抵抗加熱を利用したアルミニウム合金の半溶融鍛造 塑性加工研究室 柴田 剛志 半溶融鍛造 ・複雑な形状に加工可能 ・美しい製品外観 誘導加熱 鍛造 直接通電による抵抗加熱 ・急速加熱 目 乗用車用ホイール 抵抗加熱鍛造 的 A357ビレットを均一に加熱 できる抵抗加熱条件を求め, 半溶融鍛造を試みた すえ込み実験装置 油圧サーボプレス A357の組成 ビレット A357 Al 電極 Mg Fe Sr 92.7 6.7 0.5 0.07 0.03 50 断熱ディスク SUS304 Si 10 □ 電極 圧盤 純銅 φ20 20 コンテナ 窒化珪素 φ80 試験片の形状 すえ込み実験条件 平均面圧 P = 9.8~58.8 MPa 一定荷重 電極 通電電圧 E = 6,8,10 V 断熱ディスク厚さ t = 0.5~4 mm 電極 投入電力量 Q = 5~45 kJ 到達圧縮率と投入電力量の関係 100 到達圧縮率/ % 80 P = 19.6 MPa t = 1mm 10V 8V 60 6V 40 20 0 10 20 Q/ kJ 30 異なる平均面圧でのビレットの温度変化 温度 / ℃ 600 :通電完了 200 0 10 Q = 20kJ P/MPa 9.8 19.6 29.4 スパーク発生 (9.8 MPa) 20 10 温度測定位置 400 固相線温度 1 T/ s 2 到達圧縮率と断熱ディスク厚さの関係 100 P = 19.6MPa 80 16.7/W・m-1・K-1 SUS304 銅 389/W・m-1・K-1 SUS304の 低い熱伝導率 到達圧縮率 / % 熱伝導率 60 Q/kJ 20 40 17.5 20 15 放熱の抑制 発熱の利用 0 1 2 t/ mm 3 4 解析方法および解析条件 有限要素解析ソフト(ANSYS) ・電極上面に一様な電流 ・軸対称面の電位は0V ・全ての外周面は断熱 20 t 断熱ディスク (SUS304) ビレット (A357) φ11.2 φ20 φ80 100 + 2t 10 電極 (純銅) 30 温度解析 ジュール発熱 + 伝熱 圧盤 (純銅) シミュレーションに用いた材料特性 材料 密度 /kg・m-3 熱伝導率 /W・m-1・k-1 比熱 /J・kg-1・k-1 電気抵抗率 /μΩ・cm A357 2.68×103 159 963 4.5+0.0127T SUS304 8.03×103 15+1.0×10-5T 492+0.198T 72+0.0667T 純銅 8.93×103 393 385 1.72 通電中の電流と電気抵抗の変化例 電気抵抗 /mΩ 電流 0.4 10 0.3 電気抵抗 V=10V P=19.6MPa t=1mm Q=20kJ 0.2 0.1 0 5 0.5 1 T /s 0 電流(ピーク値) /kA 15 0.5 断熱ディスク厚さによる通電初期の電気抵抗変化 電気抵抗 /mΩ 0.6 0.4 P/MPa 0.2 19.6 58.8 0 1 2 3 4 t /mm 電気抵抗率 /μΩ・cm 19.6MPa 234 58.8MPa 145 SUS304 72 接触率 /% 19.6MPa 30 58.8MPa 50 断熱ディスク厚さ1 mmにおける温度分布 T/℃ 通電完了 通電時間 1.15s 1.18s 0.15s 0.45s 0.30s 1.00s 0.60s 1.10s 0.95s 0.75s 0.90s 100 150 200 300 350 450 500 550 600 600 固相線温度 600 固相線温度 400 P=19.6MPa 400 Q=20kJ t/mm 200 0 1 2 4 1 T/ s t/mm 0 1 2 4 200 0 2 シミュレーション 1 T / s 10 20 実験 10 0 温度 / ℃ 温度 / ℃ 異なる断熱ディスク厚さでのビレット中央部の温度変化 温度測定位置 2 ビレット中央部の温度変化 600 400 a/mm 200 0 温度 / ℃ :通電完了 0 5 9 :通電完了 400 a /mm 0 5 9 200 2 1 T /s 0 1 T /s T/℃ 9 通電完了 a=5 温度 / ℃ 600 t = 0 mm 2 T/℃ 100 150 200 300 350 450 500 550 600 100 150 200 300 350 450 500 550 600 t = 0.5 mm ビレット中央部の温度変化 通電完了 600 温度 /℃ 温度 / ℃ 600 400 a/mm 0 5 9 200 0 1 T /s 通電完了 400 a /mm 200 2 0 0 5 9 1 T /s T/℃ T/℃ 100 150 200 300 350 450 500 550 600 t = 1 mm 2 100 150 200 300 350 450 500 550 600 t = 2 mm 電流密度を変化させた場合のビレット中央部の温度変化 通電完了 t = 2 mm 温度 / ℃ 温度 / ℃ 600 600 400 a/mm 0 5 9 200 0 1 T /s A=70A/mm2 t = 1 mm 通電完了 400 a/mm 0 5 9 200 2 0 1 T /s A=100A/mm2 2 半溶融鍛造 φ15 ビレット P通電完了 = 49 MPa 30 電極 コンテナ ビレット寸法 断熱ディスク φ23 φ30 鍛造型 冶具 E = 8 V,P0 = 19.6 MPa,P = 49 MPa t = 1 mm, Q = 30~45 kJ 鍛造型 ビレット中央部の温度変化 通電完了 0.1s 2.0s 1.8s 1.6s 1.4s 1.2s 1.0s 0.9s 0.8s 0.7s 0.6s 0.5s 0.4s 0.3s 0.2s 通電完了 600 温度 /℃ Q=45kJ t=1mm 400 a/mm 0 5 9 200 0 1 T /s 2 T/ 100 ℃ 150 200 300 350 450 500 600 半溶融鍛造後の試料外観 入熱不足 製品 鍛造型 Q/kJ 入熱適正 35 40 45 E = 8V,P0 = 19.6MPa,P = 49MPa,t = 1 mm 半溶融鍛造後の試料組織 100μm 抵抗加熱前 100μm Q = 45kJ ま と め ・投入電力量制御による抵抗加熱では安定した半 溶融加熱が実現できる ・通電時の面圧が低過ぎるとスパークが発生する が,面圧を高くすることで防止できる ・SUS304断熱ディスクのビレットと電極間への挿 入は加熱効率向上に有効であり,厚さを適当にす ることでビレットの均一加熱が可能である ・適当な投入電力量の設定により,ビレットの加 熱に抵抗加熱を応用しても,複雑な形状の半溶融 鍛造が可能である
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