第2章 アジアの経済発展 の歴史的変遷 ーNICsの登場ー 『0ECDレポート』の衝撃 「The Impact of Industrializing Countries on Production and Trade in Manufactures」 (1979年) ①レポートの特徴 「開発途上の世界において台頭しつつ あるダイナミックで新しい製品輸出 国が、先進工業国に動揺をもたらし ている。」 ↓ Newly Industrializing Countries (NICs) ②対象国 南欧 ギリシャ・ポルトガル・ スペイン・ユーゴスラビア 南米 ブラジル・メキシコ アジ ア 韓国・台湾 香港・シンガポール ③特徴 外向きの成長政策 (outward-looking growth policy) 世界の製品生産におけるシェア増大 世界の製品輸出におけるシェア増大 工業部門雇用シェアの上昇 1人当たりGDP生産の相対的増加 2、NICSの台頭要因 ①(比較優位)とプロダクト・サイクル ②生産工程の国際化→多国籍企業の世界的展開 (アジアの場合は日系企業) ③変化する国際環境(=石油ショック)への柔 軟な対応 1)一次産品価格高騰に対する国内需要抑制 と輸出部門への資源の優先的配分 ↑ 2)オイルダラーの導入 一次産品 NICS政府 優先的配分 輸出産業 一次産品 石油産出国 抑制 内需産業 オイルダラー ユーロダラー 3、NICsへの展望 「NICsに属するいくつかの国は、そ の地歩を失うかもしれないし、将来先 進工業国と同じ水準の工業化を達成す るかもしれない。また、他の途上国が NICs化するかも知れない」 詳しくは郭洋春『アジア経済論』(中央経済社)第5章
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