取材・撮影／坂口紀美子氏［三十六歳］それが、「カッコいい家」を提案する側の責務。 COGITE （コギト）　蒲牟田健作審美眼を磨き、コーディネート力を養い、カッコいい服を着続ける。建築家の Off Time 60 回第 ❶ 12 ❸ ❷ 2 ポーズ目 1 ポーズ目が行われていると思うと、おもしろい﹂と蒲牟田さん。互いに全幅の信んなに良い物を手に入れても、自分頼を置く、ほほえましい夫妻である。からにじみ出るものと合わなけれ﹁テーマは、おしゃれ﹂。編集部から秘密裏に指示を受けた今号の取そのワケは、蒲牟田さんが﹁我が家のファッションリーダー﹂と呼ぶば、ただの〝七五三〟でしたね﹂。材。ところが、建築家から﹁以前書妻、朱美さんとの出会いだ。三十路一七八センチ七〇キロの理想的な体形。街角でファッション誌から撮を記念した中学時代の同窓会で再会﹁住居でもファッションでも、カッコよくありたいというのは、要は見いたものだけど⋮﹂と受け取ったプし、﹁ほとんど話さずに、ひとめぼれ。栄っ張りの自己満足。それを満たすロフィールには﹁洋服好き﹂の文字交際を申し込むよりも先に結婚を決を問い続けるしかない。常に〝未影されたこともある蒲牟田さんだめた﹂と笑う。完〟を意識して、自分に厳しく、審が、十代のころ、雑誌モデルを真似洋服店で長年働いていた朱美さんとは、身に着けるもの、手に持つも美眼を磨く努力を重ねるしかありまが無い。首をひねりつつ事務所を訪の、身近に置くもの、すべてに﹁こせん﹂。そう言って、まっすぐカメれてなるほど了解。その後のストーじゃれたものが好き﹂という点で意ラを見つめた瞳に、﹁カッコいい家﹂て革ジャンを着こんでいたことを思い出すと赤面してしまうという。﹁ど気投合した。夫妻で買物に出かけれリーに、今回のテーマがあったのだ。ば、ロンハーマン、アダムエロペ、を提案する側の自負が輝いていた。社ごとう計画・設計に勤務／ 1997 年有限会社メイ建築研究所宮崎入社／ 2001 年 COGITE 設立／ 2005 年有限会社 COGITE に改組には、それに見合う自分であるかナノ・ユニバース、エストネーショ校建築学科卒業後、株式会ン、ハリウッドランチマーケット、年国立都城工業高等専門学ジャーナルスタンダード、デザイン 1975 年千葉県生まれ／ 1996 ワークス等のセレクトショップに立蒲牟田健作ち寄る。そこでの蒲牟田さんの決まり文句は、﹁これ、どう思う？﹂なのだという。直感で選んでも、﹁あなたのクローゼットの中にある服と合うかどうか、考えてみて﹂と朱美さんから厳しいダメ出しが飛ぶ。反論を試みたくもなるが、﹁でも結果、いつも妻が正解なんです。買物は、楽しみでもありコーディネート力を養うトレーニングでもあります﹂。もちろん建築の世界では、建築家は、平面図を指し示しながら同時に断面や奥行き、外壁の組み合わせに至るまで、複眼思考で全体を組み立 13 てているのが常だ。﹁洋服と建築。嫁さんと自分の頭の中で、同じこと（宮崎県宮崎市） ❶事務所で飼っている猫のバニラと一緒に。飼い始めた途端仕事が増えたことから、別名「あげニャン」と呼んでいるそう。 ❷「設計にはまず、施主の生活ぶりを聞くことを重視する」と話す蒲牟田さん。スタッフの牧田武さんは「打ち合わせの際、決して説明・説得ではなく、自然に相手が話しやすいようにもっていかれるのがすごい」と教えてくれた。 ❸蒲牟田さんの作業机。車好きともあって、ミニカーが並べられている。 ❹蒲牟田さんこの秋ヘビーローテの三変化！順に、 1 ポーズ目 / シャツ：バンドオブアウトサイダーズ、パンツ：リックオウエンス、レギンス：不明、靴：レペット 2 ポーズ目 / シャツ：キツネ、カットソー：ヴイルーム、ジャケット：メンズメルローズ（メンメル）、パンツ：ドリス・ヴァン・ノッテン、靴：レペット ❹ 3 ポーズ目 / シャツ：バンドオブアウトサイダーズ、ジャケット： 3 ポーズ目サカイ、パンツ：ロンハーマン、靴：アダムエロペ