(57)【要約】 【目的】 振動によるペ−ジャ機能を付加しても、携帯 無線通信機を大型且つ重量の重いものに構成せず、しか も所定部分のみを振動させるようにして大きな振動を伝 えることができるようにした携帯無線通信機を得る。 【構成】 携帯電話、携帯無線機などの携帯無線通信機 (6)のアンテナ(8)の頂部(16)内に円筒形振動 モ−タ(1)を内蔵したペ−ジャ機能を有する携帯電話 などの携帯無線通信機とする。 −1− (2) 特開平9−181638 1 2 【特許請求の範囲】 【0007】 【請求項1】 携帯電話、携帯無線機などの携帯無線通 【発明の解決しようとする課題】しかしながら、携帯無 信機(6)のアンテナ(8)の頂部(16)内に円筒形 線通信機にペ−ジャを付加したり、内蔵したりすると、 振動モ−タ(1)を内蔵したことを特徴とするペ−ジャ 当該携帯無線通信機は大型になり、機器の軽薄短小化傾 機能を有する携帯電話などの携帯無線通信機。 向に逆行することになる。しかも高価になる。 【請求項2】 上記円筒形振動モ−タ(1)は、整流子 【0008】ペ−ジャに比較して携帯無線通信機は大き (12)とブラシ(14−1,14−2)によって電機 なものであるが、ペ−ジャを内蔵するスペ−スが無く、 子(15)に通電するようにした円筒形マイクロモータ このスペ−スを形成すれば上記欠点が称ずる。そこで、 (2)の一端から突出したシャフト(3)に偏心ウエイ 携帯用無線通信機内に振動発生装置のみを内蔵すること ト(4−1,4−2,4−3)を固定し、該偏心ウエイ 10 が考えられるが、そのためのスペ−スも実際には確保す トを部分円偏心させながら回転させることで、振動を発 ることが困難であるが、これを何とか解決したとして 生させるようにした円筒形マイクロ振動モータとなって も、携帯用無線通信機はペ−ジャに比較してその筐体が おり、シャフトが弾性限界以上に曲がるのを防止するシ 大きなものであるために、ペ−ジャに用いられているよ ャフト曲がり防止用突起(19−1,19−2,19− うな小型の振動発生装置を内蔵し、作動させても当該筐 3)を少なくとも上記偏心ウエイトの他端面側外周部に 体を十分に実用性のある振動を発生させることができな 形成したものとなっていることを特徴とする請求項1に い。 記載のペ−ジャ機能を有する携帯電話などの携帯無線通 【0009】即ち、携帯用無線通信機に用いる振動発生 信機。 装置は、一般ペ−ジャの安価で小型になる振動発生装置 【発明の詳細な説明】 【0001】 を用いることができず、大型の振動発生装置を用いるか 20 特殊な振動発生装置を開発しなければならず、高価且つ 【産業上の利用分野】本発明は、整流子とブラシによっ 大型の携帯無線通信機になり実用的ではない。 て電機子に通電するようにした円筒形マイクロモータの 【0010】即ち、本発明の課題は、小型のペ−ジャに 一端から突出したシャフトに偏心ウエイトを固定し、該 用いて有用な安価且つ小型の振動発生装置を携帯用無線 偏心ウエイトを部分円偏心させながら回転させること 通信機に用いて振動により相手からの電話などの呼び出 で、振動を発生させるようにした円筒形マイクロ振動モ しがあることを当該携帯用無線通信機携帯者に知らせる ータに関し、ページャ(呼び出し装置)、マッサージャ ことができるような十分な大きさの振動を発生させるこ ー等の振動アラーム装置など振動源を必要とする装置に とができるようにして尚且つ当該携帯無線通信機を特別 使用される。 な厄介な設計変更を行ったり、大型にしないで済むよう 【0003】 にして、安価で且つ小型の振動発生によるペ−ジャ機能 【従来技術】例えば、呼び出し装置としてのページャ 30 を有する携帯電話、携帯無線機などの携帯無線通信機を (所謂、ポケットベルと言われている)では、電話の呼 提供できるようにすることを課題に成されたものであ び出しがあったことを知らせるのに、近年では音で知ら る。 せる代わりに振動方式で知らせることが行われており、 【0011】 ペ−ジャは大きな需要を喚起した。 【発明の課題を達成するための手段】かかる本発明の課 【0004】しかしながら、ペ−ジャそれ自体は、相手 題は、携帯電話、携帯無線機などの携帯無線通信機6の からの呼び出しがあることをペ−ジャ携帯者に知らせる アンテナ8の頂部6内に円筒形振動モ−タ1を内蔵する のみで、ペ−ジャを用いて相手に連絡を取ることができ ことで達成できる。 ない。 【0012】更にまた、その場合において、アンテナ8 【0005】ここにきて、携帯電話は、昨今の高密度実 装化傾向によりますます軽薄短小化機器へと移行してき を大きなものに設計変更したり、あるいは携帯無線通信 40 機6に外界から与えられる振動によっても破損しにく ており、ペ−ジャ迄は小型にいかないまでも非常に軽 く、信頼性が高く、大きな振動が得られて尚且つ安価で く、小型になっている。然し、この種の携帯電話、携帯 而も極細形状の円筒形振動モ−タ1とするために、この 無線機等の携帯無線通信機では、その呼び出し方法とし 場合に用いる円筒形振動モ−タ1は、整流子12とブラ て音による手段を用いている。 シ14−1,14−2によって電機子15に通電するよ 【0006】一方、ペ−ジャでは、音による呼び出し方 うにした円筒形マイクロモータ2の一端から突出したシ 法のみでは、不利なことが多々あるので、振動による呼 ャフト3に偏心ウエイト4−1,4−2,4−3を固定 び出し方法も併用している。そこで、携帯無線通信機に し、該偏心ウエイトを部分円偏心させながら回転させる も振動による呼び出し方法のできるペ−ジャを付加した ことで、振動を発生させるようにした円筒形マイクロ振 り、振動発生装置を携帯無線通信機内に内蔵する試みが 動モータを用い、しかもシャフトが弾性限界以上に曲が なされた。 50 −2− るのを防止するシャフト曲がり防止用突起19−1,1 (3) 特開平9−181638 3 4 9−2,19−3を少なくとも上記偏心ウエイトの他端 ことができる。 面側外周部に形成したものとすることでより有効なペ− 【0018】アンテナ8が出た状態のままで当該アンテ ジャ機能を有する携帯電話などの携帯無線通信機を提供 ナ8を携帯無線通信機本体17に内蔵できない形式の携 できる。 帯無線通信機6の場合や、アンテナ8を任意の位置まで 【0013】 出した状態でよい場合は、アンテナ8のボッチ30部分 【作用】振動によるペ−ジャ機能を有する携帯電話、携 を更に人体の適宜な部分へ接触し易くでき、ボッチ30 帯無線機などの携帯無線通信機6では、アンテナ8を携 内に内蔵した円筒形マイクロ振動モ−タ1が振動した場 帯無線通信機本体17に備えている。このアンテナ8 合には、ボッチ30のみならずロッド18部分を若干振 は、中空パイプでできたロッド18を多段構成にするな 動させることができるので、それらの部位と接触してい どして伸縮自在に携帯無線通信機本体17内に伸縮自在 10 る人体部にその振動を容易に伝達でき、その振動によっ になっているものも多い。あるいはアンテナ8は、携帯 て第三者から電話などの無線の呼び出しがあったことを 無線通信機本体17から外部に出っぱなしになっている 知ることができる。特にアンテナ8のロッド18部分を ものもある。あるいは又、ボッチ30のみを残してロッ 折曲自在な材質で形成してある場合には、特にその特徴 ド18部分を携帯無線通信機本体17に内蔵することが を生かせる。 できるようになっているものもある。 【0019】ボッチ30はロッド18よりも若干大きな 【0014】何れの形式の携帯無線通信機6であっても 外径に形成してあるといっても、外径サイズは極力小さ 良い。この携帯無線通信機6のアンテナ8を介して携帯 いものであることが望ましい。そのためにボッチ30も 無線通信機6に相手方から呼び出しがあると、携帯無線 比較的小さな外径のものに形成されている、従って、ボ 通信機本体17内の回路を介して円筒形マイクロ振動モ −タ1が後記説明から明らかなように振動を発生する。 ッチ30内に内蔵する円筒形マイクロ振動モ−タ1も極 20 細形状で、しかも外界からの振動によって当該円筒形マ ここで、円筒形マイクロ振動モ−タ1は、アンテナ8の イクロ振動モ−タ1が動かなくなったりしないで、常に 頂部16内に内蔵されているため、該頂部16部分のみ 確実に回転振動を発生させる構造であることが望まし を振動させる。即ち、円筒形マイクロ振動モ−タ1の振 い。 動は他の携帯無線通信機本体17の筐体部分を直接振動 【0020】ここに本発明に用いている円筒形マイクロ させず、頂部16部分を集中して振動させる。 振動モ−タ1によると、シャフト3が弾性限界以上に曲 【0015】従って、上記頂部16の頂面が携帯無線通 がるのを防止するシャフト曲がり防止用突起19−1を 信機本体17面と面位置に該携帯無線通信機本体17内 少なくとも偏心ウエイト4−1の他端面(図面では下端 に収納している場合には、頂部16の頂面部分のみが振 面)外周部に一体形成しているため、携帯無線通信機6 動を発生するため、携帯無線通信機6の携帯者が上記頂 (円筒形マイクロ振動モータ1)が落下して極度に高い 部16を人体に接触させていれば、その部分の振動によ 30 衝撃が与えられたとしても、上記シャフト曲がり防止用 って第三者から電話などの無線の呼び出しがあったこと 突起19−1の他端面が円筒形マイクロモータ2の一端 を知ることができる。 面を構成するステータヨーク兼メタルハウジング20の 【0016】上記頂部16は携帯無線通信機本体17内 一端面に当接して円筒形マイクロ振動モータ1が起動し に埋設されている場合には、その頂部16の頂面部しか なくなるようなシャフト3の弾性限界以上の曲がりを防 振動を人体に伝えることができないので、即ち、人体に 止する。 振動を伝えにくいので、以下に示す実施例では、上記頂 【0021】即ち、円筒形マイクロ振動モータ1の落下 部16部分が携帯無線通信機本体17表面から突出し により、極度の衝撃が与えられ、最悪な状態として、偏 て、その部分が埋設しないようにするため、ロッド18 心ウエイト4−1の他端面がハウジング20の一端面に の先端部分よりも外径の大きな中空状のボッチ30と し、しかもそのボッチ30内に円筒形マイクロ振動モ− 摺接する程度までシャフト3が曲がってしまった場合で 40 も、確実に円筒形マイクロ振動モータ1は回転して振動 タ1を容易に内蔵できるようにしている。 を発生するので、信頼性の高い円筒形マイクロ振動モー 【0017】上記のようにボッチ30部分が携帯無線通 タ1を構成できる。 信機本体17から突出しているので、ボッチ30を人体 【0022】上記のように最悪の場合では、偏心ウエイ に接触し易くでき、また手動でもボッチ30を摘んでア ト4−1の他端面がハウジング20の一端面に摺接する ンテナ8を携帯無線通信機本体17から引き出すことが 程度までシャフト3が曲がってしまうと、モータ1の回 容易になり、ボッチ30内に内蔵した円筒形マイクロ振 転時、偏心ウエイト4−1とハウジング20の一端面が 動モ−タ1が振動した場合には、ボッチ30全体が振動 摺接することによる摺動音が発生してしまう。しかし、 するので、該ボッチ30に接触している人体部にその振 円筒形マイクロ振動モータ1が落下しても、実際にはそ 動を容易に伝達でき、そのボッチ30の振動によって第 のような摺動音が発生しない程度にしかシャフト3が曲 三者から電話などの無線の呼び出しがあったことを知る 50 −3− がらないように当該円筒形マイクロ振動モータ1による (4) 特開平9−181638 5 6 と種々の構造的特長を持たせているため、実際にはシャ モータ2本体(メタルハウジング20)に摺接すること フト3が曲がった場合でも、円筒形マイクロ振動モータ による電機子15の断線やブラシ14と整流子12との 1は上記摺動音を発生しない。 摺動関係の遊びが少なく、起動不良や摺動音の低い、即 【0023】例えば、直径サイズが3∼4mmといった ち低騒音の品質良好な円筒形マイクロ振動モータ1を得 ような小さな円筒形マイクロ振動モータ1であっても、 ることができる。 従来の直径サイズが6mmと同じような大きな振動を発 【0029】 生させねばならず、単に偏心ウエイトの重量や体積を小 【実施例】図1は本発明の一実施例としてのアンテナ8 さく構成できず、軸方向の長さを若干、長めに形成す を収納した状態における携帯無線通信機6の正面図、図 る。この円筒形マイクロ振動モータ1における偏心ウエ 2はアンテナ8を引き出した状態における携帯無線通信 イト4−1では、そのようにした場合でも、偏心ウエイ 10 機6の外観斜視図、図3はボッチ30内に円筒形マイク ト4−1は、その内周部の軸方向の長さを短く形成し、 ロ振動モ−タ1を内蔵したアンテナ8の頂部部分の部分 外周部を軸方向の長さを長く形成して、内周部よりも外 切欠斜視図、図4は同縦断面図、図5は一例として用い 周部の重量を重く形成してある。 た円筒形マイクロモータ(カップ形コアレスモータ)2 【0024】即ち、偏心ウエイト4−1は、振動効率に を用いた円筒形マイクロ振動モータ1の縦断面図で、図 寄与しない内周部分の体積を小さく形成して、この部分 6は同円筒形マイクロ振動モータ1の分解斜視図、図7 の体積及び重量を、振動効率に寄与する外周部分の体積 は同円筒形マイクロ振動モータ1に用いた別の偏心ウエ 及び重量よりも小さく形成している。このため、円筒形 イト4−2の説明図、図8は更に別の他の例を示す偏心 マイクロ振動モータ1が落下した場合でも、偏心ウエイ ウエイト4−3の説明図である。以下図1乃至図8を参 ト4−1の重量が小さいため落下衝撃が小さくて済むの で、シャフト3の曲がりが少ない。この結果、上記のよ 照して一実施例としての円筒形マイクロ振動モータ1を 20 用いた振動によるペ−ジャ機能を有する携帯無線通信機 うに偏心ウエイト4−1とハウジング20の一端面が摺 6について説明する。 接するまでシャフト3を曲げないで済むので、上記摺動 【0030】図1及び図2を参照して、この実施例で示 音を発生させないで済む。 した振動によるペ−ジャ機能を有する携帯電話、携帯無 【0025】また円筒形マイクロ振動モータ1では、偏 線機等の携帯無線通信機6は、その正面部にプッシュホ 心ウエイト4−1とハウジング20の一端面が摺動しな ンダイヤル31部、表示部32、送・受話部33を有 いように、上記した偏心ウエイト4−1の他端面外周部 し、携帯無線通信機本体17の頂部には、無線用のアン に形成したシャフト曲がり防止用突起19−1によって テナ8が収納自在に取り付けられている。図1の場合で 該シャフト曲がり防止用突起19−1の内周部にシャフ は、アンテナ8を携帯無線通信機本体17内に収納した ト抜け止めボス9を収納するための凹部(シャフト抜け 場合を示し、図2の場合では、アンテナ8を携帯無線通 止めボス収納用凹部)21を形成しているため、その凹 30 信機本体17から引き出した場合を示している。 部21内位置においてシャフト3にシャフト抜け止めボ 【0031】アンテナ8を構成するロッド18は、内部 ス9を係合させている。 が中空を成しており、その頂部16部分は上記ロッド1 【0026】この結果、偏心ウエイト4−1とハウジン 8部分よりも外径サイズを若干大きなものに形成したボ グ20の一端面間の空隙長を短くしているため、円筒形 ッチ30とし、アンテナ8を携帯無線通信機本体17内 マイクロ振動モータ1の落下時においてもシャフト3の に収納した場合でも、ボッチ30部分が携帯無線通信機 曲がり具合が極めて小さい。 本体17内に埋設されないようにしている。 【0027】また上記シャフト曲がり防止用突起19− 【0032】アンテナ8の材質は特に問わないが、若干 1によって上記偏心カウンタ4−1により形成された凹 折曲自在とすることができる材質及び構造のものに形成 部21位置及び円筒形マイクロモータ2の他端の蓋体を 兼ねたブラシ台22の他端中央部に形成された凹部23 しており、アンテナ8を携帯無線通信機本体17内に内 40 蔵できる構造であれば伸縮自在な多段構成としても、伸 位置にシャフト抜け止めボス24その位置においてシャ び縮みしない構成であってもいずれでもよい。 フト3に係合させているため、この結果、円筒形マイク 【0033】ロッド18の頂部16部分に設けたボッチ ロ振動モータ1が回転した場合でも、回転子が軸方向の 30は内部が中空となっており、この中に埋設できるよ 両端方向への移動量が規制される。従って、上記同様 うに3∼4mmの外径サイズの超極細形状の円筒形マイ に、偏心ウエイト4−1とハウジング20の一端面間の クロ振動モ−タ1を内蔵し、該円筒形マイクロ振動モ− 空隙長を長く形成しないで済むので、マイクロ振動モー タ1のタ−ミナル27−1,27−2に電気的に接続さ タ1の落下時においてもシャフト3の曲がり具合が極め れたリ−ド線34−1,34−2を上記ロッド18内を て小さい。 通して携帯無線通信機本体17内の図示せず電気回路に 【0028】と同時に、回転子が軸方向の両端方向への 導いている。 移動量が規制されるため、電機子15が円筒形マイクロ 50 −4− 【0034】ロッド18の頂部16にボッチ30を形成 (5) 特開平9−181638 7 8 する方法は種々適宜な方法を用いれば良く、この実施例 3の外周に形成された電気絶縁性の熱収縮チューブ28 では、ロッド18の中空部35と連通する透孔を有する の外周に形成されている。 ボッチ底蓋36をロッド18の頂部16部分に固定し、 【0041】上記円筒状ステータヨーク部25の外周に 上記ボッチ底蓋36によって円筒形マイクロ振動モ−タ は、周方向にN極、S極の磁極を備えた2極の円筒状界 1を押さえ保持し、上記ボッチ底蓋36の上部をカップ 磁マグネット11が接着などの手段で固定され、上記円 形蓋体37で閉じることで、ロッド18の頂部16に内 筒形マイクロモータ本体26の略々中心部に通したシャ 部が中空となった円筒形マイクロモ−タ1収納部を有す フト3に取り付けた整流子ハブ13の外周に他端部を固 るボッチ30を形成する。 定した円筒形コアレス電機子15を径方向の空隙を介し 【0035】外径サイズの小さなボッチ30内に内蔵で て上記、メタルハウジング20の中央部に装着されたス き、而も振動が大きく破損しずらい形状の円筒形マイク 10 リーブ軸承7によって上記界磁マグネット11と相対的 ロ振動モ−タ1を内蔵しているが、これに適した構造の 回動をなすようにしている。 超極細形状の円筒形マイクロ振動モ−タ1の一例を、以 【0042】上記コアレス電機子15と整流子12を構 下、図3乃至図8を参照して説明する。 成する整流子片はそれぞれ適宜電気的結線がなされてお 【0036】ここで用いた円筒形マイクロ振動モ−タ1 り、図示せず正側電源端子、負側電源端子に電気的に接 は、円筒形マイクロコアレス振動モ−タとなっている。 続するための上記タ−ミナル27−1、27−2、ブラ この円筒形マイクロ振動モ−タ1は、円筒形コアレス電 シ14−1、14−2及び整流子12を介してコアレス 機子15、整流子ハブ13、この整流子ハブ13に形成 電機子15に適宜方向の通電がなされ、フレミングの左 した整流子片からなる整流子12、整流子ハブ13に他 手の法則に従って当該コアレス電機子15が所定方向に 端を固定したシャフト3からなる回転子を有する。磁性 体で形成した円筒形マイクロモータケーシング5は、そ 回転する。尚、タ−ミナル27−1,27−2(図3及 20 び図4では図面の都合で描いていない)それぞれには、 の両端開口部をそれぞれ中心部にシャフト3を通すため 図3及び図4に示すようにリ−ド線34−1,34−2 に軸方向に貫通孔を有するステータヨーク兼メタルハウ が電気的に接続されている。リ−ド線34−1,34− ジング20及び樹脂でできたブラシ台22で閉じること 2は、ロッド18内の中空部18を通って携帯無線通信 で、直径4mmの円筒形マイクロモータ2を構成してい 機本体17内の図示せず電気回路に接続されている。 る。 【0043】円筒形コアレスマイクロモータ2の一端部 【0037】上記メタルハウジング20は、円筒形のモ に突出したシャフト3には、ライナ−10を介して、偏 ータハウジング5の一端部を閉じる蓋体の役目を成すた 心且つ偏重心配置のタングステン等の比重値の高い金属 めにそのような構造を持ち、モータハウジング5の一端 またはその合金でできた偏心ウエイト4−1を圧入、加 開口部に圧入などの手段にて固着されている。 締め、あるいは接着等の手段で固定している。 【0038】このメタルハウジング20は、まず、その 30 【0044】この偏心ウエイト4−1は、シャフト3が 材質としては、後記する円柱形界磁マグネット11のス 弾性限界以上に曲がるのを防止する為に、シャフト曲が テータヨークとして機能させるために、磁性体系のもの り防止用突起19−1を一体して上記偏心ウエイト4− にて形成している。そして、その一端部中央部にスリー 1の他端面外周部に形成し、円筒形マイクロ振動モータ ブ軸承7を収納するための凹部を形成して、当該ハウジ 1の落下時の極度に高い衝撃付与時にも上記シャフト曲 ング20の一端部表面部よりも一端部方向に若干突出す がり防止用突起19−1の他端面が円筒形マイクロモー るスリーブ軸承7を埋設しており、他端部方向に至るに タ2の一端面のメタルハウジング20の一端面に当接す 従って段階的に直径が小さくなり、下端部分は界磁マグ るようにし、円筒形マイクロ振動モータ1が起動しなく ネット11の内径孔と略々一致する内径孔を持つ外径の なるようなシャフト3の弾性限界以上の曲がりを防止し 円筒状ステータヨーク部25を一体形成している。 【0039】そして、モータハウジング5の他端部開口 ている。 40 【0045】上記のように最悪の場合では、偏心ウエイ を樹脂で形成したブラシ台22で閉じて円筒形マイクロ ト4−1の他端面がハウジング20の一端面に摺接する 本体26を形成して、円筒形マイクロモータ2を形成し 程度までシャフト3が曲がってしまうと、モータ1の回 ている。 転時、偏心ウエイト4−1とハウジング20の一端面が 【0040】上記ブラシ台22には、上記リード線19 摺接することによる摺動音が発生してしまう。しかし、 と同じ役目をなすための正、負側電源供給用の一対の電 円筒形マイクロ振動モータ1が落下しても、実際にはそ 極27−1、27−2が通され、当該ブラシ台22に形 のような摺動音が発生しない程度にしかシャフト3が曲 成された一対のブラシ保持突起に装着された一対のブラ がらないように当該円筒形マイクロ振動モータ1による シ14−1、14−2を装着し、該ブラシ10−1、1 と種々の構造的特長を持たせているため、実際にはシャ 0−2をシャフト3に装着された整流子片群からなる整 フト3が曲がった場合でも、円筒形マイクロ振動モータ 流子12に摺接している。尚、整流子12は、シャフト 50 −5− 1は上記摺動音を発生しない。 (6) 特開平9−181638 9 10 【0046】上記偏心ウエイト4−1は、その内周部の が優れているので、アンテナの頂部に極めて容易に内蔵 軸方向の長さを短く形成し、外周部を軸方向の長さを長 できる。 く形成して、内周部よりも外周部の重量を重く形成して 【0052】特に、上記した円筒形マイクロ振動モ−タ ある。即ち、偏心ウエイト4−1は、振動効率に寄与し では、直径(外径)サイズが極めて小さなものでも、落 ない内周部分の体積を小さく形成して、この部分の体積 下時に与えられる衝撃によっても耐衝撃力が極めて高 及び重量を、振動効率に寄与する外周部分の体積及び重 く、自起動不良になるようなシャフト曲がりが生じない 量よりも小さく形成している。 ため、信頼性の高い携帯無線通信機を構成できる。 【0047】また偏心ウエイト4−1とハウジング20 【0053】また単に耐衝撃力が高いのみならず、偏心 の一端面が摺動しないように、上記した偏心ウエイト4 ウエイトは、その外径が小さく、振動効率に寄与しない −1の他端面外周部に形成したシャフト曲がり防止用突 10 部分を除去して、振動効率に寄与する部分を多くしてい 起19−1によって該シャフト曲がり防止用突起19− るため、軽量でありながら、安価にして尚且つ高い振動 1の内周部にシャフト抜け止めボス9を収納するための を発生する。またシャフト3の曲がりが極めて小さいた 凹部(シャフト抜け止めボス収納用凹部)21を形成し め、高い騒音、電機子の断線を発生させない信頼性の高 ているため、その凹部21内位置においてシャフト3に い円筒形マイクロ振動モータを得ることができる。即 シャフト抜け止めボス9を係合し、偏心ウエイト4−1 ち、超極細形状の円筒形マイクロ振動モ−タによる振動 とハウジング20の一端面間の空隙長を短くしている。 をペ−ジャ機構として有する携帯無線通信機を信頼性が 【0048】ブラシ台22の他端中央部に形成された凹 高く、耐振性に優れたものに構成できる。 部23位置にライナ−29を介してシャフト抜け止めボ 【図面の簡単な説明】 ス24をシャフト3に係合し、上記シャフト抜け止めボ ス9及び24によって円筒形マイクロ振動モータ1が回 【図1】 本発明の一実施例としてのアンテナを収納し 20 た状態における携帯無線通信機の正面図である。 転した場合でも、その回転子の両軸端方向への移動量を 【図2】 同アンテナを引き出した状態における携帯無 規制し、偏心ウエイト4−1とハウジング20の一端面 線通信機の外観斜視図である。 間の空隙長が長くならないようにすると共に、電機子1 【図3】 ボッチ内に円筒形マイクロ振動モ−タを内蔵 5がメタルハウジング20に摺接しないようにしてい したアンテナの頂部部分の部分切欠斜視図である。 る。 【図4】 同縦断面図である。 【0049】尚、偏心ウエイトとしては、図8に示す偏 【図5】 一例として用いた円筒形マイクロモータ(カ 心ウエイト4−2を用いてもよい。この偏心ウエイト4 ップ形コアレスモータ)を用いた円筒形マイクロ振動モ −2は、図5のものとでは偏心ウエイト4−2のシャフ ータの縦断面図である。 ト抜け止め用ボス19−2の構造が若干、異なる。この 【図6】 同円筒形マイクロ振動モータの分解斜視図で 偏心ウエイト4−2では、その下端部にシャフト3と同 30 ある。 心上に円環状のシャフト抜け止め用ボス19−2を一体 【図7】 同円筒形マイクロ振動モータに用いた別の偏 形成したものとなっている。シャフト抜け止め用ボス1 心ウエイトの説明図である。 9−2の目的、条件は、上記シャフト抜け止め用ボス1 【図8】 更に別の他の例を示す偏心ウエイト4−3の 9−1と同様である。図8は更にまた別の偏心ウエイト 説明図である。 4−3を示すもので、偏心ウエイト4−3のシャフト抜 【符号の説明】 け止め用ボス19−3の構造が図5に示すものとでは若 1 円筒形マイクロ振動モータ(円筒形振動モ−タ) 干、異なる。この偏心ウエイト4−3では、その下端部 2 円筒形マイクロモータ にシャフト3と同心状に別個に形成した円環状のシャフ 3 シャフト ト抜け止め用ボス19−3を接着剤などの適宜な手段で 偏心ウエイト4−3の下端部に固定したものとなってい 4−1,4−2,4−3 偏心ウエイト 5 モータハウジング る。シャフト抜け止め用ボス19−3の目的、条件は、 6 携帯無線通信機 上記シャフト抜け止め用ボス19−1、19−2と同様 7 スリーブ軸受 である。 8 アンテナ 【0050】 9 シャフト抜け止めボス 【効果】本発明の携帯無線通信機では、振動によるペ− 10 ライナー ジャ機能を付加しても、その付加により、携帯無線通信 11 界磁マグネット 機自体を小型軽量に構成でき、而も携帯無線通信機本体 12 整流子 側を大幅に変えることが無いので、安価に量産できる。 13 整流子ハブ 【0051】しかも、一例として用いた円筒形マイクロ 14、14−1、14−2 ブラシ 振動モータによれば、超極細形状でありながら、耐震性 40 50 −6− 15 円筒形コアレス電機子 (7) 特開平9−181638 11 12 16 頂部 27−1、27−2 電極 17 携帯無線通信機本体 28 熱収縮チューブ 18 ロッド 29 ライナー 19−1、19−2、19−3 シャフト曲がり防止用 30 ボッチ 突起 31 プッシュホンダイヤル 20 ステータヨーク兼メタルハウジング 32 表示部 21 シャフト抜け止めボス収納用凹部 33 送・受話部 22 ブラシ台 34−1,34−2 リ−ド線 23 凹部 35 中空部 24 シャフト抜け止めボス 10 25 円筒状ステータヨーク部 36 ボッチ底蓋 37 カップ形蓋体 26 円筒形マイクロモータ本体 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 【図7】 【図8】 −7− (8) 【図6】 −8− 特開平9−181638 【公報種別】特許法第17条の2の規定による補正の掲載 【部門区分】第7部門第3区分 【発行日】平成11年(1999)7月2日 【公開番号】特開平9―181638 【公開日】平成9年(1997)7月11日 【年通号数】公開特許公報9―1817 【出願番号】特願平7―350118 【国際特許分類第6版】 H04B 1/38 A61H 23/02 B06B 1/16 H04Q 7/32 H04M 3/42 330 102 【FI】 H04B 1/38 A61H 23/02 B06B 1/16 H04M 3/42 H04B 7/26 330 102 V 【手続補正書】 【提出日】平成10年3月9日 【手続補正2】 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0008 【補正対象項目名】特許請求の範囲 【補正方法】変更 【補正方法】変更 【補正内容】 【補正内容】 【0008】 ページャに比較して携帯無線通信機は大 【特許請求の範囲】 きなものであるが、ページャを内蔵するスペースが無 【請求項1】 携帯電話、携帯無線機などの携帯無線通 く、このスペースを形成すれば上記欠点が生ずる。そこ 信機(6)のアンテナ(8)の頂部(16)内に円筒形 で、携帯用無線通信機内に振動発生装置のみを内蔵する 振動モータ(1)を内蔵したことを特徴とするページャ ことが考えられるが、そのためのスペースも実際には確 機能を有する携帯電話などの携帯無線通信機。 保することが困難であるが、これを何とか解決したとし 【請求項2】 上記円筒形振動モータ(1)は、整流子 ても、携帯無線通信機はページャに比較してその筐体が (12)とブラシ(14−1,14−2)によって電機 大きなものであるために、ページャに用いられているよ 子(15)に通電するようにした円筒形マイクロモータ うな小型の振動発生装置を内蔵し、作動させても当該筐 (2)の一端から突出したシャフト(3)に偏心ウエイ 体を十分に実用性のある振動を発生させることができな ト(4−1,4−2,4−3)を固定し、該偏心ウエイ い。 トを部分円偏心させながら回転させることで、振動を発 【手続補正3】 生させるようにした円筒形マイクロ振動モータとなって 【補正対象書類名】明細書 おり、シャフトが弾性限界以上に曲がるのを防止するシ 【補正対象項目名】0012 ャフト曲がり防止用突起(19−1,19−2,19− 【補正方法】変更 3)を少なくとも上記偏心ウエイトの他端面側外周部に 【補正内容】 形成したものとなっていることを特徴とする請求項1に 【0012】 更にまた、その場合において、アンテナ 記載のページャ機能を有する携帯電話などの携帯無線通 8を大きなものに設計する必要がなく、あるいは携帯無 信機。 線通信機6に外界から与えられる振動によっても破損し 【請求項3】 上記アンテナ(8)が屈曲自在な材質で にくく、信頼性が高く、大きな振動が与えられて尚且つ 形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載 安価で而も極細形状の円筒形振動モータ1とするため のページャ機能を有する携帯電話などの携帯無線通信 に、この場合に用いる円筒形振動モータ1は、整流子1 機。 2とブラシ14−1,14−2によって電機子15に通 −1− 電するようにした円筒形マイクロモータ2の一端から突 上に曲がるのを防止するシャフト曲がり防止用突起19 出したシャフト3に偏心ウエイト4−1,4−2,4− −1、19−2、19−3を少なくとも上記偏心ウエイ 3を固定し、該偏心ウエイトを部分円偏心させながら回 トの他端面側外周部に形成したものとすることでより有 転させることで、振動を発生させるようにした円筒形マ 効なページャ機能を有する携帯電話などの携帯無線通信 イクロ振動モータを用い、しかもシャフトが弾性限界以 機を提供できる。 −2−
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