東北農業研究 (Tohoku Agric Res)53, 175-176(2000) 味 辛 古 ダ イ 培 栽 の ン │1村 啓 治・ り ネ (山 形県立園芸試験場 。 山形県土木部 ) 野 伸 典・ 石 山 新 造 法 拿 Cultivation Method of Spicy Radish Shinsuke FuRu、 o, Shinii lsHIYAMA and Keizo KAWAMURAホ (Yamagata Prefectural HOrticultural Experiment Station・ 1は じ め *Yamagata Prefectural Government Office) 2条 播 き 赤外線 マルチ に 施肥 (聴 /10a)N:80 近年 ,種 苗 メーカーか らさまざまな辛味 が強 いとされ る ダイコ ンが発表 されている。生産者で も直売所での販売や 苦土石灰 P206:40 K20i60 :100 FTE(微 量要素複合肥料):40 (平 成 10年 ,秋 播 き 平成 11年 ,春 播 き,秋 播 き) 産地 の独 自性 を出す などといった点か ら,作 付 けを増 や し つつ ある。 また,山 形県 の庄内地 方 には地 元 で野良大根 と 栽植様式 施肥 呼 ばれ る辛味 の強 いダイ コンがあ り,地 下部 の肥大が優れ うね幅 :70cl 株間25m (kg/10a)N:160 P,0,:80 K20:120 苦土石灰 :llXI FTE(微 量要素複合肥料):40 ず ,岐 根 の発生が多 く,繊 維質であるため通 常 の栽培種 と 辛味成分 (イ ツチオンアネー ト :以 下 ITC)は 比色定 してはこれ まで作付 けされることがなか った。 しか し,そ 量法により分析 の辛味 の強 さなどか ら,い くつ かの地域 で栽培が行われ <試 験 2>秋 播 き栽培 における栽植様式 の検討 , 注 目を集 めてい る。 試験区 こうした市販品種 の辛味大根や ,庄 内地方 に 自生す る野 栽培概要 (kg/10a)N:160 P20,:80 K20:120 苦土石灰 :100 FTE(微 量要素複合肥料):40 良大根 は,通 常 の総太 り系 ダイ コンと比 較 し形態的 に異 な る品種が多 く,ま た生理 的 に も異なると思われる。 しか し 施肥 それぞれの品種に適応 した播種時期や栽植様式などについ 播種 日 平成■年 9月 10日 て不明な点が多 いため,現 在 は総太 り系 ダイ コンに準 じて 供試品種 , 辛丸 (サ カ タの タネ)野 良大根 (庄 内地方在来) 栽培 されている事例 がほとんどである。 そこで ,春 播 きか ら秋播 きに適 した品種 の選定 と,秋 播 3 き栽培で の栽植様式 について検討 したので報告す る。 2試 験 方 1 春播 き,秋 播 きでの品種選定 0)収 穫時 の生育 ん じん 'で は 4月 12日 ,5月 10日 の春播 き と 8月 10日 ,9月 10日 の秋播 きで調査を行 い,収 穫 の 目安 `雪 美人 ',`た 供試品種 雪美人 (サ カタのタネ) たん じん 辛丸 (サ カタのタネ) 野良大根 (庄 内地方在来) (ナ ン ト種苗) 播種 日でも大 きな障害 もな く収穫 が可能であ った。 雪美人 ,た ん じん :平 成■年 (1999年 )4月 12日 5月 10日 , 8月 10日 , 9月 10日 `辛 丸 ',`野 良大根 'で は 4月 17日 ,5月 1日 , 9月 17日 の各播種 日で調査を行 った。 `辛 丸 'で は 4月 17日 , 5月 1日 の春播 きで生育中期か ら裂 根が見 られた (観 察 )。 こ , 辛丸 ,野 良大根 :平 成 10年 4月 17日 ,5月 1日 , 9月 17日 75-25-1 150-25-3 150-20-3 うね幅 (cl) 75 75 150 株 間 (co) 条数 (条 ) 10a当 た り株数 25 20 1 1 5,333 6,666 25 3 3 8,000 10000 20 :15m ら裂根 が発生 したと思われ る。 9月 17日 播種では春播 きの ような裂根 も見 られず ,収 穫 が可能であ った。 `野 良大根・ は庄内地方で 自生 して い る系統 を採種 し , れた。 また,出 荷基準 など もなか ったため `辛 丸 'と FH時 期 に収穫調査を行 った。 4月 17日 ,5月 1日 の春播 きの 区 で,収 穫時 の葉数が30枚 以上 と多 くな った。 これはほとん (平 成 10年 ,春 播 き) うね幅 れは収穫時 の地上部重がおよそ300∼ 400gと 重 か ったこと か ら,春 播 きでは地上 部 の生育が旺盛 とな り,早 い時期 か 試験 に供試 したため ,集 団内で生育 にややば らつ きが見 ら 栽培概要 栽植様式 │ま `雪 美人 'は 根重が150∼ 200gと なった時点 ,`た ん じん は200g前 後 となった時点 とした。両品種 とも,い ずれ の ' 播種 日 75-20-1 試験結果及び考察 試験 法 <試 験 1>春 播 き,秋 播 きでの品種選定 試験 区名 収穫 日 :11月 5日 株間 1 25col 条間 :55ol どの株 でえき芽 の発生 が見 られたためである。 また,一 部 -175-― 東 北 農 業 研 究 53 号 第 の株 では抽 だいも確認 されてお り,花 芽 の形成 が行 われて 期待 で きると思われた (表 いた ものと考 え られる。 9月 17日 播種 では抽 だいやえ き芽 表2 品 1)。 表 1 春播 き,秋 播 きの生育 (平 成 10,110 雪美人` 朧 日 収 穫 葉数 地上 根重 根長 調査日 部重 鯛/D O/日 )(枚 )(8)(g)(m) 4/12 6/3 142 105 151 100 5/10 6/29 141 124 151 117 124 9/10 11/5 103 96 183 `辛 丸 'は 4/17 6/5 195 279 5/1 6/22 230 393 9/17 11/16 132 86 野良大根`4/17 6/5 396 309 5/1 6/22 357 463 9/17 11/16 注 117 286 139 141 180 76 286 84 115 60 64 129 173 195 101 87 1条 播 き区では,裂 根 の発生 が見 られ た。 1 条播種 の75-20-1区 は根重が 171gで 裂根 が発生 した の に対 し,3条 播種 の150-25-3区 では222gま で肥大 して も裂根 の発生がなか った。多条播 きにす ることによ り裂根 111 270 の発生 が抑え られると考 え られる。収量 は裂根 の発生が見 られず ,根 重 も重か った150-25-3区 が最 も優れた。 野良大根 では,湿 害 が見 られた 150-25-3区 を 除 き , 葉数 ,最 大葉長などで栽植密度 の低 い区 ほど優 れた。また えき芽多発 えき芽多発 , 根長 ,根 重 も同様な傾向となり,収 量で も最 も栽植密 度 の 低 い75-25-1区 が優れた (表 3.表 4)。 100 a:平 成H年 調査 b:平 成10年 調査 4 唸)辛 味成分含量 `た ん じん 'で した。 `雪 美人 春播 きの辛味 ダイ コン品種 は,`雪 美人 'と `た ん じん 秋播 きでは辛味 の強 い `辛 丸 'と `野 良大根 'が 有望で あ ' は 9月 10日 の秋播 きにお いて ,春 播 きに る。 比較 し 2割 程度含量 が低 くな り,辛 味ダイ コ ンと しての 商 また,秋 播 き栽培 での栽植様式 では,`辛 丸 は根長 の発 生がな い広畝 の多条播種 が適する。 また ,`野 良大根 'で 品性 は低 いと考 え られた。秋播 きで有望であ った `辛 丸 と `野 良大根 'は 25嘔 /100″ 搾汁液 と多 く,強 い辛味 が ' 表3 75-20-1 150-25-3 150-20-3 ) 204 (枚 183 189 160 葉 (cm) 360 10株 平均 長 収 (m) 74 (m) (g) (g) (t/10a) (本 720 207 241 128 31 8 63 666 150 325 335 69 57 738 132 633 83 171 量 数) 裂根 (2/10) 114 裂根 75-25-1 75-20-1 150-25-3 150-20-3 葉 数 ) 173 (枚 158 151 145 最大葉 葉 長 (4/10) 178 146 222 146 収穫時 の生育 (野 良大根 ) 試験区 注 は根重が増加 しやすい 1条 播種 が適する。 収穫時 の生育 (辛 丸) 75-25-1 表4 ま ' 品種別 ,播 種 日別 の辛味成分含量を調査 と 9/10播 種 試験 2 秋播 き栽培 にお ける栽植様式 の検討 (0 収穫時の生育 難魏 辛丸` 89 8/10 6/2 121 4/12播 種 種 障害 8/10 9/24 114 54 130 100 9/10 11/5 115 82 196 115 たんじん' 4/12 6/3 114 96 181 120 5/10 6/29 149 辛味成分 (ITC)含 量 '1 121 雪美人 たん じん 136 辛丸 野良大根 *1:搾 汁液100m′ 中のm8数 ではその後 も抽だ いなど も観察 されなか ったため,降 雪前 品種 2)。 2 2 5 5 γ 0 4 5 l 2 2 の発生 も見 られず ,収 穫 が可能 で あ った。 .辛 丸 'と 同時 期 での収穫 となったため根重が 100g以 下 だ ったが ,観 察 まで収穫が可能 と思われた (表 (2000) 10株 平均 根 長 根 (m) (cm) (en) 374 164 386 地上部重 (g) 294 31 5 154 367 271 129 369 307 140 *1:直 径 51m以 下の岐根 は商品 とした 径 31 0 -176- 根 重 10a当 た り (g) (t/10a) 196 104 151 111 115 145 121 99 収 障 害 量 (本 096 097 099 数 )・ 岐根 (4/10) 1
© Copyright 2024 ExpyDoc