スライド 1

つなプロ避難所アセスメント 第2弾
第4週(6月10日~6月16日)に関する
分析速報
2011年6月18日
被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)
要約
全体概要
避難所ごとの
課題変化
情報伝達の
徹底
•
仮設住宅に関する課題が3か所みられ、今週以降、情報提供が必要と思われる
•
避難所Aでは、情報・運営管理に関する課題がみられ、配給体制の整備や運営者側との関係
構築が必要になると考えられる
避難所Aと避難所Bでは、情報及び運営管理に関する課題がみられ、二次避難者への情報提
供と配給体制の整備が必要になると考えられる
•
•
•
避難所外から物資・食料を受け取りに来る方がいるため、物資・食料の不足やトラブルが発生
している
配給対象範囲の周知徹底を行い、二次避難者向けにも情報伝達を十分に行う必要があると推
測される
•
仮設住宅に関する避難者の課題認識として、コミュニティや支援がなくなることや移動の困難さ
に対する不安がみられる
一方で、避難所Dでは、仮設住宅でのコミュニティ形成の取り組みが始まっている
•
避難所Aでは、避難所の運営リーダーや避難者と協力関係を築くことで、効果的な活動につなが
っている
一方で、避難所Bでは、運営リーダーとの協力関係が築けていないことで、避難所生活や運営体
制に関する避難者の課題を解決するに至っていない
仮設住宅への
移行推進
•
項目別
課題詳細
外部団体との
連携強化
防虫対策の
実施改善
•
•
6月3日を境とし、気温の上昇とともに虫やハエの大量発生が確認され、殺虫剤・防虫剤散布な
どの防虫対策を施してきた
•
気温の大きな低下は見られないものの、 6月7日に避難所Aでの報告を最後に虫に関する報告
が減少しているため、防虫対策に一定の効果があったと推測される
資料: つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
1
仮設住宅の情報提供や、配給体制の整備などが必要
•
•
仮設住宅に関する課題が3か所みられ、今週以降、情報提供が必要と思われる
避難所Aでは、情報・運営管理に関する課題がみられ、配給体制の整備や運営者側との関係構築が必
要になると考えられる
避難所ごとの課題変化 1/2
避難所名
第1-2週
第3週
(5/20~6/2)
(6/3~6/9)
情報伝達・共有の不 情報共有の不足
情報管理
足
配給に不満
課題分類
配給に不満
仮設住宅情報が不
明確
仮設住宅
避難所A
第4週
(6/10~6/16)
トイレの衛生問題
衛生環境 汲み取り
虫の発生
トイレ設備の課題
虫の発生
防虫剤散布
運営側の権限が委
管理者がいないと機 譲されない
運営管理
能不全
班長会議の頻度が
少ない
情報管理
外部食料の過不足
仮設住宅
避難所B
衛生環境 トイレの衛生問題
防虫剤散布
運営管理 子どものストレス
子どもに不快感
配給体制の整備、仮
設住宅の情報提供、
運営者側との関係構
築が必要
(NPO)との連携不足
仮設住宅に関する
説明が足りないと不
満
防虫対策
(NPO)が班長会議に
参加・提案
仮設住宅の情報提供
が必要
情報管理
仮設住宅移行の準
備不足
仮設住宅
避難所C
仮設住宅への不安
夏を考えた時の防虫
への不安
衛生環境
心のケア
子ども服の不足
運営管理
資料: つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
避難所解体の計画
2
二次避難者への情報提供と配給体制の整備が必要
•
避難所Aと避難所Bでは、情報及び運営管理に関する課題がみられ、二次避難者への情報提供と配給
体制の整備が必要になると考えられる
避難所ごとの課題変化 2/2
避難所名
課題分類
情報管理
第1-2週
(5/20~6/2)
第3週
(6/3~6/9)
情報の周知徹底不
足
第4週
(6/10~6/16)
物資の配給に不満
仮設住宅
悪天候によるダニ・
衛生環境 カビの大量発生の懸 ハエの大量発生
避難所A
念
ボランティアの引き
継ぎ
運営管理
体制変更に伴う混乱
不審者、プライバシ
ー、道具不足
情報伝達・共有の不
二次避難者への情
情報管理
物資管理の問題
足
報伝達
仮設住宅
避難所B
衛生環境
物資配給体制変更
運営管理
への不満
情報管理
仮設住宅移行後の 仮設住宅移行後の
仮設住宅
生活不安
生活不安
避難所C
衛生環境
運営管理
情報管理
自宅避難者の情報
仮設向け物資の到
着
仮設住宅
仮設住宅カフェの実
避難所D
施
資料: つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
二次避難者への情報
提供、配給体制の整
備が必要
二次避難者への情報
提供、配給体制の整
備が必要
3
情報伝達が不十分なため、物資・食料の不足やトラブルが発生
•
•
避難所外から物資・食料を受け取りに来る方がいるため、物資・食料の不足やトラブルが発生している
配給対象範囲の周知徹底を行い、二次避難者向けにも情報伝達を十分に行う必要があると推測される
物資配給に関する出来事
避難所名
出来事
避難所A
釜小学校で自衛隊が行っている炊き出しに外部の人が来てしまい、食料が
不足している(6月14日)
避難所B
避難所内住民を対象にしたハンバーガーを避難所外の人が貰いにきてし
まい、配ることができなかった(6月10日)
二次避難所になっている(避難所D)の避難者の方が物資倉庫を訪れ、い
ざこざが起きる(6月10日)
避難所C
(避難所D)避難住民とのトラブル(6月11日)
本来物資をもらえない世帯が物資を要求してくる(6月12日)
資料: つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
4
仮設住宅入居に係る不安解消のため、コミュニティ形成支援が必要
•
•
仮設住宅に関する避難者の課題認識として、コミュニティや支援がなくなることや移動の困難さに対する
不安がみられる
一方で、避難所Dでは、仮設住宅でのコミュニティ形成の取り組みが始まっている
仮設住宅に関する避難者の課題認識と避難者向け施策例
避難者の課題認識
避難所名
避難所A
避難所B
避難所C
課題認識
仮設に入った後に他とのコミュニケーション
がなくなることが不安(6月10日)
急に仮設に入った後に支援が何もなくなって
も、自立は不可能に近い。せめて段階を経
てほしい(6月10日)
仮設へ行ったら、昼間は自分ひとりきりにな
ってしまう(6月10日)
仮設へ転居後、高齢者等の足(車)がない人
は、生活が厳しい。店が近くにない、バス・電
車はかなり廃線になっている(6月10日)
南三陸は平地が少ない分、戻れるか不安定
(6月10日)
子どもの事を思うと遠くへ行きたくない(6月10
日)
仮設住居へ入居できる条件の説明を市が充
分にしないと住民から不満が出た。市職員
は説明はしてあるはず(6月10日)
資料: つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
避難者向け施策例
避難所名
避難所D
施策例
仮設住宅での青空カフェの実施。一人暮らし
の方、お年寄りの方など、幅広い層の方の交
流の場になってよかった(6月13日)
カフェスペースの常設が決まった(6月15日)
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運営リーダーとの協力関係が、外部団体の効果的な活動につながる
•
•
避難所Aでは、避難所の運営リーダーや避難者と協力関係を築くことで、効果的な活動につながってい
る
一方で、避難所Bでは、運営リーダーとの協力関係が築けていないことで、避難所生活や運営体制に関
する避難者の課題を解決するに至っていない
運営に対する外部団体との連携事例
外部団体と連携がとれている事例
外部団体と連携がとれていない事例
避難所A
避難所B
• 徐々に避難所の人々と良い関係が築けてき
た(6月4日)
• 班長の方との関係がある程度構築できた(6
月5日)
• (NPO)に意見を求めてくれた(6月11日)
• 本部に問題を訴えても具体的な解決案が出
てこない(5月22日)
• 基本的に本部には余っている人が多い(5月
27日)
• (特定人物)がいないと機能していない様子(6
月3日)
• (特定人物)への権力集中を感じた。その人の
一存で全て避難所としての判断が決まる(6
月10日)
• (特定人物)が(NPO)の活動について何度も
批判的な意見を出していた(6月11日)
資料: つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
6
避難所での防虫対策に一定の効果があると推測される
•
•
6月3日を境とし、気温の上昇とともに虫やハエの大量発生が確認され、殺虫剤・防虫剤散布などの防虫
対策を施してきた
気温の大きな低下は見られないものの、 6月7日に避難所Aでの報告を最後に虫に関する報告が減少し
ているため、防虫対策に一定の効果があったと推測される
気温変化と防虫対策の流れ
6月の仙台最高気温変化
前週までの防虫対策の流れ
日付
出来事
虫の発生(避難所A)
6月3日 ハエの大量発生(避難所B)
殺虫剤散布(避難所E)
6月5日
防虫剤散布のデモンストレーション(避難所A)
殺虫剤散布のデモンストレーション(避難所E)
6月7日 体育館内で虫が目立ってきた(避難所A)
資料: Goo天気、つなプロアセスメント調査(5月20日~6月16日)
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(参考1)調査対象避難所の概況
避難所
エリア
気仙沼市
石巻市
登米市
南三陸町
避難所名
現在の避難者数
(2011/6/15)
最大避難者数
(調査時点)
過去アセスメント時の
特長的なコメント
300
毎日、避難者の有志が清掃を実施している。三食中、二食は自衛隊による炊
き出しでまかない、近隣住民や過去の退去者が集まる
避難所A
170
避難所B
26
避難所C
250
600
避難教室の振り分けは、地域ごとではなく、避難してきた順で、教室内は不衛
生だった
避難所D
214
300
トイレの水は流れるが、紙はまだ流せない。校内に掲示板はあるが更新がま
まならない
避難所E
124
400 パンやカップラーメンのみの食事で、過去に急性胃腸炎が流行った
避難所F
76
避難所G
50
避難所H
36
避難所I
29
87 小学校の給食室で調理された食事を、島民が軽トラックで取りに行く
78 トイレは沢の水をとってきて、流している
180
小学校の体育館を使用。食事献立が作成されており、その内容は保存もされ
ていた
400
―
―
NA
居住スペースとの間仕切りはあるが、避難者同士の間仕切りはなし。食事は
300
、栄養士さんの管理のもとで調理
避難所J
110
避難所K
110
避難所L
101
211
―
避難所M
38
75
―
避難所N
29
25
NA
NA
―
避難所O
避難所P
14
NA
―
避難所Q
11
NA
―
避難所R
9
NA
―
避難所S
115
避難所T
79
150
避難所U
75
280 三食全てがおにぎりの時期もあった。給水車がいる
避難所V
21
避難所W
16
―
NA
―
250 炊出しもきており、物資も十分ある
自衛隊から三食配給されている。公共施設のため、行政が避難所をまとめて
おり、情報が集まりやすく、深いニーズに対応した情報伝達が行われている
NA
17
高齢者向けの食事も作っているが、カセットコンロなので、あまり手の込んだ
ものは作れない
避難所X
NA
60 大正大学の炊き出しボランティアは4/22に終了
避難所Y
NA
50 家庭科室を使って、避難者自身が食事を作る
資料: 宮城県HP、つなプロアセスメント調査(3月28日~6月16日)
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(参考2)つなプロ避難所アセスメントについて
■被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)とは
仙台・東京・関西を中心とした全国各地のNPOネットワークとして3月14日に発足した「被災者をNPOとつないで支える合
同プロジェクト」(つなプロ)は、これまでのべ400人のボランティアを宮城県に派遣し、600か所の避難所を、3月28日から3週
に渡って巡回訪問。避難所の実態把握のためのアセスメントを実施している。アセスメントによって判明したニーズや課題を
、地域内での支援の取り組みや、介護、医療、障碍者・外国人・難病患者支援など専門性を持つNPOとマッチングすること
で解決を進めている。600か所の避難所データは、富士通より無償提供されたクラウドシステムによって、提携NPO間で共
有されている。
■幹事団体
(特)せんだい・みやぎNPOセンター、(般社)ダイバーシティ研究所(DECO) 、
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]、スペシャルサポートネット(SSN)関西、(特)ETIC.、日本財団
■実施スケジュール
・3月28日(月)~4月17日(日):ボランティアによる、避難所の巡回訪問とアセスメント、
現地および東京などの支援団体・機関と随時マッチング(3週間)
・4月18日(月)~5月1日(日) :ボランティアによる巡回訪問・マッチングの継続と、
避難所での継続的な支援(自宅避難者の訪問を含む)を準備
・5月20日(金)~6月16日(木) :ボランティアによる巡回訪問・マッチングの継続と、
避難所での継続的な支援(自宅避難者の訪問を含む)を実施
■詳細/ウェブサイト
http://blog.canpan.info/tsunapro/
■分析実施
RCF災害支援チーム
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