機器を用いたディップ運動 による肩関節可動域 による肩関節可動域の

機器を用いたディップ運動
による肩関節可動域の
による肩関節可動域の
改善効果
改善効果
立原久義
大久保病院 リハビリテーション科
水池 千尋, 石原 康成, 堀江 翔太, 大谷 豊
39th JOSSM
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背景
•上肢スポーツ障害の原因
肩甲骨周囲筋の柔軟性低下による肩甲胸郭
Braun BS: JBJS(Am), 2009.
関節(ST)の可動域制限
菅谷: 関節外科, 2010.
セラピストによる徒手療法
時間的・経済的制約
セルフエクササイズ
有効性の検討が不十分
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目的
• ディッピングマシン
セルフエクササイズ
肩甲骨周囲筋の柔軟性向上
→ 有効性の評価が不十分
機器を用いた短時間のディップ運動が
肩関節可動域に及ぼす影響について検証
39th JOSSM
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対象
• 健常成人: 20名40肩
肩疾患の既往なし
男性: 11名,女性: 9名
平均年齢: 33歳(21~50歳)
39th JOSSM
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方法
• 使用機器:Hogrel ディッピングミニ (是吉興業)
• 運動:2肢位でのディップ運動
開始肢位①:肩外転・肘屈曲・前腕回内位
開始肢位②:肩伸展・肘屈曲・前腕中間位
• 負荷強度:50N
• スピードと回数:自由なタイミングで20回ずつ
Total 40回
約3分程度
39th JOSSM
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ディップ運動の実際
開始肢位①:肩外転・肘屈曲・前腕回内位
39th JOSSM
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ディップ運動の実際
開始肢位②:肩伸展・肘屈曲・前腕中間位
39th JOSSM
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検討項目1
• 肩関節自動可動域
前方挙上角度
結帯動作
指椎間距離 = C7棘突起から母指先端の距離
前方挙上での肩甲上腕関節(GH)の可動範囲
Spino-Humeral Angle (SHA)の変化量
39th JOSSM
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SHAの変化量
• SHA = 肩甲棘と上腕骨長軸がなす角度
SHA
挙上時のSHA – 下垂時のSHA = GHの可動範囲
39th JOSSM
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検討項目2
• 主観的感覚の変化
アンケート調査
「上がりやすくなった」
「変わらない」
「上がりにくくなった」
*統計学的検討: Paired t-test
39th JOSSM
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結果
39th JOSSM
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肩関節自動可動域
運動前
運動後
前方挙上角度 (°)
157.8
161.4
p<0.05
指椎間距離 (mm)
137.4
125.6
p<0.05
SHAの変化量 (°)
108.9
109.8
n.s.
肩関節自動可動域は改善
GHの可動範囲は変化なし
の可動範囲は変化なし
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主観的感覚の変化
上げやすくなった 変わらない 上げにくくなった
10 名
10 名
0名
半数で自覚的に効果を実感した
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考察
39th JOSSM
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ディップ運動の効果
• 本研究:
自動挙上角度改善
GHの可動範囲は変化なし
の可動範囲は変化なし
STの可動域拡大
の可動域拡大
• 第12~7胸椎での結帯動作は主にSTで遂行
本田: 理学療法学, 2004.
結帯動作の改善
39th JOSSM
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可動域拡大の機序
• 僧帽筋上部,菱形筋,前鋸筋の筋活動↑
加賀谷, 2011.
相反抑制
反復収縮
• Ⅰa抑制・Ⅰb抑制・反回抑制
• 筋内発痛物質の排泄
• 結合織の粘性低下
・ 拮抗筋の弛緩
林: 理学療法, 1990.
STでの可動域拡大
での可動域拡大
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今後の課題
• 効果的な使用方法
肢位
スピード
回数
強度
• 実際の症例での検討
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結語
• 機器を用いたディップ運動が肩関節可動域に
及ぼす影響について検証した.
• STの可動域改善により,挙上,結帯動作の可
動域が拡大した.
• 半数で自覚的に効果を実感できた.
• 機器を用いたディップ運動は,STの可動域改
善に効果的なセルフエクササイズであった.
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39th JOSSM
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