化学反応の速さと平衡

水素イオン濃度とpH
水の電離
1.0 X 10-8 mol/Lの塩酸溶液のpH
塩酸は強酸であるから水溶液中ではH+とCl−に完全に電離しているが、
[H+] = 1.0 X 10-8 mol/Lとするのは誤りである。
希薄な強酸溶液では水の電離平衡の影響が無視できなくなる。
溶液中では正電荷量と負電荷量が等しくなければならない。
したがって
[H+] = [OH−] + [Cl−]
が成立しなければならない。 [Cl−] = 1.0 X 10-8 mol/Lであるから
[OH−] = [H+] − [Cl−] = [H+] − 1.0 X 10-8 mol/L
となる。水のイオン積に代入すると
Kw = [H+] [OH−] = [H+]([H+] − 1.0 X 10-8 ) = 10-14
[H+]2 –10-8 [H+]– 10-14=0
∴[H+]=(10-8 +√(10-16 +4X10-14))/2~ (10-8 +2X10-7)/2
=1.05 X 10-7 mol/L
pH = -log10 [H+]
=- log10(1.05 X 10-7)
= - log101.05 + 7
~ -0.02 +7
= 6.98
4.0 X 10-4 mol/Lの硝酸溶液のpH
硝酸は強酸であるから水溶液中では完全に電離している
ものと考えられる。
HNO3 →
H+
+
NO3-
したがって、[H+] = 4.0 X 10-4 mol/L となる。
pH = -log10 [H+]
=- log10(4.0 X 10-4)
= -2 log102.0 + 4
= -2 X 0.3010 + 4
~ 3.4
酸・塩基の強さと解離定数
酸:水溶液中で電離してH+イオンを放出
電離度:電離する割合。大きいものが強酸、小さいものが弱酸