報サービス
 広告・宣伝
ロイヤリティ
接客・販売・売場作りにかかる人件費
販売期限切れ商品の廃棄ロス・棚卸ロス等
店舗経営のバックアップ
 商標利用
 商品のマネジメント
(品揃え・発注・売価設定・店内管理等)
 経営数値のマネジメント
コンビニ本部 (フランチャイザー)
各々の役割と責任
分担に対応して
各々にかかる費用
 経営相談サービス
 販売設備・各種什器・情報機器の貸与
 加盟店としての起業・運営にかかる融資
会計簿記等事務の集約処理にかかる人件費・費用
物流業務・情報システム開発運用にかかる人件費・費用
コンビニチェーンの広告宣伝費
経営相談にかかる人件費
販売設備・什器にかかる費用
44
4.フランチャイズシステム
(0)基礎情報
【コンビニエンスストアのフランチャイズシステムのビジネスモデル】
 多くのコンビニエンスストアでは共同事業の成果を、エンドユーザに対する付加価値である売上総利益とみな
し、それを加盟店と本部で分配する(所謂粗利分配方式)。本部が得るロイヤリティチャージの比率は本部各
社と加盟店間の契約タイプや営業条件などで異なる。
 ロイヤリティチャージのベースを売上高にしたり、固定で設定しているコンビニエンスストアも存在する。
粗利分配
加盟店の取り分 
加盟店の
純利益
売上総利益
加盟店の支出
(店の人件費等)
本部の取り分
ロイヤリティチャージの比率は、
(ロイヤリティチャージ)
・契約タイプ (店舗物件を本部が負担
するか、加盟店が負担するか等)
本部の
純利益
本部の支出
(広告宣伝費・
物流・システム費用等)
・営業条件 (24時間営業か否か、開
業後の経過年数等)
等により異なります。
売上
売上原価
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45
4.フランチャイズシステム
(0)基礎情報
【消費者・ユーザのメリット】
 同じ看板を掲げるお店が数多くあるため、初めてのお客さまでも品揃え・品質・サービスへの信頼から安心
して利用することができる。
 地域に根差した加盟店主が経営しているため、当該地域の事情に即した商品・サービスを提供でき、また地
域コミュニティの拠点となり得る。
【加盟店の営業上のメリット】
 消費者の求める便利な商品・サービスを多様に揃えようとすると、数多くのサプライヤーに取引・納品しても
らう必要がある。一個人事業者がこれを処理することは事実上不可能だが、コンビニFCに加盟すると本部
がその取引のサポート、ベンダー共同配送サービスを提供するため、加盟店の負荷が著しく軽減される。
 地域に同じ看板をかかげる店が数多くあるので、お店の認知が高まる。
【加盟店の経営管理上のメリット】
 会計・簿記・税務などの管理業務を本部で集約処理しているため、加盟店はこうした業務から解放され、営
業業務に集中できる。
 パート・アルバイトを採用する際、ストアブランドの信頼があるため、採用しやすい。また本部が提供するシ
ステムにより業務が簡素化されているため、初心者でも習得しやすく戦力化しやすい。
【加盟店の財務上のメリット】
 本部が資金提供するため起業時および日々の営業時において資金繰りから解放される。
 脱サラの方など特に資産や小売の経験がなくても本部からの物件斡旋や資金提供により容易に起業できる。
(社会的にみれば、フランチャイズシステムが起業したい人にその機会を提供している)
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46
4.フランチャイズシステム
(1)店舗展開状況
コンビニエンスストアの店舗数は5万店を超え、そのほとんどがフランチャイズストアで運営されている。
コンビニエンスストアの店舗数の推移
55000
50000
50,234
45000
店
舗
数
(
店
) 40000
40,745
35000
30000
H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年
(出所)経済産業省「商業動態統計調査」平成25年
(注)平成24年1月分速報から調査対象事業所の見直しを行っている
【確認事項】
(大手5社の)直営店舗数
(大手5社の)フランチャイジー店舗数
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4.フランチャイズシステム
(2)起業
各社とも、新規に営業を開始した加盟者の店舗数は増加している。
直近3事業年度内に新規に営業を開始した加盟者の店舗数
4,500店
4,000店
184
446
3,500店
3,000店
2,500店
182
325
2,000店
980
500店
ミニストップ
1,418
961
729
1,500店
1,000店
258
365
ファミリーマート
734
ローソン
セブン-イレブン
542
926
サークルKサンクス
1,173
1,295
平成24年度
平成25年度
0店
平成23年度
(出所)各社「フランチャイズ契約の要点と概説」よりNRI作成
(注)ミニストップ2012年度の店舗数はNBGエムエスネットワークからの加盟店受け入れ43店含む
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4.フランチャイズシステム
(3)サプライチェーン
コンビニエンスストアが創業された1970年代、多くの商品はその取引先が直接店舗に配送していた。そのため各店舗には1日
70台もの配送車が来て、その度ごとに店内で納品作業が行われていた。コンビニ本部各社はこの問題を解決するため、共同
配送センターを設置していった。各取引先の商品は一旦共同配送センターに集約して、店舗別・温度帯別に商品を仕分けた上
で、各店舗に配送した。この共同配送システムに参加する取引先が増加していったことにより、各店舗の1日あたりの配送車両
台数は劇的に減少していった。
コンビニエンスストア店舗に対する配送の工夫
セブン-イレブン1店舗1日当たりの配送車両台数
取引先A
取引先O
取引先B
取引先N
取引先C
取引先M
取引先D
取引先L
取引先E
取引先K
取引先F
取引先J
取引先G
取引先H
取引先I
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(出所)セブン&アイ・ホールディングス及びセブン-イレブン・ジャパンWEBサイトより
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4.フランチャイズシステム
(4)食品ロスに対する取り組み
生ごみ等の廃棄物の削減を目的として、コンビニエンスストア各社では廃棄物の発生の抑制、リサイクルの推進等の活動を
行っている。
廃棄ロス削減に関わるコンビニエンスストア各社の取組概要
(出所)環境省中央環境審議会循環型社会部会、2006年10月24日資料より抜粋
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