Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0.1.0) Real Application Clusters

Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0.1) Real Application Clusters (RAC)
インストレーション・ガイド ASM 版 Microsoft Windows x86-64
う
Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0.1.0)
Real Application Clusters (RAC)
インストレーション・ガイド
ASM 版 Microsoft Windows x86-64
作成日: 2010-04-02
更新日: 2011-03-24
Version: 1.1
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インストレーション・ガイド ASM 版 Microsoft Windows x86-64
目次
1
2
3
4
はじめに .................................................................................. 3
概要 .......................................................................................... 5
2.1 11g Release 2 (11g R2) 新機能 ........................................ 5
2.2 インストール .................................................................. 10
インストール環境と事前準備 ............................................ 11
3.1 ハードウェア要件 .......................................................... 11
3.2 ネットワーク要件 .......................................................... 13
3.3 ソフトウェア要件 .......................................................... 17
3.4 ストレージ要件 .............................................................. 18
3.5 システム時刻の同期 ...................................................... 21
3.6 ユーザー・アカウント .................................................. 23
3.7 ドメイン・コントローラ .............................................. 23
インストール ........................................................................ 24
4.1 Oracle Grid Infrastructure のインストールと構成 ....... 24
4.2 RAC データベースの作成 ............................................. 38
4.3 インストール後の確認 .................................................. 61
Version
1.0
日付
2010-04-02
備考
作成
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1 はじめに
Real Application Clusters (RAC) は、Oracle9i より提供されている Oracle Database のオプション
です。RAC は、あらゆる種類のアプリケーションを変更することなく、クラスタ化された一連
のサーバー上での実行を可能にし、高い可用性とスケーラビリティを提供します。
本ガイドは、Oracle Database 11g Release 2 (11.2.0.1) for Microsoft Windows x86-64 を用いてスト
レージ管理に Oracle Automatic Storage Management (ASM) を利用した 2 ノードの RAC 環境を構
築する為の手順を記載しています。
図 1 本ガイドで使用する環境概要
*********************************************************************************
(注意)Windows プラットフォームでの Oracle Grid Infrastructure (Oracle Clusterware
および Oracle Automatic Storage Management) の提供は 64bit のみです。32bit
では Real Application Clusters (RAC) を構成することはできません。
*********************************************************************************
作成にあたり参照したマニュアルを以下に記載しますので、詳細についてはこれらのマニュア
ルも併せてご覧下さい。マニュアルは Oracle Technology Network (OTN) Japan より提供されてい
ます。
OTN Japan
URL:http://www.oracle.com/technology/global/jp/index.html
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-Oracle Grid Infrastructure インストレーション・ガイド 11g リリース 2 (11.2) for Microsoft Windows
E58876-01
-Oracle Database インストレーション・ガイド 11g リリース 2 (11.2) for Microsoft Windows
E58878-01
-Oracle Real Application Clusters インストレーション・ガイド 11g リリース 2 (11.2) for Microsoft
Windows E58877-01
-Oracle Database リリース・ノート 11g リリース 2 (11.2) for Microsoft Windows E58884-01
-Oracle Database ストレージ管理者ガイド 11g リリース 2(11.2)B56295-01
-Oracle Database プラットフォーム共通日本語 README 11g リリース 2(11.2)B56292-02
本ガイドでは、以下の省略表記を使用している箇所があります。
名称
ASM Configuration Assistant
Cluster Time Synchronization Service
Database Configuration Assistant
Grid Naming Service
Intelligent Platform Management Interface
Network Time Protocol
Oracle Automatic Storage Management
Oracle ASM Cluster File System
Oracle Enterprise Manager Database Control
Oracle Real Application Clusters
Oracle Technology Network Japan
Oracle Universal Installer
Single Client Access Name
省略表記
ASMCA
CTSS
DBCA
GNS
IPMI
NTP
Oracle ASM
Oracle ACFS
Oracle EM Database Control
Oracle RAC
OTN Japan
OUI
SCAN
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2 概要
2.1 11g Release 2 (11g R2) 新機能
下図は 11g R2 の新機能を理解するためのアーキテクチャ概要図です。各新機能は赤字で示さ
れており、各新機能の詳細説明はアーキテクチャ概要図に続けて記載しています。
図 2 11g R2 アーキテクチャ概要
1) Oracle Grid Infrastructure
従来 (11g Release 1 まで) は、Oracle ASM は Oracle Database に含まれていました。11g R2 よ
り Oracle Clusterware と Oracle ASM が統合され、Oracle Grid Infrastructure として提供されます。
この統合に伴い Oracle Clusterware と Oracle ASM は Oracle Grid Infrastructure のホーム・ディレ
クトリである Gird ホームと呼ばれる単一ディレクトリにインストールされることになります。
図 3 は、従来までと 11g R2 でのインスト―ル・ディレクトリ構成の比較を表した図です。
図 3 インストール・コンポーネントの比較
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統合システム基盤を提供することによって、従来までの課題であった複数データベース・グ
リッド間(RAC 間)でのリソース再配置を可能にし、大規模データベースの集約を実現します。
図 4 は、これまでのバージョンを使用した複数データベース・グリッド環境と、11g R2 を使
用した複数データベース・グリッド環境を比較した場合の例です。
図 4 データベース・グリッド環境における従来との比較例
また小規模データベースの集約に関しても Oracle RAC One Node を使用することによって、
複数のシングル・データベース環境(HA 環境)を単一クラスタへ集約し、インフラ全体でのリ
ソースの最適化を実現します。
図 5 は、
4 つの HA 環境を RAC One Node として 11g R2 のクラスタへ集約した場合の例です。
RAC One Node に関するより詳細な説明についてはマニュアルを参照して下さい。
図 5 RAC One Node による HA 環境の集約
******************************************************************************
(注意)Windows プラットフォームでの RAC One Node は、初期リリースでは利用
できません。
******************************************************************************
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Oracle Grid Infrastructure によって統合システム基盤を構築することにより、運用管理の標準化
やコスト削減の促進が可能になります。図 6 では、11g R2 で実現可能な統合システム基盤の概
要を示しています。
図 6 11g R2 で実現する統合システム基盤
2) Grid Naming Service (GNS)
GNS は mDNS (multicast DNS) を介して、ホスト名を解決するサービスです。GNS は、DNS
への追加のネットワーク構成なしにクラスタからノードの追加または削除を可能にします。
GNS はオプション機能で、GNS を利用すると DHCP と GNS で使用しているクラスタ・ノー
ド内の全ての Virtual IP (VIP) が管理されます。
GNS の構成に必要なものは以下です。



Grid Virtual IP (VIP) アドレス: DNS に登録された静的 IP アドレス
GNS に委託されたサブドメイン
DHCP サーバー
3) Single Client Access Name (SCAN)
SCAN は、クライアントが RAC データベースに接続するために使用される単一のエイリアス
です。SCAN 導入の背景には、フェイルオーバーやロードバランシング機能の設定時の手間、お
よびインスタンス追加または削除時に伴う設定変更の手間を排除するという目的があります。
クライアントは、SCAN を使用した簡易接続ネーミング・メソッド (EZCONNECT) を利用して
RAC インスタンスに接続します。
SCAN の利用にあたって、インストール開始前に 1 つの SCAN 名に対して 3 つの IP アドレス
を DNS もしくは GNS に登録しておきます。本ガイドでは DNS による名前解決を使用し、GNS
による名前解決は使用しませんので、GNS の詳細についてはマニュアルをご覧下さい。
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4) サーバー・プール
サーバー・プールは、クラスタを構成する全てのサーバーをユーザー定義のポリシーによっ
て管理するための論理的なグループで、RACデータベースやサービスを配置するためのインフ
ラとして使用します。サーバー・プール同士は排他的な関係にあり、1つのサーバーは特定のサ
ーバー・プールにのみ配置可能です。サーバー・プールの作成時に以下の 3つの属性(ポリシ
ー属性)を割り当てます。図 7 は、サーバー・プールの構成について概要を表した図です。



MIN_SIZE: サーバー・プールに含まれるサーバー数の最小数(デフォルトは0)
MAX_SIZE: サーバー・プールに含まれるサーバー数の最大数(-1 は制限なし)
IMPORTANCE: クラスタの全サーバー・プールにおける重要度(範囲は 0~1000の間
で定義され、0が最も重要度が低い。デフォルトは0)
図 7 サーバー・プールの構成
5) ポリシー管理データベース
11g R2 の RAC データベースでは、以下 2 種類の構成タイプが提供されます。図 8 は、各構成
タイプの概要図です。


管理者管理: 従来 (11g R1) までの管理方法です。RAC データベースが稼動するサーバ
ーは固定化され、ユーザーはサービスに対して手動でサーバーを割り当てます。
ポリシー管理: 11g R2 より新規に追加された管理方法です。ユーザーは RAC データベ
ースを配置するサーバー・プールを作成します。ユーザーによって定義されたポリシ
ー要件に基づいて、クラスタ内でリソースが最適化されるように RAC データベースが
稼動するサーバー、およびインスタンスが動的に変更されます。
図 8 11g R2 で提供可能な RAC データベースの構成タイプ
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6) Automatic Storage Management Configuration Assistant (ASMCA)
ASMCA は GUI のツールで、ユーザーは ASM インスタンスの作成やアップグレード、または
ディスク・グループやボリューム、および Oracle ACFS の作成や管理を行えます。図 9 は ASMCA
の画面例です。
図 9 ASMCA によるディスク・グループ一覧画面
7) Oracle ASM Cluster File System (Oracle ACFS)
Oracle ACFS は、全てのアプリケーション・データをサポートするために ASM の技術を拡張
した新しいファイルシステムです。これまでは OS 層の上に Oracle データベースの記憶域管理と
して ASM ディスク・グループがありました。
11g R2 では加えて ASM と OS 層をつなぐボリューム・マネージャが開発され、これを介して
ASM のクラスタ・ファイルシステムの利用が可能になりました。ACFS の導入により、新たに
アプリケーション・データといった Oracle データベース以外のファイルの管理も可能になりま
す。図 10 は ACFS の位置づけ概要を示しています。
図 10 ACFS の位置づけ概要
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2.2 インストール
本ガイドで紹介する各手順のインストール詳細は、以下を参照して下さい。
1)
インストール環境のタイプ:
インストールユーザ
2)
3)
Administrator ユーザー
Oracle Grid Infrastructure インストレーションのタイプ:
インストール・タイプ
拡張インストール
GNS の構成
構成しない
OCR と投票ディスクの格納場所
ASM(ディスク・グループ名: DATA)
Oracle Database インストレーションのタイプ:
データベース・エディション
4)
Enterprise Edition (EE)
RAC データベースのタイプ:
データベース・テンプレート
汎用またはトランザクション処理
構成タイプ
ポリシー管理型 RAC データベース
Enterprise Manager (EM)の構成
構成する
データベース・ファイルの記憶域
ASM(ディスク・グループ名: DATA)
フラッシュ・リカバリ領域
ASM(ディスク・グループ名: FRA)
(注) 本ガイドでは、Operating System (OS) は事前にインストールされているものとします。
以下は本ガイドで構成する環境のイメージを示しています。
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3 インストール環境と事前準備
インストールを開始する前に、この章で記述する要件について事前準備を実施します。
3.1 ハードウェア要件
ハードウェアの要件は以下です。

プロセッサ: 以下にプロセッサについて Operating System ごとのの最低要件を記載します。
表 3-1 プロセッサの最低要件
Operating System

プロセッサの最低要件
Microsoft Windows Server 2003
1GHz 以上
Microsoft Windows Server 2003 R2
1GHz 以上
Microsoft Windows Server 2008
1GHz 以上
Microsoft Windows Server 2008 R2
1.4GHz 以上
物理メモリー: 最低限必要な物理メモリーの要件は以下のとおりです。


Oracle Grid Infrastructure のみ: 1.5GB
Oracle Grid Infrastructure と Oracle Database: 2.5GB

仮想メモリー: 最低 2GB 以上の仮想メモリーが必要です。仮想メモリーの容量は、物理
メモリーの容量の 2 倍に設定することをお薦めしています。

一時領域: 最低 1GB の一時領域が必要です。環境変数 TEMP および TMP に同一の一時領
域を設定します。
(例)
TEMP=C:¥WINDOWS¥TEMP
TMP= C:¥WINDOWS¥TEMP

Video Graphic Array (VGA) の出力色数: 256 色以上

画面解像度: 1024 × 768 以上

ディスクの空き容量: インストールに必要なディスク容量の最低要件は以下です。

Oracle Grid Infrastructure: 3GB
上記の値は Oracle Clusterware 関連ファイル用の容量 (2GB 程度) に加えて、
Automatic Storage Management (ASM) 関連ファイルやログの容量を含めて Grid
Infrastructure のホーム・ディレクトリに対して必要とされている値です。

Oracle Database: プロセッサ・アーキテクチャやインストレーション・タイプによ
って異なります。以下の表 3-3 に 64bit について NT File System (NTFS) を使用した
場合のディスク容量を記載します。
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表 3-3 NTFS 使用時のディスク容量
インストレーション
・タイプ
必要なディスク容量
基本インストール
一時領域: 125MB
SYSTEM_DRIVE:¥Program Files¥Oracle ディレクトリ: 2MB
Oracle Database のホーム・ディレクトリ: 2.86GB
データファイル(*1): 1.60GB
拡張インストール
一時領域: 125MB
SYSTEM_DRIVE:¥Program Files¥Oracle ディレクトリ: 4.55MB
Oracle Database のホーム・ディレクトリ: 3.5GB (*2)
データファイル(*1): 1.60GB (*2)
(*1) 初期データベースは 720MB のディスク容量を必要とします。表の数値には、初期データベ
ースが含まれています。データファイルとは、ORACLE_BASE ディレクトリ内の admin,
cfgtoollogs, flash_recovery_area および oradata ディレクトリの内容を指します。
(*2) この値は、選択したインストール・オプションによって値が大きくなる場合があります。
自動バックアップを有効にする場合は、データファイルのディスク領域用に最低 2GB を追
加します。
本ガイドでは、以下のハードウェアを使用します。
ノード 1:
マシン名:
rac-node1.jp.oracle.com
CPU:
Intel Core2 Duo E6550 2.93GHz
メモリー容量: 4G
ノード 2:
マシン名:
rac-node2.jp.oracle.com
CPU:
Intel Core2 Duo E6550 2.93GHz
メモリー容量: 4G
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3.2 ネットワーク要件
ネットワークの要件は以下です。
 ネットワーク・インターフェース: 各ノードに最低 2 枚必要です。
各ノードに最低 2 枚の Network Interface Card (NIC) が搭載されていることを確認します。1
つはユーザーがアクセスするパブリック LAN 用、もう 1 つはプライベート LAN 用として使
用されます。できるだけ複数の NIC を結合するチーミングを行います。
構成にあたり必要な条件を以下に記載します。
 プライベートおよびパブリック・ネットワーク接続名は、英数字を用いてそれぞれ異
なる名前を設定し、全てのノードで統一すること
以下の 図 11 のように「ネットワーク接続」画面を確認し、デフォルトで「ローカル
エリア接続」や「ローカルエリア接続 2 」と設定されているネットワーク接続名を英
数字に変更しておきます。マルチバイト言語キャラクタは使用することはできません。
大文字または小文字は区別されます。
図 11 ネットワーク接続名の設定例
 各ネットワーク接続のプロパティを編集し、IP アドレスの設定を実施すること
以下の図 12 は、本ガイドでの設定例です。静的な IP アドレスを割り当てています。
図 12 ネットワークの設定例
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 全てのノードでパブリック・インターフェースのバインド順序(ネットワーク・サー
ビスがノードにアクセスする順序)の最初に設定されていること
以下の 図 13 のように、図 11 の画面の「詳細設定」タブから「詳細設定」を選択し、
パブリック・ネットワーク接続名がバインド順序の最初に設定されていることを確認
します。
図 13 バインド順序の設定例
 DisableDHCPMediaSense レジストリの値を 1 に設定し、Windows のメディア検出機能を
無効に設定すること
現在のレジストリについてバックアップをした後、レジストリ・エディタを使用して、
以下のレジストリに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE¥System¥CurrentControlSet¥Services¥Tcpip¥Parameters
移動後、レジストリ値を新規作成します。図 14 は作成例です。設定後にコンピュータ
を再起動します。
(例) 名前
値
: DisableDHCPMediaSense
:1
図 14 メディア検出機能無効化の設定例
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 IP アドレス: 各ノードで必要な IP アドレスとクラスタに 1 つ、SCAN 用の IP アドレスが必要
です。必要な IP アドレスの解決には DNS あるいは GNS を使用します。また、使用可能な
DNS がない場合には、
システムの hosts ファイル ( %SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥hosts )
を使用してホスト名と IP アドレスを登録することも可能です。
各ノードに必要な IP アドレスは以下です。
 パブリック IP アドレス
 仮想 IP(VIP)アドレス:
仮想 IP アドレスはパブリック IP アドレスと同一サブネット上にある必要があります。
 プライベート IP アドレス
本ガイドでは IP アドレスの解決に DNS を使用しており、以下の表 3-4 に本ガイドにおける
設定を例として記載します。
表 3-4 ネットワークの設定例
ホスト名
IP アドレス
用途
rac-node1 (*1)
10.185.147.166
パブリック用
rac-node1-vip
10.185.147.168
VIP 用
rac-node1-priv (*2)
10.1.1.16
プライベート用
rac-node2 (*1)
10.185.147.167
パブリック用
rac-node2-vip
10.185.147.169
VIP 用
rac-node2-priv (*2)
10.1.1.17
プライベート用
(*1) パブリック・ネットワークのホスト名は、コンピュータ名です。図 15 のようにフルコンピ
ュータ名が該当します。
図 15 コンピュータ名の設定例
(*2) プライベート IP アドレスは、プライベート用に指定したネットワーク・インターフェース
のサブネット上に構成されるので DNS への登録は必須ではありません。
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さらに、クラスタごとに以下の IP アドレスが必要です。
 SCAN IP アドレス
11g Release 2 では RAC データベースへ接続するために SCAN を使用しますので、クラスタ
構成 1 つにつき、
1 つ SCAN が必須となります。
そのため SCAN 用の IP アドレスが必要です。
SCAN 用の IP アドレスは、DNS あるいは GNS により名前解決されるように設定しておきま
す。DNS のラウンドロビンにより 1 つのホスト名(SCAN 名)に対して 3 つの IP アドレスが
解決されるように設定することを推奨します。
本ガイドでは DNS を使用しています。以下は DNS に登録されている SCAN 用の IP アドレス
の確認コマンドと結果です。
C:¥> nslookup rac-scan.jpoac.com
Server: utiljp1.jp.oracle.com
Address: 123.45.678.90
Name:
rac-scan.jpoac.com
Addresses: 10.185.148.1, 10.185.148.2, 10.185.148.3
 Firewall の無効化: プライベートおよびパブリック・ネットワークの Firewall を無効化してお
きます。
 ネットワーク設定の確認
ネットワークの設定が完了したら、各ノードで以下の手順を実施して確認をしておきます。
各手順について、本ガイドでの実施したコマンドを例として記載します。
 各ホスト名(パブリック用とプライベート用)への ping が届くかを確認
C:¥> ping rac-node1
C:¥> ping rac-node1-priv
C:¥> ping rac-node1-vip
↑ VIP の構成はインストール中に実施するので、この時点では届かないことを確認
 インストールでファイルのコピー先に使用するディレクトリへの権限の確認
C:¥> net use ¥¥rac-node1¥C$
 フルコンピュータ名の確認
ping rac-node1
rac-node1.jpoac.com [10.185.147.166]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
 フルコンピュータ名が正しく表示されるかを確認
10.185.147.166 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
10.185.147.166 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
10.185.147.166 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
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3.3 ソフトウェア要件
ソフトウェアの要件は以下です。
 Operating System (OS) : 以下の表 3-5 に Oracle Grid Infrastructure および Oracle RAC の要件と
されている OS のバージョンについて記載します。
表 3-5 OS の要件
対応している OS 一覧
Microsoft Windows Server 2003 x64
Service Pack 1 またはそれ以上
Microsoft Windows Server 2003 R2 x64
全てのエディション
Microsoft Windows Server 2008 x64
Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Foundation
Microsoft Windows Server 2008 R2 x64
Standard, Enterprise, Datacenter, Web, Foundation
Windows 環境についての注意事項
・ Windows については、Oracle RAC、Oracle Clusterware、Oracle Restart、Oracle ASM は 64-bit
のみでの提供となります。32-bit での提供、あるいはサポートはありません。
・ RAC One Node オプションは、Windows 32-bit および 64-bit ともご利用になれません。
本ガイドでは、以下の OS を使用します。
・ Windows Server 2008 Enterprise Service Pack 2 64-bit Edition
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3.4 ストレージ要件
ストレージ要件は以下です。
 ストレージ・オプション: ファイルやバイナリの格納域にどのオプションを使用するかを選
択します。
以下の表 3-6 に Oracle Grid Infrastructure および Oracle RAC においてファイルやバイナリの格納
場所としてサポートされているストレージ・オプションについて格納するファイルの種類ごと
に記載します。
表 3-6 ストレージ・オプション
ストレージ・
オプション
OCR および
投票ディスク
Oracle
Clusterware
バイナリ
Oracle RAC
バイナリ
データベース
・ファイル
リカバリ・
ファイル
Oracle ASM
○
-
-
○
○
Oracle ACFS
-
-
○
-
-
OCFS
○
-
○
○
○
Direct NFS
-
-
-
○
○
共有ディスク・
パーティション
( RAW デバイス)
△
(*1)
-
-
△
(*1)
-
ローカル記憶域
-
○
○
-
-
○: サポート対象
△: 制限付きで使用可能
-: サポート対象外
(*1) 11g Release 2 では、OUI および DBCA では RAW デバイスおよびブロック・デバイスはサポ
ートされないオプションです。ただし、一旦他のストレージ・オプションを選択し、イン
ストール後に変更することはサポートされます。また、RAW デバイスおよびブロック・デ
バイスを使用している既存環境からのアップグレード時もサポート対象となります。
 データの保護と必要な容量: 以下の点を考慮して、データの保護に必要な構成や必要となる
ストレージ容量を決定します。
 Oracle Cluster Registry (OCR) および Voting Disk(投票ディスク)
クラスタの構成情報が格納される OCR とスプリット・ブレイン発生時に生存ノードの決
定に使用される投票ディスクは、対障害性のため複数個作成するか冗長化する、あるい
は複数個作成した上で冗長化します。
冗長化と言っても、ストレージ側で RAID 構成を組む方法や ASM を使用して冗長化す
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る方法もあります。要件に従ってどの構成を採用するかを決定し、格納領域として必要
な容量を確保します。
11g Release 2 では、OCR および投票ディスクを ASM に格納することが可能になってい
ます。本ガイドでは、OCR および投票ディスクを ASM へ格納し、ASM の冗長化機能(ミ
ラーリング)を使用して標準(2 重化)冗長構成をとるものとします。
 データベース・ファイルおよびリカバリ・ファイル
障害時などのデータ保護の観点から、データベース・ファイルとリカバリ・ファイルは
物理的に別々のディスクに格納します。
リカバリ・ファイル(ファスト・リカバリ領域)には共有ストレージを使用する必要が
あります。また、データベースのエディションに Standard Edition (SE) を選択した場合は
ASM が記憶域として選択されます。
本ガイドでは、OCR および投票ディスク、そしてデータベース・ファイルおよびリカバリ・フ
ァイルの格納場所として ASM を使用するものとします。また、構成については OCR、投票デ
ィスク、データベース・ファイルを 1 つの ASM ディスク・グループ(複数のディスクをグルー
プ化して管理するために ASM が使用している論理単位)を作成し、リカバリ領域については別
の ASM ディスク・グループを作成して利用します。
*****************************************************************************
(注意)ディスクの準備に関して、以下の点に留意します。
・「ディスクの管理」画面から使用する全てのディスクがオンライン
であることを確認します。
(全てのノードでそれぞれ確認が必要)
図 16 に「ディスクの管理」画面例を示します。
・ドライブ文字、あるいはドライブパスの割り当てはしません。
図 17 に画面例を示します。
・ノード間で共有されるファイル(データベース・ファイルを含む)の
格納に使用するディスクでは、書き込みキャッシュを無効化する必要
があります。図 18 に画面例を示します。
インストールを開始する前に、全てのノードでディスクの状態が同じであ
ることを確認しておきます。
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図 16 ディスクの管理画面
図 17 ドライブ文字またはパスの割り当て画面
図 18 ディスクの書き込みキャッシュの無効化画面
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3.5 システム時刻の同期
クラスタを構成する全てのサーバーでシステム時刻の同期がとれている必要があります。シス
テム時刻の同期方法には、以下の 3 つのオプションがあります。
 Windows Time Service (W32Time)
 Network Time Protocol (NTP)
 Cluster Time Synchronization Service (CTSS)
11g R2 では、Oracle Clusterware によって Cluster Time Synchronization Service (CTSS)と呼ばれる
クラスタ時刻同期化サービスが提供されます。NTP が設定されていない場合は、CTSS によりク
ラスタ内の全サーバーのシステム時刻が同期されます。
ただし、CTSS による時刻同期化サービスはあくまでもクラスタ内のサーバーが対象ですので、
クラスタ外のサーバーとのシステム時刻同期を必要とする場合には他のオプションによるシス
テム時刻の同期をお薦めします。
以下に各方法についての設定方法を記載します。本ガイドでは、システム時刻の同期に CTSS
を使用するものとします。
Windows Time Service を使用する場合
システム時刻の同期に Windows Time Service を利用する場合は、以下の手順を実施します。
1. 各ノードで以下のコマンドを実施し、Windows Time Service を構成します。
C:¥> W32tm ¥register
2. 時刻を後戻りさせずに同期するように設定を変更します。レジストリ・エディタを使用して
以下のレジストリに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Services¥W32Time¥Config
3. 移動後 MaxNegPhaseCorrection の値を 0 に変更します。
4. 変更が有効になるように以下のコマンドを実行します。
C:¥> W32tm ¥config ¥update
5. Windows Time Service を再起動します。
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NTP を使用する場合
クラスタ内のシステム時刻同期に NTP を利用する場合には、-x オプションを指定して NTP の時
刻調整方法を slew モードに設定する必要があります。slew モードでは、システム時刻を同期す
る際に、時刻の後戻りが発生することがありません。以下に-x オプションの設定方法を記述し
ます。
1. レジストリ・エディタを使用して以下のレジストリに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Services¥NTP
2. 移動後 ImagePath の値 ( 例: %INSTALLDIR%¥ntpd.exe ) の後に -x を追加します。
3. 以下のコマンドを実行し NTP サービスを再起動します。
C:¥> net stop NTP
C:¥> net start NTP
CTSS を使用する場合
クラスタ内のシステム時刻同期に CTSS を利用する場合には、Windows Time Service や NTP が無
効化されている必要があります。
いずれかのサービスが有効になっている場合、CTSS はオブザーバ・モードで起動し、システム
時刻の同期は実施しません。どちらも無効となっている場合は、アクティブ・モードで起動し、
システム時刻の同期を実施します。
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3.6 ユーザー・アカウント
インストールを実施するには、ローカル管理者権限があるユーザーが必要です。クラスタを構
成する全てのサーバーで同一のユーザー名、およびパスワードを使用します。
ドメイン・アカウントを使用してインストールを実施する場合には、使用するドメイン・ユー
ザーにクラスタ内の各ノードのローカル管理者権限を明示的に付与します。ドメイン・ユーザ
ーがグループのメンバーシップから権限を継承していても不十分なので注意します。
3.7 ドメイン・コントローラ
システムでのリソース競合の問題を避けるために、プライマリ、あるいはバックアップ・ドメ
イン・コントローラに Oracle Grid Infrastructure あるいは RAC をインストールしないよう注意し
ます。
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4 インストール
4.1 Oracle Grid Infrastructure のインストールと構成
1. インストーラの起動
インストールするユーザー(ここでは Administrator ユーザー)でインストール・メディアか
ら setup.exe を実行し、インストーラを起動します。
あるいは、以下のコマンドを実行します。
C:¥> <GRID_INSTALL_IMAGE>¥Disk1¥setup.exe
2. インストール・オプションの選択
インストール・オプションの選択画面が表示されるので、デフォルトで選択されている「ク
ラスタ用の Oracle Grid Infrastructure のインストールおよび構成」を選択し、「次へ」をクリ
ックします。
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3. インストール・タイプの選択
インストール・タイプの選択画面では、ASM の管理者グループの設定などを実施するため「拡
張インストール」を選択し、「次へ」をクリックします。
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4. 製品言語の選択
製品言語の選択画面では、製品を実行する言語として「日本語」と「英語」を選択し、「次
へ」をクリックします。
5. Grid プラグ・アンド・プレイの情報
Grid プラグ・アンド・プレイの情報画面では、まず任意の「クラスタ名」を入力します。続
いて SCAN の情報として、インストール前に準備しておいた(DNS もしくは GNS に登録してお
いた)名前を SCAN のホスト名として「SCAN 名」へ入力し、任意の「SCAN ポート」をポー
ト番号として設定します。クラスタ名と SCAN ポート番号はデフォルトの値で構いません。
本ガイドでは GNS は構成しませんので、「GNS の構成」のチェックボックスに付いているチ
ェックを外しています。入力後「次へ」をクリックすると入力した SCAN の情報が検証され、
次の画面へ遷移します。
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6. クラスタ・ノードの情報
クラスタ・ノードの情報画面では、クラスタを構成する全てのノード情報(ホスト名と仮想
IP 名)を入力します。インストーラを起動しているノード(ここでは rac-node1.jp.oracle.com)
の情報は表示されますので、「追加」ボタンから残りのノード情報を追加します。
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2 ノード目(rac-node2.jp.oracle.com)の「ホスト名」および「仮想 IP 名」を入力し「OK」を
クリックして追加します。
追加された情報を確認して「次へ」をクリックします。
7. ネットワーク・インターフェースの使用方法の指定
ネットワーク・インターフェース使用方法の指定画面では、使用可能なネットワーク・イン
ターフェースが検出されるので、各ネットワークの使用方法を「インターフェース・タイプ」
より選択します。ここでは、eth0 を「パブリック」、eth1 を「プライベート」として使用しま
す。指定が完了したら「次へ」をクリックします。
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8. 記憶域オプションの情報
記憶域オプションの情報画面では、OCR および投票ディスクの格納場所を指定します。ここ
では格納場所として「自動ストレージ管理 (ASM) 」を使用します。記憶域オプションの選択後
「次へ」をクリックします。
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9. ASM ディスク・グループの作成
ASM を記憶域として指定したので、ASM ディスク・グループの作成画面では OCR および投
票ディスクを格納する ASM ディスク・グループの作成に必要な情報を入力します。任意の「デ
ィスク・グループ名」を入力し、「冗長性」のレベルを選択します。さらに、ディスク・グル
ープで使用するディスク・デバイスを選択します。「ディスクをスタンプ」をクリックして、
ASM で使用するディスクであることを指定します。
「ディスクをスタンプ」をクリックすると asmtool が起動されます。「Add or change label」
を選択してラベルの追加や変更を実施します。選択後「次へ」をクリックします。
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スタンプするディスクを選択し、ラベルのプレフィックス(ここでは DATA)を指定します。
スタンプするディスクと「ASM link name」を確認し「次へ」をクリックします。
「完了」をクリックします。
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「候補ディスク」にスタンプしたディスクが表示されるので、使用するディスクを選択(☑)
します。ディスクの選択後、「次へ」をクリックします。
10. ASM パスワードの指定
ASM パスワードの指定画面では、ASM 管理者(SYS ユーザーおよび ASMSNMP ユーザー)
のパスワードを指定します。各ユーザーに異なるパスワードを設定する場合は「これらのアカ
ウントごとに、異なるパスワードを使用」を選択してパスワードを設定し、「次へ」をクリッ
クします。
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11. 障害の分離のサポート
障害の分離のサポート画面では、IPMI の使用を選択します。本ガイドでは「Intelligent Platform
Management Interface (IPMI) を使用しない」を選択し、「次へ」をクリックします。
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(注意)Oracle Clusterware によるサーバー管理に IPMI を使用する場合には、
事前に IPMI の構成を実施しておきます。その上で OUI の上記、障害
の分離のサポート画面において「Intelligent Platform Management
Interface (IPMI) を使用」を選択し、
「ユーザー名」および「パスワー
ド」に構成時に設定した管理ユーザー名とパスワードを入力します。
また、この作業はインストール後にも実施できます。
*****************************************************************************
12. インストール場所の指定
インストール場所の指定画面では、「Oracle ベース」に Oracle Grid Infrastructure のベース・
ディレクトリ、そして「ソフトウェアの場所」にホーム・ディレクトリを指定します。インス
トール先を指定した後「次へ」をクリックします。
13. 前提条件チェックの実行
インストール前に、クラスタ検証ユーティリティによる前提条件チェックが実行されます。全
ての検証項目を満たしている場合には、自動的にサマリー画面へ遷移します。検証に失敗した
項目があれば画面に表示されます。
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14. サマリー
サマリー画面には、インストレーション・サマリーが表示されます。確認後「終了」をクリッ
クするとインストールが開始されます。
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15. 設定
設定画面ではインストールが進行中です。終了画面が表示されるまで待ちます。
16. 終了
終了画面が表示されれば Oracle Grid Infrastructure のインストールおよび構成作業は完了です。
「閉じる」をクリックしてインストーラを終了します。
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この時点で Oracle Grid Infrastructure のインストールは成功し、Oracle Clusterware の各種サービス
が正常に稼動しているはずです。以下のコマンドを実行してリソースの稼動状況を確認して下
さい。
C:¥> <GRID_HOME>/BIN/crsctl status resource -t
以下は、本ガイドで構成した 2 ノードクラスタ環境で、ASM を使用した場合の出力結果例です。
oc4j リソースと gsd はデフォルトでは OFFLINE となります。
C:¥> <GRID_HOME>/BIN/crsctl status resource -t
------------------------------------------------------------------------------NAME
TARGET STATE
SERVER
------------------------------------------------------------------------------Local Resources
------------------------------------------------------------------------------ora.DATA.dg
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.LISTENER.lsnr
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.asm
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.eons
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.gsd
OFFLINE OFFLINE
rac-node1
OFFLINE OFFLINE
rac-node2
ora.net1.network
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.ons
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
------------------------------------------------------------------------------Cluster Resources
------------------------------------------------------------------------------ora.LISTENER_SCAN1.lsnr
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
ora.LISTENER_SCAN2.lsnr
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.LISTENER_SCAN3.lsnr
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.oc4j
1
OFFLINE OFFLINE
ora.scan1.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
ora.scan2.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.scan3.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.rac-node1.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
ora.rac-node2.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
STATE_DETAILS
Started
Started
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4.2 RAC データベースの作成
4.2.1 Oracle Database のインストール
1. インストーラの起動
インストールするユーザー(ここでは Administrator ユーザー)でインストール・メディアか
ら setup.exe を実行し、インストーラを起動します。
あるいは以下のコマンドを実行します。
C:¥> <DATABASE_INSTALL_IMAGE>¥Disk1¥setup.exe
*****************************************************************************
(注意)Oracle Database のインストール・イメージを OTN よりダウンロードす
る場合には、ダウンロード時に別々に提供されている 2 つの zip ファ
イル内の database ディレクトリが統合されるように、同一ディレクト
リに解凍する必要があります。
*****************************************************************************
2. セキュリティ・アップデートの構成
セキュリティの問題について電子メールあるいは My Oracle Support (MOS) 経由で通知を受け
取る場合には、セキュリティ・アップデートの構成画面に情報を入力します。入力は任意なの
で、ここでは「セキュリティ・アップデートを My Oracle Support 経由で受け取ります。」のチ
ェックを外し「次へ」をクリックします。
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チェックを外した場合、次の警告メッセージが表示されますが「はい」をクリックして次の
画面に遷移します。
3. インストール・オプションの選択
インストール・オプションの選択画面では実行する操作を選択します。ここではデータベー
スの作成は Database Configuration Assistant (DBCA) を利用するものとし、「データベース・ソフ
トウェアのみインストール」を選択して「次へ」をクリックします。
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4. ノードの選択
ノードの選択画面では実行するインストールのタイプを選択し、インストールを実行するノ
ードを全て指定します。RAC を構成する場合は「Real Application Clusters データベースのイン
ストール」を選択し、全てのノード(ここでは rac-node1 および rac-node2)を選択(☑)します。
ローカル・ノードのチェックは必須です。選択後「次へ」をクリックします。
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5. 製品言語の選択
製品言語の選択画面では、製品を実行する言語を選択します。「日本語」と「英語」を選択
し「次へ」をクリックします。
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6. データベース・エディションの選択
インストールするデータベースのエディションを選択します。ここでは「Enterprise Edition」
を選択し、「次へ」をクリックします。
*****************************************************************************
(注意)
「オプションの選択」は、オプション機能について有効、あるいは無
効を設定します。インストールするオプション機能を選択するもので
はなく、ここでの選択の有無に関わらず、全てのオプション機能がイ
ンストールされます。
*****************************************************************************
7. インストール場所の指定
インストール場所の指定画面では、「Oracle ベース」に Oracle Database のベース・ディレク
トリ、そして「ソフトウェアの場所」にホーム・ディレクトリを指定します。指定後「次へ」
をクリックします。
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8. 前提条件チェックの実行
インストール前にクラスタ検証ユーティリティによる前提条件チェックが実行されます。全
ての検証項目を満たしている場合には、自動的にサマリー画面へ遷移します。検証に失敗した
項目があれば画面に表示されます。
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9. サマリー
表示されたインストレーション・サマリーを確認後「終了」をクリックしてインストールを
開始します。
10. 製品のインストール
インストールが実行されるので、終了画面が表示されるまで待ちます。
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12. 終了
終了画面が表示されれば Oracle Database のインストールは完了です。「閉じる」をクリック
してインストーラーを終了します。
4.2.2 ASMCA を利用したディスク・グループの作成
11g Release 2 から ASM 管理のための GUI ツール、Automatic Storage Management Configuration
Assistant (ASMCA) が提供されています。ASMCA を使用してユーザーは ASM インスタンスの
作成やアップグレード、またはディスク・グループ、ボリューム、Oracle ACFS の管理作業を実
施できます。
ここで紹介する手順は必須ではありませんが、構成によってディスク・グループの追加作成
が必要な場合には、コマンド・ラインあるいは ASMCA を使用して作成します。データベース
作成後で Enterprise Manager (EM) を構成した場合であれば EM からでも同様の操作が可能です。
本ガイドでは DBCA によるデータベース作成の前に ASMCA を実行し、データベースのリカ
バリ領域用のディスク・グループ (FRA) を作成しておきます。
1. ASMCA の起動
まず ASMCA を起動します。Oracle Grid Infrastructure のホーム・ディレクトリ下の BIN から起
動コマンドを実行します。
C:¥> <GRID_HOME>¥BIN¥asmca
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「ディスク・グループ」タブの画面には既存のディスク・グループが一覧表示されます。デ
ィスク・グループの新規作成を実行する場合は「作成」をクリックします。
2. ディスク・グループの作成
ディスク・グループの作成に必要な情報を入力します。任意の「ディスク・グループ名」を
入力し、「冗長性」のレベルを選択します。さらに「ディスクをスタンプ」をクリックして、
ASM で使用するディスクであることを指定し、メンバー・ディスクの選択を実施します。
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「ディスクをスタンプ」をクリックすると asmtool が起動されます。「Add or change label」
を選択してラベルの追加や変更を実施します。選択後「次へ」をクリックします。
スタンプするディスクを選択し、ラベルのプレフィックス(ここでは FRA)を指定します。
スタンプするディスクと「ASM link name」を確認し「次へ」をクリックします。
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「完了」をクリックします。
「候補ディスク」にスタンプしたディスクが表示されるので、使用するディスクを選択(☑)
します。ディスクの選択後、「OK」をクリックします。
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ディスク・グループ FRA を作成しています。
作成が完了するとメッセージが表示されます。ディスク・グループが正常に作成された旨を
確認し、「OK」をクリックします。クリック後、ディスク・グループの一覧画面に戻ります。
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3. ディスク・グループの作成後の確認
作成したディスク・グループ FRA が正常にマウントされていることを確認します。
*****************************************************************************
(注意)この後データベースの作成で使用するディスク・グループは「状態」
列を確認して、ディスク・グループを使用する全てのノードからマウ
ントされている状態であることを確認しておきます。ディスク・グル
ープに対する管理操作メニュー(マウントあるいはディスマウント、
ディスクの追加など)は、操作を実行したいディスク・グループ行上
で右クリックで表示できます。
*****************************************************************************
4.2.3 DBCA による RAC データベースの作成
Database Configuration Assistant (DBCA) を使用して RAC データベースを作成する手順を紹介
します。
1. DBCA の起動
Oracle Database をインストールしたユーザーで DBCA を起動します。
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あるいは以下のコマンドを実行します。
C:¥> <DB_HOME>¥BIN¥dbca
2. データベース・タイプの選択
起動後に表示されるようこその画面で「Oracle Real Application Clusters データベース」を選
択し RAC データベースの作成を実施します。選択後「次へ」をクリックします。
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3. 実行する操作の選択
続いて、実行する操作を選択します。「データベースの作成」を選択し、「次へ」をクリッ
クします。
4. データベース・テンプレートの選択
データベースの作成に使用するテンプレートを選択します。ここでは、データファイルを含
むテンプレートの「汎用またはトランザクション処理」を選択し「次へ」をクリックします。
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5. データベース識別情報の入力
データベースの作成に必要な情報を入力します。11g Release 2 で構成可能な RAC データベー
スのタイプは管理者管理型とポリシー管理型の 2 種類のタイプがあります。「構成タイプ」で
どちらの構成タイプにするかを選択します。さらに一意のデータベース名を「グローバル・デ
ータベース名」に入力します。
本ガイドのようにポリシー管理型の RAC データベースを作成する場合には、データベースを
作成するサーバー・プールを指定する必要があります。サーバー・プールを新規作成する場合
には、「このデータベースのサーバー・プールを新規作成」を選択して任意の「サーバー・プ
ール名」を入力し、「カーディナリティ」でそのサーバー・プールに含まれるサーバーの最大
数を定義します。
管理者管理型で RAC データベースを作成する場合には、サーバー・プールではなく RAC デ
ータベースを作成するノードを指定します。入力後「次へ」をクリックします。
*****************************************************************************
(補足)
「このデータベースに既存のサーバー・プールを使用」を選択し、既
に作成されたサーバー・プールを利用することも可能です。サーバ
ー・プールの新規作成や既存のサーバー・プールの属性変更には、サ
ーバー管理 (SRVCTL) ユーティリティを利用してコマンドで実行す
ることもできます。
*****************************************************************************
6. 管理オプションの選択
管理オプションの画面では、管理ツールの Enterprise Manager (EM) の構成やオプティマイザ
の統計の収集などのメンテナンス・タスクを自動管理する機能の設定ができます。それぞれ
「Enterprise Manager」あるいは「自動メンテナンス・タスク」タブを切り替えて選択します。
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本ガイドでは EM を構成しますので「Enterprise Manager の構成」がチェック(☑)されてい
ることを確認し、「次へ」をクリックします。
7. データベース資格証明の指定
データベース管理者(SYS ユーザー、SYSTEM ユーザー、DBSNMP ユーザー、SYSMAN ユ
ーザー)のパスワードを設定します。本ガイドのようにユーザーごとに異なるパスワードを設
定する場合は「別の管理パスワードを使用」を選択し、各ユーザーのパスワードを入力して「次
へ」をクリックします。
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8. データベース・ファイルの位置の設定
データベース・ファイルを配置する記憶域のタイプと配置場所を指定します。「記憶域のタ
イプ」では、自動ストレージ管理 (ASM) あるいはファイルシステムを選択します。本ガイドで
は ASM を選択しています。
また、配置場所として「Oracle Managed Files の使用」を選択し、「データベース領域」でデ
ータベース・ファイルを配置する ASM ディスク・グループを指定します。ここでは 4.2.2 で作
成したディスク・グループ「DATA」を指定します。指定後「次へ」をクリックします。
ASM を使用する場合、ASM 資格証明を求められます。「ASM 固有の ASMSNMP パスワード
の指定」には Oracle Grid Infrastructure インストール(10. ASM パスワードの設定)で指定した
ASMSNMP ユーザーのパスワードを入力し「OK」をクリックします。
*****************************************************************************
(補足)
「データベース・ファイルの位置」あるいは「データベース領域」の
変更は、いずれも直接入力フィールドを編集するか「参照」から入力
可能な値を選択して変更することが可能です。
*****************************************************************************
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9. リカバリ構成の設定
リカバリ構成では、フラッシュ・リカバリ領域の構成やアーカイブ・モードの有効化を設定
します。本ガイドでは「フラッシュ・リカバリ領域の指定」を選択(☑)し、「フラッシュ・
リカバリ領域」に使用する領域として、データベース・ファイルが配置されているディスク・
グループとは別の領域を指定します。リカバリ構成を設定後、「次へ」をクリックします。
10. データベース・コンテンツの設定
データベース・コンテンツ画面では、サンプル・スキーマの追加やデータベース作成後に実
行する SQL スクリプトの設定が可能です。「サンプル・スキーマ」あるいは「カスタムスクリ
プト」タブを切り替えて選択します。設定後「次へ」をクリックします。
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11. 初期化パラメータの設定
初期化パラメータに関する設定を実施します。「メモリー」、「サイズ指定」、「キャラク
タ・セット」、「接続モード」といった各タブから設定します。本ガイドでは、データベース
で使用する言語を「Unicode(AL32UTF8)を使用」へ変更し、「次へ」をクリックします。
12. データベース記憶域サマリー
データベース作成用の記憶域パラメータを設定します。設定可能なオブジェクトには、制御
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ファイル、表領域、データファイル、ロールバック・セグメント、REDO ログ・グループがあ
ります。これらのオブジェクトの新規作成や変更を実施する場合は設定し、「次へ」をクリッ
クします。
13. 作成オプションの選択
データベースの作成やデータベース作成スクリプトの生成といったオプションの選択を実施
します。本ガイドでは「データベースの作成」を選択(☑)し、「完了」をクリックします。
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14. サマリーの確認
続いてデータベースの作成についてのサマリーを確認します。内容を確認後、「OK」をクリ
ックするとデータベースの作成が開始されます。
15. 構成の実行
DBCA によるデータベースの作成が進行中です。
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データベースの作成が完了すると以下のようなメッセージが表示されます。メッセージには、
作成したデータベースの構成情報や EM を構成した場合であれば Database Control にアクセスす
るための URL が表示されます。情報を確認して「終了」をクリックすると DBCA を終了します。
以上でデータベースの作成は完了です。
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4.3 インストール後の確認
Oracle Grid Infrastructure のインストール後と同様に、以下のコマンドを使用して Oracle
Clusterware のリソースの稼動状況を確認します。
C:¥> <GRID_HOME>¥BIN¥crsctl status resource -t
以下は、本ガイドで構成した 2 ノードクラスタ環境における出力結果例です。出力されるリ
ソースに、新たに Database リソースが追加されています。
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C:¥> <GRID_HOME>¥BIN¥crsctl status resource -t
------------------------------------------------------------------------------NAME
TARGET STATE
SERVER
------------------------------------------------------------------------------Local Resources
------------------------------------------------------------------------------ora.DATA.dg
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.FRA.dg
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.LISTENER.lsnr
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.asm
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.eons
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.gsd
OFFLINE OFFLINE
rac-node1
OFFLINE OFFLINE
rac-node2
ora.net1.network
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.ons
ONLINE ONLINE
rac-node1
ONLINE ONLINE
rac-node2
------------------------------------------------------------------------------Cluster Resources
------------------------------------------------------------------------------ora.LISTENER_SCAN1.lsnr
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
ora.LISTENER_SCAN2.lsnr
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.LISTENER_SCAN3.lsnr
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.oc4j
1
OFFLINE OFFLINE
ora.orcl.db
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
2
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.scan1.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
ora.scan2.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.scan3.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
ora.rac-node1.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node1
ora.rac-node2.vip
1
ONLINE ONLINE
rac-node2
STATE_DETAILS
Started
Started
Open
Open
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Oracle EM Database Control が正常に稼動していることを確認します。接続には、以下の URL を
使用します。
https://<ホスト名または Access IP>:1158/em/
以下は、本ガイドの環境におけるログイン画面例です。
ログイン後の画面例は以下です。
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また、SCAN による接続を確認します。以下の接続文字列を使用します。
<接続文字列>
sqlplus system/Manager1@<SCAN_NAME>:<PORT_NUMBER>/<SERVICE_NAME>
また、接続にあたり環境変数 ORACLE_HOME および ORACLE_SID も設定しておきます。
以下は、本ガイドでの接続例です。
C:\> set ORACLE_HOME =C:¥app¥Administrator¥product¥11.2.0¥dbhome_1
C:\> set ORACLE_SID=orcl_1
C:\> sqlplus system/[email protected]:1521/orcl
SQL*Plus: Release 11.2.0.1.0 Production on 火 6 月 01 20:25:07 2010
Copyright (c) 1982, 2010, Oracle. All rights reserved.
Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.1.0 - 64bit Production
With the Partitioning, Real Application Clusters, Automatic Storage Management,
OLAP,Data Mining and Real Application Testing options
に接続されました。
SQL>
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