LMSを利用した情報演習のトラッキング分析

新入生の事前知識の違いによる
コンピュータリテラシ学習効果の分析
福井県立大学 学術教養センター
菊沢 正裕・山川修・田中武之
[email protected]
目 的
1. 入学時のIT基礎能力のばらつきは?
2. 事前の基礎能力が大学のリテラシ演習
によってどう変わるか?
3. 事前の基礎能力とリテラシ演習の成績
の関係は?
測定項目

プレースメントテスト(1週目)

アチーブメントテスト(終盤)

IRTスコアの推定 → p-score / a-score

リテラシ演習の成績
 4課題(タイピング,ワープロ,PPT,HTML)
 出席

教材閲覧回数
対象学生
履修
登録数
分析
対象数
経済A
34
30
515
579
経済B
37
32
361
562
生物A
38
35
533
613
生物B
43
40
391
571
152
137
450
581
クラス名
計/平均
p-score
a-score
(平均点) (平均点)
事前と事後の
IRT-score分布
学習者割合
A群(平均=525 分散=3670)
B群(平均=378 分散=3519)
40%
事前
30%
20%
10%
0%
200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800
A群(平均=597 分散=3135)
B群(平均=567 分散=3037)
学習者割合
50%
40%
30%
事後
20%
10%
0%
200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800
a-score
p-score
IRT-scoreの事前と事後の比較
p-score (平均=447 分散=8976)
a-score (平均=581 分散=3305)
学習者割合
40%
30%
事後
20%
事前
10%
0%
200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800
Score
因子分析のパターン行列
変数
第1因子
第2因子
p-score
0.693
-0.158
a-score
0.655
0.180
成績
-0.033
0.703
閲覧回数
-0.004
0.553
事前の能力 vs 事後能力・成績
経済学部
経済学部
生物資源学部
700
100
B2
(a)
600
B3
E2
学生の割
550
50
10%
E3
500
350
400
450
500
550
p-score
IT基礎能力
600
final-score
B1
B1
E3
E1
650
a-score
生物資源学部
E1
90
B2
B3
80
E2
学生の割
70
50
10
(b)
60
350 400 450 500 550 600
p-score
演習の成績
クラスタの特性(経済学部)
クラスタ
学習者 閲覧
出席
p-score a-score 成績
(人)
回数
(点)
E1
14
127
37.8
483
640
92.4
E2
11
82
29.0
486
570
74.6
E3
37
136
37.0
402
544
88.5
B1
10
246
37.8
442
617
92.3
B2
16
137
34.9
585
656
85.5
B3
49
124
36.5
419
564
85.5
クラスタの特性(生物資源学部)
クラスタ
学習者
閲覧
出席 p-score a-score
成績
(人)
回数
E1
14
127
37.8
483
640
92.4
E2
11
82
29.0
486
570
74.6
E3
37
136
37.0
402
544
88.5
B1
10
246
37.8
442
617
92.3
B2
16
137
34.9
585
656
85.5
B3
49
124
36.5
419
564
85.5
(点)
まとめ

事前の能力差は大きいが,学期末にはバラツキ
が小さくなる

事前能力の違いは,成績にあまり影響しない

事前能力が低い学習者は全般に学習効果が大

事前能力の高い学習者は,学習効果や成績が
高いグループと低いグループに分かれる