香港支支店店情情報報 No.267 平成 26 年 6 月 1 日伊予銀行香港支店＜経済＞ ○ベトナムベトナム・反中デモの影響南シナ海での中国の石油掘削作業をめぐり、ベトナムで発生した反中デモ。暴徒化したデモ隊が中国系企業を襲撃し、死者や負傷者が出たとの報道を目にしますが、現在（５月下旬）の状況について、ベトナムに進出している日系企業等、現地からの生の声を報告します。【現在（５月下旬）の状況】ハノイ（ベトナム北部）〇目立ったトラブルは発生しておらず、会社への被害、影響は全くない（ハノイ近郊の日系企業）。〇用心のため、車道に面したフェンスにベトナム国旗と日の丸を掲揚している。韓国企業も同様に自国の国旗を掲揚していた。〇デモ隊や中国大使館に近づかないなど、注意していれば、特段危険に晒されることはない。ホーチミン（ベトナム南部）〇会社に被害はなく、通常通り操業している（ホーチミン郊外の日系企業）。〇工業団地では、看板に漢字があったことから、日系企業の工場が投石で窓を割られたなどの「とばっちり」の被害に遭った様子。〇現在は、ベトナム政府がデモの制圧に乗り出し、軍・公安が取締りを強化しているため、デモは収束に向かっている。上記のとおり、日系企業に対する直接の影響はほとんどなく、軍・公安による取締り強化で、デモは収まりつつあることが窺えます。しかし、中国系企業の中には操業停止となった工場もあり、そうした企業と取引のある日系企業に、間接的な影響が出てくることが懸念されています。ベトナムは東南アジアの中でも、政治的に安定していることが外資系企業にとって投資の魅力の一つでした。しかし今後はその見方が変わる可能性があり、中国との関係が悪化する中で、外資系企業の投資が減速した場合、ベトナム経済の打撃は大きいものと予想されます。 1 香港支支店店情情報報 ○中国広州交易会が閉幕、来場者・成約額ともに減少中国・広州市で毎年春と秋に開かれる中国輸出商品交易会（広州交易会）が４月１５日～５月５日まで、展示商品ごとに３期に分けて開催されました。海外からの来場者数は１８万７１１９人と、前回比８％、前々回比７．２％減少したほか、成約額も３５０億５１００万米ドル（約３兆１０００億円）と、前回比２％、前々回比１２．６％減少しました。特に対ＡＳＥＡＮ地域の成約額は、前回比１５．３％減少したほか、対日本も前回比７．９％、前々回比４．７％減少するなど、回復傾向が見られた前回に比べて、来場者数・成約額ともに減少する結果となりました。この結果について、交易会事務局は「中国企業は技術、ブランド、品質、サービスの育成を進め、新たな優位性を築いていく必要がある」と指摘しています。３期合計の出展者数は２万４５８１社にのぼり、実際の店舗のようなショールームから、小規模のブースまで、さまざまな展示ブースが軒を連ねました。また韓国やマレーシアなど、国が主体となった展示エリアも設けられ、国を挙げてのＰＲに熱が入っていました。出展した日系メーカーの話によると、交易会事務局は中国の輸出促進のため自国企業の出展を優先しており、外国企業の出展は自国の展示エリアがなければ難しい、とのことです。 ○香港日本酒試飲会「ＳａｋｅＲｏｏｍ」開催５月９日～１０日、香港海事博物館にて日本酒試飲会「ＳａｋｅＲｏｏｍ」が開催され、日本酒ファンの香港人で大いに賑わいました。試飲会には、３４の蔵元から約５０種類の日本酒が出品し、参加者は蔵元の担当者の説明を聞きながら試飲することができます。また、香港の日本食やイタリアンレストラン７店が、日本酒にあうオードブルを提供し、自由に食べることができます。参加者は蔵元の話を熱心に聞きながら、好みの日本酒を見つけようと様々な日本酒を試飲していました。香港では、日本食のレストランなどで日本酒を飲むことができるものの、ビールやワイ 2 香港支支店店情情報報ンに比べて価格が高く、 “高級なお酒”のイメージが定着しています。また、銘柄の知識も一部の銘柄を除いてあまりなく、代わりに「吟醸」「大吟醸」を求める人々が多いそうです。今回の試飲会を通じ、多くの香港人に日本酒の多様性、奥深さを知ってもらうとともに、香港におけるさらなる日本酒の普及を願ってやみません。 3 香港支支店店情情報報香港・広東省の見本市予定（2014 年 6 月～2014 年 8 月）香港見本市名場所期間サマーウェディング・サービス＆バンケット・エキスポＨＫＣＥＣ 6/6～6/8 リテール・アジア・エキスポＨＫＣＥＣ 6/10～6/12 ITE MICE 2014（国際旅行博）ＨＫＣＥＣ 6/12～6/15 JUNE 香港ジュエリー・宝石展ＨＫＣＥＣ 6/19～6/22 香港インターナショナル教育エキスポＨＫＣＥＣ 7/5～7/6 香港ファッション・ウィーク春/夏ＨＫＣＥＣ 7/7～7/10 香港ブックフェアＨＫＣＥＣ 7/16～7/22 香港インターナショナルティーフェアＨＫＣＥＣ 8/14～8/16 Food Expo 2014（香港最大の食品・飲料展示会）ＨＫＣＥＣ 8/14～8/18 ICMCM 2014（漢方薬・ヘルスケア製品イベント）ＨＫＣＥＣ 8/14～8/16 ※ ＨＫＣＥＣ：香港コンベンション＆エキシビジョン・センター広東省見本市名場所期間 GILE 2014（広州国際ライティング展）琶洲会場 6/9～6/12 GEBT 2014（広州電気・建築技術展）琶洲会場 6/9～6/12 中国・広州国際ソーラー建築展琶洲会場 6/9～6/12 広州国際金属曁冶金工業展覧会琶洲会場 6/16～6/18 広州国際ロジスティック機器＆情報展 2014 琶洲会場 6/18～6/20 Automation Expo（中国国際工業オートメーション展）深圳会展中心 6/18～6/20 広州国際ホテル設備・用品展覧会琶洲会場 6/26～6/28 広州国際食品フェア 2014 琶洲会場 6/26～6/29 国際建築装飾博覧会琶洲会場 7/8～7/11 国際ブランド服装服飾交易会深圳会展中心 7/10～7/12 深圳国際紡織博覧会深圳会展中心 7/10～7/12 GWHE 2014（ヒートポンプシステム、水処理装置）琶洲会場 8/26～8/28 4 香港支支店店情情報報 GAIE 2014（国際アルミニウム産業展示会琶洲会場 8/26～8/28 NEPCON SOUTH CHINA 2014（エレクトロニクス関連）深圳会展中心 8/26～8/28 ※ 琶洲会場：中国出口商品交易会琶洲展示館（広州）上記の見本市は予定が変更になる場合もありますのでご留意下さい。 5 香港支支店店情情報報 ★トピックスレポート（香港人スタッフ便り）★ 香港と上海の証券取引所を結ぶ「直通列車」２０１４年４月１０日、中国政府は、香港証券取引所と上海証券取引所との間で、株式の売買を可能とする相互取次を、６ヶ月以内に開始することを発表しました。この、香港取引所と上海取引所を結ぶ「直通列車」の詳細は以下のとおりです。香港→上海取引香港および海外の投資家が “香港→上海取引”により、香港および海外香港のブローカーに注文の投資家は、上海証券取引所に上場している ↓ ５６０以上の銘柄を売買することができます。香港証券取引所香港のブローカーは、投資家の依頼を受け、 ↓ 香港に設立した証券会社を通じて上海証券取上海証券取引所にて取引引所に注文します。上海→香港取引中国本土の投資家が “上海→香港取引”により、中国本土の個人中国のブローカーに注文投資家や機関投資家は、口座に５０万元（約 ↓ ８００万円）以上の残高があれば、中国国内上海証券取引所のブローカーを通じて、香港市場に上場する ↓ 企業の株式時価総額の９５％を占める２６６香港証券取引所にて取引の銘柄を売買することができます。個人ブローカーおよび投資家に対する個別の投資枠はありません。香港から上海への投資枠は３０００億元、一日当たりの投資枠は１３０億元と割り当てられ、一方、上海から香港への投資枠は２５００億元、一日当たりの投資枠は１０５億元と定めらました。６ヵ月以内に開始され、投資枠の合計額が５５００億元にのぼる、今回の相互取次制度は、香港と上海市場にとって大きな刺激となるでしょう。中国証券監督管理委員会および香港証券先物委員会が共同で発表した詳細によると、まず、香港、上海証券取引所の構成銘柄および重複上場する８２６の銘柄が取引の対象となります。中国本土の報道によると、今回の制度は、個人投資家およびブローカーに対する個々の投資枠がないため、全体の投資枠に対して先着順に割り当てられるとのことです。一方、本スキームにて本土の買い手が投資する人民元は、閉鎖されたシステムで処理され、香港オフショア市場にて香港ドルに変換されます。 6 香港支支店店情情報報香港証券取引所および香港金融管理局は、双方とも今回の決定を歓迎しています。私たち香港人にとっても、上海市場の株式に直接投資できるスキームを、興味深く、前向きに捉えています。多くの中国企業が世界で事業を拡大しているなか、これらの企業に投資することは価値のあることだと考えているからです。今回の決定による影響は、よい意味で大きなものになると考えています。 7