2014 年6月 発行登録目論見書 ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド (ABN 12 004 044 937) ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期豪ドル建社債 ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期ニュージーランドドル建社債 −売 出 人− 野村證券株式会社 1. この発行登録目論見書が対象とするナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド (以下「発行会社」といいます。)の社債3,000億円の売出しに関する発行登録につきまし ては、発行会社は金融商品取引法第23条の3第1項の規定により、発行登録書を平成25年 3月25日に関東財務局長に提出し、平成25年4月2日にその効力が生じております。また、 同法第23条の4の規定により、ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期豪ドル建 社債およびナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期ニュージーランドドル建社債 (この特記事項において、以下「本社債」と総称します。)の売出しに関する訂正発行 登録書を平成26年6月24日に関東財務局長に提出しております。 2. この発行登録目論見書に記載された内容につきましては、今後訂正されることがあります。 また、参照すべき旨記載された参照情報を新たに差し替えることがあります。 3. この発行登録目論見書に記載された本社債を売り付ける場合には、発行登録追補目論見書を 交付いたします。 4. ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期豪ドル建社債の元利金は豪ドルで支払 われ、ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期ニュージーランドドル建社債の 元利金はニュージーランドドルで支払われますので、外国為替相場の変動により影響を 受けることがあります。 5. オーストラリアにおいては、本社債に関する信用格付は、オーストラリアの2001年会社法 第761G条の意味における「リテール顧客(retail client)」に該当せず、かつ投資に精通した 投資家(sophisticated investors)、プロの投資家(professional investors)またはその他 2001年会社法第6D.2節に基づく開示が要求されない投資家である者に対してのみ提供され ます。またいかなる場合においても、投資家が所在する法域において適用ある法律によって 許容されている状況において提供されます。オーストラリアに所在のかかる投資家に該当 しない者は本目論見書を受領することは認められておらず、また本目論見書を受領した者は、 かかる投資家に該当しない者に同書を交付することが禁止されています。 本説明書は売出人によって作成されたもので、便宜上本目論見書に組入れられています。したがって、発行会 社作成に係る本目論見書の内容を構成するものではありません。 無登録格付に関する説明書 野村證券株式会社 格付会社に対し、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が 導入されております。 これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録の格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合、金融商品 取引法により、無登録の格付業者が付与した格付(以下「無登録格付」といいます。)である旨及び登録の意義 等を顧客に告げなければならないこととされております。 ○登録の意義について 登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の 整備義務、③格付対象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の 公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を 受けることとなりますが、無登録の格付業者は、これらの規制・監督を受けておりません。 ○格付業者について スタンダード&プアーズ ○格付業者グループの呼称等について 格付業者グループの呼称: スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(以下「S&P」といいます。 ) グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号: スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について ス タ ン ダ ー ド & プ ア ー ズ ・ レ ー テ ィ ン グ ・ ジ ャ パ ン 株 式 会 社 の ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.standardandpoors.co.jp ) の 「 ラ イ ブ ラ リ ・ 規 制 関 連 」 の 「 無 登 録 格 付 け 情 報 」 (http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義及び限界について S&P の信用格付は、発行体または特定の債務の将来の信用力に関する現時点における意見であり、発行体ま たは特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、信用力を保証するものでもありません。また、 信用格付は、証券の購入、売却または保有を推奨するものでなく、債務の市場流動性や流通市場での価格を示 すものでもありません。 信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力変化など、 さまざまな要因により変動する可能性があります。 S&P は、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格付分析を行っており、格付意見に達 することができるだけの十分な品質および量の情報が備わっていると考えられる場合にのみ信用格付を付与 します。しかしながら、S&P は、発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査、デューデリジ ェンスまたは独自の検証を行っておらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られ た結果の正確性、完全性、適時性を保証するものではありません。さらに、信用格付によっては、利用可能な ヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する場合もあることに留意する必 要があります。 この情報は、平成 26 年 1 月 31 日現在、当社が信頼できると考える情報源から作成しておりますが、その正 確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記スタンダード&プアーズ・レーティング・ ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。 ムーディーズ ○格付業者グループの呼称等について 格付業者グループの呼称: ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下「ムーディーズ」といいます。 ) グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号: ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号) ○信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ (http://www.moodys.co.jp)の「信用格付事業」をクリックした後に表示されるページ)にある「無登録業 者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。 ○信用格付の前提、意義及び限界について ムーディーズの信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の将来の相対的信用リスクについて の、現時点の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期日に履行できな いリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。 信用格付は、流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言及するものではありま せん。また、信用格付は、投資又は財務に関する助言を構成するものではなく、特定の証券の購入、売却、又 は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、いかなる形式又は方法によっても、これらの格付若 しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性について、明示的、 黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。 ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として行ってお ります。ムーディーズは、これらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムーディーズにとって信頼で きると考えられるものであることを確保するため、全ての必要な措置を講じています。しかし、ムーディーズ は監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正確性及び有効性について常に独自の検証を行うこと はできません。 この情報は、平成 26 年 1 月 31 日現在、当社が信頼できると考える情報源から作成しておりますが、その正 確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記ムーディーズ・ジャパン株式会社のホーム ページをご覧ください。 以上 【表紙】 【提出書類】 発行登録書(訂正を含む。) 【提出先】 関東財務局長 【提出日】 平成25年3月25日 発行登録書提出 平成25年4月9日 訂正発行登録書提出 平成25年6月7日 訂正発行登録書提出 平成25年8月7日 訂正発行登録書提出 平成26年1月7日 訂正発行登録書提出 平成26年1月14日 訂正発行登録書提出 平成26年6月12日 訂正発行登録書提出 平成26年6月18日 訂正発行登録書提出 平成26年6月24日 訂正発行登録書提出 【会社名】 ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド (ABN 12 004 044 937) (National Australia Bank Limited) (ABN 12 004 044 937) 【代表者の役職氏名】 財務・戦略担当グループ業務執行役員 クレイグ・ドラモンド (Craig Drummond, Group Executive, Strategy) Finance & 【本店の所在の場所】 オーストラリア連邦 ビクトリア州 3008 ドックランズ バークストリート 800 1階 (Level 1, 800 Bourke Street, Docklands, Victoria, 3008, Australia) 【代理人の氏名又は名称】 弁 【代理人の住所又は所在地】 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 赤坂Kタワー アンダーソン・毛利・友常法律事務所 【電話番号】 (03)6888-1000 【事務連絡者氏名】 弁 弁 【連絡場所】 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 赤坂Kタワー アンダーソン・毛利・友常法律事務所 【電話番号】 (03)6888-1000 【発行登録の対象とした売出有価証券の種類】 社債 護 護 護 士 梅 士 士 津 中 村 栗 田 【発行登録書の内容】 提出日 平成25年3月25日 効力発生日 平成25年4月2日 有効期限 平成27年4月1日 発行登録番号 25-外4 発行予定額又は発行残高の上限 発行予定額 発行可能額 3,000億円 【安定操作に関する事項】 該当事項なし 3,000億円 立 慎 二 聡 【縦覧に供する場所】 ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド 東京支店 (東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号室町東三井ビ ルディング18階) 目 次 頁 第一部【証券情報】 ····································································· 1 [ナショナル・オーストラリア銀行 2018 年7月満期豪ドル建社債および ナショナル・オーストラリア銀行 2018 年7月満期ニュージーランドドル建社債に関する情報] 第1【募集要項】 ····································································· 1 第2【売出要項】 ····································································· 1 1【売出有価証券】 ································································· 2 2【売出しの条件】 ································································· 4 第3【第三者割当の場合の特記事項】 ·················································· 25 第4【募集又は売出しに関する特別記載事項】 ·········································· 25 [上記の社債以外の社債に関する情報] ·················································· 30 第二部【参照情報】 ···································································· 31 第1【参照書類】 ···································································· 31 第2【参照書類の補完情報】 ·························································· 32 第3【参照書類を縦覧に供している場所】 ·············································· 49 第三部【保証会社等の情報】 ···························································· 49 金融商品取引法第5条第4項に掲げる要件を満たしていることを示す書面····················· 50 事業内容の概要および主要な経営指標等の推移 ············································ 51 (注1)本書中、 「発行会社」または「ナショナル・オーストラリア銀行」とは、ナショナル・オース トラリア・バンク・リミテッドを指す。 (注2)本書中に別段の表示がある場合を除き、 「豪ドル」とはすべてオーストラリアの法定通貨を指 す。 (注3)本書中に別段の表示がある場合を除き、 「ニュージーランドドル」とはすべてニュージーラン ドの法定通貨を指す。 第一部【証券情報】 [ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期豪ドル建社債およびナショナル・オーストラリア 銀行2018年7月満期ニュージーランドドル建社債に関する情報] 第1 【募集要項】 該当なし 第2 【売出要項】 以下に記載するもの以外については、有価証券を売出しにより取得させるに当たり、その都度「訂 正発行登録書」または「発行登録追補書類」に記載する。本書中の未定の事項は2014年7月上旬に決 定される予定である。 以下は、ナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期豪ドル建社債(以下「豪ドル建債」とい う。 )およびナショナル・オーストラリア銀行2018年7月満期ニュージーランドドル建社債(以下「ニ ュージーランドドル建債」という。 )についての記述である。 「本社債」とは、豪ドル建債に関する記述において使用されている場合は豪ドル建債を、ニュージ ーランドドル建債に関する記述において使用されている場合はニュージーランドドル建債を、それ以 外の部分において使用されている場合は豪ドル建債およびニュージーランドドル建債の総称または文 脈によりそのいずれかをいう。 - 1 1【売出有価証券】 【売出社債(短期社債を除く。) 】 豪ドル建債: ナショナル・オーストラリア銀行 2018年7月満期豪ドル建社債 ニュージーランドドル建債: ナショナル・オーストラリア銀行 2018年7月満期ニュージーランドドル建社債 売出券面額の総額又は 売出振替社債の総額 注(1) 豪ドル建債: ニュージーランドドル建債: (未定)豪ドル (未定)ニュージーランドドル 売出価額の総額 注(1) 豪ドル建債: ニュージーランドドル建債: (未定)豪ドル (未定)ニュージーランドドル 銘 柄 注(1) 売出しに係る社債の 所有者の住所 及び氏名又は名称 記名・無記名の別 各社債の金額 利 率 注(2) 注(1) 東京都中央区日本橋一丁目9番1号 野村證券株式会社(以下「売出人」という。 ) 無記名式 豪ドル建債: ニュージーランドドル建債: 1,000豪ドル 1,000ニュージーランドドル 豪ドル建債: 年(未定)%(年2.50%から4.10%までを仮条件と する。 ) ニュージーランドドル建債: 年(未定)%(年3.70%から5.30%までを仮条件と する。 ) 利 払 日 豪ドル建債: ニュージーランドドル建債: 1月12日および7月12日 1月12日および7月12日 償還期限 豪ドル建債: ニュージーランドドル建債: 2018年7月12日 2018年7月12日 本社債は、発行会社の2013年12月16日付100,000,000,000米ドルグローバル・ミディアム・ターム・ノ ート・プログラム(その後の補完を含む。 ) (以下「本プログラム」という。 )および2014年7月上旬頃に 調印される予定の最終条件書(Final Terms)に基づき、2014年7月15日(以下「発行日」という。)に ユーロ市場で発行され、Nomura International plcにより引受けられる。ユーロ市場で発行される本社 債の額面総額は、 (未定) (上記の仮条件に基づく本社債の需要状況を勘案した上で決定される。 )である。 本社債は、いかなる証券取引所にも上場されない。 (2) 上記仮条件は市況により変更される可能性がある。 - 2 摘 要 本社債について、発行会社の依頼により、金融商品取引法(昭和23年法律第25号) (以下「金融商品取 引法」という。 )第66条の27に基づき登録された信用格付業者から提供され、もしくは閲覧に供された信 用格付またはかかる信用格付業者から提供され、もしくは閲覧に供される予定の信用格付はない。 ただし、発行会社は、本書提出日現在、発行会社が本プログラムに基づき発行する無担保優先債務に ついてスタンダード&プアーズ(オーストラリア)ピーティーワイ・リミテッド(以下「S&P」という。) からAA- の格付を、また、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・ピーティーワイ・リミテッド(以 下「ムーディーズ」という。 )からAa2 の格付をそれぞれ付与されている。 S&Pおよびムーディーズは、信用格付事業を行っているが、本書提出日現在、金融商品取引法第66条の 27に基づく登録がなされていない信用格付業者(以下「無登録格付業者」という。 )である。無登録格付 業者は、金融庁の監督および信用格付業者が受ける情報開示義務等の規制を受けておらず、金融商品取 引業等に関する内閣府令第313条第3項第3号に掲げる事項に係る情報の公表も義務付けられていない。 S&Pおよびムーディーズについては、それぞれのグループ内に、金融商品取引法第66条の27に基づく登 録を受けた信用格付業者として、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(登録番号: 金融庁長官(格付)第5号)およびムーディーズ・ジャパン株式会社(登録番号:金融庁長官(格付)第 2号)を有しており、各信用格付の前提、意義および限界は、インターネット上で公表されているスタ ン ダ ー ド & プ ア ー ズ ・ レ ー テ ィ ン グ ・ ジ ャ パ ン 株 式 会 社 の ホ ー ム ペ ー ジ ( http://www.standardandpoors.co.jp ) の 「 ラ イ ブ ラ リ ・ 規 制 関 連 」 の 「 無 登 録 格 付 け 情 報 」 (http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されている「格付の前提・意義・限界」お よびムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ (http://www.moodys.co.jp)の「信用格付事業」をクリックした後に表示されるページ)にある「無登 録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されている「信用格付の前提、意義及び限界」 において、それぞれ公表されている。 - 3 2【売出しの条件】 売出価格 額面金額の 100.00% 申込期間 2014年7月9日から 同年7月15日まで 申込単位 申込証拠金 申込受付場所 な し 売出人および売出取扱人 (以下に定義する。 )なら びに下記摘要(7)に記載 の金融機関の日本におけ る本店および各支店 豪ドル建債 1,000豪ドル ニュージーランドドル建債 1,000ニュージーランドドル 売出しの委託を受けた者の住所及び氏名又は名称 売出しの委託契約の内容 豪ドル建債 いよぎん証券株式会社 愛媛県松山市三番町五丁目10番地1 株式会社だいこう証券ビジネス 東京都中央区日本橋兜町13番1号 八十二証券株式会社 長野県上田市常田二丁目3番3号 売出人は売出取扱人に本社債の売出しの 取扱いを委託している。 ふくおか証券株式会社 福岡県福岡市中央区天神二丁目13番1号 ニュージーランドドル建債 株式会社だいこう証券ビジネス 東京都中央区日本橋兜町13番1号 ふくおか証券株式会社 福岡県福岡市中央区天神二丁目13番1号 (以下、 「売出取扱人」と総称する。 ) 摘 要 (1) 本社債の日本国内における受渡期日は2014年7月16日である。 (2) 本社債の各申込人は、売出人または売出取扱人の本支店において各申込人の名義で外国証券取引口座 を開設しなければならない。本書に別途規定する場合を除き、各申込人が売出人または売出取扱人との 間で行う本社債の取引に関しては、売出人または売出取扱人から交付される外国証券取引口座約款に基 づき、当該外国証券取引口座を通じて処理される。同約款の規定に従い、申込人に対する本社債の券面 の交付は行われない。 (3) 本社債については合衆国1933年証券法(以下「証券法」という。 )または合衆国におけるいかなる州も しくはその他の法域の証券法に基づいても登録されておらず、またこれがなされる予定もない。証券法 の登録義務を免除されているまたはその適用を受けない一定の取引において行われる場合を除き、合衆 国内において、または米国人(U.S.person) (証券法に基づくレギュレーションSにおいて定義される。 ) に対しもしくは米国人のために、本社債の募集、売出しまたは販売を行ってはならない。 - 4 (4) 本社債は、合衆国租税法の適用を受け、合衆国租税法令により認められた一定の取引において行われ る場合を除き、合衆国もしくはその属領において、または合衆国人(United States person)に対して、 本社債の募集、売出し、販売または交付を行ってはならない。本摘要(4)において使用されている用語は、 1986年合衆国内国歳入法(その後の修正を含む。以下「歳入法」という。 )およびそれに基づく規則にお いて定義された意味を有する。 (5) 本プログラムおよび本社債に関していかなる目論見書、商品開示書類またはその他の開示書類(オー ストラリアの2001年会社法(以下「会社法」という。 )において定義される。 )もオーストラリア証券投 資委員会(以下「ASIC」という。 )に対して提出されておらず、今後も提出されない。したがって、 (i)オーストラリアにおいて本社債の発行または売付けの申込みまたは買付けの申込みの勧誘(オー ストラリア国内の者によって受領される申込みまたは勧誘を含む。 )を行ってはならず、 (ii)オーストラリアにおいて、本社債に関連するオファリング・メモランダム、その他の勧誘資料 または広告の原稿、暫定版または最終版を配布または公表してはならない。 ただし、 (A)各申込対象者によって支払われる対価総額が少なくとも500,000豪ドル(または代替通貨に おいてそれに相当する金額) (申込者またはその関係者(associate)によって貸し付けら れた金額は算入しない。 )であるか、または当該申込みについて、会社法第6D.2節または 第7章に基づく投資家への開示を要求されない場合、 (B)かかる申込みの勧誘が、会社法第761G条の意味における「リテール顧客」に該当する者に 対して行われていない場合、 (C)かかる行為が適用あるすべての法律および指令を遵守している場合、および (D)かかる行為がASICに対して一切の書類の提出を必要としない場合は、 この限りではない。 会社法第708条(19)は、社債の発行または売付けの申込みについて、関連する発行会社がオーストラリ アの公認預金受入機関(以下「ADI」という。)である場合には、会社法第6D.2節に基づく投資家への 開示を必要としないことを規定している。本書の日付現在、発行会社はADIである。 (6) (a)ニュージーランドにおいて、直接または間接を問わず、本社債の申込み、売付けまたは交付を一切 行ってはならず、(b)本社債の申込みに関する投資勧誘資料または広告をニュージーランドにおいて一切 配布してはならない。ただし、(A)主たる事業が金銭の投資である者、事業遂行の過程または事業の目的 上反復継続して金銭の投資を行う者もしくは当該状況において公衆の一員であるという点以外によって 適切に選択されたとみなされる者に対する場合、(B)各申込対象者が本社債の割当て前に当該本社債に関 して支払う最小の応募価格が少なくとも500,000ニュージーランドドル(申込者、発行会社もしくは申込 者または発行会社の関係者(associate)によって貸し付けられた金額は算入しない。)である場合、も しくは(C)ニュージーランドの1978年証券法に抵触しないその他の状況にある場合には、この限りではな い。 (7) 売出人および売出取扱人の一部は、金融商品取引法第33の2に基づく登録を受けた銀行等の金融機関 に、本社債の売出しの取扱業務の一部を行うことを委託することがある。 - 5 本社債のその他の主な要項 本社債は、発行会社およびドイチェ・トラスティー・カンパニー・リミテッド(「受託会社」)が2005年3月 17日付で締結した信託証書(その後の変更および補完を含む。「信託証書」 )ならびに(特に)発行会社、受託 会社および発行代理人、主支払代理人および代理銀行としてのドイチェ・バンク・エイジー ロンドン支店( 「主 支払代理人」または「代理人」 )および当該契約に定められたその他の支払代理人(以下主支払代理人と共に「支 払代理人」)の間で締結された2013年12月16日付変更・改訂代理人契約(その後の変更および補完を含む。「代 理人契約」 )により設定された本プログラムに基づき発行される。以下は、本社債の主要な要項(「本要項」)で ある。 1.様式、券面の種類および権原 本社債は、上記「1.売出有価証券-売出社債(短期社債を除く。 )-各社債の金額」記載の通貨および額面 金額の無記名式であり、それぞれ利札(「利札」 )が付される。本社債は、記名式に交換されない。 以下の規定に服することを条件として、本社債および利札上の権利は、引渡しにより移転する。発行会社、 代理人および受託会社は、法令により別途の取扱いが要求される場合を除き、本社債および利札の所持人を、 あらゆる目的上、支払期日超過の有無を問わず、かつ所有に関する通知または券面上の書き込みまたは過去の 紛失または盗難に関する通知にかかわらず、当該本社債または利札の無条件の所有者とみなし、また所持人と して取り扱うことができる。ただし、大券(下記に定義する。 )の場合については次の段落に記載する内容に従 う。 本社債は当初、無記名式の大券( 「大券」 )により表章される。本社債が、ユーロクリア・バンクS.A./N.V.( 「ユ ーロクリア」)および/またはクリアストリーム・バンキング・ソシエテ・アノニム(「クリアストリーム・ル クセンブルグ」 )のために保有されている大券により表章されている限り、ユーロクリアおよび/またはクリア ストリーム・ルクセンブルグの記録においてその時々に当該本社債の特定額面金額の所持人であると表示され ている各人(ユーロクリアまたはクリアストリーム・ルクセンブルグを除く。)(これに関してはいずれかの者 の口座に貸記されている当該本社債の額面金額についてユーロクリアまたはクリアストリーム・ルクセンブル グが発行する証明書その他の書類は、明白な誤りがない限り、すべての目的のために確定的なものとして拘束 力を有する。 )が、発行会社、代理人および受託会社により、すべての目的のために本社債の当該額面金額の所 持人であるとみなされる。ただし、本社債の特定額面金額にかかる元本および利息の支払いについてはこの限 りでなく、かかる目的のためには当該大券の所持人が、当該大券の条項に従い、発行会社、代理人および受託 会社により当該本社債の所持人であるとみなされ、 「本社債権者」 、 「本社債」の所持人の用語および関連する用 語はこれに従って解釈される。上記のとおり、特定の者が上記本社債の特定額面金額について権利を有するか を決定するにあたっては、受託会社は、その絶対的裁量により適切であると判断する証拠および/または情報 および/または証明書に依拠することができ、受託会社がかかる依拠を行う場合、かかる証拠および/または 情報および/または証明書は、明白な誤りがない限り、確定的なものとして拘束力を有する。 大券によって表章される本社債は(場合に応じて)ユーロクリアおよびクリアストリーム・ルクセンブルグ の当面の規則および手続に従ってのみ移転することができる。 2.地位 本社債および利札は、発行会社の非劣後、直接の無担保債務を構成し、発行会社のその他すべての無担保か つ非劣後の債務と同順位である(ただし、適用ある法律の強行規定により優先する債務を除く。 ) 。なお、オース - 6 トラリアの1959年銀行法(以下「銀行法」という。)第2章第2節およびオーストラリアの1959年準備銀行法(以 下「準備銀行法」という。 )第86条において規定されるものを含むがこれらに限定されない。 発行会社は、オーストラリアにおいて、銀行法上の「公認預金受入機関(ADI)」である。このため、銀行法ま たは準備銀行法のその他の強行規定、もしくはその他の適用法令に限らず、銀行法第2章第2節第13A条は、発 行会社がその債務を履行することができなくなった場合、または支払いを停止した場合、オーストラリアにお ける発行会社の資産は、発行会社のその他すべての債務(発行会社が発行した本社債を含む。)に優先してオー ストラリアにおける特定債務の履行に充当される旨を規定している。これらの特定債務には、保護口座(銀行 法に定義される。)に係る発行会社の債務、オーストラリア準備銀行(RBA)に対する債務およびオーストラリア 健全性規制庁(APRA)に対する一定の債務が含まれる。発行会社が発行したカバードボンドのカバープールに おける発行会社の資産等の一定の資産は、銀行法第13A条上のオーストラリアにおける構成資産から除外され、 これらの資産はかかるカバードボンドの保有者およびその他一定のカバードボンドに関する担保債権者による 優先的請求権の対象となる。 発行会社が発行した本社債に関して、法律に基づき本社債権者の請求権に優先する請求権(上記の銀行法の 規定に基づく場合を含むがこれに限定されない。)には、大半の預金が含まれ、相当多額に上り、本社債の要項 により制限されない。オーストラリアにおける構成資産から除外され、上記のカバードボンドに関連する優先 的請求権の対象である発行会社の資産もまた相当多額である可能性がある。さらに、適用法令の今後の変更に より、法律に基づき優先される負債または除外される資産が拡大する可能性がある。 本社債は、発行会社における預金債務や、銀行法上の保護口座でないため、オーストラリアその他の法域の 政府、政府機関もしくは補償制度またはその他の者による保険の対象とならない。発行会社が発行した本社債 は、何人によっても保証されない。 3.利息その他の計算 豪ドル建債 本社債の利息は、上記「1.売出有価証券-売出社債(短期社債を除く。)」に記載の利率で、2014年7月15 日( 「利息開始日」 ) (同日を含む。 )から2018年7月12日(同日を除く。 )までの期間に対しこれを付し、2015年 1月12日を初回として、償還期限まで年2回、毎年1月12日および7月12日(以下それぞれ「利払日」という。 ただし、下記の調整に従う。)に、前利払日(但し、初回の利払日については利息開始日) (同日を含む。 )から 当該利払日(同日を除く。 )までの期間分が下記第5項「支払い」に従い、後払いされる。 ただし、利息開始日(同日を含む。 )から初回の利払日(同日を除く。 )までの期間について額面金額1,000豪 ドルの各本社債につき支払われる利息の金額は(未定)豪ドルとし、その後の利払日(同日を含む。 )から翌利払 日(同日を除く。)までの期間について額面金額1,000豪ドルの各本社債につき支払われる利息の金額は(未定) 豪ドルである。 固定利息期間(以下に定義する。 )以外の期間に対する利息を計算する必要がある場合、かかる利息は上記「1. 売出有価証券-売出社債(短期社債を除く。) 」に記載の利率に以下の金額を乗じて得られた金額に、いずれの 場合も日割計算係数(以下に定義する。)を乗じ、その結果生じた豪ドルの補助通貨単位(以下に定義する。) 未満の金額を四捨五入するかまたは適用ある市場の慣行に従って処理した金額とする。 (a) 本社債が大券によって表章されている限りは、当該大券によって表章されている本社債の未償還の券面 総額、または (b) 本社債が確定社債券である場合には、1,000豪ドル。 - 7 本第3項「利息その他の計算」において、 「日割計算係数」とは、直近の利払日(または該当する利払日がない場合は利息開始日。 ) (同日を含む。)か ら該当する支払日(同日を除く。)までの期間の日数(1年を各月30日の12か月からなる360日として計算した 日数とする。 )を360で除した値をいう。 「固定利息期間」とは、利払日(または利息開始日) (同日を含む。 )から翌利払日(または初回の利払日) (同 日を除く。 )までの期間をいう。 「補助通貨単位」とはオーストラリアにおいて法定通貨として通用力の認められる最少金額をいう。 利払日が営業日(以下に定義する。)でない日に該当する場合、その直後の営業日を利払日とする。ただし、 その日が翌暦月にあたる場合には、直前の営業日とする。なお、いかなる場合にも当該利払日に支払われるべ き利息の額について調整は行われない。 「営業日」とは、シドニーおよびロンドンにおいて商業銀行および外国為替市場が決済を行っており、通常 業務(外国為替取引および外貨預金取引を含む。 )のために営業を行っている日をいう。 本社債の利息は、償還の日以降は付されない。ただし、適法な本社債の呈示がなされたにもかかわらず、本 社債の元本の支払が不当に留保または拒絶された場合はこの限りでない。この場合には、(a)かかる本社債につ いて支払われるべき金額が全額支払われた日、または(b)本社債について支払われるべき金員の全額が代理人ま たは受託会社(場合により)により受領され、信託証書に基づいて本社債権者に対してその旨が通知された日か ら5日後の日のいずれか早く到来する日まで、本社債の利息は発生する。 ニュージーランドドル建債 本社債の利息は、上記「1.売出有価証券-売出社債(短期社債を除く。)」に記載の利率で、2014年7月15 日( 「利息開始日」 ) (同日を含む。 )から2018年7月12日(同日を除く。 )までの期間に対しこれを付し、2015年 1月12日を初回として、償還期限まで年2回、毎年1月12日および7月12日(以下それぞれ「利払日」という。 ただし、下記の調整に従う。)に、前利払日(但し、初回の利払日については利息開始日) (同日を含む。 )から 当該利払日(同日を除く。 )までの期間分が下記第5項「支払い」に従い、後払いされる。 ただし、利息開始日(同日を含む。 )から初回の利払日(同日を除く。 )までの期間について額面金額1,000ニ ュージーランドドルの各本社債につき支払われる利息の金額は(未定) ニュージーランドドルとし、その後の利 払日(同日を含む。 )から翌利払日(同日を除く。 )までの期間について額面金額1,000ニュージーランドドルの 各本社債につき支払われる利息の金額は(未定) ニュージーランドドルである。 固定利息期間(以下に定義する。 )以外の期間に対する利息を計算する必要がある場合、かかる利息は上記「1. 売出有価証券-売出社債(短期社債を除く。) 」に記載の利率に以下の金額を乗じて得られた金額に、いずれの 場合も日割計算係数(以下に定義する。)を乗じ、その結果生じた豪ドルの補助通貨単位(以下に定義する。) 未満の金額を四捨五入するかまたは適用ある市場の慣行に従って処理した金額とする。 (a) 本社債が大券によって表章されている限りは、当該大券によって表章されている本社債の未償還の券面 総額、または (b) 本社債が確定社債券である場合には、1,000ニュージーランドドル。 - 8 本第3項「利息その他の計算」において、 「日割計算係数」とは、直近の利払日(または該当する利払日がない場合は利息開始日。 ) (同日を含む。)か ら該当する支払日(同日を除く。)までの期間の日数(1年を各月30日の12か月からなる360日として計算した 日数とする。 )を360で除した値をいう。 「固定利息期間」とは、利払日(または利息開始日) (同日を含む。 )から翌利払日(または初回の利払日) (同 日を除く。 )までの期間をいう。 「補助通貨単位」とはニュージーランドにおいて法定通貨として通用力の認められる最少金額をいう。 利払日が営業日(以下に定義する。)でない日に該当する場合、その直後の営業日を利払日とする。ただし、 その日が翌暦月にあたる場合には、直前の営業日とする。なお、いかなる場合にも当該利払日に支払われるべ き利息の額について調整は行われない。 「営業日」とは、シドニー、ロンドン、ウェリントンおよびオークランドにおいて商業銀行および外国為替 市場が決済を行っており、通常業務(外国為替取引および外貨預金取引を含む。 )のために営業を行っている日 をいう。 本社債の利息は、償還の日以降は付されない。ただし、適法な本社債の呈示がなされたにもかかわらず、本 社債の元本の支払が不当に留保または拒絶された場合はこの限りでない。この場合には、(a)かかる本社債につ いて支払われるべき金額が全額支払われた日、または(b)本社債について支払われるべき金員の全額が代理人ま たは受託会社(場合により)により受領され、信託証書に基づいて本社債権者に対してその旨が通知された日か ら5日後の日のいずれか早く到来する日まで、本社債の利息は発生する。 4.償還および買入れ (1) 最終償還 豪ドル建債 本社債が期限前に償還または買入消却されない限り、本社債は2018年7月12日に、その額面金額で償還され る。 ニュージーランドドル建債 本社債が期限前に償還または買入消却されない限り、本社債は2018年7月12日に、その額面金額で償還され る。 (2) 税務上の理由による期限前償還 発行会社が、(a)本社債の次回の支払いに際して、(A)オーストラリアまたはその下部の政府または税務当局 の課税に影響する法律または規則の改正もしくは変更、または(B)かかる法律規則の適用もしくは公式の解釈の 改正または変更で、その改正または変更の効力が本プログラムに基づく本社債の発行の合意がなされた日以降 に生ずるものが行われた結果、発行会社が下記第6項「租税」に記載される追加額を支払う義務を負った場合 または負う場合で、(b)かかる義務が発行会社によりとることが可能な他の合理的な手段により回避できないこ との通知を行う前に発行会社が受託会社に納得させた場合には、発行会社は、30日以上60日以内の事前の通知 - 9 を、受託会社および代理人に対し、また、下記第12項「通知」に従い本社債権者に対し行うことを条件として (かかる通知は取消不能である。)、発行会社の選択により、いつでも、償還のために指定された期日(当日を 除く。 )までの経過利息を付した金額で、本社債の全部または一部をその額面金額で償還することができる。た だし、発行会社がかかる追加額の支払義務を負うこととなる直近の日において、本社債に関する何らかの支払 いについて期限が到来している場合、その日に先立つ90日目の日よりも前にかかる償還の通知を行うことはで きない。 発行会社は、本要項に基づく償還の通知の公表前に、(i)かかる償還を実施する権利がある旨および発行会社 の償還の権利に関する前提条件が発生している旨の事実を記載した発行会社の取締役2名の署名を付した証明 書、ならびに(ii)公認の独立した法律顧問により発行会社が当該変更または修正の結果、かかる追加額を支払 う義務を有すること、または有することとなることおよび利息の支払いが上記のとおり「分配」として取り扱 われることを記載した意見書を、受託会社の指定事務所において本社債権者による閲覧を可能とするために、 受託会社に交付する。受託会社は、かかる証明書および意見書を上記の前提条件を満たす十分な証拠として受 領することができ、かかる場合そのような取扱いは本社債権者および利札所持人に対し確定的なものとして効 力を有する。 (3) 買入れ 発行会社またはその子会社は、任意の価格でいつでも本社債を公開市場でまたはその他の方法で買い入れる ことができる(ただし、確定社債券の場合は期限未到来の利札すべてを伴うことを条件とする。)。かかる買い 入れられた本社債は、保有、再発行、再売却または発行会社の選択により消却のために支払代理人に提出され ることができる。 (4) 消却 償還されたすべての本社債は(かかる本社債に付されているかまたはそれとともに提出されているすべての 期日未到来の利札を含む。 )直ちに消却される。消却された本社債または上記(3)に従い買い入れられ、かつ、 消却された本社債は代理人に送付され、再発行または再売却できない。 5.支払い (1) 支払いの方法および条件 豪ドル建債 以下に定めるところに従い、支払いは、支払受領者がシドニーの銀行に保有する豪ドル建て口座への送金ま たは支払受領者の選択により、シドニーの銀行を支払場所とする豪ドル建て小切手により行われる。 支払いは支払場所に適用のある金融その他の法令の規定に服するが、下記第6項「租税」の規定を害するこ とはない。 疑義を避けるため、本社債についての一切の金額の支払は、歳入法第1471項から1474項まで、現在または将 来の規則またはこれらの正式な解釈、歳入法第1471(b)項により締結された合意、あるいは歳入法のこれらの条 項の実施に関連して締結された政府間の合意に基づくあらゆる財政上または規制上の規制、規則および実務に 基づき要求される控除または源泉徴収後の金額により行われ、これらの控除または源泉徴収について発行会社 は追加金額を支払う必要がない。 - 10 ニュージーランドドル建債 以下に定めるところに従い、支払いは、支払受領者がオークランドおよびウェリントンの銀行に保有するニ ュージーランドドル建て口座への送金または支払受領者の選択により、オークランドおよびウェリントンの銀 行を支払場所とするニュージーランドドル建て小切手により行われる。 支払いは支払場所に適用のある金融その他の法令の規定に服するが、下記第6項「租税」の規定を害するこ とはない。 疑義を避けるため、本社債についての一切の金額の支払は、歳入法第1471項から1474項まで、現在または将 来の規則またはこれらの正式な解釈、歳入法第1471(b)項により締結された合意、あるいは歳入法のこれらの条 項の実施に関連して締結された政府間の合意に基づくあらゆる財政上または規制上の規制、規則および実務に 基づき要求される控除または源泉徴収後の金額により行われ、これらの控除または源泉徴収について発行会社 は追加金額を支払う必要がない。 (2) 確定社債券および利札の呈示 確定社債券の元本の支払いは(以下に定めるところに従い) 、確定社債券の呈示および提出により、確定社債 券の利息の支払いは(以下に定めるところに従い)利札の呈示および提出により(かかる呈示および提出はい ずれも支払代理人の指定事務所で行われる。 ) 、上記(1)の方法により行われる。 確定社債券を支払いのために呈示する場合は、当該社債にかかる期限未到来の利札とともに呈示しなければ ならず、これが行われない場合は、呈示されない利札の金額(または、元本全額の支払いではない場合は、残 存する元本額に対する支払われない元本額の割合と同じ割合をかかる呈示されない利札の金額に乗じた金額) は支払いから控除される。かかる控除された金額の支払いは、該当する利札の提出(元本については関連日(下 記第6項「租税」に定義する。 )から10年以内に(該当する利札が第7項「時効」により無効になっているか否 かを問わない。 ) 、利息については支払期限から5年以内に呈示される必要がある。 )と引換えに、上記の方法に より行われる。 (3) 大券に関する支払 大券により表象される本社債にかかる元本および利息の支払いは(以下に定めるところに従い) 、支払代理人 の指定事務所において、(該当する場合は)当該大券の呈示または提出により、上記に記載する確定社債券の場 合の方法およびその他当該大券において指定する方法で行われる。かかる大券について支払いがなされる都度、 その記録が、支払いのため当該大券の呈示を受けた支払代理人により当該大券の券面上またはユーロクリアお よびクリアストリーム・ルクセンブルグの記録のいずれかにおいて元本の支払いと利息の支払いを区分してな される。 (4) 支払いに適用される一般的条項 大券の所持人は、当該大券により表象される本社債についての支払いを受けることのできる唯一の権利者と し、発行会社は、当該大券の所持人に対しまたはその指図に従って支払いを行えば、そのように支払われた各 金額について免責される。ユーロクリアまたはクリアストリーム・ルクセンブルグの記録において本社債の当 該額面金額の実質所持人であると表示された者は、発行会社が当該大券の所持人に対しまたはその指図に従っ て行った各支払いの自己の持分についてユーロクリアまたはクリアストリーム・ルクセンブルグに対してのみ 請求権を有する。 - 11 (5) 支払日 豪ドル建債 本社債または利札の支払いの日が支払日ではないときは、かかる本社債または利札の保有者は該当する場所 において直後に到来する支払日(ただし、その日が翌暦月にあたる場合には直前に到来する支払日)まで支払 いを受ける権利を有さない。なお、当該支払期日に支払われるべき利息の額について調整は行われない。これ らの目的において、「支払日」とは(下記第7項「時効」に服するものとして) 、以下の場所において商業銀行 および外国為替市場が支払いを決済し、一般業務(外国為替取引および外国通貨の預金を含む。 )を行う日をい う。 (i) (本社債が確定社債券のみである場合には)該当する呈示場所、および (ii) シドニーおよびロンドン ニュージーランドドル建債 本社債または利札の支払いの日が支払日ではないときは、かかる本社債または利札の保有者は該当する場所 において直後に到来する支払日(ただし、その日が翌暦月にあたる場合には直前に到来する支払日)まで支払 いを受ける権利を有さない。なお、当該支払期日に支払われるべき利息の額について調整は行われない。これ らの目的において、「支払日」とは(下記第7項「時効」に服するものとして) 、以下の場所において商業銀行 および外国為替市場が支払いを決済し、一般業務(外国為替取引および外国通貨の預金を含む。 )を行う日をい う。 (i) (本社債が確定社債券のみである場合には)該当する呈示場所、および (ii) シドニー、ロンドン、ウェリントンおよびオークランド (6) 元本および利息の解釈 本要項において、本社債に関する元本には以下を含むとみなす。 (a) 元本に関し、下記第6項「租税」またはこれに追加もしくは代替する信託証書の条項に従い支払われる 追加額、および (b) 本社債の償還金額 本要項において、本社債に関する利息には、下記第6項「租税」またはこれに追加もしくは代替する信託証 書の条項に従い支払われる追加額を含むとみなす。 6.租税 本社債および利札につき発行会社により支払われるべき元本および利息の発行会社による支払いはすべて、 オーストラリア連邦またはその下部行政主体または域内のもしくはその課税当局によりまたはそれらのために 課せられる現在または将来の税金、負担金、政府賦課金または租税公課を課されることなく、かつ源泉徴収ま たは控除されることなく支払われるものとする。ただし、かかる租税公課の源泉徴収または控除が法律により 要求される場合はこの限りでない。その場合、発行会社は、本社債権者または利札所持人がかかる源泉徴収ま たは控除後に受領する元本および利息の正味金額が、かかる源泉徴収または控除がなければ受領し得たであろ うそれぞれの金額と等しくなるように必要な追加額を支払う。ただし、かかる追加額は、下記の税金、負担金、 政府賦課金または租税公課については支払われない。 - 12 (1) 本社債または利札についての元本および利息の支払いについて税額控除または源泉徴収以外の方 法により支払われるべきもの (2) 本社債権者、利札所持人または実質的所有者がオーストラリアとの間に何らかの個人的または事業 上の関係を現在有し、または過去に有していたこと(ただし、単に本社債の保有および本社債に基 づく支払いの受領、もしくは支払いが(課税目的上そのようにみなされる場合を含む。)オースト ラリアを源泉として行われ、またはオーストラリア内で担保されている事実を除く。)を理由に支 払われるべきもの(ニュージーランドの住民源泉徴収税を除く。 ) (3) 本社債権者、利札所持人または実質的所有者が、国籍、住所、身元または課税管轄に関する証明、 身元証明またはその他の報告義務を怠ったことのみを理由として課されるもの (4) 関連日(下記に定義する。)から30日経過後に効力が発生した法改正を理由とするもの、ただし、 かかる保有者がかかる30日目の日(かかる日が上記第5項「支払い」に定義する支払日であること を前提とする。 )に呈示すれば権利を有したであろう追加額の限度を除く (5) 財産税、相続税、贈与税、売買税、譲渡税、個人財産税その他類似の税金、負担金その他の賦課金 (6) 本社債権者、利札所持人または実質所有者が、オーストラリア1936年所得税査定法(「オーストラ リア税法」 )第128条Fにおける発行会社の関連法人であることを理由として支払われるべきもの (7) オーストラリア税法第4A章(またはその改正またこれに代替する条項)に基づき、オーストラリ ア連邦税務コミッショナーが、その決定の対象となるスキームが存在しなければ源泉徴収税が課さ れなかったであろう支払いについて源泉徴収税が支払われるべきことを決定したもの (8) かかる源泉徴収または控除が個人に対する支払いについてなされるものであり、かつ欧州理事会指 令2003/48/ECまたはかかる指令を実行もしくは遵守する法またはかかる指令との整合性をはかる ために導入された法に基づき、要求されるもの (9) 本社債または利札を欧州連合加盟国内の他の支払代理人に呈示することによりかかる源泉徴収ま たは控除を回避できたはずである本社債権者または利札所持人により、またはかかる者を代理して、 支払いのための呈示がなされたことにより支払われるべきもの (10) 本社債権者が、信託またはパートナーシップであり、もしくは支払いを受ける権利の単独の実質的 所有者以外の者である場合で、かかる信託の受益者または委託者、パートナーシップの構成員また はその他の実質的所有者が、本社債権者または利札所持人であった場合には追加額の支払いを受け る権利を有しないであろう場合の、発行会社による本社債権者または利札所持人に対する本社債券 または利札の元本または利息の支払いに課されるもの、または (11) 上記(1)から(10)の複数に該当するもの 本書において、 「関連日」とは、当該本社債または利札にかかる支払いについて最初に支払期限が到来する日 をいう。ただし、本社債または利札について支払われるべき金員の全額がかかる日以前に受託会社または代理 人により適法に受領されていない場合は、当該金員がその旨が下記第12項「通知」の規定に従い本社債権者に 適法に通知された日をいう。 疑義を避けるため、本社債および利札についての一切の金額の支払は、歳入法第1471項から1474項まで、現 在または将来の規則またはこれらの正式な解釈、歳入法第1471(b)項により締結された合意、あるいは歳入法の これらの条項の実施に関連して締結された政府間の合意に基づくあらゆる財政上または規制上の法令、規則お - 13 よび実務に基づき要求される控除または源泉徴収後の金額により行われ、これらの控除または源泉徴収につい て発行会社は追加金額を支払う必要がない。 7.時効 本社債および利札は、元本および利息について請求をしなければ、関連日(上記第6項「租税」に定義する。) から10年経過後に(元本について)または5年経過後に(利息について) 、それぞれ時効消滅する。 8.債務不履行事由 下記事由(「債務不履行事由」 )のいずれかが発生した場合(ただし、下記(3)、(4)、(5)、(6)、(8)または(9) に記載の各事由の場合は、受託会社がまず、当該事由が受託会社の判断によれば本社債権者の利益を著しく害 することを書面で発行会社に対し証明した場合に限る。) 、受託会社は発行会社に対し、その裁量により、発行 会社が受託会社の書面による通知を受領する前にかかる事由を治癒していない限り、発行会社は信託証書に定 めるところに従い本社債について直ちに期限の利益を喪失し、本社債はその額面金額により経過利息とともに 支払われるべきものとなることを通知することができ、またその時の本社債の未償還額面金額の少なくとも4 分の1以上を保有する本社債権者により書面で請求された場合または特別決議により指示された場合は(受託 会社がその満足する補償および/または担保および/または資金を提供されることを条件に) 、かかる通知を行 わなければならない。 (1) 発行会社が本社債またはそのいずれかについての元本の支払いをその期限に行わず、かかる不履行 が7日間継続する場合 (2) 発行会社が本社債またはそのいずれかについての利息の支払いをその期限に行わず、かかる不履行 が30日間継続する場合 (3) 発行会社が本要項または信託証書に基づくその他の義務の履行または遵守を怠り、受託会社から発 行会社に対する治癒を要求する通知が発行会社により受領された翌日から30日を経過してもなおか かる事由が治癒されない場合 (4) 発行会社の財産、資産または収益の一部について、発行会社が本社債に基づく義務を履行する能力 に重要な影響を及ぼす差押え、強制執行その他の法的手続が課され、実行され、または取得され、 または有効とされ、以後14日以内に取消しまたは停止されないとき (5) 発行会社の事業、財産、資産または収益の全部または一部について担保権者が占有を開始し、また は破産管財人もしくは財産管理人が選任されたとき(非遡求合意(non-recourse)に基づき借り入 れまたは調達された金員に関するものを除く。 ) (6) 発行会社が、(ⅰ)支払不能となりまたは発行会社の債務を期限に支払うことができないとき、(ⅱ) 発行会社についてまたはその事業、財産、資産または収入(ノンリコースの条件で借入れまたは調 達した金銭を除く。 )の全部または一部について発行会社が清算人、管財人または財産管理人の選任 を申請しまたは同意をし、あるいは選任を受けたとき、または(ⅲ)法律に基づき発行会社の債務ま たはその一部の整理もしくは猶予について手続を開始したとき、または債権者との間でもしくは債 権者のために、全般的な譲渡、取決めまたは和解を行った場合 (7) 発行会社の「清算」(以下に定義する。)の命令が下され、または清算のための有効な決議が可決さ れたとき(破産または支払不能を伴わない合併または再編のスキームに基づいてまたはそれに関連 して行われるものを除く。 ) - 14 (8) 発行会社の債務について支払猶予が合意されまたは宣言されたとき、または政府機関が発行会社の 資産または資本の全部または重要な部分を接収、差押え、強制収用または没収したとき、または (9) 発行会社が、(ⅰ)オーストラリアにおいて銀行業を廃止し、または銀行法(あらゆる改正および再 制定を含む。 )に基づきオーストラリアで銀行業を営むことのできる発行会社の権限が取り消された 場合、または、(ⅱ)発行会社が合併その他の方法によりその事業の全部を売却または処分する取決 めまたは合意を締結した場合。ただし、(ⅱ)の場合に限り、(a)下記第10項「社債権者集会、修正、 免責、決定および代替」に基づき、本社債に基づく主たる債務者の代替を生じさせる破産または支 払不能を伴わない合併または再編のスキームに基づくもしくは関連しているもの、または(b)特別決 議により本社債権者の同意を得て行われるものを除く 「清算」とは、適用法令(オーストラリアの場合には、会社法を含む。 )の下で管轄権を有する裁判所による 清算をいう。 本要項第8「債務不履行事由」のその他の条項にかかわらず、本要項第8(7)以外の本社債の債務不履行事由 は、Tier1キャピタルまたはTier2キャピタル(APRAが随時定義するところによる。 )を構成する株式、社債また はその他の有価証券もしくは証書に関し、発行会社が義務を履行しないこともしくはこれを遵守しないこと、 または猶予の合意もしくは宣言を行うこと、あるいは法的手続きをとることのみによっては発生しない。 9. 執行 受託会社はいつでも、その裁量によりかつ通知を行わずに、信託証書、本社債および利札の規定を執行する ために受託会社が適切と判断する手続または訴訟手続を発行会社に対して行うことができる。ただし、受託会 社は、(ⅰ)特別決議により指示されるかまたはその時の本社債の未償還額面金額の少なくとも4分の1以上を 保有する本社債権者により書面で請求され、かつ、(ⅱ)受託会社が満足する補償および/または担保および/ または資金を提供される場合に限り、かかる手続または信託証書に関連しているその他の行為を行う義務を負 う。 本社債権者および利札所持人は、発行会社に対して直接手続を行う権利および発行会社の清算(上記第8項 「債務不履行事由」に定義する。 )において証明する権利を有しない。ただし、受託会社がかかる行為を行う義 務が生じたにもかかわらず合理的な期間内にこれを行わず、かつかかる懈怠が継続している場合は、本社債権 者または利札所持人は、受託会社が満足する補償および/または担保を提供したうえで、受託会社の名におい て(その他の名義によることはできない。 )受託会社と同程度に同一法域において自ら手続を行い、かつ/また は清算において証明を行うことができる(ただし、受託会社が本社債、利札および/または信託証書に関して 行う権利があること以上の行為を行うことはできない。 ) 。 10. 社債権者集会、修正、免責、決定および代替 信託証書には、特別決議による本社債、利札または信託証書の条項の修正または権利放棄を含め、本社債権 者の利益に関わる事項を審議するための社債権者集会の招集に関する規定が含まれている。社債権者集会は、 発行会社または受託会社が招集することができ、未償還本社債の額面金額の10分の1以上にあたる本社債を保 有する本社債権者が書面により社債権者集会の開催を請求する場合は、発行会社は社債権者集会を招集しなけ ればならない。特別決議を行うための社債権者集会の定足数はその時の未償還本社債の額面金額の50%以上を 保有または代表する者1名以上の出席とし、延会においては、保有もしくは代表する本社債の額面金額には拘 - 15 わらず本社債権者であるかまたはこれを代理する者1名以上の出席とする。ただし、本社債、利札または信託 証書の一定の条項の修正(本社債の満期日または利息の支払日の変更、元本金額の減額もしくは取消し、支払 われるべき本社債の利息の利率の減額もしくは取消し、または本社債もしくは利札の支払通貨の変更を含む。 ) を議題に含む集会の場合、定足数は、その時の未償還本社債の額面金額の3分の2以上、また延会の場合は未 償還本社債の額面金額の3分の1以上を保有するかまたは代表する者1名以上の出席とする。本社債の社債権 者集会で適法に可決された特別決議は(当該集会への出席の有無にかかわらず)すべての本社債権者および利 札所持人を拘束する。 信託証書は、(i)適式に招集された社債権者集会において議決権を有する者のうち、4分の3以上の本社債権 者および本社債権者を代理する者による賛成による決議が可決された場合、(ii)未償還の本社債の額面総額の 4分の3以上の本社債権者およびその代理人による書面決議が可決された場合、または(iii)該当する決済シス テムが行う電子的同意手続(受託会社が満足する方法による。 )により、未償還の本社債の額面総額の4分の3 以上の本社債権者およびその代理人による同意が取得された場合、これが本社債権者のための特別決議として 有効に成立することを定めている。 受託会社は、受託会社の見解によれば本社債権者の利益を著しく害するものでないと判断する場合、本社債 権者または利札所持人の承諾を要することなく、本社債または信託証書の規定の変更あるいはかかる規定の発 行会社による違反または予定された違反を授権しまたはこれについて権利放棄することに合意することができ、 また債務不履行事由または潜在的債務不履行事由(信託証書に定義する。 )を債務不履行事由ではないと決定す ることができる。受託会社は、受託会社が形式的であるか、些末であるか技術的であるとみなす修正、または 明白な誤りもしくは受託会社が証明されたと判断する誤りの訂正のための本社債または信託証書の修正に、本 社債権者または利札所持人の承諾を要することなく合意することができる。かかる修正、権利放棄、授権また は決定はすべての社債権者および利札所持人に対し拘束力を有し、 (受託会社が別途合意しない限り)本社債権 者に対し下記第12項「通知」に従い実務上可能な限り速やかに通知される。 受託会社は、自己に付与された信託、権限または裁量(修正、権利放棄、授権、決定または代替を含むが、 それらに限定されない。 )を行使するにあたり、本社債権者および利札所持人の集団として一般的利害を考慮す るが、その本社債権者および利札所持人の人数を問わず、特定の本社債権者または利札所持人の固有の利害は 考慮しない。とりわけ(上記の一般性を損なうものではないが) 、受託会社は、その保有額面金額を問わず、本 社債権者または利札所持人が何らかの目的で特定の領土またはその下部行政主体に本拠を置くか、居住するか またはその他により関係があるかまたはその管轄に服することの結果、受託会社が自己の信託、権限または裁 量を行使したことにより特定の本社債権者または利札所持人に及ぶ効果には留意せず、受託会社は、かかる行 使が特定の本社債権者または利札所持人に及ぼす税務上の効果につき発行会社または他の者に何らの補償また は支払いを要求することはできず、また本社債権者または利札所持人も発行会社受託会社または他の者にかか る請求をすることはできない(ただし、上記第6項「租税」において、および/または信託証書に従い、上記 第6項「租税」に加え、またはこれに代えて行われる約束または誓約において定める場合この限りでない。 ) 。 信託証書は、受託会社が、本社債権者または利札所持人の同意を要することなく、本社債、利札および信託 証書に基づく主たる債務者としての地位が発行会社(または、本要項に従う以前の代替債務者)から、発行会 社の子会社である他の会社に代替されることを発行会社と合意することができることを規定している。ただし、 (a)本社債が無条件かつ取消し不能な形で発行会社により保証され、(b)受託会社が、かかる代替により本社債 権者に重大な不利益が生じないことについて満足し、かつ(c)信託証書に定めるその他の一定の条件が満たされ ることを条件とする。 - 16 信託証書は、吸収合併または発行会社の破産または倒産を伴わない再編のスキームに関連して、(A)発行会社 がかかる吸収合併または再編の存続会社ではなく、または(B)発行会社のすべてまたは実質的にすべての資産 および事業が処分されまたは別組織により承継される(法律の適用によりまたは他の方法による)場合、受託 会社は、発行会社の単独の裁量により要求された場合、本社債権者または利札所持人の同意を要することなく、 本社債、利札および信託証書に基づく主たる債務者としての地位が、かかる吸収合併または再編のスキームに 従い発行会社が吸収合併されまたは発行会社のすべてまたは実質的にすべての事業および資産が移転され、承 継される(法律の適用によりまたは他の方法による)組織である他の会社(「代替債務者」)に代替されること を発行会社と合意することができることを規定している。ただし、以下を条件とする。 (ⅰ) 代替債務者が、受託会社が満足する様式および方法に従い、代替債務者が可能な限りすべての点にお いて信託証書における発行会社に代わる主たる債務者であったかのように、受託会社が適切であると 判断する必要な修正を含む信託証書に拘束されることに合意する補足信託証書に調印し、 (ⅱ) かかる吸収合併または再編のスキームにおいて、代替債務者が、発行会社のすべてのまたは実質的に すべての資産および事業を取得または承継し、 (ⅲ) 受託会社が、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・リミテッドおよびスタンダード・アンド・ プアーズ・レーティングズ・サービシズ(ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門)から、代替が 本社債の格付けに悪影響を及ぼさないことについての確認を受領し、かつ、 (ⅳ) 発行会社および代替債務者が、本要項に定める強制的代替が効力を生ずるために受託会社が合理的に 要求するその他の要求に従うこと。 11.代わり社債券および代わり利札 本社債の社債券または利札が紛失、盗難、毀損、記載消失または破損した場合には、代理人の指定事務所に おいて、請求者による新たな社債券の発行に関連する発行会社の費用の支払いおよび発行会社が合理的に要求 する証拠と補償の提供と引換えに、新たな社債券または利札と交換可能である。毀損または記載消失した社債 券は、代わり社債券または利札が発行される前に提出されなければならない。 12.通知 本社債に関するあらゆる通知は、ロンドンで一般的に購読されている英語による主要な日刊紙により公告さ れた場合に有効に行われたとみなされる。かかる日刊紙による公告はロンドンのフィナンシャル・タイムズに おいて行われることが予定されている。かかる通知は最初の掲載日に行われたものとみなされ、2以上の新聞 における公告が要求される場合は、要求される各新聞における最初の公告がすべてなされた日に行われたとみ なされる。上記の公告が実行可能でない場合は、受託会社が承認する方法により通知が行われ、受託会社が承 認する日に通知が行われたとみなされる。 確定社債券が発行されるまでは、大券の全体がユーロクリアおよび/またはクリアストリーム・ルクセンブ ルグを代理して保有されている限り、当該日刊紙による当該公告に代えて、ユーロクリアおよび/またはクリ アストリーム・ルクセンブルグから本社債の保有者への連絡の目的で、該当する通知がこれらの者に提供され る可能性がある。ユーロクリアおよび/またはクリアストリーム・ルクセンブルグに提供された通知は、当該 - 17 通知がユーロクリアおよび/またはクリアストリーム・ルクセンブルグに提供された日に本社債の保有者に通 知されたものとみなす。 13.準拠法および管轄合意 (1) 準拠法 信託証書、代理人契約、本社債および利札およびこれらに起因しまたは関連する契約上の義務以外の義務は 英国法を準拠法とし、同法に従って解釈される。 (2) 管轄合意 発行会社は、受託会社、本社債権者および利札所持人のために、信託証書、本社債および/または利札に基 づき、またはこれらに関連するすべての紛争(契約上の義務以外の義務に関する紛争を含む。 )を解決するため に、英国の裁判所が排他的管轄権を有し、発行会社が英国裁判所の排他的管轄権に服することに合意している。 発行会社は、英国の裁判所に対し、不便または不適切な管轄場所であることを理由とする異議申立てを行う 権利を放棄する。法律上許容される限りにおいて、受託会社、本社債権者および利札所持人は、信託証書、本 社債および利札に基づくまたは関連する、あらゆる訴訟、申立ておよび手続(契約上の義務以外の義務に関す る手続を含む。 ) (「法的手続」と総称)をあらゆる管轄において行うことができ、また、複数の法的手続を複数 の管轄において行うことができる。 (3) 送達代理人の選任 発行会社は発行会社のロンドン支店(現在、88 Wood Street, London, EC2V 7QQに所在)を送達代理人とし て指定する。発行会社は、発行会社ロンドン支店がそのような役割を負わなくなり、または英国内に登録住所 を有さなくなった場合には、受託会社が承認する他の者を英国の訴訟手続の送達代理人として任命することを 約束している。本項の規定は、法律により認められた他の方法による送達を行う権利に影響しない。 14. 代理人 当初の代理人およびその指定事務所は、次のとおりとする。 (主支払代理人) 名 称 所在地 DEUTSCHE BANK AG, London Branch Winchester House 1, Great Winchester Street (ドイチェ・バンク・エイジー ロンドン支店) London EC2N 2DB (支払代理人) 名 称 DEUTSCHE BANK Luxembourg S.A. (ドイチェ・バンク・ルクセンブルグ・ エス・エイ) 所在地 2 Boulevard Konrad Adenauer L-1115 Luxembourg 発行会社は、受託会社の事前の書面による承認(かかる承認は不合理に拒絶されてはならない。 )を得て、代 理人の任命を変更または解除し、追加のまたは別の代理人を任命しおよび/または代理人が行為する指定事務 - 18 所の変更をすることができる。ただし、(a)主支払代理人は常時存在しなければならず、および、(b)発行会社 は、欧州理事会指令(2003/48/EC)またはかかる指令に従う法律、またはかかる指令を遵守する目的で導入され た法律に従って税金の源泉徴収または控除義務を負わない欧州連合加盟国内に支払代理人1名を置かなければ ならない。 代理人は、代理人契約に基づき行為するに際して、発行会社の、または代理人契約に定める一定の場合にお いては受託会社の、代理人としてのみ行為し、本社債権者または利札所持人に対して一切の義務を負わず、ま た本社債権者または利札所持人との間で代理または信託関係を有さない。代理人契約は、代理人が合併し、組 織変更し、または併合されあるいはそのすべてまたは実質的にすべての資産を移転する組織が代理人の地位を 承継することに関する規定を含む。 15.受託会社に対する補償および発行会社と契約する受託会社 信託証書には、受託会社の補償および免責に関する規定が含まれており、かかる規定には受託会社の満足の いく形で補償および/または担保および/または資金が提供されない限りいかなる行為をとることも免除され る規定が含まれる。 また、信託証書には、受託会社が(a)発行会社および/または発行会社の子会社との間で営業取引を行い、お よび、発行会社および/または発行会社の子会社が発行し、保証しまたは関連するその他の有価証券の受託会 社となることができ、(b)かかる信託関係に基づきまたはこれに関連して権利行使し、義務を遵守または履行す ることを、本社債権者または利札所持人の利益または本社債権者または利札所持人に対する帰結を考慮せずに 行うことができ、かつ、(c)そこから生ずる利益を受領することができ、かかる利益について説明責任を負わな い、ことを定める条項が含まれている。 16.追加発行 発行会社は本社債権者または利札所持人の同意を得ることなく、随時、金額および初回の利息支払日を除く すべての点で同条件である追加の社債を創設・発行することができ、それらは本社債と併合され、単一のシリ ーズを構成する。 17.1999年契約(第三者の権利)法 いかなる者も、1999年契約(第三者の権利)法に基づき本社債の要項を執行する権利を有しない。ただし、 同法とは無関係に存在しまたは行使可能なあらゆる者の権利または救済は影響されない。 課税上の取扱い (a) 日本における課税 以下は本社債に関する日本国の租税上の取扱いの概略を述べたにすぎず、本社債に投資しようとする投資家 は、各投資家の状況に応じて、本社債に投資することによるリスクや本社債に投資することが適当か否かにつ いて各自の会計・税務顧問に相談することが望ましい。 本社債に投資した場合の日本国における課税上の取扱いは、現在以下のとおりである。 本社債の利息は、現行法令の定めるところにより、一般に利子として課税される。日本国の居住者および内 国法人が支払いを受ける本社債の利息は、それが国外で支払われ租税特別措置法第3条の3第1項に定める支 - 19 払いの取扱者を通じて交付される場合には、同法第3条の3第6項に定める公共法人等、金融機関および金融 商品取引業者等を除いて20.315%(15.315%の国税と5%の地方税)の源泉所得税が課される(内国法人が、 支払いの取扱者を通じて利息の支払いを受ける場合には、2016年1月1日から2037年12月31日までは15.315% (15.315%の国税)の税率となる。)。なお、源泉所得税額は、その利子につき外国税額が支払いの際に課され ているときは、かかる外国税額がなければ交付されたであろう金額に基づいて計算し、その額から外国税額が 控除される。日本国の居住者においては、当該源泉所得税の徴収により課税関係は終了する。内国法人におい ては、当該利息は課税所得に含められ法人税および地方税の課税対象となる。ただし、当該法人は上記源泉所 得税額を、一定の制限のもとで、法人税および地方税から控除することができる。 本社債の償還額が本社債の取得価額を超える場合の償還差益は、日本国の居住者の場合は、雑所得として取 扱われ、総合課税の対象になる(所得税法第35条第1項、所得税基本通達35-1(3))。内国法人の場合は、当 該償還差益は課税所得に含められ法人税および地方税の課税対象となる。 本社債の償還額が本社債の取得価額を下回る場合の償還差損は、日本国の居住者の場合は、所得税法上はな いものとみなされる。内国法人の場合は、当該償還差損は損金の額として法人税および地方税の課税所得の計 算に算入される。 本社債の譲渡による損益については、日本国の居住者の場合、譲渡益は非課税とされ、譲渡損は所得税法上 ないものとみなされる。内国法人の場合は、当該譲渡損益は課税所得に含められ法人税および地方税の課税対 象となる。 上記にかかわらず、日本国の居住者が2016年1月1日以後に支払いを受ける本社債の利息、および日本国の 居住者が2016年1月1日以後に本社債を譲渡しまたは償還を受けたことにより生ずる所得は、申告分離課税の 対象となる。 (b) オーストラリアにおける課税 以下は、本書の提出日時点におけるオーストラリアの1936年および1997年所得税査定法(以下「オーストラ リア税法」と総称する。 )に基づく本社債の「利息」 (オーストラリア税法において定義される。 )の支払いおよ び一定の他の事項に関する課税上の取扱いの概要である。この概要は網羅的ではなく、特に一定の種類の本社 債の保有者(本社債権者に代わって本社債を保有する証券ディーラー、カストディアン、あるいは他の第三者 を含む。 )の状況については対象としていない。 本社債を今後保有しようとする者は、本社債の要項が本社債の課税上の取扱いに影響を及ぼす可能性がある ことを認識する必要がある。以下は一般的な解説にとどまり、適切な注意をもって取り扱う必要がある。本社 債を今後保有しようとする者が課税上の取扱いに疑義を持つ場合には、本社債への投資の具体的状況に応じた 課税上の取扱いについて専門家の助言を求めるべきである。 1. 利息源泉徴収税 オーストラリア税法第3章第11A節に基づき課されるオーストラリアの利息源泉徴収税(以下「利息源泉徴収 税」という。 )は、同法第128F条に基づき以下のすべての条件が充足される場合には、発行会社により発行され た本社債について免除される。 (1) 本社債の発行時および利息(オーストラリア税法第128A条(1AB)項において定義される。)の支払時に おいて発行会社がオーストラリアの居住者であること。利息は、利息の性質をもつ、または利息を代 替する性質をもつ金額その他の一定の金額を含むものとして定義される。 - 20 (2) 本社債がオーストラリア税法第128F条において定義される債務証書(ただし株式持分ではない。 )であ ること。 (3) 本社債が公募基準を満たす方法で発行されること。公募基準を満足するためには、5つの主な方法が ある。公募基準の目的は、資本市場における貸主が、発行会社が発行される本社債の勧誘を行ってい ることを確実に認識することである。5つの方法の概略は以下のとおりである。 (a) 相互に関係を有しない10以上の金融機関または証券会社に対する勧誘 (b) 100以上の投資家に対する勧誘 (c) 上場された本社債の勧誘 (d) 公衆が入手可能な情報源を通じての勧誘、および (e) 上記のいずれかの方法で30日以内に本社債の売却の勧誘をするディーラー、幹事会社または 引受会社に対する勧誘 本社債を「大券」 (オーストラリア税法の定義による。 )として発行することも、公募基準を満たす。 また、これらのいずれか一つの方法により本社債を発行し本社債の利息を支払うことは、公募基準を 満たす。但し、発行の時点で、本社債または当該本社債に対する持分が発行会社の「関係者」(以下に 記載する、オーストラリア税法第128F条(5)項に基づき例外として認められている関係者を除く。 )によ り取得されているか後日取得が予定されている(直接または間接を問わない。)ことを発行会社が知ら ないかまたはこれを推測する合理的な理由がないことを要する。 利息の支払の時点で、受取人が発行会社の「関係者」(以下に記載する、オーストラリア税法第128F条(6)項 に基づき例外として認められている関係者を除く。 )であることを発行会社が知っている場合、またはこれを推 測する合理的な理由を有する場合、第128F条による適用除外は本社債について支払われる利息に適用されない。 関係者 オーストラリア税法第128F条において、発行会社の「関係者」とは、発行会社が受託者ではない場合の、(1)発 行会社の議決権付株式の50%超を保有しまたはその他の方法により発行会社を支配する個人または法人、(2)発行 会社により議決権付株式の50%超が保有されまたはその他の方法により支配される法人、(3)発行会社が信託によ り(直接または間接を問わず)便益を享受することができる場合の、当該信託の受託者、および(4)前記の(1)か ら(3)のいずれかに基づいて、発行会社の「関係者」である個人または法人の「関係者」に該当するその他の個人 または法人、を含む。 ただし、 「関係者」には、以下の関係者は含まれない。 (a) 国内の関係者(すなわち、オーストラリア居住者である関係者で、オーストラリア国外の恒久的施設 において、もしくは同国外の恒久的施設を通じて事業を行うことに関連して本社債を保有する者では ない者、またはオーストラリアの非居住者である関係者で、オーストラリア国内の恒久的施設におい て、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行うことに関連して本社債を保有する者) 、または (b) 海外関係者(オーストラリア国外における恒久的施設においてもしくはこれを通して事業を行う過程 で本社債を保有するオーストラリアの居住者またはオーストラリア国内の恒久的施設においてもしく はこれを通して事業を行う過程で本社債を保有するものではないオーストラリアの非居住者をいう。 ) で以下の資格において行為する者: - 21 (i) 同法第128F条(5)項の場合、本社債の募集に関連するディーラー、幹事会社もしくは引受会社、 証券決済機構、カストディアン、ファンド・マネージャー、登録投資運用スキームの責任を負 う法人;または (ii)同法第128F条(6)項の場合、証券決済機構、支払代理人、カストディアン、ファンド・マネージ ャー、登録投資運用スキームの責任を負う法人 オーストラリア税法第128F条の規定遵守 発行会社は、オーストラリア税法第128F条の条件を満たす方法で本社債を発行することを意図している。 最近の租税条約に基づく免除 オーストラリア政府は海外の国々(以下「特定締約国」という。 )との間で、数多くの新規の、または改正され た租税条約(以下「新条約」という。 )に署名した。 新条約では、利息源泉徴収税をゼロとすることにより、概ね以下の者が得た利息に対する利息源泉徴収税が非 適用となる(ただし、バック・ツー・バック・ローンまたはこれと経済的に同等の取決めに基づき支払われた利 息は当該免除の適用を受けることができない。 ) 。 ・特定締約国の政府ならびに特定締約国における一定の政府組織および政府機関 ・発行会社と関連性のない一定の(1)銀行および(2)その他の金融機関であって、実質的にその利益を資金の 調達および提供に関する事業を営むことによって得ており、かつ特定締約国の居住者である者 新条約は、米国および英国等を含む数多くの国において発効している。オーストラリア政府はこのような形態 の利息源泉徴収税の免除を含めるために積極的に租税条約を改正している。 無記名式の債券(オーストラリア税法第126条) オーストラリア税法第126条は、発行会社がオーストラリア税務局に保有者の名義人および住所を開示しない場 合には、無記名式である本社債の利息の支払に(現時点において)45%の料率の源泉徴収課税を行うとしている。 2014年7月1日から2017年6月30日までの間になされた利息の支払には暫定的に47%の料率の源泉徴収課税が適 用される見込みである。これは、オーストラリア議会が実施すると見込まれている時限的財政再建税(Temporary Budget Repair Levy)が勘案されたものである。そして2017年7月1日以降は45%の料率の源泉徴収課税が適用 される見込みである。同法第126条は、本社債の発行がオーストラリア税法第128F条の要件を充足する場合には、 オーストラリア国内の恒久的施設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行わないオーストラリ アの非居住者により保有されている本社債に対する利息支払については適用されないが、それ以外の場合には利 息源泉徴収税が課される。またオーストラリア税務局は、オーストラリア税法第126条の解釈上、債務証書(本社 債等)の保有者とは、当該債務証券を占有する者を指すことを確認した。したがって同法第126条の適用を受ける のは、本社債を占有している者が、オーストラリアの居住者であるか、もしくはオーストラリア国内の恒久的施 設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行うオーストラリアの非居住者である場合に限られる。 本社債に対する持分がユーロクリアまたはクリアストリーム・ルクセンブルグを通して保有されている場合、発 行会社はオーストラリア税法第126条の適用上はこれらの決済機関の運営者を保有者と扱う予定である。 - 22 2. その他の課税事項 現行のオーストラリア法では以下のとおりである。 (1) 国外の本社債権者の所得税:本社債についてオーストラリア税法第128F条の要件が充足されているこ とを前提に、オーストラリアの非居住者であり、かつ該当する課税年度を通じて、オーストラリア国 内の恒久的施設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行う過程で本社債を保有して いない本社債権者に対する元本および利息(オーストラリア税法第128A条(1AB)項に定義される。)の 支払についてはオーストラリアの所得税は課されない。 (2) オーストラリアの本社債権者の所得税: オーストラリアの居住者またはオーストラリア国内の恒久 的施設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行う過程で本社債を保有するオースト ラリアの非居住者(以下「オーストラリアの保有者」という。)は、オーストラリアの税法上、本社 債に関連して受領し、もしくはそれらの者に対して発生した所得について課される。所得の認識が、 現金の受領を基礎に行われるか、発生を基礎に行われるかは、個々の本社債権者および本社債の要項 による。オーストラリア国外の恒久的施設において、もしくは同国外の恒久的施設を通じて事業を行 う過程で本社債を保有するオーストラリアの居住者の課税については特別規定が適用されるが、当該 恒久的施設が所在する国により内容は異なる。 (3) 国外の本社債権者の本社債処分または償還益: オーストラリアの非居住者である本社債権者は、本 社債の売却または償還により当該年度中に実現した利益についてオーストラリアの所得税を課され ない。ただし、(a)かかるオーストラリアの非居住者が、オーストラリアと二重課税に関する条約を 締結している国の居住者ではない場合には、かかる利益がオーストラリアに源泉しないときに限り、 また、(b)かかるオーストラリアの非居住者が、オーストラリアと二重課税に関する条約を締結して いる国の居住者である場合には、かかるオーストラリアの非居住者が本社債をオーストラリア国内の 恒久的施設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行う過程で本社債を所有しないと きに限る。オーストラリアの非居住者である本社債権者から他のオーストラリアの非居住者に本社債 を売却したことにより発生した利益については、本社債がオーストラリア国外で売却され、かつすべ ての交渉と文書作成がオーストラリア国外で行われる場合には、所得の源泉がオーストラリアにある とはみなされないであろう。 (4) オーストラリアの本社債権者の本社債処分または償還益:オーストラリアの保有者は本社債のあらゆ る処分益を課税所得に計上することが求められる。オーストラリア国外の恒久的施設において、もし くは同国外の恒久的施設を通じて事業を行う過程で本社債を保有するオーストラリアの居住者の課 税については特別規定が適用されるが、当該恒久的施設が所在する国により内容は異なる。 (5) みなし利息:割引発行され、満期プレミアムが付されまたは最低年1回の利払いがなされない一定の 本社債が(オーストラリア国外の恒久的施設において、もしくは同国外の恒久的施設を通じて事業を 行う過程で本社債を取得していない)オーストラリアの居住者またはオーストラリア国内の恒久的施 設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行う過程で本社債を取得するオーストラリ アの非居住者に売却される場合には、利息源泉徴収税上本社債の購入価額の一部を利息として取扱う ことができるという特則がある。これらの特則は、仮に本社債をオーストラリアの非居住者が満期ま で保有したとしたらオーストラリア税法第128F条に基づき当該みなし利息への課税が免除されるよ うな場合には適用がない。 - 23 (6) 印紙税およびその他の税金:本社債の発行または譲渡に関して、オーストラリアにおいていかなる従 価印紙税、発行税、登録免許税または類似の税金も課されない。 (7) 本社債に関する支払に対するその他の源泉徴収税:オーストラリアの1953年税法管理法(以下「税法 管理法」 )という。)別表1第12-140項では、利息の受取人がオーストラリア納税者登録番号(以下「TFN」 という。)、または一定の場合にはオーストラリア事業番号(以下「ABN」という。)、もしくは該当あ る場合には他の例外的取扱いの証拠を提示しない限り、一定の記名式証券に対する利息の支払には 46.5%の料率(現行)の一定の種類の源泉徴収税が課されるとしている。2014年7月1日から2017年 6月30日までの間の利息の支払には暫定的に49%の源泉税率が適用される見込みである。これは、障 害者医療の導入による医療保険税の増加およびオーストラリア議会が実施すると見込まれている時 限的財政再建税(Temporary Budget Repair Levy)が勘案されたものである。そして2017年7月1日 以降は47%の源泉税率が適用される見込みである。本社債についてオーストラリア税法第128F条の要 件が充足されていることを前提に、オーストラリアの非居住者であり、かつオーストラリア国内の恒 久的施設において、もしくは同国内の恒久的施設を通じて事業を行う過程で記名式の本社債を保有し ていない本社債権者に対する支払については、税法管理法別表1第12-140項の要件は適用されない。 他の種類の記名式の本社債の保有者への支払は、本社債権者からTFN、ABNまたは該当する免除につい て適切な証拠の提示がない場合には、源泉徴収の対象になる可能性がある。 (8) 供給(サプライ)源泉徴収税:本社債に関する支払いについては、1953年オーストラリア税法管理法 (「税法管理法」 )別表1第12-190項に基づく「供給源泉徴収税」の課税を受けることなしに行うこと ができる。 (9) 消費税:本社債の供給は、課税済対内貨幣的供給取引に該当するか、または(海外応募者の場合には) 消費税免除の供給のいずれかに該当することから、本社債の発行、受領ともに、オーストラリアにお いて消費税の納税義務は発生しない。また発行会社による元本または利息の支払および本社債の売却 のいずれについてもオーストラリアにおいて消費税の納税義務は発生しない。 (10) オーストラリアの非居住者に対する一定の支払に対する追加的な源泉徴収:税法管理法の別表1第12 -315項は、オーストラリアの非居住者に対する一定の支払から源泉徴収することを求める規則の制 定権限をオーストラリア連邦総督に付与している。しかしながら同法第12-315項は、既に現行ルー ル上、利息およびその他の支払が利息源泉徴収税の対象となっているか、または利息源泉徴収税を免 除されている場合については、規則の適用がないことを明示的に規定している。さらに、規則を制定 できるのは、特定の支払が在留外国人の課税所得に合理的に関連する支払であることについて所管大 臣の納得を得られる場合に限られる。本書の日付より前に公布された規則で本社債の支払に関連する ものはない。今後の規則についても、発行時割引がない場合には償還額が課税所得に合理的に関連す ることは通常ないため、本社債の元本償還について適用のあるものはないとみられる。本社債の売却 代金に対する規則適用の可能性については、今後注視の必要がある。 (11) 外国為替損益に対する課税:オーストラリア税法第775節および第960節は、外国為替取引の課税上の 問題を扱う諸規則を含む。 規則は複雑であり、オーストラリア居住者またはオーストラリア国内で事業を行う過程でオーストラ リア・ドル建てではない本社債を保有するオーストラリアの非居住者である本社債権者にもこれらが 適用される可能性はある。かかる本社債権者は、本社債の保有から発生する外国為替損益の税務処理 方法について専門家に助言を求めるべきである。 - 24 (12) 金融取決めに対する課税:オーストラリア税法第230節は、一定の納税者に「金融取決め」からの損 益にかかる課税所得を計算するうえでの課税時期に関するルールを定めている。当該ルールは、利息 源泉徴収税の課税に関するルールを変更するものでも、オーストラリア税法第128F条に基づき適用可 能な利息源泉徴収税の免除に優先して適用されるものでもない。 さらに、当該ルールは、一定の納税者または一定の短期の「金融取決め」には適用されない。当該ル ールは、例えば、一般的に個人または一定のその他の団体(一定の年金基金および管理された投資ス キーム等)であって、一定の売上高または資産の水準に達していない本社債権者に適用されるべきも のではない。ただし、これらの者が自身の「金融取決め」に当該ルールを適用することを自ら選択し た場合はこの限りでない。本社債を今後保有しようとする者は、かかる選択を行うべきか否かについ て、自身の個別の状況に関して自ら税務に係る助言を得る必要がある。 第230-30条第(1)項および関連する解説文書には、第128F条の免除の結果として利息源泉徴収税が免 除される利息の支払いは原則として新規定に基づく課税の対象とならない旨が記載されている。 第3 【第三者割当の場合の特記事項】 該当なし 第4 【募集又は売出しに関する特別記載事項】 本社債に付随する市場リスクを評価する上で重要な要素 本社債はあらゆる投資家に適しているとは限らない 本社債への潜在的投資家は、各自の状況を踏まえて当該投資が適切であるかを判断しなければなら ない。特に、各潜在的投資家は、各自で、または財務その他の専門的アドバイザーの助言を得て、自 身が以下の条件に該当するか否かを考慮する必要がある。 (i) 本社債についてその投資のメリットとリスクならびに本書および該当する訂正発行登録書お よび発行登録追補書類に含まれている情報または参照することによりそれらと一体になる情報を有意 に評価するに十分な知識と経験を有しているべきである。 (ii) 本社債への投資および本社債がそのポートフォリオ全体に与える影響について、個々の財務状 況に応じて評価を行うために適切な分析ツールを入手することができ、またその知識を有しているべ きである。 (iii) 本社債への投資に伴うすべてのリスクを負うのに十分な資金力と流動性を有しているべきで ある。 - 25 本社債一般に関連するリスク 以下は本社債に一般的に関連する一定のリスクについての簡単な説明である。 本社債は、発行会社の預金債務ではない。 銀行法第2章第2AA節は、銀行法第2章第2AA節に基づき設立された金融請求制度(以下「金融請求 制度」という。)に基づく支払不能となったADIの預金口座の保有者の保護のための取決めについて規 定している。金融請求制度に基づき、オーストラリア健全性規制庁(Australian Prudential Regulation Authority) (以下「APRA」という。)が清算の申請を行い、かつオーストラリア政府の担当大臣が金融 請求制度の対象とすると宣言したADIにおいて正味貸方残高のある保護口座の保有者は、APRAからかか る残高および既発生かつ未請求の一定の利息の支払いを受ける権利を有する。ただし、各種調整およ び前提条件(かかる支払いを受ける権利は最大で各顧客につき250,000豪ドルであること等)に従うこ とを条件とする。保護口座の口座名義人の権利は、金融請求制度に基づき保護される範囲にまで削減 され、かかる削減の範囲内でAPRAの権利となる。 保護口座とは、以下の口座または特定の金融商品である(ただし、通貨を含む一定の条件に従い、ま た規則に別途規定される場合を除く。)。 (i) ADIが口座名義人に対し、要求に応じてまたは合意された期限に、かかる口座の正味貸方残高 を支払わなければならない場合、または、 (ii) その他規則に規定される場合。 オーストラリア財務相は、銀行法における保護口座として定められる商品の指定を公表した。 本社債は、発行会社の預金債務ではなく、銀行法第2章第2節の預金者保護規定または金融請求制 度における保護口座でもなく、また、オーストラリアおよびその他の法域の政府、政府機関もしくは 補償制度またはその他のいかなる者によっても保証されず、またはそれらによる保険の対象とならな い。 本社債に関する権利の実現に関する本社債権者の能力は、APRAによって制限される可能性がある。 APRAは、発行会社に一定の行為もしくは取引を行い、または行わないよう指示したり、一定の状況 において支払いを行わないよう指示したりする権限を含め、発行会社の事業に介入する広汎な権限を 有している。さらに、銀行法に基づき、APRAは、ADIが義務の履行ができなくなる可能性があると判断 した場合やADIが支払いを停止した場合を含む一定の場合には、ADIに対してADI法定管理者を選任する ことができる。銀行法第15C条に基づき、ADIとの契約の相手方は、ADIの事業がADI法定管理者の支配 下にあることを理由に当該契約に基づくADIの債務の期限の利益を喪失させることや当該契約に関連 する取引を終了させることができない。したがって、本社債権者は、ADI法定管理者が選任されたこと - 26 を理由に本社債の期限の利益を喪失させることができない可能性がある。さらに、APRAがADIの事業の 強制的譲渡を要求する等その他の方法でADIの事業に介入した場合にも、本社債権者は権利の実現に際 して同様の制限に服する可能性がある。 外国口座税務コンプライアンス法による源泉徴収 本社債は、大券によりユーロクリア・バンクS.A./N.V.およびクリアストリーム・バンキング・ソシ エテ・アノニム(併せて「ICSD」)において保有されるが、極めて稀有な状況を除き、ICSDが受領する 支払金の額が米国の外国口座税務コンプライアンス法(本段落において「FATCA」)の影響を受けるこ とは想定されない。しかし、FATCAは、関連する保管機関または仲介機関が全体としてFATCAによる源 泉徴収を課されることなく支払金を受領することができなければ、保管機関または仲介機関から最終 投資家に至る支払いの一連の流れにおいて当該保管機関または仲介機関に対する支払いに影響を及ぼ す可能性がある。FATCAはまた、FATCAに基づく源泉徴収を課されることなく支払金を受領する権利を 有しない金融機関である最終投資家、もしくは支払金がFATCAの源泉徴収の対象とならないようにする ために必要となる可能性がある情報、様式、その他の文書もしくは同意をブローカー(もしくは支払 金の交付者であるその他の保管機関または仲介機関)に対して提供しない最終投資家に対する支払い にも影響が及ぶ可能性がある。投資家は、保管機関または仲介機関を選定するにあたって、それらが FATCAもしくはFATCAに関連するその他の法律または協定を確実に遵守しているかどうか注意するとと もに、当該保管機関または仲介機関がFATCAの源泉徴収の対象とせずに支払いを行うために要求する可 能性がある情報、様式、その他の文書もしくは同意をそれらに提供すべきである。投資家は、自身の 税務顧問に相談して、FATCAおよびFATCAが各投資家にいかなる影響を及ぼす可能性があるかについて の詳細な説明を得るべきである。本社債に基づく発行会社の義務は、ICSDの共同預託機関または共同 保管機関に対して支払いを行った時点で免責され、その後ICSDおよび保管機関または仲介機関を通し て順次送金される支払金額に対しては一切の責任を負わない。 変更、放棄および代替 社債の要項には、本社債権者の権益一般に影響を与える事項を検討するための社債権者集会を招集 する規定が含まれている。これらの規定は、定められている多数決法により、すべての本社債権者(関 連する集会に出席せず投票に加わらなかった本社債権者および過半数とは逆の意見への投票を行った 本社債権者も含む。)を拘束することを許している。 市場一般に関連するリスク 以下は、流動性リスク、金利リスクおよび信用リスクを含む主要な市場リスクについての簡単な説 明である。 - 27 グローバル金融市況 投資家は、 (本書の日付時点で存続している)一般的に広く報じられているグローバル金融市況に鑑 み、本社債およびこれと同種の証券の流通市場の流動性が少ない可能性があることに留意すべきであ る。かかる事態がいつ変化するかを発行会社が予測することは不可能である。 流通市場一般 本社債は発行時には確立した取引流通市場がなく、将来的にも形成されない可能性がある。また、 流通市場が形成された場合でも流動性が少ない可能性がある。したがって投資家は本社債を容易に売 却し得ず、また発達した流通市場を持つ同様の投資と同程度の利益をもたらす価格で売却することが できない可能性もある。 為替レートのリスクおよび為替管理 発行会社は豪ドル建債およびニュージーランドドル建債の元本および利息をそれぞれ豪ドルおよび ニュージーランドドルにより支払う。これにより、豪ドルおよびニュージーランドドルと日本円の間 の為替レートの変動によるリスクが生ずる。このリスクには、かかる為替レートに重大な変動が生じ る(豪ドルおよびニュージーランドドルの価値の日本円の価値に対する下落による変動を含む。 )可能 性があることのリスクおよび日本円について管轄権を有する当局が為替管理を課しまたは変更するリ スクが含まれる。豪ドルおよびニュージーランドドルに対する日本円の価値の増加により、(ⅰ)本社 債の日本円相当額の利回り、(ⅱ)本社債について支払われる元本額の日本円相当額、および(ⅲ)本社 債の市場価格の日本円相当額、はいずれも下落する。 政府および金融当局は、 (過去に行ったことがあるように)適用ある為替レートに不利な影響を及ぼ す為替管理もしくは投資家が豪ドルおよびニュージーランドドルの支払金を日本円に交換することを 妨げる為替管理を課す可能性がある。その結果、投資家は予想よりも少ない金額の利息または元本し か受け取れないか、もしくは利息または元本を一切受け取れない可能性がある。 金利リスク 本社債(固定金利)への投資には、市場金利の今後の変動が本社債の価値に悪影響を及ぼす可能性 のあるリスクを伴う。 信用格付にすべてのリスクが反映されているわけではない。 1つ以上の独立した信用格付機関が本社債に信用格付を付与することもある。これらの格付は、ス トラクチャー、市場、上述の追加要因に関連するすべてのリスクの潜在的影響や本社債の価値に影響 を与える可能性を持つその他の要因を反映していない可能性がある。信用格付は、本社債の購入、売 却、保有を勧めるものではなく、また格付機関により随時、変更または取消される可能性がある。 - 28 投資関連法令上の配慮により一定の投資が制限される可能性がある。 一部投資家の投資活動は、投資関連法令または一部の当局による審査もしくは規制の適用を受ける。 各潜在的投資家は、(1)本社債が自身にとって適法な投資であるか否か、またその度合い、(2)本社 債を様々な種類の借入の担保として使用することができるか否か、またその度合い、および(3)自身 が本社債を購入あるいは担保として提供することにその他の制約が適用されるか否か、またその度合 い、を判断するために各自の法律顧問に助言を求めるべきである。金融機関は適用あるリスク・ベー スの自己資本または類似の規制のもとでの本社債の適切な取扱いを判定するために、各自の法律顧問 または適切な規制当局に助言を求めるべきである。 - 29 [上記の社債以外の社債に関する情報] 第1【募集要項】 該当事項なし。 第2【売出要項】 以下に記載するもの以外については、有価証券を売出しにより取得させるに当たり、その都度「訂 正発行登録書」又は「発行登録追補書類」に記載します。 1【売出有価証券】 【売出社債(短期社債を除く。 ) 】 未定。 2【売出しの条件】 未定。 第3【その他の記載事項】 該当事項なし。 - 30 第二部【参照情報】 第1【参照書類】 会社の概況及び事業の概況等金融商品取引法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下 に掲げる書類を参照すること。 1【有価証券報告書及びその添付書類】 事業年度(2013年度) (自 平成24年10月1日 至 平成25年9月30日) 平成26年1月7日 関東財務局長に提出 2【四半期報告書又は半期報告書】 事業年度(2014年度中) (自 平成25年10月1日 至 平成26年3月31日) 平成26年6月12日 関東財務局長に提出 3【臨時報告書】 (1)1の有価証券報告書提出後、本訂正発行登録書提出日(平成26年6月24日)までに、金融商品 取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号の規定 に基づき、臨時報告書を平成26年1月7日に関東財務局長に提出 (2)1の有価証券報告書提出後、本訂正発行登録書提出日(平成26年6月24日)までに、金融商品 取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の規定 に基づき、臨時報告書を平成26年6月18日に関東財務局長に提出 4【外国会社報告書及びその補足書類】 該当なし 5【外国会社四半期報告書及びその補足書類並びに外国会社半期報告書及びその補足書類】 該当なし 6【外国会社臨時報告書】 該当なし - 31 7【訂正報告書】 訂正報告書(上記1記載の有価証券報告書の訂正報告書)を平成26年6月12日に関東財務局長に 提出 第2【参照書類の補完情報】 (1) 発行会社は、以下の要因が本社債に基づく発行会社の債務の履行能力に影響を与える可能性があ ると考える。すべてのこれらの要因は偶発的で、発生する可能性も発生しない可能性もあり、発行会 社はかかる偶発事象が発生する蓋然性について見解を表明する立場にない。 また、本社債に関連する市場リスクの評価上で重要な要素についても以下に記載されている。 発行会社は、以下に記載の要素が本社債に投資することに伴う主要なリスクであると考えるが、現 在発行会社が入手可能な情報に基づき重要なリスクとみなしていない、または発行会社が現在予測し 得ないようなその他の原因により本社債の、あるいは本社債に関連する、利息、元本またはその他の 金額の支払いができない可能性もある。潜在的投資家は本書の他の箇所に記載された詳細な情報にも 目を通し、投資決定に先立ち自らの判断を行うべきである。 銀行業務一般および金融情勢に関するリスクを含む当社グループに対する投資に特有のリスク 以下は当社および子会社全体(以下「当社グループ」という。)に関連する主要なリスクおよび不 確実性である。これらのリスクおよび不確実生は、重要度の高い順に記載されておらず、またこれら の一または複数のリスクが生じた場合、これによりもたらされる悪影響により、他の相互に関連した リスクおよび間接的なリスクが生じ、または予測されていたものと大幅に異なるリスクの影響が生じ る可能性がある。 1 銀行・金融サービス業界特有のリスク 通常、この外部リスクの性質および影響については、予測不能であり、かつ当社グループの支配が 及ばない場合が多い。 1.1 当社グループはマクロ経済リスクおよび金融市場の状況から悪影響を受ける可能性がある。 当社グループは、オーストラリア、ニュージーランド、英国、欧州、米国およびアジアを含むがこ れらに限定されない幅広い法域内の個人および法人向けに銀行業および金融業のサービスおよび商品 を提供する。当社グループの事業活動は、世界各地の顧客が要求する銀行・金融・財務サービスおよ び資産管理活動の水準に依拠する。とりわけ、借入水準は、(金融制度におけるグローバルな相互接 続性、相互依存性および連鎖の可能性の程度を考慮して)顧客心理、雇用動向、経済状態、市場金利 および世界的な経済動向に非常に大きく左右される。 経済環境の変化は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。当社 グループが事業を運営している国々における経済状況は、一般的に輸出量および輸出価格、世界金融 - 32 市場における国際資本の利用可能性、リスク選好ならびに資本コストの変動による世界経済活動の水 準の変動によって一般的に影響を受ける。経済状況に影響を及ぼし得るその他の変動としては、経済 成長率、金利、インフレ率およびデフレ率、雇用率、労働コスト、消費者心理、借入需要、市場の不 安定性、為替相場の相対的変動、商品価格および資産価格(すなわち債券、持分証券、不動産および デリバティブ商品)の変動、工業生産高の水準、課税水準、国内外の競争、金融政策、財政政策、国 内外の政治および環境条件を含むがこれらに限定されない。これらの変動をもたらす要因は、数多く かつ多様であり、自然災害、戦争・テロ、政治・社会不安ならびに公的債務の再建および不履行等の 大きな影響のある事象の発生を含むがこれらに限定されない。 当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある当社グループに現在関連して いるマクロ経済および金融市場の状況には、以下が含まれるがこれらに限定されない。 ● 世界有数の国際金融機関は、世界生産高が引き続き緩やかに成長すると予想しており、この 見通しは、民間セクターにおける予想においても一致した見解として反映されている。世界経 済の見通しを支える上で、地理的・政治的な事象、金融市場の不安定性および自然災害等の要 因に関連するものを含む、予想から乖離した結果となり得るリスクおよび不確実性が存在する。 ● 市場では、中央銀行がより「中立」かつ過去の規範に近いとされる水準まで金利を引き上げ るために金融政策を引き締める可能性があるという予想が広まっている。長引く低金利は、市 場参加者が「利回りの追求」において見込んでいた以上のリスクを負うというリスクを伴い、 市場参加者は見込んでいたよりも厳しい金融政策にさらされることとなった。過去において、 米国における金融政策が引き締められた期間では、新興市場諸国経済への資本流入の量および 価格における大幅な変動が伴った。複数の新興市場諸国経済(ならびにオーストラリアおよび ニュージーランドも含む)は、準備金を増加し、対外債務の満期および通貨ポジションの向上 により対外ポジションを強化したものの、米国における突然のまたは著しい金利の変動に対し て、依然として影響を受けやすい。 ● オーストラリアおよびニュージーランドの経済は、ますます東アジア経済と一体化するよう になってきており、両国の経済は、中国における経済活動の成長速度の変化に対して著しいエ クスポージャーを抱えている。中国経済における見通しは、政府が投資への依存を減らし、消 費による寄与を増加させるという成長構成へ調整しようとしているため、不確かなものとなっ ている。 ● 英国経済は、その他の西欧州諸国と密接な貿易関係を有しているため、ユーロ圏における開 発は、英国の財およびサービスの需要水準に重要な影響を及ぼす。ユーロ圏における政府は多 額の負債を抱えており、銀行業務セクターの財務の健全性の状態は不確実なままである。また 失業率もユーロ圏の複数の国々において、極めて高い水準を維持している。 ● ユーロ圏外の国々における公的債務の増加は、一般的に、様々な格付機関による対外債務の 格下げに表れている。日本の公的債務および国内総生産に対する比率の水準は、いずれも特別 な注目を集め、当該債務の持続的な資金調達において低金利が重要であることが広く認識され るようになった。中国の成長は、急速な与信成長に依存したものであり、この結果として蓄積 された公的債務により、とりわけ地方融資平台を含むシャドーバンキングへの懸念が生じた。 - 33 ● クライズデール・バンク・ピーエルシー(「クライズデール」)は、スコットランドで設立 され、同国に本社を置く。2014年9月18日、スコットランドによる他の英国からの独立を決定 する国民投票が行われる予定である。独立により生じる運営上の結果の多くは、依然として不 明である。これらの結果には、クライズデールの規制上の枠組みおよび独立したスコットラン ドがどの通貨をどのような基準で使用するか(自国の通貨を導入する可能性を含むが、その通 貨価値は不明である)を含むがこれらに限定されない。独立により、クライズデールがヨーク シャー・バンクのブランド名で事業を運営している英国北部の経済にも影響を及ぼす可能性が ある。独立したスコットランドは、欧州連合との関係に関する条件を交渉しなければならず、 これらの交渉の結果は不明である。国民投票に伴うリスクおよび不確実性は、投票が行われる 前に顕在化する可能性がある。現段階では、独立賛成の投票が行われた場合におけるクライズ デールの事業および経済全般への詳細な影響を判断することは不可能であるが、独立に関して 交渉された最終的な条件は、クライズデールの事業、ひいてはその財務実績に悪影響を及ぼす 可能性があり、これにより、当社グループの財務実績および財務状況にも悪影響を及ぼす可能 性がある。 マクロ経済および金融市場の状況による潜在的影響 世界的な信用市場、為替市場および株式市場における乱高下によって金融市場が不安定になり、当 社グループを含むすべての銀行がその影響を被る可能性がある。市場の乱高下によって、以下を含む がこれらに限定されない事象が起こっており、または今後起こる可能性がある。 ● 資金調達費用の増加および/または資金調達不足 ● 資産(担保を含む)の価値の低下および資産(担保を含む)の流動性の悪化 ● 一部の資産に係る価格決定不能 ● 契約相手方の債務不履行および信用損失(ヘッジ戦略の一環としての保障保険の売買に係る ものを含む)の危険性の増加 ● 貸倒引当金の増加 ● 株式ポジションおよび売買ポジションにおける値洗い損 ● 保険コストの増加および/または利用可能なもしくは適切な保険の欠如および/または利用 可能なもしくは適切なヘッジ目的のデリバティブ商品の欠如 ● 成長率、営業収益および利益の低下(例えば、当社グループのNABウェルスの営業利益は資産 価値(とりわけ上場株式の価値)への依存度が高いため、同業務の運用資産の価値が低下する と、当社グループに対する同業務からの収益寄与額が減少する可能性がある。) 当社グループの財務実績および財務状況は、当該要因によって影響を受けており、今後もその影響 を受け続ける可能性がある。 1.2 当社グループは広範囲にわたる規制に服し、かかる規制の変更は当社グループの財務実績および 財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 当社グループは、オーストラリアおよび当社グループが事業を行うかまたはその他の関係性を有す るその他の法域における規制に服する。規制内容は、国毎に異なり、程度の差はあるものの、預金者、 - 34 保険契約者、有価証券の保有者、および銀行・金融サービスシステム全体の利益の保護を目的として いる。法律、規則その他オーストラリアおよび外国の政府ならびに国際機関の各種規制当局によって 当社グループに課される方針に対する将来の変更は、予測不能かつ当社グループの支配が及ばないも のである。これらの変更は(とりわけ、複数の法域にわたっており、範囲、要件および実施期間につ いて調和がとれていない場合)、当社グループの事業、業務、会社形態、ひいては当社グループの財 務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 現在進行中の重要な規制上の改革および変更は、以下を含むがこれらに限定されない。 ● 2019年までに完全実施が予定されているバーゼル銀行監督委員会のバーゼルIII(「バーゼルIII」) 規制改革の世界的実施。これらの規制改革が当社グループの事業法域間で異なった方法で実施される ことにより、当社グループが負担する規制コンプライアンス費用が増加するだけでなく、当社グルー プが資本および流動資産の質の改善および額を増加しなければならなくなる可能性がある。オースト ラリアでは、修正資本要件が2013年1月1日から発効し、資本バッファーおよびレバレッジ率の実施 に伴い追加要件が今後有効となる。オーストラリアにおける修正流動性要件は、2014年1月1日に質 的要件が開始され、2015年1月1日から流動性カバレッジ比率の遵守が開始される予定であり、段階 的に有効となっている。安定調達比率の手法は最終化には至っておらず、2018年1月1日から有効と なる見込みでる。新しい流動性改革の遵守により、当社グループは、より多くの流動資産を保有し、 当社グループの資金調達方法およびかかる資金使途の両面からバランスシートを再構成しなければな らず、当社グループは追加の費用を潜在的に負担することになる。欧州では、資本要求指令IVパッケ ージとして知られるバーゼルIIIを実施するための欧州連合による最終規則が現在最終化され、これを 受けて、健全性規制庁はポリシー・ステートメントPS7/13を発行した。要件の実施は、2014年1月1 日から開始された。 ● 12ヶ月間の業界移行期間を経て2015年1月1日から完全に有効となる、ガバナンス、総リスク・ エクスポージャー、リスク管理および自己資本比率に関するオーストラリア健全性規制庁(「APRA」) の金融コングロマリット監督のための枠組み。とりわけ、規制改革では、レベル3健全性資本要件を 提案している。この変更により、当社グループは規制コンプライアンス費用の増額分を負担するとと もに、追加の資本を保有する必要が生じる可能性がある。 ● 保護対象銀行預金に係る政府保証(250,000豪ドルを上限とする)の支払を促すためのAPRAの健全 性基準APS910「金融債権制度」の段階的な実施(2014年1月1日から)。 ● 国内のシステム上重要な銀行(「D-SIBs」)に係るAPRAによる枠組みの実施。当社グループは、 D-SIBとして識別され、2016年1月1日から有効となる1%の追加的な損失吸収力の要件の対象とされ ており、当該要件は普通株式Tier 1資本により満たさなければならない。 ● 認定預金受入機関の「レベル2」の銀行グループを構成する要件に関するAPRAによる最近の明確 化。この明確化の結果、NABのウェルス・マネジメント・ホールディングの会社が含まれるようになる ため、当社グループの現在の資本上のベネフィットが失われることが見込まれている。 ● 当社グループのNABウェルス業務に影響を及ぼす「より強力で特別な改革」の段階的な実施(2013 年7月1日から)。同改革はオーストラリア政府の年金改革に対応するものであり、当社グループに 多額のコンプライアンス費用が発生する。 - 35 ● 米国の銀行業に影響力があり、グローバル連結総資産500億米ドル以上の外国銀行組織(当社も含 む)に対して、追加の監督要件および健全性基準を課す米国の2010年ドッド・フランク ウォール街改 革および消費者保護法(「ドッド・フランク法」)。当該法およびその施行規則は、とりわけ、追加 の流動性およびリスク管理の要件ならびに定期的な資本ストレステストを含む。ドッド・フランク法 はまた、自己勘定取引、当社のような一部の外国銀行組織によるヘッジファンドおよびプライベート・ エクイティ・ファンドへの資金提供または投資を禁止するボルカー・ルールを含む。ドッド・フラン ク法を施行する規則の多くが米国規制機関により採り入れられたが、一定の要件は未だ有効となって おらず、当社グループの事業および当社グループが活動する市場に与える具体的な影響は、未だ明ら かになっていない。ドッド・フランク法およびその施行規則によって、当社グループの財務実績およ び財務状況に悪影響をもたらす可能性がある。 ● G20(「G20」)蔵相および中央銀行総裁の広い意味でのコミットメントである店頭(「OTC」)デ リバティブ市場改革が米国においてドッド・フランク法を通じて、また、オーストラリアおよび欧州 を含むその他の国において実施されている。オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)は、2013年 において、デリバティブ取引リポジトリの認可およびデリバティブ取引に係る報告に係る規則および 関連規制指針を発表した。2014年初めに、オーストラリア政府は、2015年から有効となることが見込 まれている清算集中義務に関する協議を開始した。当社についてのデリバティブ取引に係る報告は、 2013年10月にオーストラリアで開始した。欧州では、欧州市場インフラ規制(「EMIR」)が透明性の 向上およびデリバティブ市場に伴うリスク軽減のための新しい要件を導入した。EMIRの要件は、2013 年から2015年の2年間にわたり段階的に実施され、デリバティブの報告は、2014年2月から開始して いる。実施期間が異なることに加え、適用される要件の範囲は法域によって異なる。全世界でのOTC改 革の調和がとれていないことにより、当社グループが規制の遵守を達成する上で追加の費用が発生し、 複雑さは増す。 ● オーストラリア準備銀行(「RBA」)が2012年6月に発表した「支払システムの革新の戦略的レビ ュー」の結果に対応する、業界における新支払プラットフォーム(「NPP」)の構築。NPPは、低額の 支払の処理方法に著しい影響を及ぼす。業界におけるNPPの構築およびNPPに接続するための当社グル ープ内部の体制構築に関連して要求される変更の実施により当社グループに追加費用が発生する。 ● 当社グループが独立の事業体としての生存能力を脅かすような重大な損失からの回復のためにど のような提案をするかを示した回復プランの策定/維持。回復計画の要素が危機に対応して実行され た場合、または計画に関する準備行動が規制当局により命じられた場合、または計画の実施が破綻し た場合は、かかる行為の全部または一部が当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす 可能性がある。ニュージーランド準備銀行は、財政的困難に直面するニュージーランドの銀行を管理 する方法の仕組みを設置した。この仕組みは「オープン・バンク・レゾリューション」(「OBR」)と いい、当社グループのニュージーランドの子会社がOBRの措置の対象となった場合は、当社グループの 財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。英国および米国を含むその他の法域では、 銀行による回復および解決プランのための措置において大幅な進展がみられた。近年、欧州では、2013 年12月に銀行の回復および解決のための枠組みに関する合意がなされた。 ● 2010年3月に米国で可決された、外国金融機関に対して米国の口座保有者に関する情報の提供を 要求する法案(「FATCA」)。この情報が米国の税務当局が十分とみなす形式で提供されない場合、外 国金融機関は、米国の源泉から発生した一定の額およびかかる額に起因する一定の支払(「パススル - 36 ー支払」)に対して30%の源泉徴収税を課される。米国財務省の規則の下では、このような源泉徴収 税は、2014年7月1日より前になされた米国を源泉とする支払に対しては課されず、2017年1月1日 より前になされた米国資産の処分による受取金およびパススルー支払に対しては課されない。オース トラリア連邦政府および当社グループが事業を行う国(英国を含む)の政府は、FATCAに関する米国政 府との政府間協定を締結済であるかまたは締結を考えており、当該協定に基づき、かかる法域におけ る外国金融機関は、米国の口座名義人に関する情報収集に関して関連法域が課す要件を遵守した場合、 通常FATCAに基づく源泉徴収を免除されることになる。現時点では、新しい法律上の要求事項の全容が 不明確であるため、法律の遵守のコストならびに当社グループの財務実績および財務状況への潜在的 な影響を判断することは難しい。 ● 英国銀行改革法(「銀行改革法」)は、2013年12月18日に国王の裁可を受け、実質的に独立銀行 委員会の勧告を立法化し、広範な影響を及ぼす。銀行改革法では、主に一定規模のリテール銀行を投 資(およびホールセール)銀行業務から「分離する」(ring-fencing)ことおよびそれぞれを個別に資 本化することを目的とした構造改革の実施が盛り込まれた。リテール銀行の分離は、2019年1月1日 までに実施されなければならない。その他の主要な要件には、より高い行動規範を銀行業界に課すこ と、銀行が破綻した場合における預金者の優先的取扱い、銀行事業体の規模に基づいたより負担の大 きい最低資本および資本バッファーの導入が含まれる。これらの要件、とりわけリテール銀行の分離 に関するものは、当社グループの英国事業の構造および運営に影響を及ぼす可能性がある。 ● 欧州数カ国で採り入れられており、公共セクターの財政の改善を目的とした新たな金融サービス 税・賦課金。これら金融サービス税・賦課金は、当社グループの財務実績および財務状況に重大な影 響を及ぼす可能性がある。 ● 国際会計基準審議会およびオーストラリア会計基準審議会による、当社グループの財務書類の主 要な側面を統制する幾つかの会計基準の変更の提案および検討。これらの検討および提案された変更 の結果は不明でありかつ予測が困難であるが、これらの変更は報告された当社グループの財務実績お よび財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 その他の規制改革または変更は、以下の要因から生じる。 ● オーストラリア連邦政府による金融制度審議会。当該審議会は、オーストラリアにおける変化を 続けるニーズに最も合うよう、かつ経済成長を支えるためにオーストラリアの金融制度をどのように 位置づけるかについて検討する責任を負う。オーストラリア連邦政府はまた、強靱かつ革新的な事業 セクターを促し、かつオーストラリア経済全体において消費者にとって有利な結果を促すための効果 的な競争の枠組みを確保するための競争政策の見直しも発表した。現段階では、見直しにより、いか なる内容の勧告がどのような方法で行われるかについては示されていない。しかしながら、不利な規 制上のまたは競争上の結果は、当社グループの将来の財務状態および財務成績に影響を及ぼすリスク がある。 ● とりわけASICの立法権ならびにASICによる責任および義務の履行を妨げる障壁、ASICが服する説 明責任体制ならびに規制当局間の協調に焦点を当てたオーストラリア上院によるASICの業績に対する 調査。 ● バーゼル銀行監督委員会が公布した世界方針基準を受けて、APRAによるオーストラリアの政策変 更の実施。これには、安定調達比率の手法、レバレッジ比率の導入、カウンターパーティー信用リス - 37 クの改訂、大規模および関連当事者に対するエクスポージャー、トレーディング勘定における自己資 本の充実度の改革および証券化の分野における変更が含まれる。 ● ニュージーランドを含む数カ国で導入されている、貸付者の市場における活動を制限する(高い 担保掛目率による貸付の制限等)マクロプルーデンス政策による管理。 ● 規制上ならびにその他ステークホルダーの報告要件および情報要求に関するデータの質の向上な らびに分量、精度、頻度および規模を満たすためのデータ戦略を実施するよう、金融機関に対する監 督上の要望を高めたこと。 これらの潜在的な改革もしくは変更が当社グループの経営、事業および見通しに及ぼす効果の全容、 または上述の提案が(実施されるとしたならば)どのように実施されるかは、不明である。要件の特 性およびそれがどのように実施されるかによっては、かかる要件は当社グループの経営、構造、コン プライアンス費用および/または資本要件、そして最終的には財務実績および財務状況に悪影響を及 ぼす可能性がある。 1.3 競合または業界統合は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 当社グループが活動する市場では、熾烈な競争が繰り広げられている。顧客獲得の競争が激化した 場合、利益マージンが圧縮され、条件が変更され、顧客の勧誘および確保のための広告費その他の関 連費用が増加し、顧客離れが増加し、顧客ロイヤルティーが減少し、マーケット・シェアを失う可能 性がある。技術および顧客の姿勢が急速に進化しているため、より低コストのビジネスモデルを有す る事業への新規参入者がもたらす破壊的革新および競争のリスクが高まっている。金融サービス業界 内での統合により、競合他社が提供可能な商品・サービスの範囲が拡大し、資金調達が容易になり、 顧客データが増え、効率性が向上している。世界金融危機の間に高まった不安定性から生じた一定の 統合に起因して、国際銀行業務セクターにおいて政府が直接果たす役割も増している。 当社グループの財務実績および財務状況は、競争の激しい市況および/または業界の動向から悪影 響を受けており、今後も受け続ける可能性がある。 2 当社グループ特有のリスク 銀行業界および金融サービス業界の主力金融機関である当社グループの事業および当社グループ特 有の構造には、それぞれ直接起因する複数のリスクが存在する。当社グループの財務実績および財務 状況は、当該リスクの影響を受けており、今後も受け続ける可能性がある。 当社グループのビジネスモデルおよびポートフォリオ構成は、オーストラリアを拠点とする同業他 社とは多くの点で(事業貸付におけるより高い割合(および商業用不動産に対するより高いエクスポ ージャー)ならびに英国および米国における銀行子会社の場所を含むがこれらに限定されない)異な るリスク構成を生み出す。 当社グループ特有のリスクは、以下に記載したとおりである。 2.1 当社グループは財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性のある信用リスクにさらされ ている。 信用リスクとは、契約の相手方または顧客が当社グループに対して債務不履行状態に陥る潜在的リ スクをいう。当社グループの信用リスクの大半は、貸付事業によるものである。しかし、銀行勘定、 - 38 取引勘定、その他の金融商品およびローン(引受け、募集、銀行間取引、取引ファイナンス、外国為 替取引、レポ取引および売戻条件付取引、スワップ、社債ならびにオプションを含むがこれらに限定 されない)、約定・保証の延長ならびに取引決済を含め、当該事業にはその他の信用リスク要因が存 在する。 当社グループの信用リスクのポートフォリオは、広範囲かつ多岐にわたるものである。当社グルー プの貸付ポートフォリオにおける主な副セグメントは、以下を含む。 ● 2014年3月31日現在貸付金および支払承諾総額の約56%を占めていた住宅ローン。現在、オース トラリアおよびニュージーランドの住宅不動産市場が過大評価されており価格が下落するか否かに関 して様々な外部の見解がある。当社グループの主力事業が事業を展開する経済地域において住宅市場 または雇用市場が著しく悪化した場合、当社グループの財務実績または財務状況は悪影響を受ける可 能性がある。 ● 2014年3月31日現在貸付金および支払承諾総額の約11.3%を占めており、その大半がオーストラ リアに所在していた商業用不動産ローン。当社グループの英国商業用不動産ローンの流出ポートフォ リオは、引き続き別途運用されている。英国における経済状況の継続的なもしくはさらなる低迷また はオーストラリアおよび/もしくはニュージーランドの商業用不動産市場において生じている同様の 状況は、当社グループの財務実績および財務状況にさらなる悪影響を及ぼす可能性がある。 ● 当社グループの英国銀行業務(英国の商業用不動産資産ローン流出ポートフォリオを除く)は、 2014年3月31日現在貸付金および支払承諾総額の約9%を占めていた。同業務は、英国およびユーロ 圏の経済・政治状況に直接さらされている。英国における金利のみ返済のモーゲージ・ローンは、2014 年3月31日現在貸付金および支払承諾総額の約2.8%を占めていた。英国におけるこれらのローンは従 来、より長期の金利のみの返済期間によって引き受けられていた。この種類の貸付は、ローンが満期 となる際または金利のみの返済から元本および利息の返済に転換する際(とりわけ当初の金利のみ返 済のローンが近年において記録的に低い金利でまたはこれに近い金利で組成されており、および/また は顧客がより厳しい事業状況もしくは経済状況を経験している分野に集中しているような金利上昇環 境において)当社グループを信用リスクの増加にさらす可能性がある。 事業状況または経済状況の暗転は、それが全体的なものであるか、または特定の業界もしくは地域 に限定的なものであるか否かにかかわらず、契約の相手方または顧客の財政状態を悪化させる可能性 があり、悪化させてきた。これにより、当社グループは影響を受けた契約の相手方または顧客による 契約条件に従った当社グループに対する債務の履行が不可能となるリスクにさらされる可能性がある。 当社グループはまた、金利が近年の最低記録を上回るかまたは近づいた場合は、相手方または顧客に よる債務不履行リスクの増加にさらされる可能性がある。 悪影響を及ぼす可能性があるその他の要因は、オーストラリア、ニュージーランド、英国、米国お よびその他の経済国の業績の低迷(当社グループのリテール、中小企業および大企業の顧客層に影響 を及ぼすもの)または信用の失墜につながる可能性のある金融市場のさらなる混乱、市場参加者、契 約の相手方および顧客のリファイナンス・リスクの増大およびさらなる連鎖のリスクを含むがこれら に限定されない。当社グループのオーストラリアおよびニュージーランドにおける事業貸付のマーケ ット・シェアが比較的高いことにより、全セクターにわたって事業状況および経済状況が低迷した場 - 39 合は、当社グループはその同業他社と比較してより多くの潜在的損失にさらされる。豪ドル高(1983 年に同通貨が変動相場制となって以降の平均水準に比して)が続いていることは、為替変動にさらさ れる事業(オーストラリアを拠点とする観光業、製造業、小売業、卸売業および農業を含むがこれら に限定されない)を行っている顧客に対して圧力をかけ続けている。オーストラリアにおける鉱業投 資の減速により、鉱業産業にサービスを提供するいくつかのセクターもまた圧力を受けている。 当社グループは、貸付金、前渡金その他の資産に発生する貸倒損失に備えて引当を行っている。貸 出金ポートフォリオ上の損失の見積は、その性質上不確実であり、かかる見積の精度は、一般的な経 済情勢、不履行発生率の予測、不履行による損失やエクスポージャー、格付の変動、競争情勢を一変 させる業界内の構造的変化、法律上および規制上の要件等の外部要因ならびに既存の経験および経営 判断に基づく複数の前提条件を含む、多くの要因に左右される。情報(または分析に基づく前提条件) が不正確であることが判明した場合、信用減損に係る引当金を見直す必要が生じ、その結果、当社グ ループの財務実績および財務状況が悪影響を受ける可能性がある。 2.2 当社グル-プはオペレーショナルリスクおよび法令遵守リスクにさらされており、同リスクは当 社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 オペレーショナルリスク(法令遵守リスクを含む)は、不十分な内部の手続および管理、人員およ びシステムまたは外部事象(例えば、天災、異常気象、生物学的危害、テロ、政治的事由、安全保障 に関する事由および社会的事由)に起因する損失のリスクである。オペレーショナルリスクは、当社 グループの日々の事業活動ならびにプロジェクトおよび事業変革の取組み等の組織上の変更から発生 することから、事業遂行における中核的要素である。当社グループは銀行の商品およびサービスのデ ジタル化を進め、ソーシャルメディアを急速に採用することにより、オペレーショナルリスクおよび コンプライアンスリスクの新たな局面を迎えている。当社グループはデジタル/技術革新が急速に進 むにつれ、これらの分野における継続的な課題に直面すると予想している。オペレーショナルリスク は、その他のリスクの発生ももたらす可能性がある。例えば口蹄疫の発生等の地域不局限の生物学的 危害は、全当社グループにわたる農業ポートフォリオにおいて信用リスクの増加をもたらす可能性が ある。当社グループの日々のオペレーショナルリスクおよび法令遵守リスクは、以下の複数の方法で 発生するがこれらに限定されない。 ● 従業員、顧客(例えば、発覚していないマネーロンダリング)および外部者による詐欺および悪 行。これらの者は、資金の不正流用(顧客勘定からの不正流用を含む)または顧客データへの不正ア クセスおよび/またはサイバー攻撃(サービスの拒否および悪質なソフトウェア攻撃を含む)の犯行 を狙っている。金融サービス業界における技術の急速な発達は、顧客のオンデマンドによるインター ネットおよびモバイルサービスに対する要望の高まりに牽引され、当社グループはこれらの分野にお いてますます新しい脅威にさらされるようになってきている。当社グループはこのような性質の脅威 を防止・検知し、適切に対応する機能に引き続き投資しているが、このような事件が評判の悪化、罰 金および/もしくは課徴金、規制当局による問責ならびに/または経済的損失を含め、当社グループ に悪影響を及ぼさないという保証はない。 ● 雇用慣行(多様性および差別に関するものを含む)、職場の健康・安全対策および雇用上のコン プライアンスの脆弱性。これは、安全でない職場環境、職員の能力および資格の問題、従業員の酷使 (他者に認識されたかまたは実際の)、身体傷害、法律上もしくは規制上の措置、評判の悪化、罰金 もしくは課徴金または経済的損失をもたらす可能性がある。 - 40 ● 不十分な設計および実施、誤操作または経年劣化から生じるシステム、技術およびインフラの故 障。当社グループは以下のものに依存している。 ● システムの安定性、データの質および情報セキュリティーの観点からの情報システムおよび技術 (より広い産業基盤に連動する支払のシステムおよび技術を含む)。これらのシステムおよび技術(か かるシステムが許容できる時間内に修復もしくは回復できないかまたは十分に保護されない場合を含 む)に関する内部または外部の不具合は、当社グループが日常業務を処理する能力に悪影響を及ぼす 可能性があり、評判の悪化および訴訟、規制当局による調査および課徴金をもたらし、ならびに/ま たは当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 ● 技術的解決法を開発および提供し続けるために、外部技術提供者(オーストラリア国内および海 外の双方)を選任すること。外部委託またはオフショア化された業務および関連するリスク(例えば、 機密データの適切な管理および統制を含む)は、規制当局および公衆による一層の監視にさらされて いる。当社グループはその他の事業活動のために様々な外部のサービス提供者も利用している。これ らの外部提供者が当社グループに対する義務を履行できなかった場合または当社グループがこれらの 提供者を適切に管理できなかった場合は、当社グループの評判ならびに/または財務実績および財務 状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 ● 不十分な手順の計画、タイミングの悪い取引処理、主要なプロセスの変更または除去および第三 者(オフショアおよび外部委託による供給者を含む)または金融サービス業界におけるその他主要な 参加者による事業上の不履行に基づく手順の誤りまたは失敗。これは、評判の悪化および訴訟、規制 当局による調査および課徴金をもたらす可能性があり、当社グループの財務実績および財務状況に悪 影響を及ぼす可能性がある。 ● 不正確なもしくは無効な仮定、不適切な論理、データにおける問題もしくは格差または不適切な 経営判断に基づくモデリングの誤りまたは失敗。モデルは、当社グループ全体にわたり広く使用され ている(資本要件の計算、一括引当金の設定、金融負債、商品の価格設定、エクスポージャーに係る 計測および圧力付加、事業の評価および/または資産の評価を含むがこれらに限定されない)。モデ ル(またはそのベースとなる仮定/判断)が不正確または誤りであることが判明した場合は、当社グ ループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼすことがある。 ● プロジェクトおよび事業の変更の取組み等の組織上の変更。下記「変換および変更のプログラム」 の項を参照のこと。 ● 従業員による当社グループの方針および規制基準に違反した不適切な行為(不適切な商品/サー ビスの顧客への販売もしくは強要または不適当/不適切な市場慣行の実施および受託者責任の不遵守 等)を含む商品の開発および維持ならびに販売の実施および慣行における欠陥。これらはすべて評判 の悪化および訴訟、顧客救済、顧客の喪失、規制当局による罰金および課徴金をもたらす可能性があ り、当社グループの財務実績および財務状況が悪影響を受ける可能性がある。 ● 法律、規則、免許の条件、監督上の要件、業界の自主規制に関する行動規範ならびに関連する内 部規定、手続、組織的な枠組みおよび基準の遵守の不履行。当社グループのコンプライアンス管理に 重大な不履行があり、または不適切に設定され、または法律上もしくは規制上の期待(時間とともに 変化した場合を含む)に満たない場合は、当社グループの経営もしくは柔軟性を制限するかまたは顧 客、規制当局もしくはその他の利害関係者への罰金、和解金もしくは損害賠償金の支払をもたらす可 能性があり、当社グループの財務実績および財務状況が悪影響を受ける可能性がある。当社グループ - 41 は主要な規制当局と業界全体の問題および当社グループに特有の問題について継続的に協議している。 世界の銀行・金融サービス業界は以前に増してその行為地の規制当局による情報請求、監視および調 査を受けており、国際的な企業数社が注目度の高い執行行為(法律違反による多額の罰金を含む)を 受けた。 当社グループにとって潜在的に重要である現在進行中の事項に関する詳細については、本書の参照 書類に含まれる半期報告書の「第6-1 中間財務書類」の「中間財務書類に対する注記」の注記13 「偶発債務」を参照のこと。 オペレーショナルリスクが完全に緩和できないことに鑑みて、当社グループは潜在的損失の負担と 緩和コストの負担との間の適切なバランスを図る。実際の損失があらかじめ定めた上限を上回った場 合、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。オペレーショナルリス クの不履行によっても当社グループの評判が大幅に損なわれる可能性がある。 変換および変更のプログラム 当社グループは、オーストラリア内で新しい経営モデルおよび構造を実施し、これは、組織が外部 環境および変化を続ける顧客行動に沿う内容となっている。当社グループは、引き続き変換プログラ ム(企業全体にわたる技術およびインフラに関するプログラムで当社グループの中核銀行プラットフ ォーム(「ネクストジェン」)を改善するものを含む)を進めている。こうした取組みは、業務の複 雑さおよびオペレーショナルリスクを軽減し、様々な恩恵をもたらすことを目的としている。 これらのプログラムの規模、複雑さ、影響および計画対象期間に起因して、当社グループのリスク 構成は当面の間は増加している(例えば、かかる規模の変更により、当社グループは多大な経営上の 注目および資源を投じる必要があるため、通常の業務およびその他の実行中のプロジェクトから注目 がそらされることになり、これにより当社グループの業務および事業に悪影響を及ぼす可能性がある)。 さらにかかる変更が、経済が不確実で、規制当局による活動および監視が増している環境において実 施されているため、オペレーショナルリスクおよび法令遵守リスクは拡大している。実施が予定され た期間内にまたは予算内で完了しない可能性があるリスクや、かかる変更から期待された利益の全部 または一部がもたらされないリスクもある。 2.3 主要社員の予期しない流失は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性 がある。 当社グループは、主要な経営陣および社員を誘致して確保する能力に依存している。当社グループ は、効果的かつ効率的に事業を展開するために、適格で経験豊富な経営チームおよび社員を揃えてい る。当該経営チームの主要構成員が予期せず流失した場合、または当社グループが適切な経験を有す る必要な人材を確保できなかった場合、当社グループの財務実績および財務状況が悪影響を受ける可 能性がある。 2.4 当社グループの業務遂行から生じる訴訟および偶発債務は、当社グループの実績および状況に悪 影響を及ぼす可能性がある。 当社グループ内の企業は、自社の業務遂行に起因する法的手続に随時巻き込まれる場合がある。当 - 42 該法的手続に関する潜在的な債務総額は正確に予測できない。重大な法的手続によって、当社グルー プの財務実績および財務状況が悪影響を受ける可能性がある。 当社グループの重要な訴訟手続および偶発債務に関する詳細については、本書の参照書類に含まれる 半期報告書の「第6-1 中間財務書類」の「中間財務書類に対する注記」の注記13「偶発債務」を 参照のこと。 2.5 資本の保有不足は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 資本リスクは、当社グループが、健全性基準の要件を満たすため、戦略的計画および目標を達成す るため、または自らがさらされるリスクをカバーし、予期せぬ損失から自らを防御するための十分な 資本および準備金を備えていないリスクをいう。当社グループは、規制対象活動を行うすべての法域 において、当社グループの事業の規模およびリスク構成に相応の最小限の資本および準備金を保持す る義務を負う。上記1.2で言及された規制上の変更を含む、当社グループの自己資本管理能力もしくは 当社グループ内の企業に資本を分散させる能力を制限するかまたはより多くの資本の保有(より高い 質基準に従った保有を含む)を要求するいかなる変化も、当社グループの財務実績および財務状況に 悪影響を与える可能性がある。 2.6 当社グループの資金調達および流動性水準は、世界資本市場の混乱から悪影響を受ける可能性が ある。 資金調達リスクは、当社グループが戦略的計画および目標を支援するための短期・長期の資金調達 ができないリスクである。とりわけ、オーストラリアの銀行セクターは、その事業運営に必要な資金 を取得するため、世界資本市場にアクセスする。世界資本市場に混乱が生じた場合、当社グループの 戦略的計画および目標の実現ならびに債権者に対する債務の履行のための資金取得(合理的な費用に よる場合を含む)能力が悪影響を被り、当社グループの証券を保有することへの投資家の意欲が減少 する。これらのすべてが当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 流動性リスクとは、当社グループが金融上の義務を満期到来時に履行できないリスクをいう。これ らの義務には、要求時または約定期日における預金支払、借入金および満期借入資本の期日弁済、借 入利息の支払、営業費用および税金の支払が含まれる。当社グループの流動性水準の大幅な悪化は当 社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 世界資本市場の混乱の影響に加え、当社グループの財務実績および財務状況は、当社グループの証 券を保有することへの投資家の意欲の減少から悪影響を受ける可能性がある。 上記1.2に記載のとおり、当社グループの会社が保有を要求される自己資本の最低基準に係る変更が 提案されている。かかる変更により、当社グループの財務実績は悪影響を被る可能性がある。 APRAのバーゼルIII流動性要件を満たすために、当社グループは、質の高い流動資産の不足分を十分 に埋めることのできる規模の担保付流動性約定融資枠(「CLF」)をRBAに設定することが可能である と予想されている。同融資枠の利用には、RBAおよびAPRAが設定する基準を満たすことが条件となる。 かかる基準を満たすことができない場合、CLFを利用する当社グループの能力が影響を受ける可能性が あり、この場合当社グループのバランスシートの規模および構造が間接的影響を受ける。これにより、 当社グループの財務実績は悪影響を被る可能性がある。 - 43 2.7 当社グループの信用格付の大幅な引下げは、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を 及ぼす可能性がある。 信用格付は、市場参加者が当社グループまたはその商品およびサービスを評価するにあたって重要 な参考指標である。当社グループ内の会社の格付の引下げまたはその可能性は、当社グループの資金 調達の利用可能性および/またはコストに影響を及ぼす可能性がある。 格付機関は当行に対する継続的な格付見直し業務を行っている。この継続的な格付見直し業務は、 当社グループの財務状況ならびに金融サービス業界および市場全体に影響を及ぼすもの等の完全には 当社グループが統制可能な範囲内にはないものを含むいくつかの要因に基づいている。この格付見直 し業務は、市場の不安定性が増加する期間においてはとりわけ、当社グループ(当社グループ会社お よび当社グループが発行する個々の証券を含む)の信用格付の設定および見通しの変更をもたらす可 能性がある。 当社グループの信用格付の引下げは、格付機関の手法の変更によってももたらされる。例えば、2013 年9月、ムーディーズ・インベスターズ・サービシズ(本2.7において「ムーディーズ」)は、オース トラリアの銀行を含む一定の銀行の劣後債の格付に係る枠組みの見直しを完了した。ムーディーズは、 政府の政策は発展しており、銀行の劣後債に対する組織的支援の可能性は弱まったと結論付けた。か かる見直しの後、当社の高位Tier 2劣後債の格付および低位Tier 2劣後債の格付が引き下げられた。 当社(もしくはその他の当社グループの会社)または当社グループが事業を行うかもしくは資金を 調達する一または複数の国の国債の信用格付が引き下げられた場合、当社グループの借入費用が増加 し、資本市場へのアクセスが制限され、またデリバティブ契約その他の保証付資金調達において担保 の追加が要求される可能性がある。その結果、当社グループの財務実績および財務状況が悪影響を被 る可能性がある。 2.8 金利変動は当社グループの財務実績および財務状況に影響を及ぼす可能性がある。 金利リスクは、金利変動に起因する当社グループの財務実績および財務状況に対するリスクをいう。 時間とともに金利およびイールド・カーブが変化するにつれ、当社グループは、バランスシート上の 金利プロファイルによって、収益および経済的価値で損失を被る可能性がある。銀行業界では、これ は通常当社グループの貸付ポートフォリオと預金ポートフォリオ(およびその他資金調達源)の満期 日構成のミスマッチから生じる。金利リスクはまた様々な金利再設定条項付の金利関連商品に対する 顧客需要から生じるリスクを含む。短期金利および長期金利双方とも、当社グループが正確に予想し ていない方法で変動する可能性があり、これにより当社グループの財務実績および財務状況は悪影響 を被る可能性がある。 2.9 当社グループの確定給付型年金基金リスクに対するエクスポージャーは、当社グループの財務実 績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 確定給付型年金基金リスクは、ある時点において、年金制度が赤字である(すなわち、年金債務に 充当可能な資産が、現在または将来の年金制度に基づく債務に不足している)リスクをいう。 当社グループが主要な確定給付型年金基金リスクにさらされているのは、2004年1月1日以降、確 定給付年金制度への新規加入が打ち切られた英国である。2014年3月31日現在の同制度に関する積立 不足額は本書の参照書類に含まれる半期報告書の「第6-1 - 44 中間財務書類」を参照のこと。 資産価値および債務は、債務の正味現在価値の算定に使う割引率、長期的なインフレ予測、保険数 理上の前提条件(死亡率を含む)、ならびに投資ポートフォリオの価値(当該価値は例えば株式市場 の状況および債券のイールド等の複数の要因に左右される)を含む(がこれらに限定されない)複数 の要因の影響を受ける。これらの要因の多くは、当社グループの支配が及ばない。 現在の積立不足額および今後の増加は、当社グループの会社が確定給付型年金制度に拠出しなけれ ばならないかまたは拠出しなければならない可能性のある額を増加させるため、当社グループの財務 実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。積立不足額の水準の変動は、当社グループの普 通株式Tier 1 自己資本比率におけるボラティリティをもたらす。現在のおよびさらなる積立不足額は、 当社グループの普通株式Tier 1 自己資本基盤から直接控除される。 2.10 当社グループは財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性のある外国為替リスクおよび 換算リスクにさらされている。 外国為替リスクおよび換算リスクは、世界金融市場および国際的な事業運営に参入している中で、 当社グループのキャッシュフロー、資産および負債の価値に対する外国為替相場の変動の影響に起因 する。外国為替リスクは、当社グループの保有構成(海外子会社・関連会社に対する投資(その財務 的影響が外貨換算積立金において保有される(影響は処分の際損益勘定にのみ計上される))および 確定した為替取引からのエクスポージャー(海外子会社からの資本の本国送還および配当金等)を含 む)からも発生する。また、顧客、銀行その他の相手方との取引の銀行勘定における通貨ポジション も含まれる。外国為替相場の不利な変動は当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす 可能性がある。 当社グループは、オーストラリア国外に事業を有しており、主に豪ドル、ニュージーランドドル、 米ドル、英国ポンドおよびユーロといった複数の通貨建てで事業を行っているため、当社グループの 事業は、為替レート変動、ユーロ圏の全部もしくは一部の破綻またはこれらの通貨のいずれかの準備 金の状況の変更の影響を受ける可能性がある。 当社グループの財務書類は豪ドル建てで作成かつ表示されており、当社グループが投資または取引 および利益を生み出している他通貨に対する豪ドル高の場合(他通貨で売却された資産または事業の 現金収益純額を豪ドル建てで削減する場合を含む)には、当社グループの財務実績および財務状況が 悪影響を受ける可能性がある。反対に、これらの通貨に比して豪ドルが下落した場合、他通貨で発生 した損失が豪ドルで表示すると拡大する可能性がある。これもまた当社グループの財務実績および財 務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 2.11 当社グループが保有する株式投資の公正価値における大幅な減少は、当社グループの財務実績 および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 当社グループは銀行勘定において、株式投資を公正価値ベースで行っている。公正価値は、市場価 格または独立の評価および評価法による評価替えを表している。株式投資の公正価値は、様々なリス ク(経済リスク、政治リスク、事業リスクおよびオペレーショナルリスク、法規制リスク、通貨リス ク、価格リスクおよび市場リスクを含むがこれらに限定されない)の影響を受ける。当社グループの 銀行勘定下の株式投資の公正価値が大幅に下落した場合、当社グループの財務実績および財務状況は 悪影響を受ける可能性がある。 - 45 2.12 当社グループは取引活動からの多額の損失を被る可能性があり、当社グループの財務実績およ び財務状況は悪影響を受ける可能性がある。 トレーディング市場リスクは、市場価格の不利な変動によって、当社グループの取引活動(自己勘 定を含む)から発生する損失リスクをいう。市場価格の悪化(例として、金利、外国為替、商品、株 式および信用スプレッド)により、金融商品のポジションの価値の変動またはヘッジから損失が発生 する可能性がある。かかるトレーディング業務からの重大な損失が当社グループの財務実績および財 務状況に悪影響を与える可能性がある。 2.13 当社グループは生命保険リスクにさらされており、当社グループの財務実績および財務状況に 悪影響を及ぼす可能性がある。 生命保険リスクは、請求された生命保険金が保険料回収額および基礎投資収益獲得額の予想値を超 えた場合に発生する損失の可能性である。生命保険リスクは、不十分もしくは不適切な引受け、業務 上の請求の管理不十分、商品設計もしくは価格設定プロセスまたは運用益に起因して生じる場合があ り、これら要因のすべてが当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 当社グループの生命保険事業における死亡時および罹患時の保険金請求用の準備金は、債務の正確 な算定金額を表しておらず、これは保険数理上および統計上の予測に基づいて予想される最終費用の 見積額である。当該見積に影響を与える要因としては、今後の請求動向および実際の請求事由、予期 せぬ疾患または疾病、予想寿命、罹患による請求における予想以上に長い回復期ならびに将来の投資 収益率が含まれるがこれらに限定されない。これらの要因における変更は、予想される最終費用の見 積額の修正を必然的に伴い、ひいては当社グループの生命保険事業の財務実績および財務状況に悪影 響を及ぼす可能性がある。さらに、見積と比して死亡件数または罹患件数が多かった場合等、当該債 務に対する準備金が不十分である場合、当社グループの生命保険事業の財務実績および財務状況は悪 影響を受ける可能性がある。現在オーストラリアでは、当社グループも参加者である生命保険業界で は、失効実績および支払保険金実績は芳しくなく、基礎運用益は減少している。これは引き続き当社 グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 2.14 当社グループのレピュテーションが損なわれると当社グループの財務実績および財務状況が悪 影響を被る可能性がある。 レピュテーション・リスクは、当社グループの活動、行動、業績およびポジションに対する利害関 係者の批判的な意見により発生する可能性がある。当社グループは、当該リスクによって、訴訟の提 起、財務損失、顧客満足度の低下および顧客基盤の縮小ならびに競争力全般の喪失または主要人員の 流失を被る可能性がある。 レピュテーション・リスクは、当社グループまたはその他の金融サービス業者ならびにその従業員、 供給者、関連会社および顧客の行動から生じる可能性があり、世間、株主、投資家、顧客、規制当局 および/または格付機関の当社グループに対する見解に悪影響を与えるおそれがある。さらに、当社 グループのレピュテーションおよびブランドに係るリスク事由(例えば、事業、コンプライアンス、 信用または市場に係る事由)がもたらす影響は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を 与える可能性がある。 - 46 2.15 当社グループは引受リスクにさらされており、当社グループの財務実績および財務状況は悪影 響を受ける可能性がある。 当社グループ会社は、金融仲介業者として、上場および非上場の債券、株価指数連動型有価証券お よび株式を含むがこれらに限定されない数多くの各種資産、リスクおよび結果を引受けまたは保証し ている。かかる保証は、当該証券の価格設定および発行について行われる場合もあるため、当社グル ープは、当該リスクの全部または一部を他の市場参加者に転嫁できなかった場合に損失を負う可能性 がある。 2.16 一部の戦略的決定は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 当社グループの戦略的決定の基礎である前提が誤っているかまたは誤っていることが判明するリス ク、戦略的決定の根拠となる状況が変更するリスク、発生したリスクが予想・承認された戦略リスク 選好を超えているリスクまたは当社グループの戦略的計画を実行した結果に効果のないことが明らか となるリスクがある。また、一定の戦略的計画については、当社グループがいったんこれを開始する かまたは実施が完了すれば容易には覆すことはできない可能性もある。これらのリスクは当社グルー プの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 当社グループは技術戦略を段階的に実施するが(上記2.2を参照のこと)、完了の暁に技術が進化し ていることにより、当社グループの技術的解決策によって予定した結果を達成できないリスクがある。 2.17 当社グループは、財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性のある買収・売却を行う可 能性がある。 当社グループは、幅広いビジネスチャンス(買収、合弁事業および処分を含む)を定期的に検討し、 当社グループの戦略的優先課題に沿ったものであるか否か、また当社グループの財務実績、財務状況 または見通しの改善につながるか否かを評価する。 当社グループのリスク構成は、追及するビジネスチャンスによって左右される。その結果、マイナ スのセンチメントおよび結果(当社グループの信用格付が否定的見通し、ネガティブ・ウォッチとな るかまたは格下げされることを含む)をもたらす可能性がある。誤った価値に基づき取引が行われた ことに関連するリスクも存在する。当該リスクは、取引時における関連業務の過大評価(買収または 合弁事業の場合)を通じてまたは過小評価(処分または合弁事業の場合)を通じて発生する可能性が ある。リスクはまた、事業の獲得または処分に伴う問題を通じて、事業統合における問題(期待され た相乗効果が具現しないリスク、および当社グループの会社もしくは関連事業が顧客を失うかまたは 業務の中断に直面するか、あるいは当初予定されていたよりも高額の統合費用を負担するリスクが含 まれるがこれらに限定されない)を通じて、または処分の場合は当社グループからの事業の分離にお ける問題を通じて発生する。さらに、買収費用が株式の追加発行によって調達される場合、当該発行 が既存株主の保有の希薄化をもたらす可能性がある。これらの要因は、とりわけ当社グループによる 買収、合弁事業および処分に関するマイナスのセンチメントと相俟って、当社グループの財務実績お よび財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 - 47 2.18 当社グループの財務実績および財務状況を含む将来の見通しに悪影響を及ぼす可能性のあるそ の他の商業リスクがある。 大半の上場会社に対する出資に共通する一般的な商業リスクが複数あり、以下の事項に関連するリ スクを含むがこれらに限定されない。 ● 新規プロジェクトに伴うリスク(費用超過、当該新規プロジェクトからの流入が想定されている 収益または費用便益の遅延(または達成不能)を含む)。 ● 当社グループの事業に競合する新規サービスまたは技術の開発 ● 事業機会を識別および転換できないこと ● 当社グループが提供する商品およびサービスに対する市場許容度 ● 当社の事業に対する認可、規制上その他の許可を失ったことによる契約解除または顧客もしくは 市場シェアの喪失 上記のリスクのいずれかが発生した場合、当社グループの財務実績または財務状況は悪影響を受け る可能性がある。 2.19 当社グループのリスク管理体制・手続の破綻は、当社グループの財務実績および財務状況に悪 影響を及ぼす可能性がある。 当社グループのリスクの識別、評価、測定、管理、報告および統制に対するアプローチは、幾つか のリスクおよび管理の体制の適用が成功するか否かに左右される。これらの体制(その根底にある前 提を含む)が損なわれるかもしくは変更された場合またはその適用に関わる人物による判断が破綻し た場合は、当社グループの財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。 さらに、当社グループのリスクおよび管理の体制の一連の破綻は、そのリスク文化の根底にある指 標である可能性があり、かかる破綻が全体的なものであるかまたは全体的であると認められる場合は、 当社グループの基礎をなす価値ならびに当社グループの財務実績および財務状況に関するマイナスの センチメントをもたらす可能性がある。 その他のリスク 上記リスクは、当社グループに関連するすべてのリスクを網羅していない。本書で特に言及されて いないその他のリスク(当社グループが直面するすべてのリスクを正確に特定し、管理できないこと を含む)は、当社グループの今後の財務実績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性がある。そのた め、当社グループは、将来の業績、収益性、収益の分配または資本収益率について補償または保証し ない。 (2) また、上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書および半期報告書(その後の訂正を含む。 ) (以下「有価証券報告書等」という。 )には将来に関する事項が記載されているが、当該有価証券報告 書等の提出日以降、本訂正発行登録書の提出日(平成26年6月24日)現在までの間においてその判断 に変更はない。 - 48 第3【参照書類を縦覧に供している場所】 ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド東京支店 (東京都中央区日本橋室町二丁目2番1号 室町東三井ビルディング18階) 第三部【保証会社等の情報】 該当事項なし。 - 49 金融商品取引法第5条第4項に掲げる要件を 満たしていることを示す書面 会社名 : ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド (National Australia Bank Limited) (ABN 12 004 044 937) 代表者の氏名および役職 : 財務担当業務執行取締役 マーク・ジョイナー (Mark Joiner, Executive Director, Finance) 1. ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド(「当社」)は1年間継続して有価証券報告 書を提出している。 2. 当社が本邦において発行登録書の提出日(平成 25 年3月 25 日)以前5年間にその募集又は売出 しに係る有価証券届出書又は発行登録追補書類を提出することにより発行し、又は交付された社 債券の券面総額又は振替社債の総額は 100 億円以上である。 (参考) (平成 24 年1月 20 日の募集) 券面総額又は振替社債の総額 : 835 億円 - 50 事業内容の概要および主要な経営指標等の推移 1.事業内容の概要 (1)序 ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド(以下「当社」という。)およびその被支配 会社(あわせて「当社グループ」という。)は包括的かつ総合的な金融商品およびサービスを提供 する国際金融サービス組織である。 ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッドは本拠地であるオーストラリアで 1893 年6月 23 日に設立された株式会社である。登録事務所の住所はオーストラリア連邦 ビクトリア州 3008、 ドックランズ、バークストリート 800、1階である。当社は 1959 年銀行法(連邦法)および 2001 年会社法(連邦法)の規定に基づき業務を行っている。 (2)戦略的ハイライトおよび事業開発 当社グループは、株主のために持続可能かつ十分な利益をもたらすという全体的な目的を維持し ている。2013年3月、当社は変化を続ける経済状況および進化を続ける顧客の需要に事業をより対 応させるため、戦略を改訂した。同戦略は、主要な戦略的優先課題を通じてオーストラリア内の支 店網を強化することに引き続き注力している。 ● 事業を簡略化し、電子化すること。 ● 世界一流の顧客関係を築くこと。 ● 年金および高齢化人口に対する銀行業務サービスを強化すること。 ● アジアの積極的な顧客に対するサービスを拡大すること。 ● 顧客にDIYのデジタル・オプションを提供すること。 同時に当グループは、引き続き国際ポートフォリオを価値ベースで管理する。 当該戦略は、4つの主要な注力分野により支えられている。 ● 技術環境の全体的な転換を実現すること。 ● 人員、文化および評判に投資すること。 ● リスクおよびコンプライアンスへの注力を維持すること。 ● バランスシートの健全性を強化すること。 改訂した戦略の実行を援助するため、2013年にオーストラリアの銀行業務およびウェルス業務の 営業拠点は、より統合され、以下の特徴を有するビジネスモデルへの簡素化を図った。 ● 顧客関係の管理および向上に注力するため、より合理化された顧客管理部門 ● すべての商品の提供および革新の推進を効果的に調整し管理するための単一の製品部門 ● 規模のさらなる拡大および効率性の向上並びに企業全体規模の変革を実現するための集権的 業務、協業および変革部門 ● 重複を排除し一貫性をさらに促進する集権的なサポート部門 - 51 (3)組織体制および事業運営モデル 当社は、当社グループの持株会社であるとともに主要事業会社である。 当社グループは 12,400,000 人以上の顧客および 42,000 人のフルタイム相当従業員を有しており、 1,800 店を超える店舗およびサービス・センターを全世界で運営している。 (4) 事業活動の概要 当社グループの主要な業務は、銀行業務、クレジットカードおよびアクセスカード機能、リース、 住宅金融および一般融資、国際銀行業務、投資銀行業務、資産活用業務、資産運用業務、生命保険な らびに保管サービス、受託サービスおよびノミニー・サービスである。 オーストラリアでは、当社グループは以下を含む幅広い金融商品・サービスをすべての顧客層に提供 する。 ● リテール銀行業務の商品およびサービスを、NAB、ホームサイド、ユー・バンク、ナブトレー ドを含む広範な販売経路およびブランドならびにブローカーおよび「住宅抵当貸付マネジャ ー」の各種ブランドを通じて個人に提供している。当社グループは、個人の富裕層向けのカ スタマイズされた銀行サービスも提供している。 ● 商業銀行業務の商品・サービスをオーストラリアの事業および機関に提供し、オーストラリ アとアジア双方のニーズに応えている。また、アグリビジネス、不動産、ヘルスケア、天然 資源、教育および政府部門についての業界スペシャリストによる専門的知識をも提供してい る。当社はまた、フィックスト・インカム、カレンシー・アンド・コモディティーズ、債券 市場、スペシャライズド・ファイナンスおよび資産保管サービスについて、負債およびマー ケットに特化した幅広い解決策を提供している。 ● リテール、法人および機関投資家の顧客に対して、投資、年金および保険サービスを含む資 産活用サービスを提供している。これらのサービスは、MLC、JBウェア、ジャナおよびプラム を含む多様なブランドを通じて提供されている。 ニュージーランドでは、当社グループは、バンク・オブ・ニュージーランドのブランド名で、リテ ール・バンキング、事業者向け銀行業務、アグリビジネス向け銀行業務、コーポレート・バンキング、 プライベート・バンキング、ウェルス業務および保険の商品およびサービスを提供している。 英国では、当社グループは、クライズデール・バンクおよびヨークシャー・バンクのブランド名で、 リテール支店、事業者向け銀行業務センター、ダイレクトバンキングおよびブローカーを通じて個人 顧客および事業者顧客に幅広い銀行業務を提供している。 米国では、当社グループは、米国中西部全土で営業しているグレート・ウェスタン・バンクを通じて、 リテール・バンキング、商業銀行サービス、アグリビジネス向け銀行業務および資産活用銀行業務を 幅広く提供している。 - 52 2.主要な経営指標等の推移 (1)過去5年間の主要な経営指標の推移(当社グループベース) 注-下表の数値は、当社グループの 2013 年度から 2010 年度までの監査済み年次連結財務書類お よび/または本国における年次報告書(Full Year Results announcements)に基づいている。した がって、かかる数値は当該財務書類および/または年次報告書と合わせて読まれ、またそれらを参 照することにより完全となるものとする。 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 税引前利益 8,088 6,159 6,728 5,676 4,983 (百万豪ドル)(注1) 当社株主に帰属する当期 純利益(百万豪ドル) 5,355 4,082 5,219 4,224 2,589 (注1) 払込資本(百万豪ドル) 27,944 27,373 25,274 23,551 22,781 (注1)(注2) 払込資本を構成する発行 済証券総数(注1)(注2) 2,568,935,662 2,974,762,199 2,883,893,883 2,864,462,303 2,826,737,428 (内 全額払込済普通株式 (2,348,902,914) (2,297,246,415) (2,201,188,437) (2,133,340,708) (2,095,595,533) 総数) (株) 純資産(百万豪ドル) 46,376 43,803 42,188 38,954 37,835 (注1)(注3) 資産合計(百万豪ドル) 809,870 763,090 753,757 685,952 654,120 (注1) 総資本比率 (注4) 配当性向(注1)(注5) 11.80% 11.67% 11.26% 11.36% 11.48% 84.1% 102.7% 73.6% 79.2% 118.3% 従業員数 (フルタイム相当) 42,164 43,336 44,645 45,198 38,953 (注6) (注1) 2013年9月終了事業年度の業績は、2014年度半期報告書「第6-1 中間財務書類」の「中間財務書 類に対する注記」の注記1「重要な会計方針」に詳述したとおり、新会計基準の採択の影響により再 表示されている。2012年9月終了事業年度、2011年9月終了事業年度、2010年9月終了事業年度およ び2009年9月終了事業年度の業績は、新会計基準の採択の影響を受けた再表示はされていない。 (注2) 「払込資本」および「払込資本を構成する発行済証券総数」は、(i)全額払込済普通株式、(ii)一部払 込済普通株式、(iii)優先株式、(iv)ナショナル・インカム・セキュリティーズ、(v)信託優先証券、 (vi)信託優先証券II、(vii)ナショナル・キャピタル・インストルメンツおよび(viii)BNZインカム・ セキュリティーズ2から成る。当社は、BNZインカム・セキュリティーズを2013年度中に380百万豪ド ルで償還する権利を行使した。2014年度半期報告書の「第5 1 株式等の状況」を参照のこと。「払 込資本を構成する発行済証券総数」は、主に普通株式であって、当社グループの生命保険事業により 保有し支配され、かつ国際財務報告基準の要件に準拠して連結上相殺消去される自己株式で調整され る。 (注3) 純資産額は、資産合計から負債合計を引いたものである。 (注4) オーストラリア健全性規制庁の定義による。 (注5) 年間の配当金は、宣言、決定および公に推奨された時期とは無関係に、当該年度の最終配当および中 間配当を表しており、配当再投資プランを含み、現金に代わるボーナス株式プランの下での発行を含 まない。配当性向は、年間配当額を当社株主に帰属する一株当たり当期純利益で除して計算されてい る。 2012年9月終了事業年度の配当性向は、上記の定義に基づき再表示されている。 (注6) フルタイム相当従業員(「FTE」)数には、パートタイム従業員(日割計算)および従業員名簿に記載 されていないフルタイム相当従業員(契約社員等)が含まれる。 - 53 (2)国際財務報告基準のオーストラリア版(IFRS)に基づく経営指標-2014 年度上半期、2013 年度上 半期および 2012 年度上半期ならびに 2013 事業年度および 2012 事業年度 当社グループ 2014年3月31日に 2013年9月30日に 2013年3月31日に 2012年9月30日に 2012年3月31日に 終了した6ヶ月間 終了した事業年度 終了した6ヶ月間 終了した事業年度 終了した6ヶ月間 税引前利益(百万豪ド 4,125 8,088 3,699 6,159 3,237 ル)(注 1) 当社株主に帰属する当 2,856 5,355 2,466 4,082 2,052 期純利益 (百万豪ドル)(注1) 払込資本(百万豪ドル) 28,151 27,944 27,991 27,373 26,090 (注1)(注2) 払込資本を構成する発 行済証券総数(注1) (注 2,577,286,115 2,568,935,662 2,568,368,896 2,974,762,199 2,912,467,127 2) (2,353,771,760) (2,348,902,914) (2,342,509,031) (2,297,246,415) (2,239,303,465) (内 全額払込済普通株 式総数) (株) 純資産(百万豪ドル) 47,478 46,376 44,457 43,803 42,555 (注1)(注3) 資産合計(百万豪ドル) 846,014 809,870 763,828 763,090 756,843 (注1) 総資本比率(注4) 12.17% 11.80% 11.71% 11.67% 11.52% 配当性向(注1) (注5) 82.2% 84.1% 89.7% 102.7% 101.4% 従業員数(フルタイム相 42,719 42,164 42,668 43,336 43,399 当)(注6) (注1) 2013 年9月終了事業年度および 2013 年3月終了の半期の業績は、2014 年度半期報告書「第6-1 中間財務書類」の「中間財務書類に対する注記」の注記1「重要な会計方針」に詳述したとおり、 新会計基準の採択の影響により再表示されている。2012 年9月終了事業年度および 2012 年3月終了 の半期の業績は、新会計基準の採択の影響を受けた再表示はされていない。 (注2) 「払込資本」および「払込資本を構成する発行済証券総数」は、(ⅰ)全額払込済普通株式、(ⅱ)一 部払込済普通株式、(iii)優先株式、(iv)ナショナル・インカム・セキュリティーズ(「NIS」)、(v) 信託優先証券、(vi)信託優先証券 II、(vii)ナショナル・キャピタル・インストルメンツ、(viii)BNZ インカム・セキュリティーズ2から成る。当社は、2013 年中、BNZ インカム・セキュリティーズ2 を 380 百万豪ドル償還する権利を行使した。2014 年度半期報告書の「第5 1 株式等の状況」を参 照のこと。「払込資本を構成する発行済証券総数」は、当社グループの生命保険事業により所有・ 支配され、国際財務報告基準に従い連結時に消去される普通株式を主とする自己株式に関する調整 がなされている。 (注3) 純資産額は、資産合計から負債合計を引いたものである。 (注4) オーストラリア金融監督局の定義による。 (注5) 年間の配当金は、宣言、決定および公に提言された時期とは無関係に、当該年度の最終配当および 中間配当を表しており、配当再投資プランを含み、現金に代わるボーナス株式プランの下での発行 を含まない。 配当性向は、年間配当額を当社株主に帰属する一株当たり当期純利益で除して計算されている。 2012 年9月終了事業年度および 2012 年3月終了の半期の配当性向は、上記の定義に基づき再表示 されている。 (注6) フルタイム相当従業員(FTE)数には、パートタイム従業員(日割計算)および従業員名簿に記載さ れていないフルタイム相当従業員(契約社員等)が含まれる。 - 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