リージョナルガバナンス論B

リージョナルガバナンス論B
第9週 6月17日
伊藤裕一
先週までの内容
 EUの歴史=単一市場形成、EMU
 EUの機構=委員会、理事会、議会
 CFSPとJHA
 EUの将来
 EUは東方拡大すべき?しないべき?
EUの拡大
 第1次=’73
デンマーク、アイルランド、UK
 第2次=’81 ギリシャ
 第3次=’86 ポルトガル、スペイン
 第4次=’95 オーストリア、フィンランド、ス
ウェーデン
 東方拡大は第5次。これまでとどう違うの
か?
中東欧諸国=「移行国」

ブルガリア・キプロス・チェコ・エストニア・ハンガリー・
ラトビア・リトアニア・マルタ・ポーランド・ルーマニア・ス
ロバキア・スロベニア・トルコ
旧ソ連圏の国々=共産主義体制
 経済面:計画経済から自由市場経済へ
 政治面:共産主義体制から民主主義体制へ
格差
 一人当たりGDP
EU15=23,210
候補国=10,700
EU内の最高=ルクセンブルク44,160
EU内の最低=ギリシャ15,020
候補国の最高=キプロス13,700
候補国の最低=トルコ5,230
 移行の問題=開発の問題
拡大のメリット
旧ソ連諸国の民主化支援
 「ヨーロッパ」の一体性
 欧州地域の安全保障
 EUの世界での地位向上(外交面)

単一市場のエリア拡大
 中東欧の発展を支援
 EUの世界での地位向上(貿易面)
 EUの南・東への貿易拡大

拡大のデメリット
 EU内に新たな利害対立を生じさせ、意思
決定が困難になる、あるいは停止する
 各国が歩調をあわせて政策を実施しにくく
なる
 EUの予算へ要望が増える
 困難な問題をEUへ持ってくる(=少数民族
の保護など)
加盟までの道程

欧州委員会による支援
Phare、ISPA、SAPARD
1993年 コペンハーゲン基準
 1997年 アジェンダ2000
 1998年 ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロヴェ
ニア、エストニア、キプロスと加盟交渉
 2000年 ラトヴィア、リトアニア、スロヴァキア、
ルーマニア、ブルガリア、マルタと加盟交渉
 2002年12月 加盟交渉終了 2004年5月のEU加
盟を正式決定

欧州協定とコペンハーゲン基準
 欧州協定
加盟を前提とした提携のための条約
 コペンハーゲン基準
政治的基準
経済的基準
法的基準(=アキ・コミュノテールの受容)
提携から加盟へ
アジェンダ2000
 コペンハーゲン基準の審査結果
 欧州委員会が1997年に発行
 「優等生」を認定
 同時期にアムステルダム条約
ほぼ進展なし
中東欧から見た場合
 基準を満たすための援助
 資金援助
 技術援助
 戦略的発展の構想
 現在の国民投票の結果は概ね良好
EU側から見た場合
 15カ国体制から25カ国体制へ
 深化と拡大
 補助金改革
農業、地域開発基金
分配の問題
 機構改革
意思決定メカニズム
一カ国の票数、大国と小国の配分問題
本日の結論
 拡大=すでに決定された方向性
 改革=コンベンションの結果次第