2012年1月号 - 八事日赤広場

名古屋第二日赤ニュース
平成24年3月1日
発行所:名古屋第二赤十字病院
編集兼発行責任者:須賀 猛
名古屋市昭和区妙見町2-9 TEL052-832-1121
印刷所:西川コミュニケーションズ株式会社
http://www.nagoya2.jrc.or.jp/
本文2ページ
第398号
No.
398
最高の病院になるために
今が旬。春の訪れ、
いちご狩り
〈2〉 最高の病院になるために
目次
〈3〉 市民公開講座
「転ばぬ先のほね」
昭和区医師会薬剤師会合同講演会
〈4〉 第3回ERU技術要員研修
〈5〉 第25回緩和ケア勉強会
オペラ訪問演奏会
幹部による院内ラウンド
〈6〉 山王中学生の市内分散学習
2012新年互礼会/コラム
〈7〉 国際医療救援月例研修会
外国人留学生の院内見学
〈8〉 モニター制度導入を予定しています
ハイチ大地震災害被災者支援事業
〈9〉 研修医の窓
キャンの豆まき体験記/人事往来
〈10〉古今東西
石川院長が、今年本誌の年頭所感で
「当院が
“平均より良い病院”から
“最高の病院”になることを目指して頑張っ
ていきたい」と抱負を述べられました。やまのて編集部では石川院長の目指す“最高の病院”について具体的にお聞
きし、これをシリーズ化することに決定しました。
シリーズ
の 病院
になるために
私が院長に就任して今年の3月で丁度5年になります。
5年という節目を迎えて院長として今年の年頭に一大
決意を表明いたしました。
“最高の病院”
になることで
す。
現在、
当院は世間から比較的良い病院と言われてい
るのは確かかと思います。
しかしながら、
医療トラブル
は全く減らない、
看護師の離職率は高い、
接遇のプロか
ら接遇は三流と言われる等々、
とても
“最高の病院”と
は言えないと思います。
“最高の病院”
とは、
どういう病院でしょうか? 職員
の皆さんが当院の職員であることに誇りを持ち、周り
の人から当院の職員であることを羨ましがられるよう
な病院と言ってもいいかもしれません。
“最高の病院”とは、職員の皆さんが日々の仕事にや
りがいを持ち、皆さんが患者さんに行っている医療や
サービスは最高であると信じ、患者さんが自分たちの
受けている医療やサービスは最高であると感じてい
る病院です。これらの3つのことは決して独立してい
るのではなく、非常に密接な関連があります。すなわ
ち、
職員の皆さんがやりがいを持って仕事をすれば、
患
者さんに良い医療やサービスを提供できることになり、
それは結果として患者さんが満足し、病院が高い評価
を受けることに繋がります。
“最高の病院”
とは職員満
足度と患者満足度の両方が満たされる病院と言うこと
ができるかと思います。
“最高の病院”
になるためには、
どうすればいいでしょ
うか? 院長1人だけが掛け声をかけていても何とも
ならないのは確かです。
職員の皆さん1人ひとりの協力
が必要です。職員の皆さん全員が
“最高の病院”になる
という同じ気持ちを持たなければできないと思います。
“最高の病院”
になるのに、
これから何年かかるか分か
りませんが、具体的な目標を掲げて着実に実現してい
きたいと思います。職員の皆さんに過重な負担がかか
らないように、
また計画が空回りしないように、
できる
ところから始めていきたいと思います。職員の皆さん
のご協力を期待しています。
“最高の病院”
になるために、
職員の皆さんからご意見
がありましたら、
小さなことでも結構ですから、
是非、
私
までメールでお知らせください。(メールアドレス:[email protected]) 職員の皆さんからいただいた
ご意見をこのコーナーで紹介したいと思います。
2
1
vol.
院長 石川 清
先日、ある看護師さんから届いたメールをご紹介し
ます。
メッセージ
(院長の)をみて、初心に返ることができ
ました。私は、
若きし頃就職先を選ぶとき重要視したの
は、
「日赤」
精神でした。
そこにあこがれて入社しました。
田舎の出身で、
ご近所みんな挨拶に始まり、
挨拶に終わ
る生活をしていました。
しかし、
いざ、
就職した時、
院内
の殺伐とした雰囲気を感じました。
「職員同士や来院者
に対してまったく挨拶しない病院なんだ」
というショッ
クを受けた記憶がよみがえってきました。病棟でも、
さ
わやかな挨拶が出来るスタッフは少ないように感じま
す。今は自分なりに努力し、
外来やエレベーターですれ
違ったり、
ご一緒した方へは意識して挨拶しています。
病棟でもスタッフへ意識して元気に挨拶をなげかけて
います。院内全体で、
すれ違っただけでも、
(誰にでも:
面会の方、
外来への来院患者、
スタッフや他職種すべて
の方へ)
挨拶、
声をかけあえるような病院になればいい
なと常々考えています。実際に院内にいらっしゃる方
へスタッフから声をかけるようになってから、
接遇面は
もちろんですが、
不審者が激減したなど、
ほかの施設の
話しを聞いたことがあります。
物もお金もいりませんの
で、
即院内全体で取り組めるといいなと思いました。
院長の私も同じことを感じていました。これはすぐ
に取り組めることなので実行したいと思います。
この
“最高の病院になるために”のコーナーは、これ
からシリーズで毎回やまのてに掲載し、具体的な取り
組みを紹介していく予定です。
市民公開講座
『転ばぬ先のほね』
開催
最近、
健康寿命という言葉がよく聞かれます。
介護を
必要とせずに生活できる期間のことですが、
寿命の中で
介護を必要とする期間は短くしたいものです。
介護が必
要となる原因として生活習慣病や認知症は有名ですが、
運動器の障害も重要です。
運動器には、
運動をするのに
必要な骨、
軟骨、
筋肉や神経などが含まれますが、
これら
が障害されて要介護となる高齢者が多いことがわかっ
てきました。
こうしたことを市民の皆さんに広く理解し
ていただくために、1月21日
(土)
に市民公開講座
『転ば
ぬ先のほね』
が開催されました。
この講座は当院地域医
療連携センターと特定非営利活動法人名古屋整形外科
地域医療連携支援センターが共同で企画運営されまし
た。当日は当
院整形外科
の佐藤公治
先生の司会
進 行 のもと、
陽明寺本クリ
ニックの寺本
隆先生、当院
リハビリテー
ション 科 の
安藤智洋、
銭田治療院の銭田良博先生による講演が行わ
れました。
寺本先生は骨の重要性、
特に骨粗しょう症に
ついて大変わかりやすく講演されました。
安藤はロコモ
ティブシンドローム
(運動器症候群)
について、
銭田先生
はロコモティブシンドロームに対するトレーニングにつ
いて実技を交えて講演していただきました。
希望者に骨
密度測定も行ったこともあり、200名以上の多くの方に
参加していただき用意した資料が足りなくなるほどでし
た。
講演終了後に時間の許す限り参加者からの質問を受
けました。
骨粗しょう症の薬の使い方、
関節注射につい
て、
運動器障害時の実際の運動方法など多数の質問が寄
せられて関心の高さがうかがわれました。
また、
前転
(で
んぐり返し)
は何歳までやっていいのか?笑いを誘うよ
うな質問もあり和やかな雰囲気で講座は無事終了しま
した。
今後も市民の皆さんの期待に応えられるような市
民公開講座を企画していく予定です。
(リハビリテーション科部長 安藤智洋)
昭和区医師会薬剤師会合同講演会
1月14日
(土)
、当院研修ホールにて、褥瘡薬物治療を
テーマとした昭和区医師会薬剤師会合同講演会
(後援 褥瘡対策委員会、
緩和ケアチーム委員会)
が開催されま
した。
院内参加者を含め73名
(医師13名、
薬剤師38名、
医
療スタッフ22名)
の参加がありました。
最初にチューリップ薬局平針店の水野正子管理薬剤
師から、
「開局薬剤師から在宅褥瘡治療」
の発表があり、
薬剤師が核となり在宅医師、
訪問看護師と家族の連携を
強化した結果、
治癒につながった症例報告がありました。
次に、
当院の川出義浩製剤係長から
「病院薬剤師から緩
和医療における褥瘡対策」
の発表があり、
当院における
褥瘡発生状況と、
緩和医療における褥瘡対策は不可欠で
あるとの活動報告がありました。
特別講演
(座長 山本敬三皮膚科部長)
では、
国立長
寿医療研究センター薬剤部 臨床研究推進部 高齢者
薬物治療研究
室の古田勝経
先生をお招きし、
「褥瘡が早く治
る薬物療法3つ
のポイント」と
題した講演があ
りました。褥 瘡
治療に関する
豊富な経験か
ら、
物理学、
化学、
生物学を駆使した薬物治療法を中心に
解説されました。
質疑応答では、
在宅診療を行う医師から、
褥瘡治療に
難渋した症例の質問に対し、
古田先生は丁寧に解決策を
回答しておりました。
参加者アンケート結果より、
薬理学、
製剤学に基づいた最新の基礎知見から、
臨床へ応用し、
実際の処置方法まで踏み込んだ講演内容に対して、
高い
評価を得ました。
今回は、
在宅、
病院など療養環境に関わ
らず、
褥瘡予防および早期治癒を目指した褥瘡治療の重
要性を再認識した合同講演会でした。
(薬剤部製剤係長 川出義浩)
3
第3回ERU技術要員研修を開催
微生物で分解するトイレの設置
去る1月28、29日、
当院3病棟1階研修ホールにて国際
医療救援部が主催する
「第3回ERU技術要員研修」
が開
催されました。
この研修は、
日常業務では研鑚が困難な
ERU技術要員として必要とされる知識・技術の向上、
そ
して登録要員数の少ない技術要員の潜在的な人材育
成を目的とし2011年に日本赤十字社の国際活動に関わ
る研修体系の一つとして位置づけられました。2007年、
2008年に開催され、
今年で3回目を迎えた本研修では、
技
術要員として豊富な経験を持つ当院の浅井由樹夫設備
整備係長、
山田悌士第二臨床工学課長、
新居優貴臨床工
学技士を始め、
放射線技師として国際活動に携わった経
験を持つ駒井一洋放射線治療技術課長、
滅菌器の取扱
いについては長尾佳世子看護師長、
また大阪赤十字病院
より管理要員として活躍する喜田たろう臨床検査技師
を講師およびアドバイザーとして迎えました。
参加者は
全国各地の赤十字関連施設から、
臨床工学技士、
放射線
技師、
事務職等、ERU技術要員および管理要員として
活躍するあるいは目指している様々な職種の方々 18名
が集まりました。
研修では、
電気理論
(電圧・電流・電力など)
や電気工事
の基礎
(テスター・電流計・道具の使い方、
ハンダ付け、
延
衛星を使った通信
長コードの作成など)
の講義及び実習、
また実際にERU
資機材を使用し、
暖房器・発電機の取扱いの実習やテン
トの設営、
故障の修理、
通信モジュールの取扱い、
水質検
査を行いました。
初めての試みとしてハイチ大地震災害
時に新たに導入されたX線機器の設置の仕方や、
放射線
に関する基本的な講義も取り入れられました。
参加者からは実技が非常に有効であった、
今後も定期
的に開催して欲しいとの声が聞かれ、
院内スタッフの協
力を得て成功裏に終わりました。
(国際医療救援部)
参加者からの声
医療技術部放射線科 診療放射線技師 堀部良美 今回の研修ではERU機材を用いた実習が多くあり、
実際にテントやトイレの
組み立て、
発電機や暖房機、
通信機器の使い方などを自分の手を使って経験し
ました。
技術要員の仕事はイメージしにくかったのですが今回の研修を経験し
てするべき仕事、
他のERU要員から求められる役割が理解出来ました。
また研
修には全国の赤十字施設の職員が参加しており意見を交換し、
自分の意欲を高
める貴重な機会になりました。
管理局業務部入院業務課 主事 中島 健太郎
今回の研修では、ERU基礎保健医療研修で学んだ知識を実際に作業するこ
とにより、
確かなものにしていく事ができました。
研修で行った各種講義や実習
は、
技術要員を含めすべてのチームメンバーが習得する必要があるもので、
任務
を遂行するために必要なことをより具体的に知ることができたと思います。
特に、
ほかの施設の職員の方と経験や国際活動に対する思いなど、
積極的に意見交換
が行うことができたことは、
大変貴重なものとなりました。
日常業務とは全く違
う分野ですが、ERU要員登録を終えた上で、
この研修を受けたことにより国際
活動に対する意欲を高めるよい機会となったと思います。
4
暖房器の説明
第25回緩和ケア勉強会
1月19日
(木)
、
加藤化学
にて 第25回 緩 和 ケア 勉
強会を開催しました。本
勉強会は、緩和ケアチー
ム委員会が主催し、病院
内の緩和ケア推進と医療
従事者の知識向上を目的
に、タイムリーな話題を
中心としたプログラム構
成にしております。今回
の参加者
(全職員対象)
は
53名でした。
緩 和ケアチーム委 員
長の若山尚士呼吸器・腫
瘍内科部長の司会進行ではじまり、最初は川出義浩製
剤係長から
「トラマドールの使い方を考える」
という題
で、WHOがん疼痛治療法の第二段階に位置する新規薬
剤についての
解説がありまし
次に、
棚橋順
た。
治麻酔・集中治
療 副 部 長から
「針で治るがん
の 痛 み − が
ん患者に対す
る神経ブロック
−」をテーマに
解説がありまし
た。
がん性疼痛に対する神経ブロックの適応、
種類、
手技
について、
動画や症例提示を行いながら、
わかりやすく
解説されました。
今後も緩和ケアチーム委員会では、
緩和ケアの質向上
と普及に取り組んでまいります。
(緩和ケアチーム委員会)
オペラ訪問演奏が行われました
1月11日研修ホールにて、オペラ訪問演奏が行われ
ました。当院初めてのオペラ演奏会は、愛知県文化振
興事業団のThe Three by one vol.2関連事業として実
現し、平日14時の開演でしたが、150人以上の聴衆で
会場が埋まりました。
演奏が始まると、ソプラノの平野雅世さんテノール
の永井秀司さんの、マイクを通さない生の美声が研修
ホール中に響き渡り、その迫力に聴衆は終始圧倒され
ました。オペラ鑑賞では歌詞が外国語の場合、内容が
理解できず十分楽しめない場合があります。今回はパ
ンフレットに演奏曲の解説があっただけでなく、ピア
ノ演奏者の服部容子さんが演奏曲ごとに、登場人物や
背景などの説明をしてくださったので、情景を思い浮
かべ易く、聴衆は曲の世界に引き込まれました。
皆 さ ん は 素 晴 ら し い 演 奏 に 対 し て「 ブ ラ ボ ー!」
といいませんか?服部さんの説明によると、「ブラ
ボー!」は単数の男性に送る賞賛の言葉。男女関係な
く複数の演者に向けて送られるべき言葉は、「ブラ
ヴィー!」だそうです。(女性単数は「ブラヴァ!」)
素晴らしい演奏に、聴衆席から
「ブラヴィー!」の声
が何度も響きました。
幹部による院内ラウンドが始まりました
毎月第3水曜日の幹部会終了
後に、幹部による院内ラウンド
が行われています。毎回3部署
程度を対象に、療養環境や労働
環境などについてラウンドが
なされます。ラウンドの対象は
全部署ですので、次はあなたの
部署かも。せっかくの機会です、
ラウンドの際はぜひ積極的に
幹部と対話をしてください。
5
山王中学校1年生が市内分散学習を行いました
1月25日、名古屋市立山王中学校1年2組の5名の生
徒さんが、市内分散学習のため当院を訪れ、インタ
ビュー活動と院内見学を行いました。
インタビューでは、「災害時に機敏な活動ができる
ように、訓練をしていると聞いたのですが、どのよう
な訓練をしているのですか」といった災害対策や災害
時の果たす役割についての質問がなされました。イン
タビュー後、防災センターなども見学し、当院の無停
電装置や非常用発電設備についての説明を受けると、
「よっぽど大きな災害が来ても患者さんが安心して治
療を受けられることを実感した」と生徒さんは話して
くれました。また、産科病棟にて間近で新生児がミル
クを飲ませてもらっているところを見学した時には、
大きな歓声が起きました。
後日、班を代表して角田羅咲さんからお礼状をいた
だきましたので、ご紹介します。
名古屋第二赤十字病院 渡辺さん 江上さんへ
拝啓。
まだまだ寒い日が続きますが、
いかがお過ごしでしょうか。
先日は、
私たちの市内分散学習として、
たいへんお世話になり本
当にありがとうございます。
ほんのわずか1時間でしたが、
災害時の
活動、
防災対策や普段の仕事などを知ることができました。
とても
お世話になりました。
今、
私たちは今回の分散学習で学んだことをみんなに伝えよう
と発表に向けて準備を進めています。
渡辺さんも江上さんもお体に気を付けがんばってください。
敬具
2012 新年互礼会
会
仕 事 始 め の1月4日、16時 よ
り新年互礼会が開催されまし
た。石川院長より年頭のあいさ
つ が あ っ た 後、研 修 ホ ー ル に
集った多くの職員は互いに新
年のあいさつを交わしました。
コラ ム
キャッチコピーは大切
広報を担当すると側としてはせっかくの作品を読
んでもらいたいのは当然。良い商品を作っても売れ
なければ良さが広まらないことなど医療の現場でも
当てはまることはあるかもしれない。キャッチの手
法で気づかせる方法はいろいろCMで出回っている
がお気づきでしょうか。例をあげれば「…が気になり
ませんか」とか「…は役立っています」など相手に気
付かせる方法です。CMを良く見るとこの手法が取
6
り入れられています。この場合相手とは消費者を言
いますが、これを対人関係での気付かせる応用を行
ない指導するのも一つの手法となると思うのですが、
鈍感な私には理解が出来るかどうか…タイトル一つ
にも重い思いが込められています。「やまのて」をご
愛読願いたい。
風
国際医療救援月例研修会
「国際活動における管理要員の
役割について∼ミッションの成
功は管理要員の腕次第!?∼」
講師:喜田たろう氏(大阪赤十字病院 臨床検査技師)
立川 俊彦氏(日本赤十字社愛知県支部 主事)
去る1月11日の研修会は、洪水によって大きな被害
を受けたパキスタン、大地震後コレラが発生したハイ
チなど様々な現場を経験し、チームリーダーとしても
活躍するベテラン管理要員の喜田氏と、昨年初めて派
遣を経験された立川氏を講師に招き、国際活動におけ
る管理要員の役割について講演していただきました。
研修会では大震災後のハイチなど、治安が良いとは
言えない環境の中で活動する要員の安全をどう守る
のだろう?ストレスの多い環境の中、どのように気分
転換を行っているのだろう?といった疑問に、講師が
経験談を交えながら答えて下さいました。
管理要員は医療職に比べると直接被災者と関わる
ことは少ないですが、活動に必要な物品の調達、現地
スタッフの雇用、活動資金の管理、食事や宿泊の手配
等、要員の円滑な活動にはなくてはならない存在です。
間接的ではありますが、被災者の人たちへの救援活動
の後方支援になっていることが分かるとき、やりがい
を感じるとのことでした。
また質疑応答では、
「緊急救援の際、医師がチーム
リーダーをすることが多いのが現状ですが、災害の
フェーズによってチームリーダーに求められる役割
も異なるため、フェーズ毎にチームリーダーとして適
している職種も異なるのではないか」との質問に対し、
「活動場所の選定、他団体との調整・交渉が多い災害発
生初期には管理要員、活動が始まって診療所を運営す
る段階では医師がチームリーダーをすることも考え
ていい」との意見交換がありました。あまり知ること
のできない管理要員の活動について聞くことができ
良かったとの感想などが聞かれ、大変有意義な研修会
となりました。
(国際医療救援部)
外国人留学生が当院を見学しました
名古屋大学でヤングリーダーズプログラム
(YLP:Young Leaders Program)の医療行政コースに
在学中の10名が、1月31日
(火)当院の見学に訪れま
した。YLPとは文部科学省による国費外国人留学生
、
制度のプログラムのひとつです。今回参加した10名は、
アジア・東ヨーロッパ諸国の保健省で働く医師、薬剤
師や事務職員などで、病院に関心が高くとても熱心に
見学をされました。
研修ホールでの病院案内と東日本大震災での活動
紹介のあと、病棟やエネルギーセンター等、院内見学
、
を行いました。見学中はもちろん質疑応答の時間には、
赤十字病院の運営形態について、日本の医療制度につ
いて等、たくさんの質問がなされ予定時間を大幅に過
ぎての終了となりました。
7
モニタ制度導入を予定しています
残念ながら職員は応募できません。一般的にモニタ
とは、世の中のサービス・商品がより良くなり、生活し
やすい世の中になる為の調査に協力をする事を言い
まが、主催者側からすると少し意味合いが違い、
「マー
ケティングリサーチ」の為に募集をしています。
マーケティングリサーチとは?
直訳すると、「市場調査」という言葉になります。最
近は、インターネット上で「◎◎マーケティング」とい
う言葉をよく見かけますが、このマーケティングリ
サーチ。主催者にとって、売り上げを上げる為、儲ける
為に必要な、ありとあらゆる方法を意味します。つま
りマーケティングとは売り上げを上げるのに必要な、
あらゆる方法となります。マーケティングリサーチと
は売上げを上げるのに必要な方法を調査する事です。
売上げを上げるのに必要な方法を調査する方法の一
つとしてモニタ制度を取り入れることとなります。
ここで、一つの疑問が生まれると思います。
企業が募集するモニタが、マーケティングリサーチ
の為のものだというのは、わかります。では、病院が募
集するモニタというのは、
何の為なのでしょうか。
答えは簡単です。病院が行なうモニタも、究極的に
は、売り上げを上げる為に行われています。病院は、
「病院という名の会社」と言え、医療を提供する事業が
あります。事業の対価は、医療費でまかなわれていま
す。患者さんは、医療費を支払う病院のお客様なので
す。そしてモニタはお客様(患者)代表として、意見を述
べる立場になります。
モニタのイメージは何だか悪い事をしているよう
に感ずる人もいるかもしれませんが、それは違います。
病院の事業で「売り上げが上がる」という事は、私達職
員が安心して生活していく上で重要な事であり、多く
の人の治療の手助けをしています。病院が利益を上げ
るという事は、職員やその家族がうるおいます。
病院がうるおえば、高度医療機器の整備など様々な
サービスを提供することが出来ます。病院の設備整備
の提供により多くの患者へのサービスの向上につな
がります。モニタ制度というのは、全てがうるおう為
に必要不可欠で重要なものなのです。この制度に参加
できるモニタさんは、周りの皆をうるおわせる為にし
ている活動だと、自信をもって、取り組んで欲しいと
考えます。
モニタは懸賞と同じように思われることがありま
すが、実際には自分の意見が病院のサービスに反映さ
れるというやりがいや、社会参加・貢献ができるとい
う、とっても奥の深い制度と思います。
名古屋第二赤十字病院では、より良いサービスを提
供するため、病院をご利用の患者様をはじめ一般の
方々に「名古屋第二赤十字病院Web・メールモニター」
として登録いただき、インターネットを利用したアン
ケートにお答えいただくことで、モニタの皆様からの
ご意見を病院運営に活かしていきます。
(企画課)
ハイチ大地震災害被災者支援事業
1月5日(木)ハイチ大地震災害被災者支援事
業のため、6ケ月間派遣される山之内千絵看護
師の出発式が行われました。
2010年に発生したM7.0の大地震によって、
ハイチでは31万人もの人が亡くなり、国民の5
分の1にあたる200万人が被災しました。地震発
生直後から継続して活動を行っている国際赤
十字・赤新月社連盟の要員として、山之内看護
師は保健事業計画の策定や実施、ハイチ赤十字
社をはじめとする各国赤十字社や、現地スタッ
フ、ボランティアとともに復興支援事業を行う
予定です。
出発式で石川院長は、これまでの経験を活か
して頑張ってもらえると期待していますと激
励しました。タンザニア赤十字社難民支援事業
での活動経験のある山之内看護師は、難民キャ
ンプでの人材育成の経験を生かしたいと抱負
を述べました。
8
研修医1年次 伊藤 歩
あゆみ
“4月からどうしよう。
”
“先輩みたいにできる気がしな
い。
”
ここ最近の同期との会話は、
こればかりだ。
振り返ること2011年4月。
真新しい折り目の付いた白衣
に袖を通し、
胸には若葉マークのある名札。
白衣の袖の
真っ赤な赤十字マークと自分の名前の刺繍を見て、
心が
弾んだ。
小さい頃からブラックジャックに憧れて、
将来医
師になることしか考えていなかった自分がやっとここま
で来たかと思うと、
すごくうれしかった。
しかし周りを見渡
すと、
きりっとした同期23人がいた。
こんな浮かれた気持
ちは私だけかと、
必死にクールを装った。
あれから早1年、
少しは成長できただろうか。
初めての
救急外来当直で
「若年男性の発熱1日目」
に30分かけて問
診していた私、
末梢を取るだけでシーツを血だらけにして
いた私、
そんな自分が懐かしい。
今そんなことをしていた
らどんな冷たい目で見られるか、
考えただけでも恐ろしい。
最近、
切に思うことがある。
今まで人から感謝されたこ
とは片手でおさまる程度しかなかった。
しかし、
働き始め
てから
“ありがとう”
という言葉を聞かない日はない。
果た
してその言葉に恥じない程のことができているかどうか
はわからないが単純なもので、
この一言で舞い上がり、
笑
顔が生まれがんばろうという気持ちが自然と沸いてくる。
やはり
“この職業は天職だ”
なんて、
恥ずかしながら浮か
れてしまう。
そんな浮かれている最中、4月からぴかぴかの新社会
人がやってくる。
そして私の胸から若葉マークがなくなっ
てしまう。
自分の知識や技術の未熟さは百も承知、
正直不
安でいっぱいだ。
不甲斐なさを痛感する毎日ではあるが、
…逃げられない。…やるしかない。
ただでさえ小さい体、
埋もれないように精一杯背伸びして大きく見せよう。
それ
でも太刀打ちできない時は、
頼りになる仲間がいる。
賢く
て、
ちょっぴり個性の強い仲間だけれど、
刺激しあい、
助け
合いながら成長していこう。
初心を忘れることなく、
一歩
ずつ前を向いて歩ん
でいこう。
こんな私ですが、
今
後も末永く暖かく見
守っていただけると
幸いです。
(写真は、
毎年恒例マロンでの
歓迎会出し物です。
や
はり個性が強い。
ちな
みに私はワニです。
)
キャンが豆まきを体験しました
第26期Lattitude(GAP)ボランティアのキャ
ンが、1月29日に行われた興正寺の豆まきに
参加しました。石川院長も壇上から福豆をま
かれました。背の高いキャンは有利かと思い
きや、福豆を取ろうと手を伸ばす周りの人た
ちの勢いに圧倒されていました。それでも福
豆の入った
袋を幾つ
も受け取り、
初めての
“節分”を楽
しみました。
キャンのコメント
私 は 八 事 の こう
しょうじの豆まきに、
さんかしました。
はじ
めは豆まきのいみは
知りませんでしたが、
とてもおもしろかっ
た で す。 私 は19
さいですが、
もっとたくさん豆をひろって食べました。
ことしは
きっといい年になるでしょう。
いろいろな人たちがたくさん来
ているので、
びっくりしました。
なぜ日本人がそのような、
でん
とう的な行事にさんかするのか理由はわかりませんが、
いろい
ろな人がいっしょに楽しめるのはとてもいいと思います。
○趣味 ◎抱負など
人事往来
◆ 採 用
H24.01.01 付
皮膚科副部長(皮膚科) H24.01.01 付
主事(人事課)
榊原 代幸
山本 理子
〇読書
◎患者さんの役に立つ医療を行えるように
スタッフのみなさんとがんばります。
〇茶道・ヴァイオリン演奏
◎お役に立つように努力致します。
とてもド
キドキしています。
よろしくお願いします。
9
助産師(1病棟4階東)
墨江 佳津子
梅野 光
〇読書
◎神戸で携わってきた仕事の経験で更に
人様の為にお役に立てると嬉しいです。
〇編物
◎よろしくお願いします。
松井 徹
日下部 篤宣
八木 哲也
鈴木 美保
H24.01.10 付
H24.01.18 付
H24.01.20 付
三田村 直美
石原 由紀江
沓名 睦美
看護師
主事
看護師
H24.01.01付
非常勤嘱託医師〈消化器内科〉
(第二消化器内科副部長)
藤原 圭
◆ 退 職
( )内は前職名
◆ 医師→非常勤嘱託医師
H24.01.10 付
非常勤嘱託医師
(呼吸器内科)
H24.01.01 付
非常勤嘱託医師
(眼科)
H24.01.01 付
非常勤嘱託医師
(放射線科)
H24.01.01 付
非常勤嘱託医師
(消化器内科)
H24.01.20 付
主事(施設・購入管理課(購入))H24.01.01 付
◆ 割愛転出
看護師 為永 さおり 高山赤十字病院へ H24.01.01付
新年の志
れていた。先生はそれを職員に遺そうとしていた
のだろう。
昨年、当院で身近に孔子の教えを実行した出来
当院は石川院長の緊急メッセージのもと、最終的
に 延 べ 二 百 二 十 七 名 の 職 員 を 派 遣 し た。院 長 の
﹁日常の診療に多少支障が出ても派遣する﹂、﹁こ
メッセージのいくつかをあげる。
川院長の三代前の院長、故富永健二先生のご挨拶
の未曾有の大災害のときに赤十字が頑張らなく
この対応に、職員のなかには、﹁なぜ、こんなに
だ。富 永 先 生 は、﹁ 今 年 の 年 末 年 始 に は じ っ く り
のは平成元年の九月で、富永先生が退任されたの
当院が負担を負うのか﹂と言う声もあった。そん
ていつ頑張るのか﹂、﹁ここでやらなければ、赤十
は平成二年九月だから、院長として最後の互礼会
なとき、私は、孔子のある言葉を思い出した。﹁君
本を読みました﹂と、井上靖さんの新刊本﹁孔子﹂
だったと思う。まだ、三十代前半だった私は、井上
子は義に喩り、小人は利に喩る﹂。意味は皆さんで
字の存在価値はない﹂。
靖さんの本は読んだことがなく、ましてや﹁孔子﹂
お考えいただきたいと思う。
さ て、石 川 院 長 の
﹁ 新 年 の 志 ﹂を 共 有 し、同 志 と
縁はめぐり、十年ほど前に本屋で文庫版を発見
携わる者の喜びは、患者さんと関わることで自己
に ま ず は、職 員 の 満 足 度 を 上 げ る こ と だ。医 療 に
なり最高の病院を目指そうではないか。そのため
し買い求めた。読み終わって、なぜ、富永先生が最
実現できること。職員の満足度が低いのに良い病
孔子も言っている。
﹁民、信なければ立たず﹂
と。
後の互礼会で﹁孔子﹂の本を紹介されたかわかっ
の交流を通して、人として、リーダーとして、企業
︵転石︶
院になることはありえない。
としてどうあるべきかという指針が散りばめら
た よ う な 気 が し た。こ こ に は、孔 子 と 弟 子 た ち と
ながら時が経過してしまった。
富永先生が勧める本なので、いつか読もうと思い
の こ と は 名 前 く ら い し か 知 ら な か っ た。し か し、
を 手 に と っ て 紹 介 さ れ た。﹁ 孔 子 ﹂が 刊 行 さ れ た
私にも心に残っている互礼会の挨拶がある。石
ないだろうか。
特に若い人たちの心にずっと残っていくのでは
高の病院﹄を目指す﹂と宣言した。この言葉は職員、 事があった。三月十一日に発生した東日本大震災。
は言われているが、今年はもう一歩前進して、﹃最
新年互礼会で石川院長は、﹁当院は良い病院と
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