世界ソブリンバブル 衝撃のシナリオ 第2章 なぜ金融機関は国債購入に走るのか 3年 田中道信 主張 自己資本比率規制と金融機関保護が 国債購入を促進!! 危機循環 崩壊 金融機関の 信用バブル、 業務規制によって金融機関の利益機会を奪うのであれ 金融不安 過度のリス ば、セーフティネットを張らなければならない 資産バブル クテイク の発生 金融機関保護 コントロール 表裏一体 業務規制 自己資本比率の問題点 自己資本比率規制とは :リスクに対するバッファー(緩衝)を厚くさせるのが 目的。国際業務を行う金融機関は、リスク評価され た資産額に対して自己資本を8%以上持たなけれ ばならない 自己資本比率の問題点 金融機関のさまざまな資産について、それぞれのリスク 国債は、リスクウエートが0と規定されているから、どんなに大規 模の国債を保有していても、リスク調整済み資産としての国債は ウエートを掛け合わせた値を合算したリスク調整済み資 ゼロであり、自己資本を積む必要は規制上ない。 産に対して、所要自己資本額を計算する。 自己資本比率の問題点 国債のリスクウエートをゼ ロにしたままで自己資本規 自己資本比率規制は国債バブ 制を強化すれば、国債へ ルの促進に一役買っている の需要は増えるだけ 国債を保有していれば、リスク評価された資産額が小さくなり、 自己資本比率が高く計算される。 国債は、リスクウエートが0と規定されているから、どんなに大規 自己資本比率が高い→低い金利で資金調達可能 模の国債を保有していても、リスク調整済み資産としての国債は ゼロであり、自己資本を積む必要は規制上ない。 自己資本比率の問題点 自己資本比率規制が機能しなかった理由 ①自己資本を積んでいるからとバブルと気づいても投資 を抑制しなかった可能性 規制によって銀行の自己資本拡大を促してきた 分、逆に銀行はリスクを取れるようになっていた ②証券化商品は高格付けを得ていたので、資本規制上、 自己資本を積み増す必要が生じず、購入を増やすこと ができた 金融機関保護を強めざるをえない当局 金融機関保護の強化は構造調整を遅らせる 大手金融機関への保護=間接的に大企業への保護も強まる 大手金融機関の破綻回避=間接的に借り手の破綻を回避 過剰供給が是正されず、需給バランスは改善されない 金融機関保護を強めざるをえない当局 金融機関保護の強化は構造調整を遅らせる 国債購入の促進 デフレは次第に固 資金借り入れ需 過剰供給が是正されず、需給バランスは改善されない 定化し、長期化 要の低迷 金融機関保護を強めざるをえない当局 金融保護の強化は大手金融機関のリスクテイクの要因に ・低成長下での、新たな収 益機会を見つける必要性 ・政府の救済 過度なリスクテイク 潰すときは潰せばよ いのでは? 「funeral plan(葬式プラン)」 :巨額の損を出して経営が立ちいかなくなった時、自らどのよ うに廃業し破綻処理していくのか、あらかじめプログラムを用 意しておくことを義務付ける 現実的に 難しい 金融機関保護を強めざるをえない当局 金融保護の強化は大手金融機関のリスクテイクの要因に 米国の実質個人消費及び貯蓄率の推移 当局は金融機関に対して表面的には業務規制 大手金融機関 を破綻させた などの導入によって厳しいスタンスをとってはい 場合、「国民の るものの、実体経済が悪化し、景気の脆弱性が マインドの悪 強まっている中で実際には金融機関保護の姿 化による深刻 勢を強めざるを得ない。 な景気の落ち 込みが起こる 増加する国債保有残高 国債が大幅な価格下落を起こした 場合、実際には少なくとも短期的 に銀行の収益が大きく毀損され、 ・最近3年間に急増 自己資本も目減りすることになる。 ・11年3月末で150兆円 ・割合は23%と資金の4 分の1が国債投資へ 国債にも自己資本のバッファーが 必要なはず。 論点:バーゼルⅢについて
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