ボルト継手計算書 Ｈ３５０×１７５×７×１１ （ＳＭ４９０） 土木仕様 （ＳＩ単位） ヒロセ株式会社 (SM490材) ボルト継手（Ｈ３５０×１７５）の設計 １．設計条件 母材にボルト孔がある場合、引張力に対し、ボルト孔分が抵抗できないため、ボルト孔を控除 した母材の抵抗力を設計強度とする。 添接板の設計は、設計強度に対し、添接板の断面性能に応じて、フランジとウエブに応力を分 配する。 （1）許容応力度 （母材と添接板の材質は同一とする。） (鋼材ｺ-ﾄﾞ) SM490-D (ﾎﾞﾙﾄｺ-ﾄﾞ) F10T-DM 「道路土工 仮設構造物工指針（日本道路協会）」に準拠する。 仮設鋼材の許容応力度の割増 係数 ＝ Ｈ 形 鋼 の 許 容 曲 げ ・ 引 張 応 力 度 Hσba＝Hσta＝ Ｈ 形 鋼 の 許 容 せ ん 断 応 力 度 Hτa ＝ Ｈ 形 鋼 の 許容支圧応力度(315×係数） Hσa ＝ 添 接 板 の 許 容 曲 げ ・ 引 張 応 力 度 Pσba＝Pσta＝ 添 接 板 の 許 容 せ ん 断 応 力 度 Pτa ＝ 添 接 板 の 許容支圧応力度(315×係数） Pσa ＝ ボルト の 許 容 せ ん 断 応 力 度 Bτa ＝ （2）設 計 母 材 鋼： Ｈ３５０×１７５×７×１１ ＜pｔ＞ ＜pｂ＞ フランジ：２・ＰＬ− 9 × 175 ４・ＰＬ− 9 × 70 ウ ェ ブ：２・ＰＬ− 6 × 230 板 平 面 図 fｐ2 e2 fpＬ (SM490) (SM490) (SM490) (F10T) fpｂ1 ＜pＬ＞ 310 310 310 × × × 70 71 cm cm ｎ2 ＝ 2 本 (軸横断) ｍ2 ＝ 3 本 (軸横断) フランジボルトの軸方向間隔 7.5 cm fｐ1 ＝ フランジボルトの横断方向間隔 10.5 cm fｐ2 ＝ ウエブボルトの軸方向間隔 7.5 cm wｐ1 ＝ ウエブボルトの横断方向間隔 7.5 cm wｐ2 ＝ e2 Ｂ (SM490) 形 ボ ル ト 直 径 （ Ｍ22 ） ｄ ＝ 2.20 ボ ル ト 孔 径 （ｄ＋3mm） ｄh ＝ 2.50 フランジのボルト本数 ｎ1 ＝ 2 本 (軸方向) ウ ェ ブのボルト本数 ｍ1 ＝ 2 本 (軸方向) 縁端距離(応力方向) ｅ1 ＝ 4.0 cm 縁端距離(そ の 他) ｅ2 ＝ 3.5 cm （4）ボ ル ト N/mm2 N/mm2 N/mm2 N/mm2 N/mm2 N/mm2 N/mm2 ｺ-ﾄﾞ: H350-2 Ｈ （3）添 接 1.50 280 160 473 280 160 473 285 断 面 図 ｅ1 2･e1 ｅ1 (ｎ1-1)･fｐ1 (ｎ1-1)･fｐ1 Ｂ ｔw 側 面 図 (ｍ2-1)･wｐ2 e1 ｔf fpｂ2 wpｔ wpｂ wpｂ Ｈ fpｔ2 e1 Ｈ wpＬ fpｔ1 ｅ1 2･e1 ｅ1 (ｍ1-1)･wｐ1 (ｍ1-1)･wｐ1 1 fpｂ1 (SM490材) ２．継手部の設計 (1) 母材の断面性能計算 Ｂ 1) 母材 Ｈ３５０×１７５×７×１１ ｔf Ｈ 形 鋼 の 高 Ｈ 形 鋼 の ウ ェ ブ フ ラ ン ジ フ ィ レ ッ 断 面 断 面 係 断面二次モ−メン さ 幅 厚 厚 ト 積 数 ト Ｈ ＝ 35 cm Ｂ ＝ 17.5 cm ｔw＝ 0.7 cm ｔf＝ 1.1 cm ｒ ＝ 1.3 cm Ａ ＝ 62.91 cm2 Ｚ ＝ 771 cm3 Ｉ ＝ 13500 cm4 H/2 ｔw Ｈ ｄｈ ｒ H/2 ｔf ｄｈ 2) ボルト穴を控除した断面性能 ボ ル ト 孔 径 ｄh ＝ フランジボルトの本数 ｎ2 ＝ ウ ェ ブ ボ ル ト の 本 数 ｍ2 ＝ （断 面 積） （ｳｴﾌﾞﾎﾞﾙﾄ孔） ΔBＡw＝ ＝ ｄh・ｔw・ｍ2 2.50 × 0.70 × tw（H − 2・ｔf） − ΔBＡw ＝ 0.70 ×（ 35 − ＝ 17.71 cm2 2.50 cm 2 本 (軸横断) 3 本 (軸横断) 5.25 cm2 3 ＝ 2 × 1.10 2 ＝ 5.50 cm2 − 2 × 17.71 ＝ （ ｳｴﾌﾞ ） HＡw'＝ ）− 5.25 （ﾌﾗﾝｼﾞﾎﾞﾙﾄ孔） ΔBＡf＝ ｄh・ｔf・ｎ2 ＝ 2.50 × 1.10 × （ ﾌﾗﾝｼﾞ ） HＡf'＝ Ａ − tw（H − 2・ｔf） − 2・ΔBＡf ＝ 62.91 − 0.70 ×（ 35 − 2 × 5.50 ＝ 28.95 cm2 Ａ' ＝ HＡf'＋ HＡw' ＝ 28.95 ＋ 1.10 46.66 cm2 （断面二次モ−メント：ウエブ孔は控除しない場合） ΔBＩf＝ ｄh・ｔf3・ｎ2 12 ＝ （片ﾌﾗﾝｼﾞﾎﾞﾙﾄ孔） BＩf 2.50 ＝ 1.10 3 × 12 × 0.555 cm4 ＝ ΔBＡf・（1/2・Ｈ−1/2・ｔf）2 ＋ ΔBＩf ＝ 5.500 （両ﾌﾗﾝｼﾞﾎﾞﾙﾄ孔） BＩf'＝ 2 ・BＩf × ＝ Ｉ'＝ Ｉ - BＩf'＝ 16.950 2 ＋ 0.555 ＝ 1581 cm4 2 × 1581 ＝ 3162 cm4 13500 − 3162 ＝ 10338 cm4 10338 17.50 ＝ 591 （断面係数） Ｚ'＝ Ｉ' 1/2・Ｈ ＝ 2 cm３ 2 ） (SM490材) (2) 添接板の断面積の計算 外 側 板 幅 fpｂ1＝ 17.5 板 厚 fpｔ1＝ 0.90 内 側 板 幅 fpｂ2＝ 7.00 板 厚 fpｔ2＝ 0.90 ボルト孔径 ｄh ＝ 2.50 ボルト本数 ｎ2 ＝ 2 １) フランジ添接板 （外側添接板） BＡf1 cm 本 (軸横断) ＝ ｄh・fpｔ1・ｎ2 ＝ PＡf1 cm cm cm cm ＝ 2.50 × 0.90 × 2 ＝ 4.50 cm2 0.90 − 4.50 ＝ 11.25 cm2 0.90 × 2 ＝ 4.50 cm2 0.90 − 4.50 fpｂ1・fpｔ1−BＡf1 ＝ 17.50 × （内側添接板） BＡf2 ＝ ｄh・fpｔ2・ｎ2 ＝ PＡf2 2.50 × ＝ 2・fpｂ2・fpｔ2 − BＡf2 ＝ 2 × 7.00 × ＝ 8.10 cm2 （フランジ合計） PＡf ＝ 2・（PＡf1＋PＡf2 ） ＝ 2 × （ 11.25 ＋ 23.0 cm 0.60 cm 3 本 (軸横断) ＝ ｄh・wpｔ・ｍ2 ＝ PＡw1 ＝ 38.70 cm2 板 幅 wpｂ ＝ 板 厚 wpｔ ＝ ボルト本数 ｍ2 ＝ ２) ウェブ添接板 BＡw 8.10 ） ＝ 2.50 × wpｂ・wpｔ ＝ 23.00 0.60 × 3 ＝ 4.50 cm2 0.60 − 4.50 ＝ 9.30 cm2 9.30 ＝ 18.60 cm2 ＝ 57.30 cm2 − BＡw × （ウェブ合計） PＡw ＝ 2 ・ PＡw1 ＝ 2 × ３) 断 面 積 Σ PＡ ＝ PＡf ＋ PＡw ≧ Ａ' ＝ 38.70 ＋ 18.60 > -OK- 3 46.66 cm2 (SM490材) (3) 添接板の断面二次モ−メントの計算 1) フランジ添接板 ボルト孔径 ｄh ＝ フランジ ｎ2 ＝ ウ エ ブ ｍ2 ＝ 外 側 板 幅 fpｂ1＝ 17.50 cm 板 厚 fpｔ1＝ 0.90 cm 面 積 PＡf1＝ 11.25 cm2 内 側 板 幅 fpｂ2＝ 7.00 cm 板 厚 fpｔ2＝ 0.90 cm 面 積 PＡf2＝ 8.10 cm2 2.50 cm 2 本 (軸横断) 3 本 (軸横断) （外側添接板） fpｂ1'＝ fpｂ1− ｄh・ｎ2 ） ＝ 12.50 cm ＝ 17.50 − ( 2.50 × 2 3 12.50 × 0.90 3 fpｂ1'・fpｔ1 ΔPＩf1 ＝ ＝ 0.759 cm4 12 12 2 PＩf1 ＝ PＡf1・（1/2・Ｈ＋1/2・fpｔ1） ＋ ΔPＩf1 ＝ ＝ 11.250 × 17.950 2 ＋ 0.759 3626 cm4 （内側添接板） fpｂ2'＝ ＝ ΔPＩf2 ＝ PＩf2 ＝ ＝ 2・fpｂ2 − ｄh・ｎ2 ） ＝ 9.00 cm 2 × 7.00 − ( 2.50 × 2 3 3 ｂ2'・ ｔ2 9.00 × 0.90 fp fp ＝ 0.547 cm4 12 12 2 PＡf2・（1/2・Ｈ−ｔf−1/2・fpｔ2） ＋ ΔPＩf2 2 ＝ 8.100 × 15.950 ＋ 0.547 2061 cm4 （フランジ合計） PＩf ＝ 2・（PＩf1＋PＩf2） ＝ 2 × ( ＝ ＋ wpｔ・wpｂ 3 12 ＝ 0.600 × 12 23.00 Σｙ ＝ ｙ１2 ＋ ｙ２2 ＋ ｙ３2 ＋ …………… ΔPＩw1 ＝ ｄh・wpｔ・2Σｙ ＝ ＝ 2061 ） ＝ 11374 cm4 板 幅 wpｂ ＝ 23.00 cm 板 厚 wpｔ ＝ 0.60 cm ボルト間隔 wｐ2 ＝ 7.5 cm 2) ウェブ添接板 PＩw1 3626 2.50 ＋ ｍ2 ・ × 0.60 × ＋ 3 × ＝ wpｔ・（ｄh） 3 608 cm4 56.25 cm2 3 ｙ3 12 ｙ2 2 0.60 × × 12 56 2.50 608 − 171 3 G ） ＝ 874 ｙ1 cm4 171 （ウェブ合計） PＩw ＝ 2・（PＩw1−ΔPＩw1）＝2 × ( cm4 3) 断面二次モ−メント Σ PＩ ＝ PＩf ＋ ＝ 11374 PＩw ＋ ≧ Ｉ' 874 ＝ 4 12248 cm4 > 10338 cm4 -OK- (SM490材) （4）曲げモ−メントの計算 1) Ｈ形鋼１本当たりの抵抗曲げモ−メント 許容曲げ応力度 Hσba＝ 断 面 係 数 Ｚ' ＝ Ｍr ＝ Hσba ・ Ｚ' 280 591 N/mm2 cm3 9.5 10.0 ＝ 280 × 591 × 103 ＝ 165480000 N･mm σ 【 概 念 図 】 fpｔ1 fpσu1 fpσl1 fpσu2 fpσl2 wpσu fpｙu1 fpｙu2 fpｙl1 fpｔ2 Ｈ wpｙu fpｙl2 wpｂ wpσl 2) フランジ添接板およびボルトの検討 PＭf ＝ Ｍr ・ ＝ ΣPＩ ＝ 12248 cm4 4 PＩf＝ 11374 cm PＩf Σ PＩ 165480000 × 11374 12248 ＝ 153671581 N･mm （外側フランジ） PＭf1＝ ＝ fpｙu1＝ fpσu1＝ ＝ PＭf・ 2・PＩf1 PＩf 153671581 1/2・Ｈ＋fpｔ1 PＭf1 2・PＩf1 PＩf1 × 7252 11374 ＝ ＝ 1/2 × 35.0 ＋ ＝ 97980157 0.90 3626 cm4 N･mm ＝ 18.40 < 280 N/mm2 280 N/mm2 cm ・fpｙu1 ≦ Pσba 97980157 2 × 3626 × 18.40 1000 ＝ 249 1/2 × 35.0 ＝ 17.50 17.50 1000 ＝ 236 N/mm2 -OK- ＝ fpｙl1＝ 1/2・Ｈ fpσl1＝ PＭf1 ・ ｙl1 ≦ Pσba 2・PＩf1 fp ＝ 97980157 7252 × cm N/mm2 < -OK- 5 (SM490材) （内側フランジ） PＭf2 ＝ 2・PＩf2 PＩf PＭf・ PＩf2 ＝ 153671581 × 4122 11374 ＝ fpｙu2＝ 1/2・Ｈ−ｔf ＝ 1/2 × 35.0 − fpσu2＝ PＭf2 ・ ｙu2 ≦ Pσba 2・PＩf2 fp ＝ 222 ＝ 55691424 4122 × 16.40 1000 ＝ 55691424 2061 cm4 N･mm 1.10 N/mm2 ＝ 16.40 < 280 cm N/mm2 -OKfpｙl2＝ 1/2・Ｈ −ｔf−fpｔ2 ＝ 1/2 × 35.0 − fpσl2＝ ＝ PＭf2 2・PＩf2 1.10 − 0.90 15.50 1000 ＝ 209 ＝ 15.50 cm ・fpｙl2 ≦ Pσba 55691424 4122 × < N/mm2 280 N/mm2 -OK- ボルトの許容せん断応力度 Ｈ形鋼の許容支圧応力度 （ ボ ル ト ） PＴf1＝ ＝ PＴf2＝ ＝ fpσu1＋fpσl1 2 249 ＋ 2 fpσu2＋fpσl2 2 222 ＋ 2 ∴ PＴf ＝ PＴf1＋PＴf2 ＝ 236 Hσa＝ N/mm2 N/mm2 × 11.25 × 102 ＝ 272813 N × 8.10 × 102 ＝ 174555 N ・PＡf2 209 272813 Ｓ1 ＝ 2・BＡ・Bτa ＝ 2 × （二面せん断） Ｓ2 ＝ ｄ・ｔf・Hσa ＝ 22 × （鋼板の支圧） PＴf ｎ1・ｎ2 285 473 ・PＡf1 ボルト１本の耐力 (F10T) 2 Ｍ 22 BＡ ＝ 1/4 ･ π ･ ｄ Ｑf ＝ Bτa＝ 380.1 × 11 ＝ ＝ 174555 ＝ 3.801 cm2 → 285 ＝ ＝ 447368 × 473 ＝ 2 447368 × 2 < N 380.1 mm2 216657 ＝ 111842 N 6 ＋ 114466 114466 N 114466 N (最小)fbＳa -OK- (SM490材) ３) ウェブ添接板およびボルトの検討 PＭw PＩw Σ PＩ ＝ Ｍr ・ ＝ wpｙu＝ wpσu＝ ＝ 165480000 1/2 ・ PＭw PＩw ΣPＩ ＝ 12248 874 PＩw＝ wpｂ × 874 12248 ＝ ＝ 1/2 × 23.00 ＝ 11.50 1000 ＝ 155 11808419 11.50 cm4 cm4 N･mm cm ・wpｙu ≦ Pσa 11808419 874 × < N/mm2 280 N/mm2 -OK ボルト１本の耐力 (F10T) Ｍ 22 Ｓ1 ＝ 2・BＡ・Bτa ＝ 2 × Ｓ2 ＝ ｄ・ｔw・Hσa ＝ 22 × BＡ ＝ 1/4 ･ π ･ ｄ2 ＝ 3.801 cm2 → 285 ＝ 216657 473 ＝ 72842 380.1 mm2 （二面せん断） 380.1 × ＝ （鋼板の支圧） 7 × 72842 N (最小)wbＳa ｍ1 【 概念図 】 Ｒx Ｍ ｐ2 ｙm G ｐ2 ｍ2 ｒm Ｒy Ｒm ｍ1＝ 2 ｍ2＝ 3 Ｒs ｐ2 Ｒ＝ ｘm ｐ1 Ｒx2＋(Ｒy＋Ｒs)2 ｐ1 Ｉp ＝ 1/12・ｍ1・ｍ2｛wｐ12（ｍ12−1）＋wｐ22（ｍ22−1）｝ ＝ ＝ × 2 1/12 309 × 3 ＋ × ｛ 7.50 7.50 × 2 2 × （ 3 Ｒx ＝ Ｒy ＝ Ｒm ＝ 3.75 pＭｗ Ip pＭｗ Ip Ｍｗ p Ip （ 2 2 − 1 ） − 1 ）｝ cm2 ｘm ＝ ｙm ＝ （ボルト群の回転中心Ｇから最外端ボルトまでの距離） ｒm ＝ 2 2 ＋ 7.50 × ｙm ＝ × ｘm ＝ × ｒm ＝ ＝ 2 ＝ 8.39 cm 11808419 309 11808419 309 11808419 309 32062 N 7 3.75 cm 7.50 cm × × × < 7.50 10 3.75 10 8.39 10 72842 N ＝ 28661 N ＝ 14331 N -OK- (SM490材) （5）せん断力の計算 1) Ｈ形鋼１本当たりの抵抗せん断力 許容せん断応力度 ウエブせん断有効面積 Ｓr ＝ Hτa ＝ ＝ 160 Ｓr PＡw ＝ ＝ 160 N/mm2 2 HＡw'＝ 17.71 cm ＝ 1771 mm2 ・ HＡw' × 1771 283360 ＝ 2) ウェブ添接板の応力度 Pτ Hτa N 添接板断面積 PＡw＝ 18.60 cm2 ＝ 1860 mm2 ≦ Pτa 283360 1860 ＝ 152 < N/mm2 160 -OK- N/mm2 3) ボルトの応力 ボルトの許容せん断応力度 Bτa＝ Ｈ形鋼の許容支圧応力度 Hσa＝ ウェブ厚 ｔw ＝ 285 473 0.7 N/mm2 N/mm2 cm ボルト１本の耐力 (F10T) BＡ Ｍ 22 ＝ Ｓ1 ＝ 2・BＡ・Bτa ＝ 2 × 0.0 0.0 Ｓ2 ＝ ｄ・ｔw・Hσa 0.0 ＝ 22 × Ｒs ＝ Ｓr ｍ1・ｍ2 1/4･π･ｄ2 ＝ 3.801 cm2 → （二面せん断） 380.1 × 285 ＝ 7 ＝ 473 ＝ 2 283360 × 3 < 47227 N 72842 Ｙ方向成分（曲げ） Ｙ方向成分(せん断) 72842 N Ｒx ＝ 28661 Ｒy ＝ 14331 Ｒs ＝ 47227 Ｒｘ2＋（Ｒy ＋ Ｒs）2 ＝ 67903 N (最小)wbＳa -OK- （最外端ボルトの応力） Ｘ方向成分（曲げ） 28661 2 ＋ （ 72842 N ＝ × （6）ウエブボルトの合成応力 ＝ 216657 （鋼板の支圧） ＝ Ｒ ＝ 380.1 mm2 14331 < ＋ 47227 ）2 72842 N 8 -OK- N/本 N/本 N/本 (SM490材) ３．計算結果 母 材 Ｈ３５０×１７５×７×１１ フランジ部 添接板仕様 ２枚： PL 9 × 175 × 310 ４枚： PL 9 × 70 × 310 F10T : Ｍ22 - 16本 L = L = （ ﾄﾙｼｱ型高力ボルトの場合 ２枚： PL 6 × 230 × 310 ボルト仕様 ウ ェ ブ部 (SM490) 添接板仕様 ボルト仕様 F10T : Ｍ22 - 12本 （ ﾄﾙｼｱ型高力ボルトの場合 310 【 平 面 図 】 (SM490) (SM490) 70 65 (SM490) L = L = 60 55 35 105 35 175 175 5 φ＝ 25 70 80 （外側） 40 （内側） 75 75 1@75 【 側 面 図 】 40 1@75 310 2@75 φ＝ 25 40 230 350 40 5 80 40 75 1@75 【 断 面 図 】 175 7 75 40 1@75 11 Ｈ３５０×１７５×７×１１ 230 PL 6 × 230 × 310 PL 9 × 70 × 310 9 350 70 9 PL 9 × 175 × 310 6 175 9 mm mm ） mm mm ）
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