ARL4460 AL 原本 - サーモフィッシャーサイエンティフィック

Application
Note: 41222
固体発光分光分析によるアルミニウムとアルミ合金の分析 ARL4460 メタルアナライザー
容器、包装はアルミニウムの主要用途です。スクラッ
プ缶の再利用に代表されるアルミのリサイクル市場で
は大量なアルミニウムが再生され、新たな製品として
生まれ変わっています。また、自動車業界では将来の
アルミの需要に大きな可能性を秘めています。USアル
ミニウム協会が定めている規格は世界中で使用されて
おり、鋳物合金とダイキャスト合金に対して異なった
Key Words
• ARL 4460
• Aluminum
• Metals Analyzer
• Optical Emission
用語を用いています。
1000 シリーズ
イントロダクション
アルミニウムとアルミニウム合金の分析技術は驚
異的な進歩を遂げました。サンプル分析時間,感
度、精度、正確度、そしてメンテナンスオペレー
ション、分析に求められてきた進化がサーモ
フィッシャーサイエンティフィックのARL4460固体
発光分析装置によって実現しました。その実績は
1994年の発売以来10,000台以上を誇ります。原料
管理、品質保証、生産評価分析の答えがここにあ
ります。ARL4460は、24時間365日、より高いパ
フォーマンスを探求し続けます。
ARL4460固体発光分析装置は同時に60元素の分析が
40秒以下で可能です。
詳しくは下記の詳細をご参照ください。
純Al
電子材料
2000 シリーズ
Al - Cu 系合金
航空機
3000 シリーズ
Al - Mn系合金
包装
4000 シリーズ
Al -Si 系合金
ピストン
5000 シリーズ
Al - Mg系合金
海洋構造物
6000 シリーズ
Al -Mg - Si 系合金
押出し材料
7000 シリーズ
Al - Zn 系合金
高強度材料
CCS電源( Current Controlled Source)
サーモフィッシャーサイエンシフィックが特許を持つ
CCS電源は発光分光分析に使われる他のどの発光電源に
対しても大きな優位性があります。業界唯一のサーボ
で制御された”デジタル化発光電源”です。
アルミニウム
電流波形はコンピューター制御されていて、金属のタ
アルミニウムは最も多目的に使用できる多機能且
イプによって最適なものが選択されます。ピーク電流
つ経済的な素材の一つで、高延性が必要なアルミ
値(最大250A)周波数(最大1000Hz)および放電波形
ホイルから飛行機のような最も過酷な工学応用分
をフレキシブルに最適化します。CCS電源は非常にコン
野まで幅広く使用されています。
パクトかつシンプルな設計で発光スタンド内に収まり
ます。また完全なノイズシールドが施され、優れた長
期安定性を発揮します。
特徴: • 低比重(低密度)、高比強度
• 高い耐腐食性
• 食品に対する高い安全性
• 高電気伝導率、高熱伝送率
主要な用途:
• 容器、包装
• 運輸
35%
20%
• 造船、建設 17%
• 電機
9%
• 機械、設備 7%
• その他各種
12%
時間分解分光法
(TRS:Time Resolved Spectroscopy)
事前設定検量線
分析波長によってバックグラウンドの割合は大き
く異なります。発光強度の積分時に適切な測光方
式を選択する事で微量成分分析の感度と精度を改
善させます。
TRSは必要な元素毎にバックグラウンドが高い
ピーク電流を取り除いて、最適なwindow(プラ
トー電流)の領域を選択測光が可能です。
分析対象元素の励起電位に著しい違いのあるスペ
クトルライン干渉の場合、TRSを使用すること
で、キャリブレーションの精度が向上します。
ラムを用い、スペクトル干渉と同様のマトリックス
ARL4460固体発光分析装置は高度な検量線回帰プログ
効果の補正を行い、できる限りの正確な検量線の提
供が可能です。また装置導入後は、直ぐに正確な分
析が始められます。
異なる品質に対応する為、以下の検量線が用意され
ています。様々な品質に対応する為の、検量線サン
プルや標準化サンプルには認証された標準試料
(CRM,RM)を使い、検量線の正確度を維持していま
す。
• 純アルミニウム
• 低合金アルミニウム
• Al-Si系合金
• Al-Si-Cu系合金
• Al-Cu系合金
• Al-Zn系合金
• Al-Mg系合金
• グローバル検量線
グローバル検量線は正確度の高い仕分け用分析に使
ピン電極
用できるだけではなく、組成が不明な未知のサンプ
ARL4460はピン電極(0.5mmφ)を使用している為、電
極の清掃が必要ありません。ピン電極は通常の電極
と同じ性能を発揮し、尚且つ汚染レベルを低下させ
ます。
電極の清掃作業が省かれることで分析時間が更に短
縮されるだけでなく、発光スタンド内への大気の混
入が少なく出来、発光スタンド内の安定性を向上出
来ます。清掃が不要な事で、従来のブラシ材質から
の汚染の心配もありません。
ルの分析が可能です。グローバル検量線はプログラ
ム選択機能が使用されている時に推奨されます。
精度
精度は正確度分析一部に過ぎません。最も重要な要素
は検量線の品質と正確度です。そしてまた、特定の材
料に対応した検量線の開発も重要要素となります。高
エネルギー予備放電、マトリックスの照合、マトリッ
クス効果、そしてスペクトル干渉の補正を適切に行う
分析試料前処理
事で正確度の高い検量線の作成が可能です。
一般的な分析試料の前処理として旋盤切削、又は
下記の表よりTRSによって検量線のBEC.DLが改善され
フライス切削があります。研磨は分析面の汚染の
ていることがわかります。
リスクがある為、お勧めしておりません。
分析時間
分析を始めてから結果が出るまでの1分析所要時
間は合金で約21秒です。従来機に比べサンプルの
分析時間の50%以上が短縮されています。
元素:ニッケル
(TRSなし)
元素:ニッケル
(TRSあり)
表1. ARL4460-アルミベース 典型的な検出限界(3σ)と繰り返し分析精度(1σ) Ag
0.01
保証DL(ppm) ≤0.02
Level (ppm) SD
1
0.05
2
0.05
5
0.05
10
0.05
20
0.1
50
0.1
100
0.25
200
0.5
500
1
1000
2
Level%
0.2
0.0006
0.5
0.003
1
2
3
4
5
10
元素
DL (ppm)
Mg
0.2
保証DL(ppm) ≤0.3
Level (ppm) SD
1
<0.05
2
0.07
5
0.1
10
0.1
20
0.2
50
0.3
100
0.5
200
1
500
2
1000
4
Level %
0.0008
0.2
0.5
0.002
1
0.004
2
0.008
3
0.012
4
0.016
5
0.02
10
0.04
20
元素
DL (ppm)
As
2
≤3
SD
1.5
1.5
1.5
2
3
5
10
B
0.1
≤0.2
SD
0.07
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
Ba
0.04
≤0.1
SD
<0.01
0.02
0.05
0.1
0.2
0.5
2
Be
0.001
≤0.003
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
Bi
0.3
≤0.6
SD
0.2
0.2
0.2
0.2
0.2
0.5
1
3
7
10
Ca
0.05
≤0.1
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
2
4
10
20
Cd
0.15
≤0.3
SD
0.1
0.1
0.15
0.15
0.2
0.5
1
2
5
10
Co
0.07
≤0.15
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
0.0008
0.002
0.003
0.007
Mo
0.2
≤0.4
SD
0.07
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
1
Na
0.04
≤0.1
SD
<0.01
0.02
0.05
0.1
0.2
0.5
2
Ni
0.15
≤0.4
SD
<0.1
0.1
0.1
0.1
0.2
0.3
0.5
1
3
5
0.001
0.0025
0.005
0.01
P
1.3
≤2
SD
0.4
0.5
0.6
0.7
1
1
2
Cu
0.05
≤0.1
SD
0.02
0.04
0.07
0.1
0.1
0.3
0.5
1
3
5
Fe
0.2
≤0.4
SD
0.1
0.1
0.1
0.1
0.2
0.4
0.6
1
3
6
Ga
0.07
≤0.15
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
Hg
0.5
≤0.8
SD
0.2
0.25
0.35
0.5
1
1
2
4
7
10
In
0.2
≤0.5
SD
0.2
0.25
0.35
0.5
1
1
2
4
7
10
Li
0.2
≤0.05
SD
<0.01
0.02
0.05
0.1
0.5
1
2
Tl
0.3
≤0.6
SD
0.1
0.1
0.15
0.15
0.2
0.5
1
V
0.1
≤0.15
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
Zn
1.0
≤0.15
SD
0.4
0.4
0.5
0.5
0.7
1
1.5
2
2.5
5
Zr
0.1
≤0.25
SD
0.1
0.1
0.15
0.15
0.2
0.3
0.5
1
2
4
0.001 0.001 0.001
0.0015
0.004
Mn
0.1
≤0.2
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.3
0.5
1
3
5
Cr
0.05
≤0.1
SD
<0.05
0.07
0.1
0.1
0.2
0.3
0.5
1
2
5
0.0025 0.0025 0.0025
Pb
0.2
≤0.5
SD
0.15
0.15
0.20
0.25
0.25
0.4
1
2
4
6
Sb
1.0
≤1.5
SD
0.3
0.3
0.4
0.5
1
1
2
4
7
10
Si
0.1
≤0.4
SD
0.1
0.1
0.1
0.1
0.2
0.2
0.5
1
2
5
Sn
0.3
≤0.5
SD
0.2
0.2
0.2
0.2
0.3
0.4
0.7
1
3
6
0.0012 0.002 0.0008 0.0012
0.005 0.005 0.0015 0.0035
0.003 0.01
0.006
0.01
0.013
0.016
0.03
0.06
0.005
0.01
0.015
0.02
0.025
0.05
0.006
0.01
0.015
0.02
0.025
Sr
0.02
≤0.04
SD
<0.01
0.02
0.05
0.1
0.2
0.5
1
2
5
10
Ti
0.07
≤0.12
SD
0.07
0.1
0.1
0.1
0.2
0.3
0.5
1
2.5
5
0.0008
0.002
備考: このデータは、推奨のサンプル前処理方法にて準備された均一サンプルで分析した時の値となります。
精度は典型的な値で、保証値は1.5倍高くなります。
精度は10連続の測定の値を基本にしています。
マルチベースの装置は選択した分析波長により異なることがあります。
0.001 0.001
0.002 0.002
0.004
0.008
0.011
0.015
0.02
0.04
オプション
性能保証
1.超高純度アルミニウム用検量線
最大限の検出限界を維持して、アルミ純度99.5から
99.999%のレベルでの測定が可能です。
サーモフィッシャーサイエンティフィックは添付の
表(適正な前処理を行った均質な認証物質を用い
た)の数値を保証しています。最新の成績表は当社
ウェブサイトで随時更新されています。
www.thermo.com/oes
精度は以下の公式より算出されています。
2.スモールサンプルの分析
通常スモールサンプルは、ICP等の湿式化学にて分析を
行いますが、小径サンプル用に開発された特別な励起
条件により直径6mmの小さなサンプルも分析が可能にな
ります。
3.スパークDAT
Spark-DATは、積算値の代わりに個々のスパークデータ
処理が出来ます。また、含有物の強度分布と構成の特
定が可能です。
メモリー効果の低減
以下の図は、合金分析後に純Alを分析した例で放
電回数とメモリーの関係を示しています。合金分
析後の影響Si,Cuが約5ppm、Mgが約2ppmです。ピン
電極を採用する事で試料間のメモリー効果低減が
出来ます。
安定性
工程管理分析にとって最も重要な事はデータの安定
性です。ARL4460固体発光分析装置の中期安定性(2
4時間測定)の標準偏差は、短期繰返分析標準偏差
の2倍以下と優れた安定性を有しています。
下記の表はSUS RA18/1で長期的なデータ安定性を測
定したもので、15日以上も全くドリフト補正が行わ
れていない事を示しています。値がほとんど管理限
界を超えていない事がわかります。
In addition to these
office, Thermo Fisher
Scientific maintains
a network of represen‐
tatove organizations
throughout the world.
純アルミニウムサンプルのDL(検出下限)は濃度
0近傍の標準偏差 の3倍と定義されます。
結論
ARL4460固体発光分析装置には、先端技術を駆使した
だけに止まらず、お客様の最も厳しいニーズに応え
られるトータル・システム機能を統合した世界最性
能の装置です。
●安全性と信頼性のハードウェア
●検出限界、精度、安定性、メモリー効果、分析時
間での優れたパフォーマンス
●HTML/インターネット技術による最新鋭ソフトでシ
ンプル操作
●初心者でも分かり易い操作性
●幅広い分析範囲
●全自動分析自動システムARL SMS-2000対応
●安心&信頼のサービスサポート
●研究機関認可指導
●迅速なパーツ供給
ここにある全ての要素があなたの生産効率を最適に
導き、短期間での投資回収を可能にします。
●装置の耐久年数の長さは設備投資のコスト削減に
大きく 貢献します。年数が経っている装置もアッ
プグレードによってより長く最適な環境でご愛用い
ただけます。
●将来のニーズにも対応可能な機能が設備投資を最
小限に抑えます。
●より正確で再現性の良い分析を実現する事でコス
トの削減でき、あなたの生産コストに大きく寄与で
きます。
●高い安定性によってドリフト補正の頻度が少なく
なり、安定した分析値管理が可能で、生産コストの
削減に大きく寄与します。
●ドリフト補正サンプルの消費を少なくする事でオ
ペレーティング、メンテナンスコストの削減に貢献
します。
●金属分析に最適な方法を取り込む事で、他の分析
手法に比べて非常に低いランニングコストが実現で
きます。
私たちは70年以上の歴史と経験を積み重ね、固体金
属分析においてワールドリーダーとして常に最先端
の技術をお届けする責任を担ってきました。これか
らもお客様にベストな分析環境を提供し続けてまい
ります。
Africa
+43 1 333 5034 127
Australia
+61 2 8844 9500
Austria
+43 1 333 50340
Belgium
+32 2 482 30 30
Canada
+1 800 530 8447
China
+86 10 5850 3588
Denmark
+45 70 23 62 60
Europe-Other
+43 1 333 5034 127
Germany
+49 6103 408 1014
India
+91 22 6742 9434
Italy
+39 02 950 591
Japan
+81 45 453 9100
Latin America
+1 608 276 5659
Middle East
+43 1 333 5034 127
Netherlands
+31 76 587 98 88
South Africe
+27 11 570 1840
Spain
+34 914 845 965
Sewden/Norway
+46 8 556 468 00
Switzerland
+41 21 694 71 11
UK
+44 1442 233555
USA
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