焼却炉 ごみ 焼却灰 飛灰 埋立

表 1 熱回収施設の方式概略比較(参考例)
処理方式
項
①焼却方式
目
②焼却+灰溶融方式
③ガス化溶融方式
ごみ
ごみ
ごみ
焼却炉
ガス化溶融炉
焼却炉
概略処理フロー図
(例)
焼却灰
焼却灰
飛灰
埋立
フローの説明
型式
実績等
飛灰
灰溶融炉
スラグ・メタル
溶融飛灰
有効利用
埋立
スラグ・メタル
溶融飛灰
有効利用
埋立
・ごみを焼却炉で焼却し発生する焼却灰、飛灰を埋立処分される。・①に加え灰溶融炉を外付けしたシステムである。
・発生した焼却灰及び飛灰を灰溶融炉で溶融しスラグ・メタルとして
排出する(飛灰の溶融は場合による)
。
・灰溶融炉から排出されたスラグは路盤材等、メタルは非鉄金属原料
等で有効利用される。
・灰溶融炉から排出される溶融飛灰及び焼却炉から排出される飛灰は
埋立処分される。
・ごみをガス化溶融炉で直接あるいは熱分解ガス化し溶融する。
(機能的には②の焼却炉と灰溶融炉を一体としたもの)
・ガス化溶融炉から排出されたスラグは路盤材等、メタルは非鉄金
属原料等で有効利用される。
・ガス化溶融炉から排出される溶融飛灰は埋立処分される。
・焼却炉はストーカ式、流動床式、キルン式の型式がある。
・ガス化溶融炉はシャフト式、流動床式の型式がある(表 2 参照)。
・焼却炉はストーカ式、流動床式、キルン式の型式がある。
・溶融炉は外付けで、電気式や燃料式がある(表2参照)
。
・現在の都市ごみ処理技術では、主流を占めている方式である。 ・現在の都市ごみ処理技術では、主流を占めている方式である。
・近年、受注案件が増加している方式である。
・焼却炉は現在まで長期間において多数の実績があり、これまで ・焼却炉は現在まで長期間において多数の実績があり、これまでの稼 ・ガス化溶融炉(流動床式)は焼却炉、灰溶融炉と比較すると実績
の稼働状況から大部分の安全・安定稼働に係る問題点を抽出・ 働状況から大部分の安全・安定稼働に係る問題点を抽出・解決して が少ない。
解決していると言える。
いると言える。
・ガス化溶融炉(シャフト式)は灰溶融炉と比較しても十分な実績
・焼却炉の連続運転については、十分対応可能であることが長年 ・焼却炉の連続運転については、十分対応可能であることが長年の実 がある。
の実績により確認されている。
績により確認されている。
・灰溶融炉は焼却炉に比べると実績は短いが、ガス化溶融方式に比べ
ると相対的には実績がある。
・灰溶融炉の連続運転については、ストーカ炉では十分対応可能であ
ることが長年の実績により確認されている。
表 2 焼却炉の概要(参考例)
方式
項目
構
概
ストーカ式
流動床式
造 図
要
ストーカ式燃焼装置は、ごみを可動する火格子(揺動式、階段式、回転式等)上でごみを移動させながら、
火格子下部から空気を送入し、燃焼させる装置である。
流動床式燃焼装置は、けい砂等の粒子層の下部から加圧した空気を分散供給して、蓄熱したけい砂等を
流動させ、その中でごみを燃焼させる装置である。
ストーカ式燃焼装置は、乾燥・燃焼・後燃焼ストーカ又はゾーンによって構成され、それぞれの目的に応じ
流動床式焼却炉は定常状態において、灼熱状態にあるけい砂等の流動媒体の攪拌と保有熱によって、ご
て、その運動を調整し、かつ、送りと攪拌の作用を的確に行える必要がある。また、火格子は損傷の少ないこ
みの乾燥・熱分解(ガス化)
・燃焼の過程を短時間に行う特長を有している。ごみは灼熱状態にある流動
とはもとより、アルミ、ガラス等の溶融物の落下を防止するよう、その構造と運動方式を考慮するとともに、 媒体と活発に接触するため、水分を多く含んだ低発熱量ごみを容易に処理することができ、また、プラス
耐熱・耐摩耗性の良好な材料を使用する必要がある。
チックのような高発熱量ごみに対しても媒体の流動によって、速やかに炉床全域に熱を均一化できる。
一般にストーカ式燃焼装置は、燃焼に先立ちごみの十分な乾燥を行う乾燥帯・乾燥したごみが乾留されなが
流動床式燃焼装置は、流動用押込み空気により流動層を形成している高温流動媒体の中で、ごみの乾
ら炎を発し、高温下で活発な酸化反応が進む燃焼帯及び焼却灰中の未燃分の燃え切りを図る後燃焼帯から構成
燥・燃焼を行うもので流動層を保持する散気装置、炉底から不燃物を選別する不燃物選別装置、流動媒体
されているが、型式によっては、このような明確な区分を設けずに同様な効果を得ている場合もある。
を炉内に返送する流動媒体循環装置から主に構成されている。
表 2 灰溶融炉の概要(参考例)
方式
項目
構
概
燃
回転式表面溶融炉
固定式表面溶融炉
料
反射式表面溶融炉
燃
焼
輻射式表面溶融炉
式
旋回流式溶融炉
ロータリーキルン式溶融炉
コークスベット式灰溶融炉
造 図
要
回転式表面溶融炉は竪型
固定式表面溶融炉は重油、
反射式表面溶融炉はバー
輻射式表面溶融炉はバー
旋回流式溶融炉は上部よ
ロータリーキルン式溶融
コークスベット式灰溶融
二重円筒構造としており、外
灯油、ガスを熱源に灰を溶融
ナ で 炉 内 温 度 を 1,400 ~
ナを使用してその輻射熱を
り旋回溶融部、スラグ分離
炉はバーナで灯油等を燃焼
炉はコークスを熱源として、
筒と内筒の間に供給される
しており、炉の構造は、一般
1,450℃に加熱昇温し、炉内
利用して、炉内温度を 1,400
部、スラグ抜出部で構成さ
させ、ロータリーキルン内に
焼却残渣を溶融するもので
焼却残渣を内筒上部のバー
的に灰供給装置、炉本体、バ
の焼却残渣を表面から溶融
~1,500℃に昇温し炉内の焼
れ、旋回溶融部において飛灰
定量供給された焼却残渣を
ある。
するものである。
却残渣を表面から溶融する
を1次空気とともに旋回を
輻射及び揮炎効果で加熱溶
ものである。
与えて炉内に吹き込み、バー
融するものである。
ナ(灯油、天然ガスでも可能) ーナ等から構成される。
により溶融するものである。
また、2系統の溶融炉が向
かい合わせに一対となった
外筒と炉底は一体構造で
構造のものもある。
緩速回転(0.5~2rpm)する
ため、焼却残渣は供給口が 1
連続的に供給される焼却
ヶ所でも全周に均一に配分
灰は、バーナにより表面から
されている。
溶融し、出湯口から水砕ピッ
トに落ちる。
焼却残渣或いは付加燃料
として破砕粗大ごみを混合
溶融スラグが直接炉体に
した焼却残渣は乾灰を磁選、
接触することは少なく、焼却
振動篩い掛けし、連続的に耐
灰自体が断熱材となり、炉体
火構造の炉内に供給、溶融
を保護する構造となってい
(1,250~1,350℃)され、スラ
る。
グポートを流下する。
バーナの燃料はA重油を
防止しながら二次燃焼室へ
送られ、未燃ガスを燃焼し排
ガス処理装置で処理する。
焼却残渣、コークス、石灰石
ナ(ブタンガス等)により瞬
用いているが、その他の液
焼却残渣は振動篩い掛け、
時に加熱溶融(飛灰融点より
供給する焼却残渣は前処
を装入し、周辺部からコーク
体、気体燃料にも対応でき
磁選した水分 30~50%のも
約 100℃高温)し、2次空気
理の必要がなく、ロータリー
スを装入する。焼却残渣はコ
る。
のを連続的に耐火構造物の
を吹き込み燃焼特性をコン
キルン内に連続的に投入し、
ークスの燃焼排ガスで乾
溶融炉に投入し溶融する。溶
トロールするものである。
溶融してスラグコンベヤに
燥・予熱し、炉下部のコーク
出滓する。
スベッド層で溶融・滴下し出
焼却残渣は乾式のものを
融スラグは連続的に出滓口
細破砕、磁選したものを連続
を越流し、水砕スラグとす
的に耐火構造物の溶融炉に
る。
投入し溶融する。
排ガスは冷却後バグフィ
溶融スラグは連続的にス
ラグタップを流下する。
焼却用空気は熱回収し冷
湯口から排出する。
溶融スラグはスラグ分離
部を通りスラグ抜出部から
排ガスは二次燃焼後冷却
排出し、空冷スラグとして取
し、バグフィルタで排ガス処
り出す。
理する。
炉内で発生したガスは後
段の燃焼室で完全燃焼させ、
熱回収し冷却後排ガス処理
ルタで排ガス処理する。
排ガスは冷却後、バグフィ
ルタで処理する。
却後、排ガス処理する。
排ガスは、スラグの凝固を
溶融炉本体の中央部から
する。
方式
項目
構
電
交流アーク式溶融炉
交流電気抵抗式溶融炉
気
式
直流電気抵抗式溶融炉
プラズマ式溶融炉
造 図
水冷トーチ使用
概
誘導式溶融炉
要
黒鉛電極使用
プラズマ式溶融炉はプラズマトーチとして金属製の水冷
交流アーク式溶融炉は、炉上部
交流電気抵抗式溶融炉は、炉上
直流電気抵抗式溶融炉は、炉上
の電極に電圧を加え、炉底部のベ
部の電極に交流電圧をかけ、焼却
部にある一本の電極と炉底の導電
ー スメタ ルの間 に高 温(3,000 ~
残渣の溶融スラグに電流を流す。
性耐火物を介してベースメタル間
金属製の水冷トーチ使用のプラズマ式溶融炉は、トーチの
5,000℃)のアークプラズマを生成
溶融スラグが電気抵抗体となり、
に直流電圧を加え、焼却残渣の溶
水冷分の熱損失を伴うが電極の寿命が長い。また、プラズマ
導電体(鉄浴)は加熱溶融(1,400~1,450℃)撹
し、このエネルギーで 1,500℃程
電気抵抗熱(ジュール熱)を発生さ
融スラグに電流を流し、溶融スラ
生成用ガスは空気又は不活性ガスを使う。水冷トーチはトー
拌し、鉄浴上の焼却灰等を溶融するものであ
度に加熱し、ベースメタル上の焼
せ、その熱で約 1,500℃に溶融スラ
グ自体の電気抵抗熱により焼却残
チ内に正・負の一方の電極を有し、トーチ外に対極を設ける
る。
却残渣を溶融するものである。
グを保持し、溶融スラグ上層焼却
渣を溶融する。
トランスファ型とトーチ内に正・負の両電極を有するノント
灰等(カバーリング灰)を輻射熱、熱
焼却残渣は、乾燥、振動篩い掛
伝導で溶融するものである。
構造の溶融炉に投入し溶融する。
ランスファ型とがあるが、灰溶融ではトランスファ型が使用
焼却残渣は必要に応じ振動篩い
掛け、磁選したものを溶融炉へ投
け、磁選したものを連続的に耐火
焼却残渣は乾燥、振動篩い掛け、 入し溶融する。
1,300~1,500℃の溶融スラグは連
磁選したものを連続的に溶融炉に
続的に出滓口から越流し、水冷固
投入し溶融する。
されている。
一方、黒鉛電極使用のプラズマ式溶融炉の電極は消耗型で
あるが、トーチの水冷がない分熱損失が小さい。プラズマ生
流電流を流して発生する磁束で炉内導電体(鉄
浴)に渦電流が起こる。渦電流のジュール熱で、
誘導式には高周波を用いる方法もある。焼却
残渣は、磁選、破砕、振動篩い掛け、調整剤(コ
ークス、塩基度調整剤)添加したものを耐火構
造の炉内に連続的に投入し溶融する。
成用ガスは不活性ガスを使用し、プラズマ電極はトランスフ
溶融スラグは炉内に一定時間滞
留し、比重差によりスラグと鉄分
化される。
トーチを使ったものと黒鉛電極を使ったものがある。
低周波誘導式溶融炉は、炉外部のコイルに交
ァ型で両極をトーチと炉底電極とに設けている。なお、2つ
の電極を設け、炉底電極の代わりとする形式もある。
カバーリング灰で覆った還元雰
等に分離され、炉下部より排出さ
これらのプラズマ式溶融炉は炉上部のプラズマトーチに
炉内は空気を吹込み焼却残渣の
囲気で溶融し、スラグは連続的に
れる。また、炉内のスラグは直流
電圧を印加して、アーク放電を発生させる。これにプラズマ
未燃分を燃焼させ、約 1,000~
出滓する。他方、比重が大きい鉄
電気による電気化学的分解作用や
生成用ガスを通すことにより、高温(15,000~20,000℃)のプ
1,300℃の酸化雰囲気としており、 分等は溶融スラグと分離して、ス
電磁撹拌作用を受け、低沸点物質
ラズマガスを発生、噴出させ、炉内焼却残渣を加熱溶融する
炉からの排ガスは冷却後、バグフ
ラグ層の下に溶融メタル層を形成
を含 む揮発性物質 が積極揮散 さ
ものである。
ィルタで集じん処理する。
し間欠的に除去する。
れ、炉下流側の湿式スクラバ等に
より捕集される。なお、CO を主成
焼却残渣の数%の有機分は溶融
分とする可燃ガスは、下流の燃焼
炉内で分解し、CO を主成分とする
室やガス冷却室で再燃し急冷され
可燃ガスとなり、排ガスとなる。
系外へ排出される。
なお、直流方式と交流方式があるが、安定性の点から直流
方式が採用されている。
焼却残渣は必要に応じ、細破砕、磁選、或いは乾燥したも
のを耐火構造の炉内に連続的に投入し溶融する。
約 1,500℃の溶融スラグは出滓口から連続的に流出し、水
再燃し冷却後、バグフィルタで集
砕、空冷等のスラグとする。また、溶融されたメタルは定期
じん処理する。
的にメタルを出滓口より出滓する場合とスラグとともに連
続出滓する場合がある。
炉からの排ガスは未燃ガスを多く含む場合、燃焼装置で燃
焼し冷却後、バグフィルタで集じん処理する。なお、システ
ムによっては脱硝装置等も付設する。
溶融スラグはオーバーフローで連続的に排
出され水砕スラグとなり、金属類は鉄浴(銑鉄)
に取り込まれる。
排ガスは未燃物、低沸点物のガス化したもの
で、冷却後バグフィルタで処理される。
表 3 ガス化溶融方式の概要(参考例)
処理方式
項
目
概
概
シャフト炉式直接溶融炉
(熱分解溶融一体方式)
流動床式ガス化溶融炉
(熱分解溶融分離方式)
・製鉄の高炉技術が基礎となっており、竪型シャフト炉構造で、乾燥、ガス化、溶融を同一炉内で行
う。
・ごみは炉の上部からコークス及び石灰石とともに投入される。
・炉頂から炉底に向けて下降する過程で乾燥し、可燃分は熱分解してガス化、不燃分は炉底部で溶融
して炉外にスラグとして取り出される。
・熱分解ガスは、炉頂から後段の燃焼室で完全燃焼を行う。
・シャフト炉式には、溶融炉にコークスを使用せず純酸素を用いる方式もある。
・ごみを還元状態で 450℃~600℃付近で熱し、熱分解ガス化と炭素分(以下、チャーとする)に分解し、
後段に設置されている溶融炉で熱分解ガスとチャーを熱源として溶融を行う。
・熱分解を行う熱分解炉には、焼却処理にも用いられている流動床炉の技術が用いられている。
・アルミ、鉄、がれき等の不燃物は、熱分解炉底部より抜き出される。
・後段の溶融炉には、旋回流式溶融炉が用いられる。
・発生したガスとチャーは溶融炉へ送り、残渣の灰分を自己熱溶融する。
略 図(例)
要
処理方式
項
シャフト炉式直接溶融炉
(熱分解溶融一体方式)
目
流動床式ガス化溶融炉
(熱分解溶融分離方式)
ごみピット
ごみピット
溶 融 炉
流 動 床 炉
概略処理フロー
(排ガス)
2次燃焼室
選別
旋回溶融炉
(排ガス)
廃熱ボイラ
廃熱ボイラ
(スラグ)
スラグピット
(メタル)
(不適物)
排ガス処理
不適物ピット
排ガス処理
煙突
煙突
メタルピット
(スラグ)
スラグピット
(溶融飛灰)
(メタル)
(溶融飛灰)
メタルピット
安定化処理
埋
処 理 対 象
安定化処理
立
埋
立
・特に制約はなく、幅広いごみ質に対応可能である。
・埋立てごみや焼却灰等の溶融処理が可能であるが、コークス添加量が増える。
・特に制約はない。
・投入口以下のサイズであれば可。
・不燃物排出部での詰まり防止上、細分化のため粗破砕が必要。
・比較的安定しているが、タールやチャーによるアーチングの発生の恐れがある。
・補助燃料(コークス等)を常時使用する。
・流動床内の温度を 500℃程度の低温とし、ガス 化反応を緩慢にすることで流動床炉と比べ安定している。
・ガス化温度が低く炉内脱塩が可能である。
・機種によるが 1,500kcal/kg (6,279kJ/kg)以下の低カロリーごみに対しては助燃が必要である。
サイズの制約
燃 焼 特 性
ダイオキシン類対策
安
全 性
・シャフト炉後段もしくは上部の燃焼室で燃焼処理することにより、ダイオキシン類の発生抑制が図 ・熱分解ガス(排ガス)とチャーを 1,350℃付近の高温で溶融を行うことにより、0.1ng-TEQ/m3N 以下の達
成が可能である。
られ、0.1ng-TEQ/m3N 以下の達成が可能である。
・熱分解により生ずる可燃性ガスを取り扱うためトラブルが重複した場合におけるガス爆発・ガス中 ・熱分解により生ずる可燃性ガスを取り扱うためトラブルが重複した場合におけるガス爆発・ガス中毒が懸
毒が懸念される。また、シール不良による高温ガスの漏洩が原因となる作業環境の悪化等に注意す 念される。また、シール不良による高温ガスの漏洩が原因となる作業環境の悪化等に注意する必要がある。
る必要がある。
・溶融炉部分については、冷却水が漏洩した場合の水蒸気爆発及びスラグ出滓部における水蒸気爆発に注意
・溶融炉部分については、冷却水が漏洩した場合の水蒸気爆発及びスラグ出滓部における水蒸気爆発
する必要がある。
に注意する必要がある。
・熱分解後のカーボン及び可燃性ガスを溶融工程まで分離せず処理する。
処理方式
項
シャフト炉式直接溶融炉
(熱分解溶融一体方式)
目
熱 利 用 性
(発 電)
主な副生成物
(回 収 物)
流動床式ガス化溶融炉
(熱分解溶融分離方式)
・コークスと純酸素の投入によりごみ以外のエネルギー使用で変動を押さえつつ発電するため、安定 ・発生する熱分解ガスの質と量の変動により、やや安定性が劣る。
性は高い。
・排ガス温度が高く排ガス量が少ないことから、ボイラ効率が良くなると考えられる。
・発電効率 20%程度である。
(コークスの添加により発電量は増加する)
・発電効率は 20~25%程度である。
・溶融スラグ(道路用材料としての骨材及び路盤材、或いは、コンクリート用骨材としての利用を期 ・溶融スラグ(道路用材料としての骨材及び路盤材、或いは、コンクリート用骨材としての利用を期待でき
待できる。)
る。
)
・溶融メタル(非鉄金属原料としての有効利用を期待できる。
)
・溶融メタル(非鉄金属原料としての有効利用を期待できる。
)
・溶融飛灰 (非鉄金属原料としての有効利用を期待できる。
)
・溶融飛灰 (非鉄金属原料としての有効利用を期待できる。
)
・全ての副生成物の有効利用を見込めた場合、埋立対象物はゼロとなる。
・全ての副生成物の有効利用を見込めた場合、埋立対象物はゼロとなる。
埋立空間節減性
運転・維持管理性
運 転 資 格
(発電付の場合)
・第1号実用施設は、昭和54年9月より稼働を開始しており、これまでにシステムとしての技術が蓄 ・第1号実用施設は、平成 12 年 10 月より稼働を開始しており、これまでにシステムとしての技術が蓄積さ
積された年数が約26年であり、流動床式ガス化溶融方式に比べて、稼働年数が長い。
れた年数が約 5 年である。
・製鉄所の高炉の操業技術が必要で、管理も複雑であるため、操業の熟練度が必要であり、直営での ・前処理によるごみの均質化及びガス化炉への安定供給が重要となるため、破砕機の設置及び条件次第では
運転に不向きな面がある。
乾燥機や脱水機等を設置する必要が生じる。ガス化炉、溶融炉のいずれかの一方のトラブルは施設全体に
・コークス添加による高温溶融を行うため、ごみの前処理が不要である。
影響することがある。
・熱分解ガス化部分が部分燃焼方式であり、ごみの性状の変化に合わせた部分燃焼の自動制御が重要になる。
・ボイラタービン主任技術者
・電気主任技術者
・クレーン運転士
・第1種圧力容器取扱主任者
・ボイラタービン主任技術者
・電気主任技術者
・クレーン運転士
・第1種圧力容器取扱主任者