発達障がい児者支援に係る市町村 アンケート調査結果の概要について 平成25年7月とりまとめ 大阪府障がい福祉室 地 域 生 活 支 援 課 参考資料3 1 乳幼児~学齢期 保健師に対する研修の実施状況 約半数(22)の市町村において保健師に対する研修を実施していると回答。 (ただし他機関の実施する研修に参加しているものも含む。) 【回答例】 • 大阪府等、他機関が実施する研修会に参加している。 • 1年目研修の時に発達障がいに関する研修を行っている。 • 乳幼児健診・予防接種研修会のテーマとして開催したことがある。 • 保健センター主催の研修会を実施。 • 市の関係機関によって構成される子育て関係機関連絡会で発達障がいをテーマとして研修を実施する事もある。 • 課内の母子担当保健師、保育士、発達相談員を対象に年2回程度、発達相談員・言語聴覚士より、乳幼児の発達 等について研修会(勉強会)を実施。 • 心理判定員を講師に、1歳7ヶ月児健診の問診項目の検討および事例検討会を実施。 • 少人数での事例検討会、臨床心理士によるOJTなど。 2 1 乳幼児~学齢期 専門療育の実施状況 約半数(22)の市町村において発達障がい児に対する専門療育を実施していると回答。 【実施内容等】 幼児教室、親子教室や児童発達支援事業、放課後等デイサービスによる実施など、その形 態は様々であり、内容も発達障がいに特化した個別療育から、知的障がい児なども含めた 支援など様々な内容であることが想定される。 実施主体は委託も含めて市町村が多い。 定員は市町村の規模によりばらつきがあるが、十名から数十名のところが多い。 対象年齢は、市町村によりばらつきがあるが、2歳から未就学児までを対象としているところ が多い。 3 1 乳幼児~学齢期 保育所に対する支援の状況 保育士研修の実施状況 保育所に対する巡回支援の実施状況 複数回答可 38市町村で実施していると回答。(そのうち市町村独自 の研修を実施しているとしたところは32。) 【回答例】 年間1回程度、全体研修、定員150名で実施。 障がい児保育交流会(実践の報告等)、障がい児保育担当者研修(障 がい児加配の保育士対象 講演会)、障がい児保育保護者講演会を実 施。 障がい児保育制度を利用している子ども達のうち発達障がいといわれ ているケースについて報告をし、議論を深め、発達相談員に助言をもら う学習会に公立保育園18園各1~2名ずつが出席、子どもに対しての 理解を深める。 「発達障がいについての正しい理解」の講演会を講師を招いて実施。市 内公立、民間、認可外保育園、健康増進課、幼稚園へ案内し実施。 「障がい児保育研究会」として、公立・民間保育所に対して研修を実施。 発達障がいに特化した支援を実施していると回答した市町村 は5。障がい全体に関する支援を行う中で発達障がいに関す る支援を実施しているとしたところは29。 【回答例】 1年に2回以上、心理相談員や保育士による巡回相談(行動観察とケースカ ンファレンス)を実施。 市内の公立・民間保育園で巡回相談を実施。知的障がいのない発達障がい 児(疑い)の場合は、集団観察・子どもの行動に関する基礎調査票などを用 いてアセスメントし、支援を行っている。 保育所の希望に応じて家庭児童相談室所属の臨床心理士が巡回し、発達 障がいについての助言を実施。また、教育委員会から公立保育所に年3回 の定期的な巡回相談を実施。市域支援教育コーディネーターと指導主事が 訪問。保育の観察と指導・助言。 全公立保育所と希望する民間保育所(公設置民営含む)に対し「障がい児保 育巡回指導講師派遣事業」を実施。 4 1 乳幼児~学齢期 幼稚園に対する支援の状況 幼稚園教諭研修の実施状況 幼稚園に対する巡回支援の実施状況 複数回答可 36市町村で実施していると回答。(そのうち市町村独自 の研修を実施しているとしたところは31。) 【回答例】 市内幼稚園・小中学校教職員を対象に特別支援教育コーディネーター 研修を共通で5回、ベーシック・アドバンス各コースで2回実施。 支援教育研修の実施(年間5回)。支援教コーディネーター研修(コー ディネーターの教師を対象に年間4回) 市保育所等職員の資質及び専門的知識を向上させるため、講師を招い た研修を年2回実施。対象者は市内の公立及び民間保育所、幼稚園、 養護施設の職員。 特別支援教育に関する教職員研修を実施する中で、年間数回発達障 がいに関する内容を実施。 幼稚園人権教育研修として市立幼稚園全教職員対象に「発達障がいに ついて」研修を行っている。 発達障がいに特化した支援を実施していると回答した市町 村は9。障がい全体に関する支援を行う中で発達障がいに 関する支援を実施しているとしたところは27。 【回答例】 自閉症に関する巡回相談の形で研修を実施。 心理士、訓練士の巡回相談を実施。(市立、民間共に園ごとに実施) 巡回相談チームで巡回訪問を行い、教諭等からの相談を受け、支援策を検 討。指導・助言。発達相談員が幼稚園を巡回する事により、障がいや発達 上の問題を持つ児童のより円滑な入所及び入所後の適切なサポートをす る。 発達障がいの診断のある園児対象に、初年度2回・次年度1回の療育セン ター児童指導員と市教委指導主事による巡回相談。 大学教授、教育支援センター相談員(心理士)による巡回相談を実施してい る。(全園実施) 5 1 乳幼児~学齢期 小学校に対する支援の状況 小学校教諭研修の実施状況 小学校に対する巡回支援の実施状況 複数回答可 回答のあった全ての市町村で実施していると回答。(うち 市町村で独自に実施しているしたところは34。 【回答例】 支援教育基礎講座1(子どもの理解講座)全10回、支援教育基礎講座 2(学級経営)全5回を、幼稚園・小中学校の希望する教職員対象に実 施。 全小学校対象に、発達障がいも含む、市立小・中学校の支援教育の推 進のための研修を年3回、学校の支援教育全般に関わる立場の支援 教育コーディネーター向けの研修を年3回実施。 「研修相談支援室・PASSO」による研修を実施。 全4回の連続講座と夏季テーマ別研修、実践報告会等を実施。 特別支援教育研修を年2回実施。内容は「発達障がいの理解と一貫し た支援」「子どもの課題発見と支援のポイント」等。) 発達障がいに特化した支援を実施していると回答した市町村 は8。障がい全体に関する支援を行う中で発達障がいに関す る支援を実施しているとしたところは29。支援学校が行う巡 回相談を活用しているところは26。 【回答例】 学校・園から申請を受け、相談票等をもとに、巡回相談講師とともに、授業や 活動の様子を見学し、指導に当たる教職員に対する指導助言等を実施。 自閉症の専門家による巡回相談を実施している。 心理士、社会福祉士、保健師が小学校を随時訪問して相談対応している。 通級指導教室が設置されている小学校の通級指導教室担当者が他校へ巡 回し、児童生徒のニーズに応じた指導を行っている。子ども理解コーディ ネーター(市費、非常勤)を市教委所属で置き、各校の発達障がいへの支援 や保護者相談、発達検査に基づくアセスメント等を行なっている。 「発達支援相談票」で相談の上がったケースについてタイムリーに訪問指導。 6 1 乳幼児~学齢期 中学校に対する支援の状況 中学校教諭研修の実施状況 中学校に対する巡回支援の実施状況 複数回答可 回答のあった全ての市町村で実施していると回答。(うち 市町村で独自に実施しているしたところは34。) 【回答例】 支援教育連続研修(計4回)、支援教育コーディネーター研修(計4回)、 支援教育課題別研修(計2回)、介助員研修(計2回)を実施。 教育センターで年6回から10回研修を行う。 特別支援教育に関する教職員研修を実施する中で、年間数回発達障 がいに関する内容を実施。 支援教育コーディネーター研修と兼ねて、市教職員支援教育研修として 全幼小中学校に呼びかけ、約50名(うち中学校約10名)参加。 公立中学校に対して、発達障がい児への支援について全般的な内容 の研修を実施。 中学校教員を対象とする特別支援教育に関する研修を年間18回実施。 発達障がいに特化した支援を実施していると回答した市町村 は11。障がい全体に関する支援を行う中で発達障がいに関 する支援を実施しているとしたところは32。支援学校が行う 巡回相談を活用しているところは21。 【回答例】 学校から支援教育相談票の提出があれば教育相談員が生徒の観察や検査 を行い、保護者や学校の支援をしている。 リーディングスタッフが依頼に応じて巡回指導支援を実施。 指導主事による巡回相談。(要請に応じて市リーディングチームの派遣も行 なっている。) 町のリーディングによる巡回相談の充実を図っている町の保健師、ならびに 相談ケースによって、療育施設員の協力も得ながら実施。 10校を対象に、発達障がい等に関する専門的な知識・技能を有する専門家 (医師・大学教授等)を小・中学校に学期に1回、年間3回派遣している。 7 1 乳幼児~学齢期 高等学校在籍時における支援の状況 8市町村において高等学校在籍時における支援を実施していると回答。 【回答例】 発達障がいに特化したのもではないが、定例の相談会を開催。また卒業後の就労や進路についての相談支援を 実施。 教育センターにて来所相談、電話相談を保護者及び本人に対して行っている。 支援学校と連携し、必要時、放課後等デイ等のサービスにつなぐ。 相談支援事業で、随時相談を受ける。 市立高等学校に特別支援教育担当者を位置づけ、研修を実施している。 市立高等学校に臨床心理士を派遣し、相談活動を行なっている。教職員が、特別支援教育研修、特別支援教育 コーディネーター連絡会にも参加。 専門家チームの派遣。 8 1 乳幼児~学齢期 乳幼児期~学齢期における相談支援について 相談支援の実施体制について(回答例) 健康増進課による健診フォロー 教育センターによる教育相談 発達障がい担当課による相談 NPO法人との連携による教育相談 委託相談支援事業所による相談 家庭児童相談所における家庭児童相談 主な相談内容について 複数回答可 子育てに関する相談や専門療育等の情報、診断・医療に関する相談が多くなっている。 【その他の相談内容】 就学や進学に関すること 学校園の生活における不安や支援の状況に関すること 子の発達状況に関すること 不適応行動への対応に関すること 9 1 乳幼児~学齢期 乳幼児から学齢期に係る市町村独自の取組例 • 1歳半から3歳頃までで、発達障がいが疑われるようなケースの受け皿として、「親子教室」「育児教室」「フォロー 教室」を実施。 • ペアレントトレーニングの実施(対象は市内在住でLD,ADHD、ASDと診断された幼児、通常学級在籍の児童・ 生徒の保護者。再受講は不可) • 福祉・保健・教育を担当する機関が連携し、障がい児等が地域で活き活きと生活できる環境づくり等の推進を図る ため、市障がい児等関係機関関連連絡会議を設置(障がい児の中には、発達障がい児も含まれる) • 市立及び私立各幼稚園、保育園等に就学支援シートを配布し、発達障がいも含む支援を要する園児について保 護者及び各園から支援シートを提出してもらい、就学の前に小学校に手渡している。(園見学時も実施している) • 発達障がい児を持つ保護者支援事業の実施。(保護者が自信を持って子育てできるようにすることを目的とした専 門スタッフが保護者が抱える気になることや悩みにアドバイスをする。) • 発達障がい等の課題がある子どもとその養育者を対象に、母子分離でグループワークを実施。 • 言語聴覚士による発達相談の実施。(対象 2歳から小学6年生までの児童とその保護者) • 相談支援ファイルを作成し、施設内での情報共有や移行支援に利用。 • 公立保育所・民営化園のみ、1園4%枠で発達支援枠(発達障がいの疑いの乳幼児も含む)があり、保護者が就 労していなくても子どもの発達支援を目的に入所できる。 • 「発達支援相談票」を作成。保護者・保健センター・公民保育所・公民幼稚園・小学校中学校から子どもへの関わり 方や、検査依頼、病院紹介等、困ったときにすぐに提出し支援に入れるシステムを作っている。 10 2 成人期 成人期における相談支援の状況 相談支援の実施状況 34市町村において、成人期における相談支援を実施していると回答。 【回答例】 通常の相談支援(委託相談支援事業所、基幹相談支援事業所、障がい福祉担当課等)の中で対応。 保健センターにおいて、精神保健福祉相談員を中心に精神科嘱託医等とともに電話・面接・家庭訪問等で相談を受け、生活相談や医 療機関・相談機関への紹介を行なっている。 相談の内容 複数回答可 就労や生活支援、日中活動、診断・医療に関する相談が多い。 【その他の相談内容】 障がい年金に関すること コミュニケーションに関すること 家族関係に関すること 11 2 成人期 成人期における居場所確保・就労支援の取組状況 居場所確保の取組状況 9市町村において居場所確保の取組を行っていると回答。 【回答例】 市主催グループワーク事業の活用。 地域活動支援センターの活用。 相談支援事業所等の関係機関と協力して個別に対応。 発達障がい者支援センターで、日中活動グループを実施。 社会福祉協議会が主体で行なっており、用意されているプログラムで参 加したい活動があれば参加していただく。 就労支援の取組状況 20市町村において就労支援の取組を行っていると回答。 【回答例】 障がい者市民就職支援パソコン講座。 障がい者就業・生活支援センターに委託し、職場体験実習において発達 障がい者を受け入れている。 障がい者就業・生活支援センターと連携し、発達障がい者を対象とした ジョブガイダンスを実施。 発達障がいの方を受け入れる就労移行支援事業所、就労継続B型事業 所への紹介、同行訪問。 市役所にて専門家による相談。 就労支援コーディネーターによる就労相談を実施し、大阪府等の関係機 関と連携を図りながら、相談者に適した支援を行う。 発達障がい者支援センターによる就労支援。 発達障がい者就業・生活支援センターに配置された就業支援コーディ ネーターによる発達障がい者への就労支援。 12 2 成人期 成人期に係る市町村独自の取組例 • 今年度から障がい当事者参画促進事業を実施。発達障がい者の当事者交流会も開催。 • 平成24年度は、発達障がい者支援理解促進事業として、研修6回実施。(対象者は、保健福祉医療関係 者、民生委員、保育・教育関係者) • 発達障がい者支援センターで、本人の障がい理解を支援する講座や家族教室を開催。 13 3 全てのライフステージ 発達障がい児者支援の連携体制の状況 関係機関の連携体制の状況 11市町村において発達障がいに関する関係機関の連絡 会や協議会を設置していると回答。 【回答例】 障がい児就学支援委員会(医師・福祉関係者・市立学校園長代表・市 立学校園教員代表・教育相談機関代表・教育委員会事務局等) 自立支援協議会 障害児部会(障害福祉課、子育て支援課、地域保険 課、教育委員会、生活支援センター、児童発達支援センター、支援学校 等) 子育てネットワークの障がいのある子どもの支援部会乳幼児連絡会 (子ども家庭センター、保健所、支援学校、民生員、学校、幼・保事業 所) 要保護児童対策地域協議会発達支援ネットワーク部会障がい児ネット ワーク会議(福祉関係職員・教育委員会職員・保健師・医師・教員・保育 士) 発達障がい者企画・推進委員会(学識経験者、支援関係団体の代表、 関係機関・事業所の代表、本市関係機関) 庁内の連携体制の状況 6市町村において発達障がいに関する庁内の連絡会を設置 していると回答。 【回答例】 障害児通所支援調整会議(子育て支援課、地域保健課、障害福祉課) 市発達障がい児支援等連絡会議( 教育指導室、保育課、障がい福祉課、健 康づくり推進課、子育て支援課) 発達支援定例会(児童課・健康推進課・岸和田保健所 ) 障がい児ネットワークの中で、案件によりメンバーを区別して庁内会議を開 催(教育委員会、福祉課、子ども家庭課、健康課) 14 3 全てのライフステージ 医療機関との連携体制の状況 16市町村において医療機関との連携体制を構築していると回答。 【回答例】 複数の医療機関と連携をとっている。 保健センター内で実施している経過観察健診で小児科の医師に診ていただき、必要時、医療機関へ紹介している。 学齢期までは、診断を行う医療機関があるが、大人については具体的な連携病院はなく、大人の発達診断を行なえる病院が ほとんど無いのが現状である。 15 3 全てのライフステージ 発達障がい児者支援に係る情報の引継に関する状況 23市町村において発達障がい児者支援に係る情報の引継の仕組みを構築していると回答。 【回答例】 「つながりシート」を作成、運用している。また、就学相談の中で教育委員会が「連携相談資料」を作成し、進路先に提供している。進路先 送り側の教職員が情報交換を行なっている。 幼児から就学時には、これまでの健診経過や支援情報を、保護者に同伴して保健師が学校への申し送りを行う。療育を卒業する時には、 児童発達支援センターから、児の進路先の保育所や幼稚園へ口頭で申し送りを行う。 「個別の教育支援計画」及び「個別の指導計画」を保護者を通じて引き継いでいる。 就学時に小学校への情報提供所の提出やケース連絡、就学後に担任教諭とのケース連絡の実施。(保護者に対しサポートブックの活用 を勧奨) 「サポートブック」を作成、活用している。 個別支援ファイルを作成している。保護者が記録し、関係機関が情報共有し、支援に活用する。 16 3 全てのライフステージ 発達障がい児者支援についての市町村計画への位置づけ 28市町村において発達障がい児者支援について市町村計画に位置づけていると回答。 【計画例】 障がい者計画、障がい福祉計画、次世代育成支援行動計画、総合計画 【記載内容例】 発達障害のある人など新たに認識されてきた障害にかかる情報発信や理解の促進に取り組む。 発達障害者支援法に基づき、発達支援障害児(学習障害・注意欠陥多動性障害・高機能自閉症等)の支援体制を充実します。 健康審査等により、発達の遅れが見られ、事後指導が必要とされた幼児と保護者を対象に、遊びを通じた療育指導や発達相談を行う。ま た、早期療育に結びつけるため、福祉や医療、教育など関係機関との連絡により円滑に対応ができるよう努める。 障がいや発達に遅れのある子どもが、可能性を伸ばし、自立や社会参加ができるように、程度や発達段階に応じた保育・療育・教育等の 内容を充実していくとともに、保健・医療・福祉・療育・教育関係機関の連携を強化し、一貫した相談・指導体制等、総合療育システムの構 築をめざします。また、特別支援教育への適切な対応を図ります。 障がいを早期に発見し早期療育につなげていくために、健診時やその後のフォローを通じて保護者の育児支援に努めます。健康診査等 の結果、発達の経過観察が必要な子どもと保護者に対し、発達相談等において助言・指導を行い、必要に応じて療育や医療との連携を図 ります。 17
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