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発電方法別の電力コスト
神谷・天水
日本の発電方法別電力コスト
東日本大震災が起こる前まで、
原子力発電のコストは低いと言われていた。
震災後、原子力発電の欠点が浮き彫りになり、
電力コスト、電気代の見直しが進められている。
原発事故前
原発事故後
 世界中で需要が減ったために燃料費はやや
落ちたものの、安全性向上のための費用や、
今後同じレベルの事故が起きた場合に備え
ての事故費用の計上が必要なためにコスト
は結果的に2.4円/kWh高くなり、
これはLNGを用いた火力発電よりも高くなる。
火力発電について
 火力発電の燃料価格が高騰している
アメリカにおける
シェールガス開発に
よってLNG価格が下降
する可能性があり、
EU、中国などが
シェールガス開発に乗
り出すと言われる2020
年ごろにはさらなる下
落が見込まれる。
また、シェールガス開
発には日本企業も参画
しており日本向け輸出
にも前向きである。
日本の火力発電の燃料比率
 日本の火力発電においてはLNGが最も多く
使われており、次に石炭での発電が多く
なっている。
LNG 石油に比べ安価であり、また政情不安のある国
からの輸入が少ないので安定供給がなされる
また排出CO2が少なく、環境負荷が比較的少なく済む
石炭
燃料のコストが低く、価格変動性も小さい
また日本の石炭火力発電は他国に比べ
非常にクリーン
これら日本の環境技術を駆使すれば、大き
く欠けた30%の穴を埋められるのではない
だろうか。
海外の電気料金
【米国】主力電源は安価な自国産石炭での石炭火力発電。
【英国】各電力会社が、主力電源を天然ガスへ移しつつあった2000年
代後半、欧州大陸の天然ガス価格の高騰が生じ、小売価格へ影響。
【ドイツ】石炭火力発電の比率が高く、石炭価格高騰の影響を受けた
ことや、環境税や再生可能エネルギーの固定価格買取制度など環境政
策によるコスト負担などが影響。
【フランス】原子力発電の発電比率が高いため、原油価格等の燃料価
格の高騰による影響は受けにくい構造のため安定的かつ低廉な価格で
の電力供給を実現。
【イタリア】火力発電比率が高く、特に電源構成の過半を占める天然
ガス価格の高騰等を受け電気料金の上昇が顕著。
原発を使うほど電力料金が安くなるか
 一見原発を使うほど電力料金が安くなるよ
うにも見えるがイタリアを除くとその関係
はなくなると言って良い。
 原子力発電を使うほど電気料金が安くな
るとはいえない。
電気代値上げについて
 東電は原子力発電の停止にともない、火力
発電の燃料費が増加しているため家庭向け
など「規制部門」の電気料金を平均10・
28%引き上げることを経産省に申請した。
電気代値上げについて
 企業向け料金は平均
17%引き上げる方向。
自動車や素材などを中
心に年数十億円規模で
電力コストが増える企
業が相次ぐであろう。
収益への影響が避けら
れなくなっている。
電力自由化について
経済産業省は2014年以降に家庭向けも含めた電力販売
すべてを自由化し、新しい会社が参入するのを認める方針
を固めた。
10電力会社が
地域ごとに電力販売
を独占している
仕組み
家庭が電力会社
を選んで契約
できるようにする。
電気料金もできるだけ電力会社
が競争して決めるように見直す。
自由化により料金やサービスの
競争を進めるねらい。
なお電力自由化には現状では託送量が高い、安
定供給ができるかなどの懸念点がある。
日本における再生可能エネルギー発電
再生可能エネルギーの
固定価格買取制度
日本においては自然エネルギーを利用することへ
の意識が低い。それを高めようと再生可能エネル
ギー発電電気の全量買い取り制度などがスタート
このシステムにおいて見えていないのが売電され
た電力の処理。
再生可能エネルギーは出力が不安定で、太陽光発
電の場合、施設稼働率は12%。出力の幅が大きく、
12%換算なら火力5基分、最大だと火力40基分に
も相当してしまう。
接する隣国がない日本ではこの電力を
輸出できず、
これらを蓄電するための施設が必要!
これが電力価格に反映されたとすると
1kWhあたりで2円を超える値上げ
がなされるとされる。
論点
新興国に対する発電施設輸出の今後