PowerPoint プレゼンテーション

2012年
薬理学PBL
急性リンパ性白血病
(Acute Lymphocytic Leukemia :
ALL)
24川副
72中山
48栖田
96松田
ALLは造血器腫瘍に分類される
白血病
 急性白血病
 骨髄性
 リンパ性
 慢性白血病
 骨髄性
 リンパ性
悪性リンパ腫
 ホジキンリンパ腫
 非ホジキンリンパ腫
多発性骨髄腫
急性リンパ性白血病とは
急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia : ALL)とは、
造血器腫瘍に分類される、いわゆる血液の癌で、リンパ節、
脾臓、骨髄その他の器官、循環血液中にリンパ球由来と考
えられる異常細胞が無制限に増殖している状態。リンパ球
系の前駆細胞が腫瘍化して発生した白血病。増殖と浸潤が
主に骨髄・末梢血であることにより、リンパ腫と区別され
る。正常細胞の抑制による貧血、感染症、出血傾向に加え
て、白血病細胞の臓器浸潤に伴う症状が発現する。
原因は多くは不明でリンパ球系の前駆細胞に染色体異常を
含むなんらかの遺伝子異常が生じ、分化・成熟の障害、そ
して増殖・生存の亢進が引き起こされた結果、幼若細胞
(芽球)が増加する腫瘍が引き起こされる。
急性リンパ性白血病(ALL)
臨床症状
白血病細胞の増殖によるもの
正常造血の抑制の結果起こるもの
赤血球減少による貧血症状(息切れ、動悸など)
血小板減少による出血傾向(歯肉出血、鼻血など)
好中球減少による感染症(肺炎、敗血症など)
腫瘍細胞崩壊に伴うもの(治療開始後に著明となる場合が多い)
予後因子
年齢
小児、若年成人(15歳から20歳ぐらいまで)、成人、高齢者
初診時白血球数
染色体
フィラデルフィア染色体陰性かフィラデルフィア染色体陽性か、な
ど
補足
急性リンパ性白血病(ALL)
フィラデルフィア染色体(成人ALLの3割)
9番と22番の染色体の一部が入れ替わる
ことによって、bcr-ablという遺伝子がで
きる
ミクロ像(HE強拡大):骨髄はN/C
比の高いリンパ球系の異型細胞が高
密度に増殖ALL( FAB分類で L1 ) の像。
白血病の主要治療手段
1.
化学療法

2.
造血幹細胞移植

3.
抗白血病薬を用いた治療。
以前、骨髄移植と呼ばれていたが、現在では、骨髄以外に、
末梢血幹細胞や臍帯血による移植も一般的になった。
分子標的療法

特定の分子を標的としてスクリーニングする、あるいはデザ
インすることで開発された薬物を用いた治療。狭義には、が
んの治療薬として記載されているが、広義には、さまざまな
疾患に対して多数の試みがなされている。メチル酸イマチニ
ブ(商品名:グリベック)など。
化学療法
寛解導入療法

完全寛解を目指す

完全寛解とは、骨髄で白血病細胞の占める割合が5%未満で正常の白血球、
赤血球、血小板の造血が回復し、体内を流れる血液中には白血病細胞が認め
られず白血球と血小板が回復する状態。
寛解後療法

地固め(強化)療法

維持療法

一度達した寛解期間をできるだけ維持することを目指す


体内に残っている微量の白血病細胞をできる限りゼロに近づけて、再発を防
ぐ。
中枢神経白血病予防治療

中枢神経白血病を予防する目的

腰椎穿刺による抗白血病薬の髄腔内投与(髄注)を行う。
シクロホスファミド(商品名:エンド
キサン)
アルキル化薬
主に肝臓の代謝酵素CYP2B6で代謝され,
活性化される。CYP2C8,2C9,3A4,2A6
も本剤の代謝に関与していることが報告
されている。
シクロホスファミドは生体内で活性化さ
れた後,腫瘍細胞、特にBリンパ球の
DNAをアルキル化して、DNA合成を阻害
し,抗腫瘍作用を現すことが認められて
いる。
シクロホスファミド(商品名:エンド
キサン)
副作用
 吐き気や嘔吐、発疹、脱毛など
 骨髄抑制伴う血液障害
 血小板減少による出血傾向
 本剤の毒性代謝物による膀胱粘膜の損傷→出血性膀胱炎(予防:
メスナ)
 ショック、アナフィラキシー様症状
 二次がんの発生
使用禁忌
 妊産婦への投与
 ペントスタチン(商品名:コホリン)との併用
 代謝拮抗薬
 禁忌の明らかな機序は不明である。
 本剤は用量依存性の心毒性があり,ペントスタチンは心筋細胞
に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する。両剤の併用により心毒
性が増強すると考えられている。
塩酸ドキトルビシン(商品名:アドリア
シン)
アントラサイクリン系の抗がん抗生物質
体内に入ると、腫瘍細胞
のDNAの塩基の間に入り
込み、DNAやRNAの生合
成を抑制することによっ
て、抗腫瘍効果を示す。
塩酸ドキトルビシン(商品名:アドリア
シン
副作用
 【急性】骨髄抑制、粘膜障害、口内炎、脱毛、悪心、嘔吐、食欲不振、
顔面紅潮、静脈の緊張
 【慢性】うっ血性心筋症、血管障害
 【局所的なもの】以前放射線を当てた部分に湿疹が出る・血管外漏出し
た場合は皮膚が壊死する(肝障害が起こった場合は50~70%量に減量する)
使用上の注意
悪心・嘔吐の頻度や程度は強いが、4、5日すれば良くなる。投与して
から9日から2週間は白血球の数が少なくなるので、感染症には十分気
をつける。また蓄積投与量が体表面積1平方メートル当たり550ミリグラ
ムを超えると、心機能障害が起こる可能性があると考えられているため、
この量を超える場合は心電図や心臓超音波の啓示的なモニタリングが必
要。
ビンクリスチン(商品名:オン
コビン)
植物アルカロイド
ニチニチソウという植物に含まれる成分か
ら生まれた抗がん剤。作用機序の詳細はま
だ明らかにされていないが、紡錘体を形成
している微小管の構成蛋白であるチュブリ
ンに結合することにより、紡錘糸機能を阻
害し、細胞周期を分裂中期で停止させ、腫
瘍増殖抑制効果を発揮する。細胞周期のM
期に作用する。
ビンクリスチン(商品名:オン
コビン)
副作用
 便秘を起こしやすく、ひどくなると腸閉塞を引き起こす。
 末梢神経機能障害(神経麻痺・筋麻痺・痙攣等)
使用禁忌
 脳脊髄腔への投与
 致死的合併症を生じ得る。
使用上の注意
 抗てんかん剤のフェニトイン(商品名:フェニトイン)、抗腫
瘍酵素製剤のL-アスパラギナーゼ(商品名:ロイナーゼ)、ア
ゾール系抗真菌薬との併用
 副作用が増強する恐れがある。
 マイトマイシンCとの併用
 呼吸困難や気管支痙攣を発症しやすいとの報告がある。
L-アスパラギナーゼ(商品名:ロイ
ナーゼ)
抗悪性腫瘍薬
大腸菌から産生される酵素。抗腫瘍酵素製剤で、
血中のL-アスパラギンを分解し、アスパラギン要
求性腫瘍細胞を栄養欠乏状態にすることにより抗
腫瘍効果を発揮する。(正常細胞はアスパラギン
を合成することができるが、白血病細胞はそれが
できない。)
L-アスパラギナーゼ(商品名:ロイ
ナーゼ)
副作用
 ショック、アナフィラキシー様症状→代替薬として、エルウィ
ニアL-アスパラギナーゼ(商品名:エルウィナーゼ)が臨床使
用されてきた
 嘔吐
 肝障害
 重篤な急性膵炎、膵内分泌機能障害(膵ランゲルハンス島
炎)による糖尿病
使用禁忌
 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
プレドニゾロン(商品名:プレドニン
錠5mg)
ステロイドホルモン薬(化
学合成ホルモンの一種)
プレドニゾロンは合成副腎皮質ホルモン
で,抗炎症作用,抗アレルギー作用,免
疫抑制作用のほか,広範囲にわたる代謝
作用を有する。
副腎皮質ホルモンはリンパ球に対する直
接障害作用を有する。
プレドニゾロン(商品名:プレドニン
錠5mg)
副作用
 発疹、かゆみ、口渇、吐き気・嘔吐、食欲不振、めまい、
 胃・十二指腸潰瘍(予防:シメチジンなど、胃酸分泌抑制
薬)
 にきび、むくみ、生理不順など
 脂肪の異常沈着(満月様顔貌など)
 副腎不全、感染症の誘発、血糖値の上昇、骨が弱る、胃
潰瘍、気分の落ち込み、眼圧上昇、動脈硬化、血栓症な
ど
使用を突然中止すると…
反跳現象や退薬症候群が現れるので、使用量を少ずつ減
少させる漸減法により、他の薬で置換するように工夫す
る。