再刊2号 - 同声会神奈川支部

東京藝術大学音楽学部同声会
神 奈 川 同声 会 会 報
再刊第二号
発行日 平成二十一年四月一日
発行責任者・高木幸三
神奈川同声会会長
高木 幸三
平成四・五年頃のある日、同窓の野畑百合・細水太一、
高木幸三等が相寄り、大先輩の山田浅蔵先生を会長に迎
りの音楽感で人を魅了し、戦前の横浜市音楽協会第一回
て議事を進行 議長に中村義春、書記に唐津麻佳子・松本淳子を選出し
な協力で最適な環境の中で実施され、神奈川
同声会からは十五名が参加、大変有意義な研
修会であった。
くて二十一組あり、大盛況であった。多くの
三、 第十三回新人コンサート 内容報告…中島陽一
入場者は五百人ほど、出演者は例年になく多
二、 第五回邦楽研修会 内容報告…野畑百合
会場や楽器については藝大音楽学部の全面的
一、 一般報告事項 内容報告…唐津麻佳子
議事・報告事項
新人演奏会に大先輩佐藤美子女史が一位出演という伝統
の会に出演出来たことを自らも誇り、長い教職活動と共
に本当に誇らしい経歴の持ち主でした。
神奈川同声会産みの親だったことは前述の通りですが、
再出発して暫くの間、会計、会報の発行等事務的なこと
を一手にひきうけられた功労を忘れることができません。
その細水君がやはり昨年四月に逝去にされ、心から追悼
するほかありません。
鈴木辰枝さんも東京音楽学校で同級、高校の名音楽教
師として有名で、神奈川同声会では特に会計としてご助
力いただき、面倒な処理を綿密にして頂きましたご恩を
忘れることは出来ません。亡くなって数年も経た後で誠
に申し訳ありませんが、併せて深く皆さんと共に哀悼の
意を表します。
えて、平成六年芸大同声会神奈川支部会として組織再編・
再出発したことは既に会報でも述べた通りです。当時山
聴衆が最後まで聞いてくださり賛辞の声も多
く聞かれた。
以上
中山 京 根来由実 八木下侑子 山田純子
十一名(五十音順敬称略)
栗 林 瑛 利 子 高 橋 幸 代 寺 本 麻 依 徳 備 裕 子 鮎澤由香理 麻田絵里子 荒木絵美 下 萩 原 直 子 高 木 幸 三 中 島 陽 一 中 村 浩 子 中村義春 野畑百合 松本淳子 真鍋恭子
箕輪響
以上 十七名(五十音順敬称略)
【新人コンサート出演者の出席者】
楠 山 光 彦 小 森 俊 明 小 山 節 子 三 林 輝 夫 石 川 治 子 岡 田 道 子 唐 津 麻 佳 子 川 名 佑 一 【平成二十年度総会出席者】
四、 神奈川同声会会報の再刊第一号の発行について
神奈川同声会 平成二十年度総会報告
ベルの高い演奏への賛辞があった。
挨拶の中で特に新人コンサートの大盛況とレ
会長挨拶 高木幸三
計二百五十一名で総会は成立
会員総数の五分の一で成立 出席二十八名 委任状二百二十二名
総会成立定足数百五十三名
会員十七名・新人コンサート出演者十一名 定足数 会員総数七百六十四名(平成二十年六月現在)
開催日時 平成二十年六月八日十二時開会
会場 馬車道十番館 出席者 二十八名
田先生は本部同声会の理事であり、又同声会が法人を返
上し大改革を遂げようとする時、短期間ながら理事長を
務められました。その後、病に倒れられ、暫くはプログ
ラムに激励文を載せて頂いたり会長としての用務を続け
ておられたのですが、実際会議にもでれず、会長に留ま
るにしのびないから、高木に会長を譲る・・・とおっしゃり、
勿論次の総会の議を経て会長の交替となった次第です。
そ の 後 先 生 の お 宅 に 野 畑 新 人 コ ン サ ー ト 運 営 委 員 長、
岡崎事務局長と共にご挨拶に伺ったのですが、その教育
魂と若い頃ラグビーで鍛えられたという気力は些にも衰
えず、眼光炯々として、とても我々の及ぶ所ではない・・・
とつくづくおもいました。その山田先生が昨年八月に逝
去されたと伺い本当に愕然とし、只々哀悼の意を捧げる
のみであります。 細水君は、芸大の前身東京音楽学校で同級師範科なが
らピアノに堪能、独特のユーモアと恩師月岡忠三先生譲
第十三回神奈川同声会会新人コンサート開催
二十一組が熱演を披露
岡﨑 實俊 事務局長
第十三回神奈川同声会新人コ
ンサートは第一回の二十三組に
次ぐ参加者を迎えて開催され
た。午後三時に開演した演奏会
は二回の休憩を挟んで五時間を
超え午後八時二〇分過ぎに終演
となった。この日は朝から大変
厳 し い ス ケ ジ ュ ー ル が 組 ま れ、
出演者もスタッフも大忙しだっ
た。特に十時半から始まったリ
ハーサルは一組あたり十分。ほ
とんどの組がちょっと音合わせ
した程度で本番に臨んだ。
そのような条件下でも本番に
掛ける情熱と集中力はさすが東
京藝大で培った音楽家魂が遺憾
なく発揮されるもので、五時間
以上に及んだ演奏会をけして飽
きさせるものではなかった。
この時代音楽で生きて行くの
はとても大変だが、芸術への献
身を貫きたくましい社会人に成
長して欲しいと願わずにはいら
れなかった。
平成二十年五月五日(日) 神奈川県立音楽堂 入場者数・五百名
当日の各演奏者のプロフィールや曲目解説・スナップ写真などはホームページに掲載しています。
プログラム
第1部
1. 山田純子(作曲) 山田純子/幻想迷宮 Ⅰ. shadow - 影 - Ⅱ. mirror - 鏡 - Ⅲ. loop - 輪 - 竹山 愛(Flute) 伊藤一人(Cembalo) 中山 京(Harp)
2. 麻田絵里子(ピアノ) F. ショパン/幻想曲 作品 49
3. 辻本雲母(ヴァイオリン)
R. シュトラウス/ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 作品 18 第 1 楽章
4. 小越由果(ピアノ) R. ラフマニノフ/楽興の時 作品 16 より 第1曲 第3曲 第4曲 5. 荒木絵美(アルト・サクソフォーン) F. デュクリュック/ソナタ 嬰ハ調 森本麻衣(Piano)
6. 新井未来子(山田流筝曲) 中能島欣一/赤壁賦
佐久間景子(箏:替手) 渡邊元子(尺八) 第2部
7. 高橋幸代(作曲) 高橋幸代/soma 押部朋子(Flute) 居石和代(Oboe) 竹内 弦(Violin) 堀田祐司(Cello) 斎藤祥子(Percussion)
8. 寺本舞依(ピアノ) F. ショパン/アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品 22
9. 今井潤子(ファゴット) C. サン = サーンス/ソナタ 作品 168 塩沢佐江(Piano) 10. 根来由実(ヴァイオリン) C. サン = サーンス/序奏とロンドカプリチオーソ 作品 28 森田英里奈(Piano)
11. 鮎澤由香理(メゾソプラノ) 小嶋 新(Clarinet) 徳備祐子(Piano) H. ヴォルフ/隠棲「メーリケ歌曲集 12 番」 W. A. モーツァルト/行きますとも、いとしい人よ オペラ「皇帝ティートの慈悲」より 12. 藤城真理(ソプラノ)
寺本舞依(Piano)
V. ベッリーニ/マリンコニア、優しいニンフ G. ドニゼッティ/あたりは沈黙にとざされて オペラ「ランメルモールのルチア」より 13. 東山加奈子(ヴァイオリン) E. イザイ/無伴奏ヴァイオリンソナタ 作品 27-4
14. 古川貴子(ピアノ) L. v. ベートーヴェン/6つの変奏曲 ヘ長調 作品 34
第3部
15. 徳備祐子(作曲) 徳備祐子/墨色の線描
只友佑季(Trumpet) 松添清香(Trumpet) 四條由紀子(Tuba) 中島 啓(Tuba)
16. 中野友裕(ピアノ)
R. シューマン/幻想曲 ハ長調 作品 17 より 第1楽章 17. 岡部亜希子(ヴァイオリン) 中島由紀(Piano) C. サン = サーンス(arr. I. ガラミアン)/ワルツ形式によるカプリース 練習曲 作品 52-6 18. 斉藤祥子(打楽器)
A. トーマス/ソロマリンバのための「マーリン 1、2」
19. 中山 京(ハープ)
N. フラジェロ/ハープのためのソナタ
20. 八木下侑子(ピアノ) O. メシアン/鳥のカタログより
21. 栗林瑛利子(ソプラノ) 古川貴子(Piano) G. ヴェルディ/不思議だわ…花から花へ オペラ「椿姫」より
新人演奏会に出演して
古川 貴子
楽器による「 soma
」という曲を発表させていただきまし
た。 舞 台 上 の 張 り つ め た 空 気、 演 奏 者 の 皆 と の 一 体 感、
のために書いた」と教えていただいたアリア「行きます
に「モーツァルトがクラリネットの名手シュタドーラー
した。本コンサートの選曲に際して、恩師三林輝夫先生
魂のふれあいさえ感じたことは、今でも鮮明に覚えてい
とも、いとしい人よ」を迷わず選びました。
んなふうに作品を大切に思ってくれることは、作曲家に
て く れ た 演 奏 者 た ち ・・・ 作 品 は、 演 奏 し て く れ る 方 が
いて初めて音となって生まれます。その上、演奏家がこ
とに改めて感謝すると共に、今後も一日一日を大切に学
大学で、こうして共に切磋琢磨する友人達に出会えたこ
人と共に作り出す事が出来たと思っています。
ます。それこそが「 soma
」という意味だったのだと思い
ます。音にこめられた想いを最大限に表現したいと言っ
昨 年 五 月、 新 人 コ ン サ ー ト
に出演させていただきました。
とって本当に幸せなことで、この曲も幸せ者です。そし
んで行こうと考えております。
ピアノ
会場のお客様がとても温かく、
て聴いて下さった方々が、大きな温かい拍手で包んで下
舞台ではクラリネットと呼吸を合わせて楽しむことだ
けに集中しました。個々では出せない響きを信頼する友
大学を卒業したばかりの私達を世に送り出そうと聴いて
さったこと、忘れることができません。 のような感覚でした。東京芸術大学で学んだことは数知
広く響きの良い県立音楽堂での演奏は、とても気持ち
が良く、生まれては消えてゆく音の粒達が目で見えるか
何から何まで支えて下さった同声会の方々には心から感
して、このような晴れ舞台を私たちに作って下さった上、
福して下さったたくさんの恩師の方々、友達や家族。そ
過ぎ去った芸大生活の四年間
嵐のように始まり、疾風の如く
くださっている空気を感じ、緊張がふっとほぐれたこと
れません。尊敬する師と、同じ道を志す友人が側にいて、
謝の気持ちで一杯です。この日の全てが、これから歩ん
。芸祭や夏の音楽祭の課外
・・・
活動など、個性の強い各人が、それぞれに不完全な部分
喧 嘩 を し た り、 遠 征 の 先 々 で 問 題 が 起 こ っ た り ・・・
。今
思えば、最高の学年でした。でも、卒業となると、蜘蛛
ヴァイオリン
最高に恵まれた環境で勉強できたことに心から感謝して
でいく道の、きらめく原点となるでしょう。感動と感謝
をさらけ出しながら、信念をもって演奏し、音楽の話で
根来 由実 を今でも覚えています。
音楽は一人ではできないということを、改めて強く実
感した演奏会でした。県立音楽堂に集まって下さり、祝
います。芸術という終わりの無い道を、今後は自力で歩
を忘れず、一音一音を大切に紡いでいきたいと思います。
鮎澤 由香理
の子を散らしたように見事にバラバラになってしまうも
のです。それぞれに忙しいのは幸せなことですが、卒業後、
音楽家の性(さが)を痛感しながら、各々の道を進み始
めた時期の同声会新人演奏会は、有難く、意味のある素
故里(ふるさと)の同窓生という、頼れる仲間の存在
を改めて認識することができ、一つのステージを築き上
今回「第十三回神奈川同声会
新 人 コ ン サ ー ト 」 で は 歌 劇《 皇
た。素晴らしい響きを持つ神奈川県立音楽堂で歌わせて
げ る こ と で、 絆 を 感 じ る こ と が で き た よ う に 思 い ま す。
晴らしいものになりました。
頂ける機会を与えて下さった神奈川同声会の皆様に感謝
また芸大出身の大先輩方とお会いでき、私たちの門出の
同級生の小嶋新君のクラリネットと共に演奏いたしまし
二 〇 〇 八 年 五 月 五 日 ―― た く
しております。
帝 テ ィ ト の 慈 悲 》 の ア リ ア を、
メゾソプラノ
いてゆく厳しさもありますが、同時に音楽の魅力にほれ
込み、そこに一生を費やすと決めた誇りも感じます。人
の心に直に訴えかける音楽を目指し、沢山の人に、自分
を通して音楽に触れていただきたいです。
最後に、コンサートにご尽力いただきました運営委員
会の方々に深く御礼申し上げます。
高橋 幸代
さんの幸せをいただいたこの
舞台を用意して頂き、本当に嬉しく思います。
作曲・指揮
日 は、 私 に と っ て 宝 物 で す。
東京藝術大学在学中に、楽器と一緒にアリアを演奏し
ている舞台を見て、いつか自分もという願望が生まれま
私は、フルート、オーボエ、ヴァイオリン、チェロ、打
副会長 野畑 百合
新しい会費の規約改正案を審議中
神奈川同声会の事業の一つであ
る邦楽研修会は、参加者も定着し
れ ま し た。 こ の 中 に は 昨 年 五 月 五 日 に 行 わ れ た 第 十 三
この決算書は平成十九年四月一日から平成二十年三
月三十一日までのもので、昨年六月八日の総会で承認さ
886,864
1,624,615
次期繰越金 5,429,948
邦楽研修会
神奈川同声会規約では年会費三千円(四年で一万円)
と な っ て お り ま す。 こ の 会 費 の 額 に つ い て、 ま た 終 身
会員の規定について役員会では昨年より値下げする方
向 で 審 議 を 続 け て お り ま す。 次 回 の 総 会 で 具 体 的 な 方
針が決定される予定です。
会 員 の 皆 様 へ は ぜ ひ 総 会 へ の 出 席 を お 願 い し、 一 緒
に神奈川同声会の今後のあるべき姿を論じ会員のため
の事業を立案して活気ある神奈川同声会を作って参り
ましょう。
ましたが、まだまだ参加可能です。
回 新 人 コ ン サ ー ト の 収 支 は 入 っ て い ま せ ん。 昨 年 度 は
平成十九年度の会計報告
今年も次の通り開催いたしますの
七 三 万 七 千 七 百 五 一 円 の 赤 字 で す。 事 業 収 益 が マ イ ナ
収入合計
第五回邦楽研修会は、平成二十
年八月二十九日に開催いたしまし
た。残暑が厳しい上野の杜に四十
名の研修生〔神奈川からは十四名〕
が参加して、例年通りのプログラ
ム で、 熱 の こ も っ た 先 生 方 の ご
指導のもと、午前午後、一日限り
の研修でしたが、大変充実した成
果をあげました。閉会式には、恒
例の全員演奏、そのあと先生方の
素晴らしい演奏に感動し、十六時
で、お申し込みお待ちしておりま
スなので、皆様の会費納入を期待いたします。
三十分に解散いたしました。
す。
58,000
813,215
10,000
5,649
開催日時 八月二十九日(土)九時から十六時三十分
平成 19 年 4 月 1 日〜 20 年 3 月 31 日
収入の部
会費
新人コンサート売り上げ
寄付
受取利息
6,167,699
- 737,751
支出合計
総資産
前期繰越金
当期損失 詳細は五月以降に事務局までお問い合わせください。
106,031
1,091,042
137,000
286,045
4,497
支出の部
総会等会議費
新人コンサート支出
交通費
通信費
雑費
演奏会のご案内
「母と子の名曲コンサート」 菱田啓子(ピアノ)
日 時 平成二十一年七月十一日(土)十四時開演
場 所 鎌倉生涯学習センターホール
入場料 大人千円 四歳~学生五百円 三歳以下無料
お問い合せ 〇四六七丨六七丨四三二五
平成 19 年度神奈川同声会決算書
神奈川同声会のお知らせ
■ 第十四回新人演奏会
平成二十一年 五月五日(火・祝)
■ 平成二十一年度総会・懇親会
平成二十一年 六月十四日(日)
■ 第六回邦楽研修会
平成二十一年 八月二十九日(土)九時~十六時半
編集責任者 川名 佑一
編集後記
今年も会報の季節になりました。会報第二号も、経過
報告や事業計画の報告事項が多くなりました。一回目の
会報で会員皆様からのご意見やご連絡事項等を掲載する
旨 を ご 案 内 い た し ま し た。 内 容 の 充 実 に 関 し ま し て は、
会員皆様からのご意見や掲載の原稿を、事務局宛にお寄
せください。
また、ホームページにも詳しい情報が掲載されていま
すのでぜひご覧いただき、神奈川同声会の活動をさらに
活発なものにして参りたいと思いますので、皆様のご支
援ご協力をよろしくお願いします。
ホームページ www.kanagawa-doseikai.org
イーメール [email protected]
発 行 東京藝術大学音楽学部同声会神奈川支部会
事務局
二一六ー〇〇〇五 川崎市宮前区土橋三ー二十七ー一
岡﨑實俊(事務局長)方 〇四四ー八五四ー一五三九