親の収入格差とこの学力格差

1
目次
1.
2.
意義・背景
使用データ解説
① 親調査
② 子調査
クロス集計
4. 回帰分析
5. 結論
6. 改善策
3.
2
3
本研究の目的

親の収入と子どもの学力に因果関係が存
在するのか。

親の収入水準によって子どもの学力水準
に対して影響を与えているのではないの
かと疑問を持った。
4
意義・背景

教育基本法によって、だれでも教育を受
けることができる。

2013年度中部経済学インターゼミ
柳原ゼミ
「教育機会格差の是正のために」
5
年収300万円以下の人口の推移
年収ラボ
http://nensyu-labo.com/heikin_kakusa.htm
6
本研究の仮説
ここで我々はある仮説を立てた
もし親の収入水準により子どもの教育機
会が失われ、学力に影響を与えているの
ならば、学業へ意欲のある学生が将来高
校・大学へ進学する際に必要以上に努
力・結果が強いられることになるのでは
ないか。
7
問題点
生まれながらの親の経済力による学力の
影響は子が成長したときに問題となるの
ではないのか。
 親の収入が学力に影響を与えているので
あれば、子の間にスタートラインの格差
ができてしまう。

8
9
使用データ
親と子の生活意識に関する調査,2011
調査機関
内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室
調査期間
2011年10月27日~11月6日
標本抽出
層化2段無作為抽出法
出典
東京大学社会科学所付属社会調査・データアーカイブ研究セン
ターSSJデータアーカイブ
10
使用データ
アンケート対象
全国の中学生3年生(14歳~15歳)
上記の保護者(義父・義母含む)
サンプル数 親
子
合計
有効値
欠損値
3197人
3192人
6389人
2013
1184
11
12
親調査説明目次
親の年齢
b. 親の収入
c. 収入の内訳
d. 生活で不足している経費
e. 子どもの教育にかかる経費で負担に感じるもの
f. 子どもの習い事
g. 習い事をしていない理由
h. 必要だと考える子育て支援
a.
13
a.親の年齢棒グラフ
親調査:問2 あなたの年齢はおいくつですか。
年齢
度数
最小値
最大値
平均値 標準偏差
2013
25
68
44.71
4.680
14
b.親の収入棒グラフ
親調査:問20 あなたの世帯の収入をすべて合計すると、去年1年間
において、税込みではおよそいくらくらいになりますか。
15
c.収入の内訳
問21 「問20」の収入の内訳には次のどれが含まれますか。
(%) 16
d.生活で不足している経費
親調査:問23あなたのご家庭では、毎日の生活上で次のようなことが
あてはまりますか。
(%)17
e.子どもの教育にかかる経費で負担に感じるもの
親調査:問15 お子さんの教育にかかる経費について、負担が大きい
と感じているものはありますか。
学校外の経費は塾や家庭教師などにかかる経費である
(%)
18
f.子どもの習い事
親調査:問13 お子さんは、現在、塾に行ったり習い事をしたりしてい
ますか。(費用がかからないサークル活動等を含まない)
(%)
19
g.習い事をしていない理由
親調査:問14 「問13」で“塾や習い事をしていない”と答えた方にお
聞きします。お子さんが塾や習い事をしていない理由はなんですか。
(%)
20
h.必要だと考える子育て支援
親調査:問38 あなたのお子さんを育てるのにあたって、どのような子
育て支援が必要だ(必要だった)と思いますか。
(%)
21
親調査まとめ
収入のほとんどが仕事からなる
 回答者の約8割が子ども手当を収入に含
んでいる
 子どもの教育資金が不足していると答え
た人は回答者全体の約4割
 特に学校外での教育資金が不足している
 回答者の6割超が教育に関する金銭的給
付を希望している

22
子ども手当とは

15歳以下の子どもがいる家庭に毎月手当
を支給するものである
○0~3歳未満一律15,000円
○3歳~小学校修了まで
第1子・第2子:10,000円(第3子以降:15,000円)
○中学生一律10,000円
○所得制限以上一律5,000円(当分の間の特例給付)
※所得限度額
960万円未満
23
2011年中学生子ども手当受給状況
総数
支給対象となる中学生数別
3,282,942世帯
1人
2人
3人
2,955,713世帯
319,747世帯
7,482世帯
24
25
子調査目次
a.
b.
c.
子供の男女比
子の学力
子どもの理想学歴
26
a.子どもの男女比
子調査:問1 あなたの性別をお答えください
27
b.子の学力棒グラフ
子調査:問9あなたの成績は、学年の中でどのくらいですか。
28
c.子どもの理想学歴
子調査:問14あなたは、理想的には将来どの学校まで行きたいと思
いますか。
29
子調査まとめ

現代の中学3年生は大学を卒業したいと
希望している人が6割いる
30
関係性があるのか
親の収入
子どもの学力
子どもの理想学
歴
31
32
収入と子どもの学力
以上の結果から親の収入と子どもの学力には関係性
があると、推測される。
33
収入と子どもの理想学歴
親の収入が高いほど子どもの理想学歴が高くなる傾向にあると
予想できる
34
35
本当に親の収入が影響を与えているのか。
従属変数:子の学力
自由度:2001
係数
t値
切片
0.64**
2.13
世帯収入
0.06***
5.61
学習塾ダミー(無=0,有=1)
0.23***
4.13
0.08
1.20
親の希望学歴
0.20***
10.12
親の最終学歴
0.11***
4.57
子の性別ダミー(男=0,女=1)
0.14***
2.71
0.01
1.67
兄弟姉妹数:兄(人数)
-0.18***
-3.85
兄弟姉妹数:姉(人数)
-0.19***
-3.49
兄弟姉妹数:弟(人数)
-0.04
-0.79
兄弟姉妹数:妹(人数)
0.02
0.41
子ども手当ダミー(無=0,有=1)
親の年齢
修正済み決定係数(補正R2):0.15
36
収入以外から考察
例えば・・・ 塾、暮らし向き
教育費用の算出が多いほど、子どもの学力
は上がる傾向がある可能性がある。
37
子の理想学歴は収入に影響を受けるのか
従属変数:子の理想学歴
自由度:2001
係数
t値
0.36
1.31
世帯収入
0.08***
7.85
学習塾ダミー(無=0,有=1)
0.20***
3.89
0.05
0.91
親の希望学歴
0.32***
17.35
親の最終学歴
0.13***
5.92
0.04
0.89
親の年齢
0.03***
4.91
兄弟姉妹数:兄(人数)
-0.26***
-5.94
兄弟姉妹数:姉(人数)
-0.15***
-3.03
兄弟姉妹数:弟(人数)
0.06
1.38
兄弟姉妹数:妹(人数)
-0.03
-0.72
切片
子ども手当ダミー(無=0,有=1)
子の性別ダミー(男=0,女=1)
修正済み決定係数(補正R2):0.29
38
回帰分析まとめ
子どもの学力に収入は影響している
 子どもの理想学歴に収入は影響している
 子ども手当の効果が十分に発揮されてい
ない
 学習塾通塾の有無で学力に差が出る
 親の希望が子どもに影響を与えている
 兄姉がいる場合、学力・理想学歴に影響
を与えている

39
40
結論
親の収入と子どもの学力には関係性があ
る
 親が教育費用を算出すればするほど子ど
もの学力水準が上昇する傾向にある
 子ども手当は効果が薄かった
 収入以上に親の希望学歴が学力に影響を
与えている可能性がある

では、どのようにすればよいのか
41
6.改善策

バウチャー制度
先行研究「教育機会格差の是正のために」
(柳原ゼミ)
 現金ではなく申請でキャッシュバック制
(塾などの費用)
42
43
参照

東京大学社会科研究所付属社会調査データアーカイブセン
ターSSJデータアーカイブ
調査番号0836「親と子の生活意識に関する調査,2011」

年収ラボ 収入格差
http://nensyu-labo.com/heikin_kakusa.htm

厚生労働省 児童手当について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kod
omo_kosodate/jidouteate/index.html
44