Si(Li)軟 X 線検出器の管理について - 応用力学研究所 - 九州大学

九州大学応用力学研究所技術職員技術レポート vol.12, 123 ~ 124, 2011 年3月
Si(Li)軟 X 線検出器の管理について
九州大学応用力学研究所技術室
中島壽年
1. はじめに
高温プラズマ力学研究センターではトーラスプラズマに関しての研究が行われている。
現在は球状トカマク装置 QUEST が設置されて研究が進められているが、今回紹介するの
は強磁場トカマク TRIAM-1 及び超伝導強磁場トカマク装置 TRIAM-1M において整備・活
用された Si(Li)軟 X 線測定装置の Si(Li)軟 X 線検出器の維持管理について述べる。
2. Si(Li)軟 X 線検出器について
この検出器はエネルギー分解能を良くするために検出器と共にプリアンプ初段の FET
を液体窒素(-196 ℃)で冷却している[1,2]。
また、長期間保管する場合も冷却することにより検出器特性の劣化を防ぐことが出来る。
このようにこの検出器を良い状態にするためには常に液体窒素で冷却する必要がある[3]。
3.
Si(Li)軟 X 線測定装置と設置されている検出器
検出器は魔法瓶と同様な構造をもつデュワーと一体となっており、デュワーに液体窒 素
を満たすことにより冷却している。(写真 1)
(写真 2)に Si(Li)軟 X 線測定装置を示す。
Si(Li)軟 X 線検出器
(写真 1)
Si(Li)軟 X 線測定装置
(写真 2)
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中 島 壽 年
4. 補給する液体窒素について
液体窒素を保存するデュワーは魔法瓶と同じ構造で外気を遮断して出来るだけ液体窒素
が蒸発しないようになっている。しかし、液体窒素は絶えず蒸発して減っていくので常に
液体窒素を補充していかなければならない。
前の装置である超伝導強磁場トカマク装置 TRIAM-1M では超伝導コイルが用いられて
おり、超伝導を得るために液体ヘリウムを作る液化装置と多量の液体窒素を必要としたた
め 20000 ℓの液体窒素供給設備が設置されていた。検出器のデュワーに液体窒素を補給す
るのにその一部を使用することができたので、液体窒素の供給に関しては心配することは
なかった。しかし、QUEST 計画に切り替わり液体窒素供給設備が廃止となったので液体
窒素の手配が必要となった。
5. Si(Li)軟 X 線検出器の液体窒素補給業務について
現在は液体窒素を 175 ℓ液体窒素タンクで購入している。季節によって違いがあるが1
ヶ月に約 2 回の購入である。検出器のデュワーへの液体 窒素の補給は 175 ℓ液体窒素タン
クと設置場所が離れているため、5 ℓ用小型デュワーに移し替えて補給している。検出器
のデュワーへの補給は週 2 回満タンにしている。5 日以上補給しないと液体窒素が蒸発し
てしまうので 4 日から 5 日の補給に気をつけている。
175 ℓ液体窒素タンクから 5 ℓ用小型デュワーに取り出す場合、「蒸発した窒素ガス」を放
出してタンク内の圧力を 0.2MPa に下げるが最初の頃は下げかたが十分ではないため取り
出す液体窒素の勢いが強く容器の外へ飛び出してしまうので取出弁を絞って取り出してい
た。それでも圧力が高く 5 ℓ用小型デュワーに満タンすることが難しかった。
最近ではタンク内の圧力を 0.15MPa まで下げており、取り出し時間は少々長くなるが 5
ℓ用小型デュワーに満タンにすることができるようになった。またガスの圧力によって吹
き飛ばされる液体窒素も少なくなった。また長期の休みなど補充ができない場合は教員の
方の助けを借りている。
175 ℓ液 体窒素タンク(写真 3)
5 ℓ用小型デュワー(写真 4)
参考文献
[1] Sato, T., Toi, K., Nakamura, K., Nakamura, Y., Hiraki, N. and Itoh,S.: Soft X-ray Measurements
in the TRIAM-1 Tokamak, Reports of Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu
University No.91(1981)27
[2] 槇野義信, 川崎昌二, 上瀧恵里子, 森山伸一, 永尾明博, 中村一男, 中村幸男, 平城直治,
伊藤智之: TRIAM-1M における電流駆動時の軟 X 線計測及び可視分光計測、九州大学
応用力学研究所所報 第 68 号 平成元年 p.498
[3] ニコラス ツルファニデイス著 阪井英次訳: 放射線計測の理論と演習(上)基礎編
(現代工学社 1993.12.15)p.252
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