第3章 Cisco 12008のインストレーション この章では、Cisco 12008のインストレーション手順および起動手順について説明します。具 体的な内容は次のとおりです。 ● インストレーションに関する考慮事項 ● 金具の取り付け ● ルータ・コンポーネントの取り外し ● Cisco 12008のラックマウント ● ルータ・コンポーネントの再取り付け ● ライン・カードのケーブル接続 ● GRPのケーブル接続 ● 外部アラーム・モニタ機能の接続 ● システム・アースの接続 ● 電源と電源装置の接続 ● Cisco 12008の起動 Cisco 12008のインストレーション 3-1 インストレーションに関する考慮事項 インストレーションに関する考慮事項 Cisco 12008は次の方法で設置できます。 ● 支柱が2本のtelcoスタイル・ラック ● 支柱が4本の装置ラック(フルハイト) ● シェルフトップ・マウント ● フリースタンド この章では、最初の2つの方式の設置手順について説明します。 Cisco 12008を設置する前に、 使用する設置方式を決めておいてください。ここでは、ルータを 搭載した輸送用パレットが所定の設置場所にすでに運び込まれているものとして説明します。 ルータの設置に適した場所を選び、準備が整っていることを確認します。次の点を検討して ください。 ● ルータ内部の冷却用空気の流れが妨げられる場所を選択していませんか ルータ・シャーシの吸気口および排気口の前後に、 6インチ(15.8cm)以上の空間が必要です。 ● 温度調整されていて、エアコンが備わっており、ほこりの少ない場所を選択しましたか ● ルータで使用する電源コードおよび電源装置は、選択した場所で使用できる電源と適合し ていますか ルータの電源装置の前面プレートにあるラベルを調べ、設置場所の電源と適合しているこ とを確認してください。 ● 設置場所で適切な電源電圧(ACまたはDC)を使用できますか ● telcoスタイルのラックにルータを設置しますか、それとも 4本支柱のラックに設置しますか ● ルータ・シャーシの周囲にメンテナンス作業ができるだけの空間があり、作業できる状態 になっていますか 3-2 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 金具の取り付け ライン・カード、ファン・トレイ、 電源装置の取り付けまたは交換を行う、またはネットワー ク・インタフェース・ケーブルや装置を接続するために、ルータ・シャーシの前方に24イン チ(61cm)以上の空間が必要です。 注意 1台のルータにAC入力電源装置とDC入力電源装置を混載することはできません。1台 のルータには同じタイプの電源装置を搭載する必要があります。 DC入力電源装置が搭載され ているルータにAC入力電源装置(またはその逆)を搭載しないでください。 金具の取り付け Cisco 12008のアクセサリ・キットには、取り付け金具が含まれています。これらの取り付け 金具は、telcoスタイル(2本支柱)または4本支柱の装置ラック用です。ここでは、telcoスタイ ルのラックで取り付け金具を使用する手順について説明します。 取り付け金具は使用しなくても、Cisco 12008をラックに設置できますが、かなりの大きさと 重量があるので、金具を使用することを推奨します。また、けがをしたり、装置が損傷する 危険性を最小限にするために、2人以上でルータを設置してください。 (注) これらの取り付け金具は、ルータを定位置に固定する間、ルータの重量を一時的に支 えます。ルータの設置後も、取り付け金具をそのまま残しておいてかまいません。 ルータの設置準備として、所定の高さで、ルータの両側に金具を直接取り付けます。取り付 ける高さは、次の点を考慮して選んでください。 ● ネットワーク・ケーブル接続および装置の設置要件 ● ラックに他の装置が搭載されているか(またはその予定があるか)どうか ● ラックに複数のルータを設置するかどうか Cisco 12008のインストレーション 3-3 金具の取り付け Cisco 12008を1台だけラックに設置する場合には、任意の高さに設置できます。また、ラッ ク・スペースを最大限に活用する場合には、 ルータを3台までラックに"積み重ねる"ことができ ます。 搭載ルータ1台につき、 25インチ(63.5cm)のラック・スペースが必要です。 各ルータの高さ は、 ラックマウントのルータ間のすきまを最小限にした場合で、24.85インチ(63.1cm)です。 いずれの場合も、現在と将来の装置ニーズを考慮すると同時に、ラックマウント装置全体を 見て、できるだけ重心が下がるように、ルータを設置する高さを決める必要があります。 取り付け金具を使用しない場合には、次の「ルータ・コンポーネントの取り外し」を参照して ください。 次の手順で、金具を取り付けます(図3-1を参照)。 ステップ1 ラックに金具を取り付ける高さを決めます。 ラックの安定性を高め、ルータの設置後、重心が低くなるようにするには、装置 と配線に必要な最小限の高さに金具を取り付けます。 ステップ2 支柱の1本で、選択した高さに金具を位置づけます。 取り付け金具は、3個の穴のうち、一番下の穴がラックの支柱の穴と重なるよう に作られています。これは、取り付け金具の一番上の穴についても同じです。し たがって、2本のネジで、取り付け金具をラックの支柱に固定できます。 ステップ3 アクセサリ・キットに用意されている2本のネジで、金具を支柱に固定します。 ステップ4 ステップ2∼3を繰り返して、残りの取り付け金具を反対側の支柱に固定し、両 方の金具が同じ高さに取り付けられていることを確認します。 (注) 4本支柱の装置ラックにルータを設置する場合には、4個の金具を支柱に取り付けるこ とができます。この場合、上記と同じ手順で、残りの2個の金具を取り付けます。 3-4 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 金具の取り付け 図3-1 金具の取り付け(telcoスタイルのラックの場合) Cisco 12008のインストレーション 3-5 ルータ・コンポーネントの取り外し ルータ・コンポーネントの取り外し ここでは、輸送パッケージの外側に貼付されている 『Cisco 12008 Gigabit Switch Router System Packing and Unpacking Instructions』の手順に従って、ルータの梱包を解いてあるものとして説 明します。 さらに、設置場所の近くにルータが運び込まれていて、第2章「インストレーションの準備」で 説明したインストレーションのための準備作業がすべて完了しているものとします。 Cisco 12008は、発注に基づいて、電源装置やサーキット・ボードをすべて搭載した状態で、 輸送用パッケージに収められています。 最小構成のシステムでもかなり重量があるので、ルー タをラックに設置する前に、ルータから次のコンポーネントを取り外すことを推奨します。 ● 上部カード・ケージに搭載されているサーキット・ボード― サーキット・ボードと関連カー ド・キャリア1組の重量は、約10ポンド(4.54kg)です。 ● 搭載されている電源装置(1台または2台) ― AC入力電源装置の重量は約17ポンド(7.73kg) です。DC入力電源装置の重量は約14ポンド(6.36kg)です。 下部カード・ケージのカード・ケージ・ファン・トレイ (約12ポンド:5.45kg)、電源装置ファ ン・トレイ(2ポンド:9.1kg)、SFC(それぞれ2ポンド ― 搭載されている場合)は、ルータ全体 の重量のうちの20ポンド(9.1kg)を占めます。設置担当者の判断で、ラックにルータを設置す る前にルータからこれらのコンポーネントを取り外すことができます。 上部カード・ケージからカードを取り外す手順 ルータ・シャーシに不可欠な部分である上部カード・ケージ (図1-8を参照)には、次のルー タ・コンポーネントが収容されています。 ● GRP(ギガビット・ルート・プロセッサ)×1 ● CSC(クロック&スケジューラ・カード)×1または2 ● 任意の種類で任意の組み合わせのCisco 12000シリーズ・ライン・カード×最大7 ここでは、ラックにルータ・シャーシを設置する準備作業として、上部カード・ケージから これらのカードを取り外す手順について説明します。 3-6 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド ルータ・コンポーネントの取り外し 注意 上部カード・ケージから取り外したカードは、ルータに再び取り付けるまで、静電気 防止用マットの上に置いて、静電気から保護してください。 (注) 各ライン・カードには垂直ケーブル・マネジメント・ブラケットが取り付けられてお り、ライン・カードのポートに接続したネットワーク・インタフェース・ケーブルをきちんと 整理することができます。ルータからライン・カードを取り外すときも、ライン・カードにこ のブラケットを付けたままにしておきます。GRPおよびCSCには、垂直ケーブル・マネジメン ト・ブラケットは不要です。 次の手順で、上部カード・ケージからカードを取り外します。 ステップ1 ステップ2 静電気防止用リスト・ストラップを肌に密着させて手首に巻きます。 リスト・ストラップの装置側(バナナ・ジャック)を上部カード・ケージの左下に あるESD接続ソケットに差し込みます。ルータ・シャーシ本体にあるこのソケッ トの位置については、図1-2を参照してください。 ステップ3 上部カード・ケージに搭載されているカードを左から順に全部、各カードのタイ プとカード・ケージ内の搭載位置を書き留めます。 ステップ4 まず、左端のカードから、カードの上下にある2本の非脱落型ネジを緩めます(図 3-2 ステップ5 を参照)。 2個のカード・イジェクタ・レバーを前面プレートから遠ざけるように回転させ、 バックプレーンからカードを外します(図3-2 ステップ6 を参照)。 金属製カード・キャリアとカードの前面プレートだけを持ち、スロットからカー ドを引き出し(図3-2 を参照)、ESDから保護するために、静電気防止用マットの 上に(電子回路側を上にして)静かに置きます。 (注) 上部カード・ケージに取り付けられているライン・カード・ブランクの取 り外しは不要です。 Cisco 12008のインストレーション 3-7 ルータ・コンポーネントの取り外し ステップ3から必要な回数だけ作業を繰り返し、上部カード・ケージを完全に空にします。取 り外したカードは、取り外した順に、静電気防止用マットの上に重ね、後で正しい順序で取 り付けることができるようにします。 図3-2 3-8 上部カード・ケージからカードを取り外す手順(CSCの場合) Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド ルータ・コンポーネントの取り外し ルータから電源装置を取り外す手順 ルータには、発注に基づいて、すべてのサーキット・ボードと ACまたはDC入力電源装置(1台 または2台)が搭載された状態で届けられます。ただし、ケーブルは接続されていません。 次の手順で、ルータから電源装置を取り外します。 ステップ1 次のように、各電源装置の回転式電源スイッチをセットします。 ● AC入力電源装置の場合 ― スイッチをStandbyの位置に合わせます。 ● DC入力電源装置の場合 ― スイッチをOFF(O)の位置に合わせます。 (注) AC入力電源装置で回転式電源スイッチをStandbyの位置に合わせること は、DC入力電源装置でスイッチをOFF位置に合わせることと同じことです。い ずれの場合も、反時計回りに一杯にスイッチを回転させると、機械仕掛けのイン ターロック(ラッチ機構)が解除され、ベイから装置を取り外すことができます。 ステップ2 マイナス・ドライバで、電源装置の前面プレートにある非脱落型ネジを反時計回 りに回転させ、電源装置ベイの板金フランジから外します。 ステップ3 注意 片手で電源装置のハンドルを握り、 ベイから半分ほど引き出します(図3-3を参照)。 電源装置の取り外しは両手で行ってください。 ステップ4 電源装置の下に空いている手を当てて、電源装置の重量を支えながら、ベイから 完全に引き出します。 ステップ5 次の「Cisco 12008のラックマウント」で説明するラックマウント作業を完了し、再 び取り付けるまで、電源装置を一時的に脇へ置いておきます。 Cisco 12008のインストレーション 3-9 ルータ・コンポーネントの取り外し 第2電源装置がある場合には、ステップ1から手順を繰り返します。 図3-3 ルータから電源装置を取り外す手順 (注) ACまたはDC入力電源装置を1台搭載したシステムを発注した場合には、空いている電 源装置ベイに電源装置ブランク・パネルが取り付けてあります。ルータをラックマウントす るための準備作業で、このブランク・パネルを取り外さないでください。 3-10 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド Cisco 12008のラックマウント ACまたはDCどちらかの電源装置を1台だけ搭載してルータを使用する場合には、EMI要件を 満たし、ルータ内の正常な冷気の流れを維持するために、必ず、電源装置ブランク・パネル が常に取り付けられている状態で使用してください。 Cisco 12008のラックマウント ここでは、Cisco 12008をラックに設置する手順について説明します。 ルータのインストレーション準備で、telcoスタイルのラックの所定の高さに2個の金具がすで に取り付けてあるものとします(前の「金具の取り付け」を参照してください)。さらに、 上部カー ド・ケージから電源装置およびすべてのコンポーネントを取り外し、ルータを最大限に軽量 化してあるものとします。 注意 Cisco 12008はバックプレーン、電源装置ファン・トレイ、およびSFC(搭載されてい る場合)を含めて、約75ポンド(34.1kg)の重量があります。安全のために、ラックへのルータ の設置は2人がかりで行ってください。ルータを持ち上げるときには、けがをしないために、 背中をまっすぐにして、両足で持ち上げるようにしてください。 次の手順で、輸送用パレットからルータを取り出し、ラックに設置します。 ステップ1 ルータを輸送用パレットに固定している 4個のネジと保持クリップを取り外します。 ステップ2 図3-4のように、アクセサリ・ボックスに含まれている2個のハンドルを、ルー タ・シャーシの両側に取り付けます。 ステップ3 ルータの両側に1人ずつ立ち、ルータの側面に取り付けたハンドルを握り、輸送 用パレットからルータを取り出します。 ステップ4 3人目の手を借りて、ラックの中でルータを配置します。一時的に、取り付け金 具でルータの重量を支えます(図3-5を参照)。 Cisco 12008のインストレーション 3-11 Cisco 12008のラックマウント 図3-4 Cisco 12008のハンドル (注) ラックにオプションの金具を取り付けていない場合には、2人がかりで、 ルータの重量を定位置で支える必要があります。その場合、 3人目がアクセサ リ・ボックスに含まれているネジを使用して、ラックにルータを固定します。 3-12 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド Cisco 12008のラックマウント 図3-5 ステップ5 ラックにルータを設置する手順 ルータの側面パネルから2個のハンドルを取り外してから、ルータをスライドさせ てラックに収めます。 ステップ6 必要に応じてルータの位置を微調整し、ルータの各ラックマウント・フランジの 上下にある2個の穴と各支柱の対応する穴を合わせます。 Cisco 12008のインストレーション 3-13 ルータ・コンポーネントの再取り付け 標準EIAおよびtelcoスタイルのラックでは、次のように、各支柱の穴とルータの 各ラックマウント・フランジの穴が重なるはずです。 ● 左右のラック・マウント・フランジの上の穴のパターンが、2本の支柱それぞ れで、少なくとも2個の穴と一致します。 ● 左右のラック・マウント・フランジの下の穴のパターンが2本の支柱それぞれ で、少なくとも2個の穴と一致します。 したがって、telcoスタイルのラックの支柱にルータを正しく固定するには、マウ ント・フランジごとに4本ずつ、合計8本のネジを使用する必要があります。 ステップ7 アクセサリ・ボックスに用意されているネジを使用して、支柱にルータを固定し ます。 ルータ・コンポーネントの再取り付け ここでは、シャーシをラックに設置するための準備として、ルータから取り外したコンポーネ ントを元どおりに取り付ける手順について説明します。 上部カード・ケージにカードを再取り付けする手順 上部カード・ケージにカードを元どおり取り付ける前に、上部カード・ケージからカードを 取り外したときに作成した記録を参照してください(前述の「上部カード・ケージからカード を取り外す手順」のステップ3を参照してください)。 次の手順で、上部カード・ケージにカードを取り付けます。 ステップ1 静電気防止用リスト・ストラップを肌に密着させて手首に巻きます。 ステップ2 リスト・ストラップの装置側(バナナ・ジャック)を上部カード・ケージの左下に あるESD接続ソケットに差し込みます。ルータ・シャーシ本体にあるこのソケッ トの位置については、図1-2を参照してください。 ステップ3 静電気防止用マットから一番上に重ねたカードを選択します。ここでは、取り外 したときと逆の順序で、上部カード・ケージにカードを取り付けるものとします。 したがって、静電気防止用マットにある一番上のカードが、最初にルータに取り 付けるカードです(前述の「上部カード・ケージからカードを取り外す手順」のス テップ6を参照してください)。 3-14 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド ルータ・コンポーネントの再取り付け ステップ4 金属製カード・キャリアの前面エッジを片手で持ち、反対の手でキャリアの底面 を支えて、カード・ケージのスロットに収めます。 (注) 上部カード・ケージの各スロットは、上下に位置合わせ用の溝が刻まれ ているので、カードを正しく差し込むことができます。カードの挿入で問題が起 きないように、 必ず、 カード・キャリアを溝にきちんと合わせてください。 ステップ5 イジェクタ・レバーがカード・ケージの上下の端と接触するまで、カード・キャ リアをスロットの奥まで静かに押し込みます。 ステップ6 ライン・カードのイジェクタ・レバーを持ち、カードの前面プレートに対して垂 直になるまで、 前面プレートの方へ回転させます。この動作により、 カードがバッ クプレーンに完全に装着されます。 ステップ7 カードの前面プレートで、2本の非脱落型ネジを締めます。 ステップ3からの手順を繰り返し、前に取り外したすべてのカードを上部カード・ケージに取 り付けます。 (注) 上部カード・ケージの未使用のスロットは、必ずカード・ブランクでカバーしてくだ さい。カード・ブランクは、ルータ内で正常な空気の流れを維持し、EMI要件を満たすため に有効です。 ルータに電源装置を再取り付けする手順 ここでは、ルータをラックに設置するための準備作業として、電源装置ベイから取り外した 電源装置を元どおりに取り付けるものとします(前述の「ルータから電源装置を取り外す手順」 を参照してください)。さらに、ルータがラックに設置されていて、前に取り外したコンポー ネントを再び取り付けるものとします。 電源装置の再取り付け手順は、図3-3で示した取り外し手順の逆の作業です。 Cisco 12008のインストレーション 3-15 ルータ・コンポーネントの再取り付け 次の手順で、ルータをラックマウントする前に取り外した電源装置を取り付けます。 ステップ1 次のように、各電源装置の回転式電源スイッチをセットします。 ● AC入力電源装置の場合 ― スイッチをStandbyの位置に合わせます。 ● DC入力電源装置の場合 ― スイッチをOFFの位置に合わせます。 (注) AC入力電源装置で回転式電源スイッチをStandbyの位置に合わせること は、DC入力電源装置でスイッチをOFF位置に合わせることと同じことです。い ずれの場合も、反時計回りに一杯にスイッチを回転させると、 電源装置本体に作 用していた機械仕掛けのインターロックが解除され、電源装置ベイに電源装置を 挿入できます。 ステップ2 注意 片手で電源装置のハンドルを握ります。 AC入力電源装置の重量は17ポンド(7.72kg)です。DC入力電源装置の重量は14ポンド (6.36kg)です。これらの装置は両手で取り扱ってください。 ステップ3 ハンドルで電源装置を持ち上げ、反対の手で装置の底面を支えます。 ステップ4 電源装置ベイに正しく挿入できるように、電源装置の位置を調整します。 (注) ACまたはDC入力電源装置を1台だけ取り付ける場合には、できるだけ下 部のベイを使用してください。 ステップ5 前面プレートと電源装置ベイの板金フランジが並ぶまで、電源装置をベイに静か に押し込みます。 3-16 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド ライン・カードのケーブル接続 この動作により、電源装置背面のワンタッチ・コネクタと対応するバックプレー ン・コネクタがかみ合います。 注意 バックプレーンが損傷しないように、電源装置をベイに押し込むときに、力を入れす ぎないように注意してください。 ステップ6 マイナスのドライバで、電源装置の前面プレートにある非脱落型ネジを時計回り に堅くなるまで回転させ、電源装置をベイに固定します。 ライン・カードのケーブル接続 ここでは、ケーブル・マネジメント・システムにネットワーク・インタフェース・ケーブルを 取り付け、そのケーブルをさらに適切なライン・カード・ポートに接続する手順について説 明します。 ケーブル・マネジメント・システムは、次の2つの部品からなります。 ● 水平ケーブル・マネジメント・トレイ ― 上部カード・ケージのすぐ上に取り付けられて います。 ● 垂直ケーブル・マネジメント・ブラケット― 各ライン・カードに取り付けられています。 ライン・カードのインストレーションに関する詳細情報は、搭載コンポーネントとして工場 から出荷された、またはFRUとして別個に発注を受けて出荷された、各ライン・カード付属 のコンフィギュレーション・ノートに記載されています。 ルータに搭載されているライン・カードの詳細情報を得るには、 たとえば次のようなコンフィ ギュレーション・ノートを参照してください。 ● Quad OC-3c/STM-1c POS (Packet-Over-SONET)ライン・カード ―『Quad OC-3c/STM-1c Packet-Over-SONET Line Card Installation and Configuration』(資料番号:78-4333-02)を参照 してください。 ● OC-12c/STM-4c POS (Packet-Over-SONET)ライン・カード ―『OC-12c/STM-4c PacketOver-SONET Line Card Installation and Configuration』(資料番号:78-4341-02)を参照してく ださい。 ● OC-12c/STM-4c ATM (非同期転送モード)ライン・カード―『OC-12c/STM-4c Asynchronous Transfer Mode Line Card Installation and Configuration』(資料番号:78-4344-02)を参照して ください。 Cisco 12008のインストレーション 3-17 ライン・カードのケーブル接続 次の手順で、ケーブル・マネジメント・システムにネットワーク・インタフェース・ケーブル を取り付け、ライン・カードにケーブルを接続します。 ステップ1 静電気防止用リスト・ストラップを肌に密着させて手首に巻きます。 ステップ2 リスト・ストラップの装置側(バナナ・ジャック)を上部カード・ケージの左下に あるESD接続ソケットに差し込みます。ルータ・シャーシ本体にあるこのソケッ トの位置については、図1-2を参照してください。 ステップ3 まず、上部カード・ケージの左端ライン・カードで、そのライン・カードに接続 するインタフェース・ケーブルを特定します。 ステップ4 一度に1本のインタフェース・ケーブルずつ作業します。水平ケーブル・マネジ メント・トレイの左端にそのインタフェース・ケーブルを引き回し、垂直ケーブ ル・マネジメント・ブラケットを通して、適切なライン・カード・ポートまで下 ろします。 (注) マルチポートのライン・カードでは、インタフェース・ケーブルを垂直ケー ブル・マネジメント・ブラケットに通し、カードの前面プレートの適切なポート まで引き回しますが、このとき、一番下のポートから順に、上に向かって作業し てください。 ステップ5 一番下のポートから先に (マルチポートのライン・カードの場合のみ)、インタ a を参照)。 フェース・ケーブルをポートに接続します(図3-6⃝ ステップ6 接続するポートに最も近いケーブル・キーパ・クリップに、インタフェース・ケー b を参照)。 ブルを丁寧に押し込みます(図3-6 ⃝ キーパ・クリップにケーブルを固定するときに、ケーブルが強く折れ曲がったり よじれたりしていないことを確認します。 ステップ7 垂直ケーブル・マネジメント・ブラケットの配線用ダクトの奥に、ケーブルを丁 c を参照)。 寧に押し込みます(図3-6 ⃝ 同じく、ケーブルが強く折れ曲がったりよじれたりしていないことを確認します。 たるみのない状態で、配線用ダクトの奥にケーブルを収める必要があります。 ステップ8 3-18 左端のライン・カードで、残りのポートについて、ステップ 4∼7を繰り返します。 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド ライン・カードのケーブル接続 図3-6 ネットワーク・インタフェース・ケーブルとライン・カードの接続(Cisco 12012の場合) Cisco 12008のインストレーション 3-19 GRPのケーブル接続 左端のライン・カードでネットワーク・インタフェース・ケーブルの接続を完了したら、上 部カード・ケージ内の次のカードで作業します。上部カード・ケージに搭載されたすべての ライン・カードに、すべてのネットワーク・インタフェース・ケーブルを接続するまで、この 作業を繰り返します。 GRPのケーブル接続 ここでは、GRP前面プレートにあるコンソール・ポート、AUXポート、およびイーサネット・ ポートの接続機構およびピン配置について説明します。 コンソールおよびAUXポートの接続機構 GRPには、2つのEIA/TIA-232ポートがあります。 ● DCEモードのコンソール・ポート(図3-7を参照) ― コンソール・ポートはDCE DB-25レセ プタクルで、GRPの前面プレートにコンソール端末を接続するために使用します。ルータ を設定するときには、このコンソール端末を使用します。 ● DTEモードのAUXポート(図3-7を参照) ― AUXポートはDTE DB-25レセプタクルで、ルー タにモデムまたは他のDCE装置(CSU/DSU:チャネル・サービス・ユニット/データ・サー ビス・ユニットなど)を接続するために使用します。さらに、このポートを使用することに より、他のルータをCisco 12008に接続できます。 (注) コンソール・ポートおよびAUXポートは、非同期シリアル・ポートなので、一般的な ほとんどの非同期シリアル装置に対応できます。これらのポートに接続する装置は、非同期 伝送能力が必要です。 GRPの前面プレートのコンソール・ポートに端末を接続する前に、GRPのコンソール・ポー トに合わせて端末を設定してください。次の設定値を使用します。 3-20 ● 9600ボー ● 8データ・ビット ● パリティなし ● 1ストップ・ビット(9600 8N1) Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド GRPのケーブル接続 端末とGRP前面プレートのコンソール・ポートを接続するには、EIA/TIA-232 DCEコンソー ル・ケーブルが必要です。 GRP前面プレートのAUXポートと装置を接続するために、独自にインタフェース・ケーブル を用意する必要があります。 図3-7 コンソールおよびAUXポートのコネクタ コンソール・ポートのピン配置 表3-1に、GRP前面プレートにあるコンソール・ポートのピン配置を示します。コンソール・ ポートには、ストレートのEIA/TIA-232ケーブルが必要です。 システムの稼働中は、DSR(データ・セット・レディ)およびDCD(データ・キャリア検知)信号 が両方ともアクティブです。 コンソール・ポートは、モデム制御またはハードウェア・フロー制御をサポートしません。 Cisco 12008のインストレーション 3-21 GRPのケーブル接続 表3-1 コンソール・ポートのピン配置 ピン 信号 方向 特性 1 GND ― Ground 2 TxD Output Transmit Data 3 RxD Input Receive Data 6 DSR Input Data Set Ready (常にオン) 7 GND ― Ground 8 DCD Input Data Carrier Detect (常にオン) 20 DTR Output Data Terminal Ready AUXポートのピン配置 表3-2に、GRPの前面プレートにあるAUXポートのピン配置を示します。AUXポートはハード ウェア・フロー制御およびモデム制御をサポートします。 RTS(送信要求)信号は、CTS(送信可)入力のステートを追従します。 表3-2 3-22 AUXポートのピン配置 ピン 信号 方向 特性 1 Signal Ground ― Signal Ground 2 TxD Output Transmit Data 3 RxD Input Receive Data 4 RTS Output Request To Send (ハードウェア・フロー制御に使用) 5 CTS Input Clear To Send (ハードウェア・フロー制御に使用) 6 DSR Input Data Set Ready 7 Signal Ground ― Signal Ground 8 CD Input Carrier Detect (モデム制御に使用) 20 DTR Output Data Terminal Ready (モデム制御にのみ使用) 22 RING Input Ring Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド GRPのケーブル接続 イーサネット・ポート接続機構 GRPの前面プレートには、次のイーサネット・ポートがあります。 ● MIIコネクタ ― 40ピンDシェル・タイプのコネクタ(図3-8を参照)。10または100Mbpsの動 作に設定できます。 ● RJ-45コネクタ― 8ピン・コネクタで、同じく10または100Mbpsの動作に設定できます。 MIIおよびRJ-45コネクタはどちらも、100BaseTXおよび10BaseT規格に適合したIEEE 802.3u イーサネット・インタフェースをサポートします。 MIIコネクタには、100BaseFXまたは100BaseT4物理メディアに対応するマルチモード・ファ イバに接続可能な、外部トランシーバが必要です。 一時点で使用できるイーサネット・コネクタは1つだけです。GRP前面プレートの2個のLED によって、アクティブなイーサネット・レセプタクルがわかります。 図3-8 GRPのイーサネットMIIおよびRJ-45レセプタクル Cisco 12008のインストレーション 3-23 GRPのケーブル接続 100Mbpsトランシーバのネットワーク側に、適切なコネクタが必要です。コネクタのタイプ は、MIIコネクタと他の装置間で使用するメディアのタイプによって決まります。たとえば、 STタイプのコネクタ(光ファイバ用)、BNCコネクタなどを使用します。 図3-9に、GRPイーサネット・ポートのMIIレセプタクル(メス)におけるピンの向きを示します。 MIIレセプタクルでは、ジャックスクリューと呼ばれる2個のネジ・タイプのロックを使用し て、ケーブルまたはトランシーバをMIIポートに固定します。MIIケーブルおよびトランシーバ にはギザギザのついたネジがあり、これでMIIコネクタにジャックスクリューを固定して指で 締めます。ジャックスクリューを使用して、MIIケーブルをGRPの前面プレートに組み込まれ ているMIIレセプタクルに固定してください。 表3-3に、MIIレセプタクルで使用する信号を示します。 図3-9 3-24 GRPイーサネットMIIレセプタクル Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド GRPのケーブル接続 表3-3 GRPイーサネットMIIレセプタクルのピン配置 ピン1 イン アウト 入出力 特性 14∼17 ― Yes ― Transmit Data (TxD) 12 Yes ― ― Transmit Clock (Tx_CLK)2 11 ― Yes ― Transmit Error (Tx_ER) 13 ― Yes ― Transmit Enable (Tx_EN) 3 ― Yes ― MII Data Clock (MDC) 4∼7 Yes ― ― Receive Data (RxD) 9 Yes ― ― Receive Clock (Rx_CLK) 10 Yes ― ― Receive Error (Rx_ER) 8 Yes ― ― Receive Data Valid (Rx_DV) 18 Yes ― ― Collision (COL) 19 Yes ― ― Carrier Sense (CRS) 2 ― ― Yes MII Data Input/Output (MDIO) 22∼39 ― ― ― Common (ground) 1、20、21、40 ― ― ― +5.0 volts (V) 1. 示されていないピンは未使用です。 2. Tx_CLKおよびRx_CLKは外部トランシーバが提供します。 図3-10に、GRPイーサネット・ポートのRJ-45レセプタクルにおけるピンの向きを示します。 表3-4に、RJ-45コネクタで使用する信号を示します。 Cisco 12008のインストレーション 3-25 外部アラーム・モニタ機能の接続 図3-10 GRPイーサネットRJ-45レセプタクル 表3-4 GRPイーサネットRJ-45レセプタクルのピン配置 ピン 信号 1 TX+ 2 TX− 3 RX+ 4 Termination Network 5 Termination Network 6 RX− 7 Termination Network 8 Termination Network 外部アラーム・モニタ機能の接続 CSC(クロック&スケジューラ・カード)には、カードの前面プレートに25ピンDサブ・コネク タが組み込まれており(図3-11を参照)、Cisco 12008にサイト全体をカバーする外部アラーム・ モニタ機能を接続できます。この機能については、第1章の「CSCのハウスキーピングおよび アラーム・モニタ機能」を参照してください。 3-26 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 外部アラーム・モニタ機能の接続 このDB-25コネクタに送られるアラーム信号は、CSCの前面プレートにあるシステム・アラー ムLEDへ送られる信号と対応しています(図3-11を参照)。したがって、ルータで検出されたク リティカル、メジャー、またはマイナ・アラーム条件が引き金になって、次のように、一部 または全部で同時にエラーが表示されます。 ● システム・アラームLED ― CSC前面プレート上の3個のシステム・アラームLEDが、ルー タの標準アラーム通知方法です。 これらのLEDは、常時ルータの状態を示しますが、これらのLEDを直接確認して、ルータ のアラーム条件を認識する必要があります。したがって、これらのLEDが提供するのは、 受動的なアラーム通知機能だけです。 ● 外部アラーム・モニタ機能 ― ルータにtelcoスタイルの外部アラーム・モニタ機能を装備 することにより、より明白なルータ・ステータス表示が得られます。 たとえば、クリティカル、メジャー、またはマイナ・アラーム条件が発生した場合に、 CSC前面プレート上で3個のうちのいずれかのシステム・アラームLEDを発光させるのと同 じアラーム信号がCSCの対応するアラーム・リレーを介して、DB-25コネクタへも送られ ます。 外部アラーム・モニタ機能では、この信号を使用してビジュアル・アラーム (ライトの明滅 など)またはオーディオ・アラーム(クラクションなど)を起動し、サイトの担当者にルー タ・アラーム条件の存在をただちに伝えます。 Cisco 12008のインストレーション 3-27 外部アラーム・モニタ機能の接続 図3-11 3-28 CSC上のDB-25コネクタおよびシステム・アラームLED Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 外部アラーム・モニタ機能の接続 図3-12に、CSC前面プレートにあるDB-25コネクタの拡大図を示します。 図3-12 DB-25コネクタの拡大図 表3-5に、 DB-25コネクタによって外部アラーム・モニタ機能から利用できるコモン、通常オー プン、通常クローズドのリレー・コンタクトを示します。 Cisco 12008のインストレーション 3-29 システム・アースの接続 表3-5 DB-25コネクタのピン割り当て ピン・グループ コモン 通常オープン 通常クローズ クリティカル・オーディオ・アラーム 2 1 14 メジャー・オーディオ・アラーム 16 3 15 マイナ・オーディオ・アラーム 5 4 17 クリティカル・ビジュアル・アラーム 19 6 18 メジャー・ビジュアル・アラーム 8 7 20 マイナ・ビジュアル・アラーム 22 9 21 アラーム入力 13 25 (注) DB-25コネクタに接続できるのは、SELV(Safety Extra-Low Voltage)回路だけです。 DB-25コネクタの最大定格電流は60VDCで1アンペアです。 システム・アースの接続 ここでは、Cisco 12008をアースに接続する手順について説明します。ルータを電源に接続す るまたは電源をオンにする前に、この作業を終えておいてください。 図3-13に、ルータの側面パネルにあるアース・ホールの位置を示します。反対側の側面パネ ルにも、同じアース・ホールがあるので、ルータの片側または両側にアース・ケーブルを接続 する、またはどちらにも接続しないでおくことができます。 有効なシステム・アース接続にするためには、次の部品と工具が必要です。 ● 2穴のアース端子×2 ― これらのアース端子は、0.625∼0.75インチ(15.86∼19mm)間隔で、 2個のM6(メトリック)ネジ穴を開ける必要があります。さらに、4AWG、多撚の銅線に対 応する大きさのワイヤ・レセプタクルが必要です。 このアース端子は、DC入力電源装置用のDC電源ケーブルで使用するのと同様の端子にで きます(図2-6を参照)。 このタイプのアース端子は、Cisco社では用意しておりませんので、購入された各代理店に お問い合わせください。 3-30 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド システム・アースの接続 ● 固定用ワッシャおよびナットを備えた、プラス・へッドのM6(メトリック)ネジ×4 ― この 金具は、Cisco社では用意していないので、市販品を利用してください。 ● アース・ワイヤ×2 ― アースにはできるだけ、 4AWG (直径0.204インチ:5.18mm)のワイヤ を使用してください。ただし、ゲージの小さいアース・ワイヤを使用してもかまいません。 実際の直径および長さは、ルータの設置場所および設置場所の環境によって異なります。 このワイヤは、Cisco社では用意していないので、市販品を利用してください。 ● No. 2のプラス・ドライバ ● クリンピング・ツール― 圧着端子にアース線をクリンピングするときに、アース端子の胴 をまかなえるだけの大きさが必要です。 ● ワイヤ・ストリップ・ツール 次の手順で、Cisco 12008のアース・レセプタクルにアース端子とケーブルを接続します。 ステップ1 ワイヤ・ストリップ・ツールを使用して、アース線の端から0.75インチ(19mm)ほ ど、被膜をはがします。 ステップ2 アース線の被膜をはがした部分をアース端子の開口部に差し込みます。 ステップ3 クリンピング・ツールを使用して、アース端子にアース線を固定します。 ステップ4 2本の非脱落型ネジを緩めてルータの背面カバーを外し、カバー上端の 3個のタブ が外れるまで、カバーを外側に回転させます。取り外したカバーは、一時的に脇 へ置いておきます。 ステップ5 ルータの側面パネルでアース・レセプタクルを見つけます(図3-13を参照)。 ステップ6 ルータの側面パネルのアース・レセプタクルにアース端子を当てます。 Cisco 12008のインストレーション 3-31 システム・アースの接続 図3-13 3-32 Cisco 12008のシステム・アースの接続 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 電源と電源装置の接続 ステップ7 アース端子とアース・レセプタクルの穴に2本のネジを差し込みます。 アース端子 が他のルータ・ハードウェアやラック装置と接触しないように注意してください。 ステップ8 固定用ワッシャとナットを取り付け、アース・レセプタクルにアース端子を固定 します。 ステップ9 カバーの上端の3個のタブをはめ込み、ルータ・シャーシの板金にカバーがかぶ さるまで、カバーを下向きに回転させ、2本の非脱落型ネジを締めます。 ステップ10 アース線の反対側を整え、 設置場所の適切なアース位置に接続して、 ルータのアー スを適切に確保します。 電源と電源装置の接続 ここでは、ACまたはDC入力電源装置に電源を接続する手順について説明します。ACまたは DC入力電源装置(1台または2台)がすでに搭載されていて、電源に接続すればよい状態になっ ていることが前提です。 (注) どちらのタイプの場合も、実際に2台の電源装置を使用する予定がない場合は、 1台だけ を搭載してください。電源装置を2台搭載し、そのうちの1台だけに通電するといった使い方は しないでください。使用しない装置の"保管場所"として一方のベイを使用しながら、1台の電 源装置だけに通電すると、電源装置ベイで正常な冷気の流れが妨げられる可能性があります。 ルータに搭載されている電源装置のタイプに応じて、該当する手順に従い、電源と電源装置 を接続します。 Cisco 12008のインストレーション 3-33 電源と電源装置の接続 (注) 電源装置の取り付けおよび交換手順の詳細については、コンフィギュレーション・ノートの 『Cisco 12008 Gigabit Switch Router AC-Input Power Supply Replacement Instructions』(資料番号: 78-4954-01)および『Cisco 12008 Gigabit Switch Router DC-Input Power Supply Replacement Instructions』(資料番号:78-4995-01)を参照してください。FRU(Field-Replaceable Unit)として出 荷される電源装置には、どちらか該当する方のコンフィギュレーション・ノートが付属していま す。これらのコンフィギュレーション・ノートは、Documentation CDにもあります。また、CCO (Cisco Connection Online)でも利用できます。 電源とAC入力電源装置の接続 次の手順では、ルータにAC入力電源装置がすでに搭載されていて、AC電源に接続するもの とします。AC入力電源装置がまだ搭載されていない場合には、前の「ルータに電源装置を再 取り付けする手順」で説明した作業を行ってから、AC電源と電源装置を接続してください。 ルータに搭載するAC入力電源装置が1台だけの場合には、下部の電源装置ベイを使用してく ださい。 (注) 電源装置とバックプレーン間の電気接続は、電源装置ベイに電源装置が搭載された時 点で、すべて自動的に行われます。 次の手順で、電源とAC入力電源装置を接続します。 ステップ1 電源装置の回転式電源スイッチがStandby(OFF)の位置になっていることを確認し ます。 (注) 電源装置を搭載しない電源装置ベイは、EMI要件を満たし、ルータ内部 の適切な空気の流れを維持するために、電源装置ブランクを取り付ける必要があ ります。 3-34 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 電源と電源装置の接続 ステップ2 システム付属のAC電源コードを取り出し、設置場所に適したタイプであること を確認します。 タイプの確認については、第2章の「AC電源を使用するシステム」を参照してくだ さい。 (注) システムに適切な電源コードが付属していない場合には、代理店にお問 い合わせください。 ステップ3 まず、 ラッチが下がっていることを確認し、AC電源コードを電源装置前面プレー トのACレセプタクルに差し込みます(図3-14を参照)。 (注) AC入力電源装置を冗長構成にしている場合には、停電時にルータを保護 できるように、電源装置ごとに別個の A C電源に接続し、さらに設置場所で UPS(無停電電源装置 )を使用することを推奨します。200∼240VACで動作する AC入力電源装置ごとに、20アンペアの専用コンセントが必要です。 ステップ4 ラッチを引き上げて電源コード・プラグの上に被せ、電源装置前面プレートの ACレセプタクルにプラグを固定します(図3-14を参照)。 ステップ5 AC電源コードの反対側を壁面のAC電源コンセントに接続します(図3-14を参照)。 ステップ6 第2(冗長)AC入力電源装置がある場合には、ステップ1から手順を繰り返し、AC 電源と接続します。 注意 AC入力電源装置が1台だけの場合も、冗長構成の場合も、この時点ではまだ、電源 装置の電源スイッチをON( | )にしないでください。 Cisco 12008のインストレーション 3-35 電源と電源装置の接続 図3-14 ステップ7 AC電源コードとAC入力電源装置の接続 AC入力電源装置(1台または2台)に給電するAC電源回路ブレーカのスイッチを入 れます。 Cisco 12008に通電する前に、後述の「Cisco 12008の起動」を参照してください。 3-36 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 電源と電源装置の接続 電源とDC入力電源装置の接続 ここでは、ルータにDC入力電源装置がすでに搭載されていて、DC電源に接続するものとし ます。DC入力電源装置がまだ搭載されていない場合には、前の「ルータに電源装置を再取り 付けする手順」で説明した作業を行ってから、DC電源と電源装置を接続してください。 ルータに搭載するDC入力電源装置が1台だけの場合には、下部の電源装置ベイを使用してく ださい。 (注) 未使用の電源装置ベイは、EMI要件を満たし、ルータ内部を冷却用空気が適切に流れ るようにするために、電源装置ブランクを取り付ける必要があります。 DC入力電源装置とDC電源を接続する前に、設置場所が次の要件を満たしていることを確認 してください。 ● DC電源コンセント― DC入力電源装置ごとに、 専用の40アンペア・コンセントが必要です。 ● 電源コード(電源装置ごとに3本) ― 次の特性を備えている必要があります。 ━ サイズ― 4AWG(推奨) ━ 直径 ― 0.204インチ(5.18mm) ━ 構造 ― 強撚タイプの銅線 電源コード長は、ルータの設置場所とDC電源からルータまでの距離によって異なります。 ● 電源端子×3 (3本の電源コードごとに1つずつ) ― 電源コードの端子は、次の特性を備えて いる必要があります。 ━ 0.625インチ(15.86mm)間隔で穴が2個 ━ ルータの前面プレートにあるM6(メトリック)のネジを切った端子スタッドに被せること ができるもの ━ (アルミではなく)銅製で電気メッキによる耐腐食性を備えたもの、 または同等の電源端子 Cisco 12008のインストレーション 3-37 電源と電源装置の接続 さらに、電源とDC入力電源装置を接続する前に、次の項目を扱っている第2章の「DC電源を 使用するシステム」にもう一度目を通します。 ● DC入力電源仕様(第1章の表1-8を参照) ● DC電源コードおよび端子の仕様(第2章の表2-2を参照) ● DC電源コードで使用する端子の寸法(第2章の図2-6を参照) 次の手順で、電源とDC入力電源装置を接続します。 ステップ1 DC入力電源装置の回転式電源スイッチがOFF (O)の位置になっていることを確認 します。 注意 次の作業へ進む前に、DC入力電源装置に接続するDC電源コード用のDC電源回路ブ レーカがOFFの位置になっていることを確認してください。さらに、念のため、電源装置に接続 するDC電源コードのライン電圧を測定してください。この電圧はゼロでなければなりません。 ステップ2 電源装置の前面プレートにプラスチックの保護カバーを固定しているネジを緩め ます。保護カバーを右へスライドさせ、上に持ち上げて、電源装置前面プレート に2個あるスタンドオフとネジから外します。 ステップ3 次の順番で、電源装置の端子にDC電源コードを接続します。 (a) アース (b) +(プラス) (c) −(マイナス) (注) 必ず、この順番どおりに、電源装置の端子にDC電源コードを接続してく ださい。 3-38 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド 電源と電源装置の接続 (注) DC入力電源装置に接続する電源DC電源コード線の色分けは、設置場所 のDC電源の色分けに基づきます。通常、アースにはグリーンまたはグリーン/イ エロー、プラス(+)にはレッド、マイナス(−)にはブラックを使用します。必ず、 設置場所でDC電源に使用している色分けとDC入力電源装置の前面プレート上 の端子を適切に対応付けてください。 ステップ4 電源装置前面プレートのアース端子から、 緩く取り付けてあるナットと固定用ワッ シャを取り外し、 アース線をアース端子に重ね、 用意されているナットとワッシャ a で端子にアース線を固定し(図3-15 ⃝を参照)、10mmのナット・ドライバまたは 1/4インチのソケット・レンチでナットを締めます。アース線を右上へ寄せて電源 装置の前面プレートから遠ざけます。 注意 ナットを締めすぎないように注意してください。きちんと締まっていれば十分です。 ステップ5 ステップ4で説明した手順を繰り返し、電源装置前面プレートのプラス(+)端子 に適切な電源コードを接続します(図3-15⃝ b を参照)。 ステップ6 ステップ4で説明した手順を繰り返し、電源装置前面プレートのマイナス(−)端 c を参照)。 子に適切な電源コードを接続します(図3-15⃝ (注) アース、プラス(+)、およびマイナス(−)の電源コードを電源装置の端子に固定すると きには、アース線に小さいループを残します。こうすると、DC電源コードに大きなストレス がかかった場合でも、 電源装置から切断されるのは、 アース端子が最後になることが確実です。 Cisco 12008のインストレーション 3-39 電源と電源装置の接続 図3-15 ステップ7 DC電源コードとDC入力電源装置の接続 電源装置の回路ブレーカ・アラーム端子ブロックに外部アラーム・モニタ機能を 接続する場合には、この時点で作業を行います。アラーム端子ブロックにアラー ム・モニタ機能のワイヤを接続する方法については、第7章の「DC入力電源装置 の追加」にある図7-9を参照してください。 アラーム・モニタ機能の詳細については、第1章の「回路ブレーカのアラーム端子 ブロック」を参照してください。この機能により、DC入力電源装置で過電流 (障 害)条件が発生したことが明白な形で(ビジュアルまたはオーディオ)伝えられます。 3-40 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド Cisco 12008の起動 ステップ8 DC電源回路ブレーカと電源装置の端子を結ぶDC電源コードが正しく取り付けら れていて、固定用ワッシャとナットが端子にきちんと固定されていることを確認 します。 ステップ9 電源装置前面プレート上の2個のスタンドオフとネジの上からプラスチックの保 護カバーを被せ、カバーを左にスライドさせて装着し、ネジを指で締めます。 ステップ10 第2(冗長)DC入力電源装置がある場合には、ステップ1∼8を繰り返して、DC電 源と接続します。 注意 DC入力電源装置が1台だけの場合も、冗長構成の場合も、この時点ではまだ、電源 装置の電源スイッチをON( | )にしないでください。 ステップ11 DC入力電源装置に対応するDC電源回路ブレーカのスイッチを入れます。 次に説明する手順で、Cisco 12008を起動します。 Cisco 12008の起動 ここでは、 Cisco 12008の起動手順について説明します。ネットワーク・インタフェース・ケー ブルとライン・カードの接続、および電源ケーブルと電源装置の接続を含め、必要な設置場 所の準備およびインストレーション作業がすべて完了していることが前提です。 次の手順で、Cisco 12008を起動します。 ステップ1 次の条件を満たしていることを確認します。 ● 各ライン・カードが正しく装着されていて、対応する非脱落型ネジがきちんと 締めてあります。 ● GRPが正しく装着されていて、 対応する非脱落型ネジがきちんと締めてあります。 ● 第2(冗長)装置がある場合にはそれも含めて、各CSCが上部カード・ケージ中 央の専用スロットに正しく装着されていて、対応する非脱落型ネジがきちんと 締めてあります。 ● 搭載されている各ライン・カードに垂直ケーブル・マネジメント・ブラケット が取り付けてあり、ブラケットの非脱落型ネジがきちんと締めてあります。 Cisco 12008のインストレーション 3-41 Cisco 12008の起動 ● すべてのネットワーク・インタフェース・ケーブルがライン・カードのポート に接続されていて、垂直ケーブル・マネジメント・ブラケットを適切に通して ケーブルが引き回してあります。 ● GRPの前面プレートのコンソール・ポートにコンソール・インタフェース・ケー ブルが正しく接続されていて、コネクタのネジが締まっています。 ● AC入力電源装置のACレセプタクルにAC電源コードが正しく接続されていて、 バネ式クリップで固定されています。オプションの(冗長)AC入力電源装置が ある場合には、そちらの接続も同様に確認します。 ● DC電源ケーブルのワイヤが電源装置の端子に正しく接続されていて、電源装 置の端子をプラスチックの保護カバーで被ってあります。オプションの (冗 長)AC入力電源装置がある場合には、そちらの接続についても同様に、条件を 満たしていることを確認します。 ● 設置場所の主電源回路ブレーカがオンになっています。 ● コンソール端末がオンになっています。 ● GRP前面プレートのPCMCIAスロット0に、デフォルトのCisco IOSソフトウェ アがインストールされたフラッシュ・メモリ・カードが搭載されています。 ステップ2 電源装置の回転式電源スイッチをON( | )の位置に回し、電源装置前面プレート のLEDの状態を確認します。 ステップ3 ● AC入力電源装置の場合、グリーンのAC INPUT OK LEDが点灯します。 ● DC入力電源装置の場合、グリーンのINPUT OK LEDが点灯します。 カード・ケージのファン・トレイと電源装置のファン・トレイのファンの音を聞 き、起動を確認します。約2秒で正常な回転速度のときの音が聞こえるはずです。 騒音の多い環境では、エアフィルタ・アセンブリと電源装置のファン・トレイの 前面に手を当てて、ファンの動作を確認し、空気がルータの内部に取り込まれて いるかどうかを判断します。または、ルータの背面上部に手を置いて、ルータ・ シャーシの背面パネルの排気口から空気が排出されているかどうかを調べます。 Cisco 12008 の初期インストレーション手順は、これで完了です。第4章「システムの起動確認 および基本設定」で説明するルータの基本設定作業を進めてください。 3-42 Cisco 12008ギガビット・スイッチ・ルータ・インストレーション・コンフィギュレーション・ガイド
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