4.情報的資源の創出 (1)研究開発(R&D)の推進 • 研究開発:何らかの技術的な知識を生み 出していく一連の活動 • 企業が創造すべき優れた技術的知識に 求められる条件 (a)技術としての先進性や質の高さ 矛盾しがち 三層構造の研究体制 (b)製品・事業への展開可能性 1 (1)研究開発(R&D)の推進 (continued) ○研究開発のステップと評価 • 優れた技術的知識の開発に人材や資金を 集中的に投入する必要がある →さまざまな段階で評価することを通じて、 研究開発の生産性を向上させる • 主な評価基準:創造率、採択率、完結率、 事業化率、事業収益率 2 ○研究開発のステップと評価基準 STEP 1 STEP 2 STEP 3 研究開発テーマ の選択 各テーマへの 資源配分の決定 研究開発の実行 と進捗把握 ①創造率 ②採択率 ③完結率 ④事業化率 ⑤事業収益率 STEP 5 STEP 4 開発成果の 事業化 研究開発成果の 評価 3 (2)ナレッジマネジメント = (情報技術を利用して)、個人の持つ知識や 情報を経営資源として組織全体で蓄積・共有 し、有効に活用するための経営手法 ○主な狙い • ベストプラクティスの横展開 • 情報アクセスの効率化 4 (3)知識創造 • 情報的資源はいつも明示化/形式化され ている(自覚されている)とは限らない →暗黙知としての情報的資源の存在 • 暗黙知を明示化し共有化するとともに、 既存の知識との結合から新しい知識の 創造を図る 5 ○知識創造のモデル 共同化(S) 表出化(E) 内面化(I) 連結化(C) 6 ○知識創造のモデル(continued) 共同化(Socialization) ・ 社内外での経験から の暗黙知の獲得 ・ 暗黙知の蓄積・伝授・ 移転 内面化(Internalization) ・ 行動や実践を通じた形 式知の体化 表出化(Externalization) ・ 暗黙知の表出・概念 化 ・ 暗黙知から形式知へ の置換・翻訳 連結化(Combination) ・ 新しい形式知の獲得・ 統合 ・ 形式知の伝達・普及 7 (4)情報的資源の創出と組織 • 情報的資源が(多重)利用されるプロセスの中か ら、新しい情報的資源がしばしば創出される →情報的資源の利用プロセスへの注目 • ほとんどの場合、情報的資源は協働の成果とし て創出される(協働なしには生まれない) →情報的資源を創出するインフラストラクチャー (基盤)としての組織(=協働の仕組み) 8 Ⅶ 持続的競争優位の源泉 としての組織能力 9 (1)資源と能力 • (経営)資源:経営システムへのインプット要素、 アウトプット要素、および それらを媒介・変換する ための要素 • 能力(ケイパリビリティ):情報的資源を含めた諸 資源を調整・統合し、活動を遂行する力 →具体的には (a)職務プロセスの遂行能力 (b)製品開発能力 に大別できる 10 (2)組織と能力 • 能力(ケイパビリティ)は、組織のさまざまな構造 やプロセスに依存する →流動的な環境に適応すべく能力の革新を 続けていく組織学習が、組織の能力の中核 • 個々の情報的資源よりも能力の方が企業特殊 的であるために模倣が難しい →持続的な競争優位の源泉としての組織能力 11 (3)能力に立脚した経営戦略の構想 • 経営戦略も、情報的資源の蓄積や能力構 築に大きな影響を与える • 情報的資源などの経営資源の蓄積・展開 やそれを創出する能力の伸張を通じて、 企業全体の成長を図っていく経営戦略の 策定(=資源ベース・アプローチ) 12
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