国際投信投資顧問 : http://www.kokusai-am.co.jp 国際投信投資顧問 経済調査部 投資環境ウィークリー : 2008 /4 /7 2008/ 4/ ◇◇ 今週の主要経済指標と政治スケジュール ◇◇ 月 4/7 水 火 9 8 11 10 (日) 2月 景気動向指数 一致 1月:20.0、2月:44.4 (日) 日銀金融政策決定会合(~9日) 無担保コール翌日物: (米) バーナンキFRB議長講演 (ワシントン) 先行 1月:36.4、2月:50.0 0.50%⇒(予)0.50% (日) 3月 景気ウォッチャー調査 (英) 英中銀金融政策委員会 (MPC、~10日) 現状 2月:33.6、3月:(予)NA 先行 2月:39.5、3月:(予)NA 金 木 (日) 2月 機械受注 (船舶・電力除く民需、前月比) 1月:+19.6% 2月:(予)▲14.0% レポレート:5.25%⇒(予)5.00% (欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会 (米) 2月 中古住宅販売成約 (前月比) リファイナンスレート:4.0% ⇒(予)4.0% 1月:±0.0% 2月:(予)▲0.8% トリシェECB総裁記者会見 (日) 3月 国内企業物価(前年比) 2月:+3.4%、3月:(予)+3.5% (米) 4月 ミシガン大学消費者 信頼感指数(速報) 3月:69.5、4月:(予)69.0 (他) G7財務相・中銀総裁会議 (ワシントン) 13 (伊) 総選挙(~14日) 出所)Bloomberg等、各種資料より当社経済調査部作成 ◇◇ 今週の焦点 ◇◇ ①米国: 住宅価格下落と消費マインドの冷え込みが、景気後退リスクを高め ており、今週の住宅販売成約と消費マインドは一層の悪化が懸念されます。 ②日本: 8-9日の日銀金融政策決定会合は政策変更はない見通しですが、 足元の海外景気減速・円高・原油高を鑑み、国内景気の見通しを慎重化する 可能性があります。10日発表の機械受注は、前月が鉄鋼・通信・運輸などの 大型受注で前月比+19.6%(船舶・電力除く民需)と急増したため、2月分は反 動減が予想されます。内閣府の1-3月期見通しである+3.5%は達成可能とみ られますが、鉱工業生産の資本財出荷が1月前月比▲2.2%、2月同▲2.1% 今月中旬の米金融機関の決算発表(17日メリルリンチ、翌18日シティグルー と減退しており、機械受注も先行きは減速が予想されます。 プ)が、市場の重石となる見通しですが、4月30日に予想される米連銀の追加 ③ユーロ圏: 3月消費者物価が前年比+3.5%に上昇しており、10日のトリシェ 利下げ、5月は米家計への税還付が始まり、市場も落ち着く可能性があります。 ECB総裁の発言では、景気と物価両睨みのスタンスは維持され、容易に利下 今週の焦点は、①米国は、8日の中古住宅販売成約、11日のミシガン消費 げができない状況が説明されましょう。但し、欧州金融機関の不良債権問題と、 欧州景気の減速をうけ、7-9月期には利下げせざるを得ないと思われます。 者信頼感、②日本は、7日の景気動向指数、8日の景気ウォッチャー、8-9日 の日銀金融政策決定会合、10日の機械受注、11日の国内企業物価、③ユー ④その他: 3月26日の証言でキングBOE総裁が利下げを示唆しており、10日 ロ圏は、10日のECB理事会と13-14日のイタリア総選挙、④その他は、9-10 に英中銀は政策金利を0.25%引き下げ、5.0%とする見通しです。G7では、金 日の英中銀MPC、11日のワシントンG7(主要国財務相・中銀総裁会議)です。 融機関の損失処理方法など、金融危機対応が議論される予定です。 (荒武) 金融市場では昨夏から「株安・金利低下・円高ドル安」が続き、先月は一時、 日経平均株価11787円(3月17日)、NYダウ11740ドル(3月10日)、米10年国 債利回り3.308%(3月17日)、日10年国債利回り1.270%(3月25日)、ドル円相 場1ドル95円78銭(3月17日)まで、株・金利・ドルは下落しました。しかし、米政 府が、金融面では断続利下げ・流動性供給・金融機関支援、財政面では08 年1517億ドルの減税を決定するなど、矢継ぎ早に対応したことで市場の不安 は和らぎ、3月下旬から「株高・金利上昇・円安ドル高」へ持ち直しています。 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 1 国際投信投資顧問 : 投資環境ウィークリー <最近の金融市場・商品市場動向> <株式> 4月半ばの米大手金融機関の決算発表を控え、反発は鈍い見通し 日本株 日経ジャス 日経平均 TOPIX ダック平均 株価 (ポイント) (ポイント) (円) 先々週末 3 月28日 先週末 4月4日 前週差 米国株 欧州株 S&P500 ナスダック ドイツ 英国 種指数 指数 DAX FT100 (ポイント) (ポイント) (ポイント) (ポイント) NY ダウ (ドル) 12,820.47 1,243.81 1,455.90 12,216.40 1,315.22 2,261.18 6,559.90 5,692.90 13,293.22 1,288.94 1,461.69 12,609.42 1,370.40 2,370.98 6,763.39 5,947.10 +472.75 +45.13 +5.79 +393.02 +55.18 +109.80 +203.49 +254.20 ドル円 為替相場 ユーロドル 3 月28日 先週末 4月4日 前週差 主要国株式: 日経平均株価、NYダウ、DAX 日本 米国 ドイツ 1.270 3.443 3.938 99.24 1.5796 1.335 3.468 3.946 101.48 1.5738 +0.065 +0.025 +0.008 商品市況:先物価格 ユーロ円 WTI原油 金 ( ドル / バレル ) ( ドル / オンス) 156.72 105.62 930.60 159.69 106.23 909.00 (円/ドル) ( ドル/ユーロ) (円/ユーロ) +2.24 -0.0058 +2.97 +0.61 -21.60 <金利> 株価の下げ止まりを受け、内外長期金利も一旦下げ止まる見通し (%) 6.0 20,000 08年4月4日 6,763ポイント 17,500 日経平均株価 ( 左軸) 5.0 02/4/1 5.425% 02/5/17 5.258% 06/6/28 5.245% 07/6/12 5.295% 03/4/28 7,607 10,000 07/7/9 4.669% ユーロ安 ド ル高 140 03 04 09 (ドル/ユーロ) 1.8 08年4月4日 1.7 159.69 円/ユ ー ロ ユ ー ロ 円相場 (左軸) 04/12/30 1.3670 02/1/31 135.20 1.5736 ト ゙ル /ユ ー ロ 05/11/15 1.1640 06 07 08 110 02/3/7 111.30 出所)Bloomberg ド ル高 1.4 ユーロ高 1.1 ト ゙ル 円相場 (左軸) ユ ー ロ ト ゙ル相場 05/1/17 (右軸) 101.48 円/ト ゙ル 101.67 02/1/31 0.8593 ユーロ安 円高 1.0 0.9 0.8 02 09 1.5 1.2 ド ル安 80 05 1.6 1.3 07/6/22 124.14 120 90 0.0 02 08 円安 100 03/6/12 0.435% 07 07/7/13 168.95 日本 注)使用しているデータの値は、引値ベースによる。 06 出所)Bloomberg 130 1.350% 5,000 4,000 主要為替相場 150 2.0 12,609ドル <為替> 市場の落ち着きに合わせ、今週は円安ドル高への戻りを試す展開 ユーロ高 ド ル安 07/6/13 1.960% 07/10/9 14,164 注)使用しているデータの値は、引値ベースによる。 3.468% ドイツ 6,000 2,000 05 160 3.946% 1.0 04 7,000 3,000 170 4.0 05/9/23 3.060% 03 8,000 13,293円 03/3/12 2,202 02/10/9 7,286 5,000 米国 03/6/13 3.114% N Yダウ ( 左軸) DAX ( 右軸) 7,500 08年4月4日 3.0 07/7/9 18,261 12,500 (円/ドル、円/ユーロ) 180 主要国金利: 日米独の1 0 年国債利回り 9,000 07/7/16 8,105 02 出所)Bloomberg (DAX、ポイント) 欧 州 15,000 長期金利:10年国債利回り(%) 先々週末 (日経平均、円) (NYダウ、ドル) 22,500 03 04 05 注)使用しているデータは引値、値表示はザラバベースによる。 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 06 07 08 09 出所)Bloomberg 2 国際投信投資顧問 : 投資環境ウィークリー ◇◇ 各 国 経 済 ・ 金 融 市 場 の 視 点 ◇ ◇ 欧 州 ◇◇ 日本 ◇◇ 【図1】 【図2】 日銀短観:業況判断と設備投資計画(大企業全産業ベース) 20 (「良い」-「悪い」、%ポイント) (%) 15 06年度 設備投資計画 (前年比、左軸) 10 00年度 05年度 07年度 3月調査時点 現況+12 先行き+10 04年度 03年度 5 50 25 40 20 30 15 20 10 0 業況判断D I (%ポイ ント、右軸) -5 0 8 年度計画 3 月調査時点 ▲1 . 6 % 98年度 -10 -10 -20 -20 99 00 01 02 四半期ベースの前期比 08年1-3月期 見通し 前期比+3.5% 10 5 03 04 05 06 07 08 0 -5 -30 -10 -40 -15 -50 -20 02年度 99年度 98 08年1月 前月比 +19.6% 0 01年度 -15 機械受注(船舶・電力除く民需、前期比、前月比) (%) 09 見通し達成に 必要な2・3月の 各月の前月比 ▲11.1% 前月比 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 注)直近実績値は08年1月。白抜きは内閣府見通し 注)シャドーは景気後退期。白抜きは先行きの値。 出所)内閣府 出所)日本銀行、内閣府 ◇◇ 景気「踊り場」の中、先行き一段の減速観測が強まれば、金利は低下地合に ◇◇ 先週1日の日銀短観3月調査では、企業の業況感の大幅な悪化が示されま した。大企業全産業の業況判断DIは、現況+12(前回調査比▲5)、先行きも +10となり、前回の「踊り場」である04年度後半の水準となっています。 08年度の設備投資計画については、前年比▲1.6%と、04年度来4年ぶりの 減少予測でのスタートとなりました。また、07年度の設備投資計画(実績見込 み)についても、前年比+6.8%と、前回調査の同+10.5%から大きく下方修正さ れました。設備投資計画は6月調査以降に上方修正される統計上の傾向があ るものの、足元の海外景気の減速、円高、原油高などを背景に、企業の設備 投資姿勢は慎重化しており、先行き予断を許さない状況にあると言えましょう。 今週は8-9日に日銀金融政策決定会合が開かれ、10日に機械受注統計が 公表されます。3月19日以降、白川副総裁が総裁代行を務めているものの、 日銀総裁のポストが空白のまま、日銀審議委員は決定会合に臨みます。政策 決定は現状維持の見込みで、景気シナリオの下方修正が行われるか否かが 焦点です。また11日にG7を控え、総裁ポストについて、7日に候補者が国会 提示され、週内に内定の見込みです。国際的な信認の観点からも、中央銀行 総裁ポストが空白という異常事態の回避が一刻も早く望まれます。 機械受注は1月の大幅増加(前月比+19.6%)の反動から反落の見込みです。 予想レンジを下振れた場合、金利は低下地合となりましょう。(清水) 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 3 国際投信投資顧問 : 投資環境ウィークリー ◇◇ 各 国 経 済 ・ 金 融 市 場 の 視 点 ◇◇ 欧 州 ◇◇ 米国 ◇◇ 【図1】 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 【図2】 米国 企業景況感と雇用者数 (万人) (%) 65 ISM非製造業景気指数 (右軸) 60 ISM製造業景気指数(右軸) 6.0 米国 政策金利と10年国債利回り (%) 5.5 米国10年国債利回り 5.0 55 08年3月 49.6 50 48.6 4.5 45 3.0 4.0 3.468% 3.5 2.5 40 08年3月 ▲8.0万人 非農業部門雇用者数 (前月差、左軸) 35 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 1.5 FFターゲットレート 1.0 30 95 2.25% 2.0 08 0.5 03 出所) ISM、米労働省 FF先物金利 04 05 06 注) 直近は08年4月4日。 07 08 09 出所) Bloomberg ◇◇ 大手金融機関の1-3月期決算発表控え、今週の金融市場は動意の薄い展開に ◇◇ 先週、米証券大手リーマン・ブラザーズが優先株発行で40億ドルの資金を 調達、またスイス銀行最大手UBSが150億ドルの増資計画を発表しました。こ れを受け、金融機関が深刻な財務悪化を回避できるとの見方も強まりました。 他方、先週のマクロ面は、米国景気について強弱まちまちな結果となりまし た。3月のISM製造業および非製造業景気指数がいずれも前月比上昇(製造: 2月48.3⇒3月48.6、非製造:2月49.3⇒3月49.6)となりました。一方、3月雇用 統計では、非農業部門雇用者数が前月差▲8.0万人(3ヵ月連続のマイナス) となりました(図1)。市場内には、米国経済に対する悲観論が根強いこともあり、 追加利下げ余地があるとの思惑が残っている模様です(図2)。 先行きの金融政策を計る上で、今週8日のFOMC議事録(3月18日開催分) が注目されます。先週の議会証言において、バーナンキFRB議長は「08年上 期の実質GDPはほとんど成長せず、わずかに収縮する可能性もある」とし、米 国が景気後退に陥る可能性について言及しました。ただし、物価上昇圧力が 根強いこともあり、議事録からは、今後の政策については、景気と物価両面を 慎重に見極めて判断するとの姿勢を崩していないことが示唆されましょう。 先週、米国10年国債利回りは3.5%を挟んで大きく振れる展開となりましたが、 今週はマクロ面からの材料が乏しく、来週、注目の高いシティグループとメリ ルリンチの1-3月期決算発表を控え、動意の薄い展開となるでしょう。(瀧澤) 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 4 国際投信投資顧問 : 投資環境ウィークリー ◇◇ 各 国 経 済 ・ 金 融 市 場 の 視 点 ◇◇ 欧 州 ◇◇ 欧州 ◇◇ 【図1】 ユーロ圏、英国、米国の政策金利 (%) 7 【図2】 35 08年4月4日 6 30 5.25% 4.00% 4 (万件) 12 20 08年2月 +4.2% 15 08年2月 7.3万件 10 3 ユーロ圏 2.25% 2 5 住宅ローン承認件数 (購入向け、6ヵ月先行、右軸) -5 米国 0 00 01 02 03 04 05 06 07 08 10 9 7 -10 99 11 8 0 1 14 13 HBOS住宅価格 (前年比、左軸) 25 英国 5 英国 住宅価格と住宅ローン承認件数 (%) 6 95 96 97 98 99 00 出所)EcoWin 01 02 03 04 05 06 07 08 出所)HBOS、英国中銀 ◇◇ ECBは政策金利据え置き、英中銀は0.25%の利下げへ ◇◇ 今週10日の欧州中銀(ECB)理事会では、政策金利の据え置きが決定され る見込みです(図1)。また、その後の記者会見では、トリシェECB総裁は先行 きの景気減速リスクを認めながらも、インフレへの警戒を示すと予想されます。 ECBがインフレに神経質になる背景には、消費者物価の高止まりがありま す。3月消費者物価(前年比)は、+3.5%と2月の+3.3%から上昇しました。ま た、ユーロ圏で最も経済規模の大きい独では雇用改善が続き、2月失業率は 7.4%と1月の7.6%から低下、労組の賃上げ交渉でも前年比+3~5%での妥 結と高めの値です。今週の指標は少なく、ECBの金利据え置き観測も市場 に織りこまれていると思われ、長期金利は横這いが続くと予想されます。 一方、英国の金融政策委員会(9・10日)では、5.25%の政策金利が5.00% へ引き下げられる予定です。英国でも住宅価格が07年の第四半期頃から下 落し始め、金融機関の住宅購入向け融資が最盛期の06年11月の水準から 約40%減少し7.3万件(08年2月)と落ち込みが顕著となっています(図2)。 また、英国の銀行間金利は英中銀における過去2回の利下げ(07年12月、 08年2月)にも関わらず、高止まりが続いています。金融市場の混乱が企業 や個人向け貸し出しの減少など実体経済に与える影響を最小限にすべく、 英中銀は前回2月に続く利下げを実施すると思われます。経済指標では、 HBOS住宅価格が発表され、住宅価格下落が示される見込みです。(前田) 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 5 国際投信投資顧問 : 投資環境ウィークリー ◇◇ 各 国 経 済 ・ 金 融 市 場 の 視 点 ◇◇ 欧 州 ◇◇ 国際商品市場 ◇◇ 【図1】 (ド ル / バ レ ル ) 【図2】 (ド ル / オ ン ス ) W TI原 油 先 物 ・ 金 価 格 120 1 ,2 0 0 08年 4月 4日 1 06.23 ドル /バ レ ル 100 W TI原 油 先 物 価 格 (左 軸 ) 9 13.79 ドル /オ ン ス 80 (ポ イ ン ト ) 1 ,2 00 CRB指 数 エネルギー 1 ,0 0 0 800 1 ,0 00 貴金属 8 00 穀物 60 600 6 00 40 400 4 00 200 0 0 00 01 02 03 04 05 06 07 総合 家畜 金価格 (右 軸 ) 20 鉱工業 08 09 10 出所) Bloomberg 2 00 0 00 01 02 03 04 05 06 注) 直近値は、08年4月4日。 07 08 09 10 出所) Bloomberg ◇◇ 投機筋による売りや需給ひっ迫緩和期待から、もみ合う展開が予想される商品市場 ◇◇ 先週の原油市場は、米国製造業・雇用統計ならびに米国エネルギー省発 表の原油稼働率統計が弱い数字であったことや、投機筋による売り先行の 動きが続いたことから、原油価格がもみ合う展開が続きました。代表的指標で あるWTI原油先物価格をみますと、4月4日現在で106.23ドル/バレルと前週 比+0.6%上昇と、原油価格自体も横這いになる結果となりました(図1)。 また、先週のその他商品市場においては、投機筋による売りや米農務省に よる穀物統計において堅調な結果が発表されたことから、全般的に価格上昇 幅は限定的になりました。代表的指数であるCRB指数をみると、総合で前週 比+0.1%上昇しました。種類別で見ると、金などの貴金属の同▲2.2%、小麦・ 大豆など穀物の同+0.4%を中心に値がもみ合う展開が見られました(図2)。 今週の注目点は、米国エネルギー省発表の原油在庫・稼働率統計と投機筋 の動きです。特に、投機筋の動きに関しては、先週同様に新年度始めの機 に乗じた売りが依然続いていくと考えられるため、需給動向と相まって、今週 も原油価格は上値が重い展開が続きましょう。 今週の注目点は、米農務省が発表する4月世界農業需給予測と投機筋の動 向です。米農務省による4月世界農業需給予測については、堅調な数字が 予想され、穀物需給のひっ迫緩和期待が継続すると考えられます。したがっ て、今週も穀物価格がもみ合う展開が予想されます。(鶴田) 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 6 ◇◇ 主要経済指標と政治スケジュール ◇◇ 月 3/31 先 週 週 来 水 木 2 3 金 4 (日) 2月 鉱工業生産(前月比) 1月:▲2.2%、2月:▲1.2% (日) 2月 現金給与総額(前年比) (日) 10年利付国債入札 (1.9兆円) (米) 2月 製造業受注(前月比) 1月:▲2.3%、 2月:▲1.3% (米) 3月 新車販売台数(年率) (日) 10年物価連動国債入札 (5000億円) (米) 3月 雇用統計 非農業部門雇用者数(前月差) 2月:▲7.6万人、3月:▲8.0万人 1月:+1.0%、2月:+1.3% (日) 2月 住宅着工戸数(前年比) 1月:▲5.7%、2月:▲5.0% (米) 3月 シカゴ購買部協会景気指数 2月:44.5 3月:48.2 (欧) 2月 ユーロ圏 マネーサプライ (M3、前年比) 1月:+11.5%、2月:+11.3% (欧) 3月 ユーロ圏 消費者物価 (速報値、前年比) 2月:+3.3%、3月:+3.5% (欧) 3月 ユーロ圏 経済信頼感指数 2月:100.2 3月:99.6 (日) 日銀短観 (3月調査、大企業製造業、業況) 12月:19、3月:11 (日) 3月 新車登録台数(前年比) 2月:▲0.1% 3月:▲3.3% (米) 2月 建設支出(前月比) 1月:▲1.0% 2月:▲0.3% (米) 3月 米供給管理協会(ISM) 製造業景気指数 2月:48.3、3月:48.6 (独) 2月 小売売上高(前月比) 1月:+0.9% 2月:▲1.6% 2月:1,530万台 3月:1,510万台 (米) バーナンキFRB議長議会証言 (欧) 2月 ユーロ圏 生産者物価(前年比) 1月:+5.0% 2月:+5.3% (他) NATO(北大西洋条約機構)首脳会議 (~4日、ルーマニア) (米) 3月 米供給管理協会(ISM) 非製造業景気指数 2月:49.3、3月:49.6 (欧) 2月 ユーロ圏 小売売上高(前月比) 1月:+0.5% 2月:▲0.5% (欧) 3月 ユーロ圏 サービス業PMI(確報値) 2月:52.3、3月:51.6 (欧) トリシェECB総裁講演(ベルリン) (米) 失業率 2月:4.8% 3月:5.1% (欧) ユーロ圏 財務相会合 (ユーログループ) 7 今 火 4/1 (日) 2月 景気動向指数 一致 1月:20.0、2月:44.4 先行 1月:36.4、2月:50.0 (米) 2月 消費者信用残高(前月差) 1月:+69億ドル 2月:(予)+55億ドル (独) 2月 鉱工業生産(前月比) 1月:+1.8% 2月:(予)±0.0% (英) 3月 HBOS住宅価格(前月比)(*) 2月:▲0.3% 3月:(予)▲0.2% 8 (日) 日銀金融政策決定会合(~9日) 無担保コール翌日物: 0.50%⇒(予)0.50% (日) 3月 景気ウォッチャー調査 現状 2月:33.6、3月:(予)NA 先行 2月:39.5、3月:(予)NA (米) 2月 中古住宅販売成約(前月比) 1月:±0.0% 2月:(予)▲0.8% (米) FOMC議事録(3月18日開催分) (欧) 2月 ユーロ圏 失業率 1月:7.1% 2月:7.1% (欧) 3月 ユーロ圏 製造業PMI(確報値) 2月:52.3 3月:52.0 9 (日) 日銀総裁記者会見 (米) バーナンキFRB議長講演(ワシントン) (米) 2月 卸売売上・在庫(在庫、前月比) 1月:+0.8% 2月:(予)+0.5% (欧) 07年10-12月期 ユーロ圏 実質GDP (確報、前期比)7-9月期:+0.7% 10-12月期:(予)+0.4% (独) 2月 貿易収支 1月:171億ユーロ 2月:(予)158億ユーロ (英) 英中銀金融政策委員会(MPC、~10日) レポレート:5.25%⇒(予)5.00% (他) 韓国総選挙 (欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会 リファイナンスレート:4.0%⇒(予)4.0% トリシェECB総裁記者会見 (独) 2月 製造業受注(前月比) 1月:▲0.7% 2月:▲0.5% (英) 英中銀 信用状況調査 (他) 豪州 金融政策決定会合 キャッシュレート:7.25%⇒7.25% 10 11 (日) 5年利付国債入札 (1.9兆円) (日) 3月 国内企業物価(前年比) 2月:+3.4% 3月:(予)+3.5% (米) 3月 輸出入物価(輸入、前月比) 2月:+0.2% 3月:(予)+2.0% (米) 4月 ミシガン大学消費者信頼感指数 (速報) 3月:69.5、4月:(予)69.0 (他) G7財務相・中銀総裁会議 (ワシントン) (日) 2月 機械受注 (船舶・電力除く民需、前月比) 1月:+19.6%、2月:(予)▲14.0% (日) 2月 国際収支(経常収支) 1月:12358億円 2月:(予)24156億円 (日) 3月 マネーサプライ(前年比) 2月:+2.3% 3月:(予)+2.4% (日) 3月 貸出・資金吸収動向 (銀行計、前年比) 2月:+0.9%、3月:(予)NA (米) 2月 貿易収支 1月:▲582億ドル 2月:(予)▲578億ドル 12 IMF・世界銀行春季総会 (他) (~13日、ワシントン) 13 (伊) 総選挙(~14日) 14 15 16 17 18 (日) 日銀金融政策決定会合議事要旨 (3/6~7分) (日) 30年利付国債入札 (米) 3月 鉱工業生産 (日) 2月 製造工業 稼働率指数 (日) 3月 消費者態度指数 (米) 2月 企業売上・在庫 (米) 3月 生産者物価 (米) 3月 消費者物価 (米) 3月 景気先行指数 (米) 3月 小売売上高 (米) 4月 全米住宅建築業協会 (NAHB)調査 (米) 3月 住宅着工・許可件数 (米) 4月 フィラデルフィア連銀景気指数 (欧) 2月 ユーロ圏 鉱工業生産 (米) 4月 ニューヨーク州製造業調査 (米) ベージュブック(地区連銀経済報告) (欧) 2月 ユーロ圏 貿易収支 (独) 4月 ZEW景況感指数 (欧) 3月 ユーロ圏 消費者物価(確報) (英) 3月 消費者物価 (英) 3月 RICS住宅価格調査 週 注)表中の字体の色は、日本が赤、米国が青、ユーロ圏が緑、それ以外が黒で表示 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 (*)は、発表日未定 出所)Bloomberg等、各種資料より当社経済調査部作成 7 国際投信投資顧問 : 投資環境ウィークリー 本資料に関してご留意頂きたい事項 本資料は投資環境等に関する情報提供を目的として、国際投信投資顧問が作成したものです。本資料は投資勧誘を目的とするもので はありません。なお、以下の点にもご留意下さい。 ○本資料中のグラフ・数値等はあくまでも過去のデータであり、将来の経済、市況、その他の投資環境に係る動向等を保証するもの ではありません。 ○本資料の内容は作成基準日のものであり、将来予告なく変更されることがあります。 ○本資料は信頼できると判断した情報等をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性等を保証するものではありません。 〇本資料に示す意見等は、特に断りのない限り本資料作成日現在の国際投信投資顧問経済調査部の見解です。また、国際投信投資顧 問が設定・運用する各ファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。 本資料中で使用している指数について 「日経平均株価」に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。本件商品を日本経済新聞社および日本経済新聞デジタルメディアが保証するものではあ りません。また、日本経済新聞社は日経平均株価の内容を変える権利および公表を停止する権利を有しています。 「日経ジャスダック平均株価」に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。本件商品を日本経済新聞社および日本経済新聞デジタルメディアが保証する ものではありません。また、日本経済新聞社は、日経ジャスダック平均株価の内容を変える権利および公表を停止する権利を有しています。 TOPIX(東証株価指数)は株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます)の知的財産であり、当該指数の算出、数値の公表、利用などTOPIXに関する権利は東証が所有しています。 ダウ・ジョーンズ工業株価平均に係る版権、登録商標およびこれに係る全ての知的所有権は、ダウ・ジョーンズ社に帰属します。ダウ・ジョーンズ社は、国際投信投資顧問株式会社が運用する 投資信託の設定、推奨、販売、販売促進は行っておらず、また当該投資信託に関する責任は一切負いません。 Reuters/Jefferies CRB Index ("RJ/CRB")は、Reuters Group PLCとその関連会社("Reuters")および/またはJefferies Financial Products, LLCとその関連会社("Jefferies")の知的財産です。(C)2008。 ロイター及びジェフリーズ。両社の許諾を受けて利用しています。 巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧下さい。 8
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