スライド 1

2014年6月男女平等月間 学習会資料
連合総合男女平等局
1
今回の省令・指針改正のポイント
~新たに均等法へ規定された内容を職場で生かそう!~
○間接差別の対象となる転居を伴う転勤要件の適用拡大(省令および指針の改正)
・間接差別の該当事項である転居を伴う転勤要件の「総合職」限定を削除し、全ての職種に適用
・間接差別の該当事項である転居を伴う転勤要件へ、
新たに「昇進」「職種の変更」を加える(これまでは「募集」と「採用」が間接差別の対象)
*「間接差別」とは、性別以外の事由を要件とする措置であって、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員
に相当程度の不利益を与えるものとして省令で定められてることを、合理的な理由がない場合に行うことをいう
○婚姻を理由とした差別について、雇用の全ステージについて例示
・「職種の変更」と「定年」に関する例示を追加
○セクシュアル・ハラスメント予防の拡大・徹底など(指針の改正)
・事業主が防止すべき「セクハラ」には、「同性に対するもの」も含まれることを明記
・性別役割分担意識に基づく言動も、事業主が防止に留意すべき事項に明記
・セクシュアルハラスメントの事後対応において、行為者に対する措置と、被害者に対する
措置を分けて規定すること
・被害者に対する措置の例にメンタルヘルスへの相談対応を追加
○コース別雇用管理区分に関する留意事項について、通達を指針に格上
・
げ「総合職」や「一般職」などのコースが、実質的な男女別コースにならないよう事業主が留
意すべき事項を、行政内部向けの通達から、事業主がやるべきことを定めたガイドラインに格
上げし、実効性を強化
2
セクハラ指針へ新たなものを追加
~事業主が取り組むべき義務が増えました~
同性間セクシュアル・ハラスメント
性別役割分担意識に基づく言動
3
4
そもそも男女雇用機会均等法とは?
~均等法の押さえておくべき基本ポイント~
均等法の基本その1~均等法は行政が事業主を指導するための法律~
・事業主へ義務を課し、義務違反に対して行政からの指導を行い是正を促す法律
・実効性において問題があることが指摘されてきている
例)・指導に事業主が従わない場合がある
・そもそも行政が義務違反を把握できなれければ指導できない 等
均等法の基本その2~法律だけでは具体的なことがわからない~
・雇用機会均等法(法律)
・均等法施行規則(省令)
・均等法指針(告示)
・各種通達(局長通達など)
4段重ね
法律本文だけ読んでも、
職場でどう使えるのかは、
わからないんだね。
均等法を正確に理解するためには、
4段全てを見ていく必要がある
均等法の基本その3~「雇用における性差別のみ」規定した法律~
・女性労働法体系
―労働基準法(女性関係)
―男女雇用機会均等法
―育児・介護休業法
―次世代育成支援対策推進法
―パートタイム労働法
・均等法は、男女を対象とした雇用における性差別禁止法
5
均等法は改正の度に新しい概念が加わってきました
~現在までの均等法改正とその内容~
改正経緯
施行日
改正のポ イ ン ト
均等法成立
1985. 4
①募集・ 採用、 配置・ 昇進に つ い て 女性を 男性と 均等に 取り 扱う 努力義務
②教育訓練、 福利厚生、 定年・ 退職及び 解雇に つ い て 、 女性で あ る こ と を 理由と
し た 差別禁止
1999. 4
①女性に 対す る 差別の努力義務規定が禁止規定に
②ポ ジ テ ィ ブ ア ク シ ョ ン 、 セ ク シ ュ ア ルハラ ス メ ン ト に 関わる 既定の創設
③母性健康管理措置の義務規定化( *98年4月施行)
2007. 4
①性差別の禁止範囲の拡大
②間接差別規定の導入
③妊娠・ 出産を 理由と す る 不利益取り 扱い を 禁止
④セ ク シ ュ ア ルハラ ス メ ン ト の対策強化
⑤母性健康管理措置に 関わる 企業名公表等の措置
⑥ポ ジ テ ィ ブ ア ク シ ョ ン に 関し 国が事業主に 対し て 行う 援助内容の追加
⑦均等法の実効性確保( 調停、 企業名公表制度の対象範囲の拡大、 過料の創設)
1997年改正
2006年改正
今回改正されていない部分についても、
しっかりと見直しておきましょう!
6
今回の改正内容を理解するための前提知識
~省令・指針・通達とは?~
7
今回の省令・指針改正の問題点
~法の抜本改正は長年の悲願~
8
男女雇用平等法制をすすめるための
今後の運動のポイント
こうした活動の積み重ねによって…
【目指す形】
男女雇用平等法
• 賃金格差是正、ワークライフバランスを明確に位置づける
• ポジティブアクションを事業主の責務と位置づける
• 間接差別法理を導入し、間接差別を例示列挙の形に
• 雇用管理区分を越えて法違反の判断を行えるようにする
• 差別救済制度を設け、罰則も整備
• ジェンダー関連法制の統合
ぜひ一緒に、男女平等社会の実現を目指していきましょう!
9
10
均等法理解のために押さえるべき背景
~ 1985年の男女雇用機会均等法成立への流れ~
差別実態
・募集、採用、配置・配置転換、賃金、教育訓練、昇進・昇格、
解雇、定年等諸々の差別が存することは否定できない
・明文をもって男女差別を禁止し、迅速かつ妥当な解決を図り
うる行政上の救済が必要
1978年11月「労働基準法研究会報告(女子関係)」
こんなに
ダイナミックな流れが
あったんだね!
国際的な流れから法制定
・1975年「国連婦人年」に採択された「世界行動計画」に基づき、
1976年~1985年は「国連婦人の10年」
・1979年に「女性差別撤廃条約」が国連総会で採択→国内法整備の必要性
・1985年に男女雇用機会均等法など関係法成立
→「女性差別撤廃条約」批准
制定された均等法の評価
・女性の活躍が当たり前になるなど、
「時代」が変わったというインパクトを社会に与えた
・あくまで長時間労働などが前提の「男並み」の働き方
を求められてしまうとの懸念が払拭できなかった
・努力義務項目が多いなど実効性に乏しい面も
11