インターネット自動車プロジェクトにおける インターネット移動体通信技術 インターネット自動車プロジェクト 2004年3月8日 インターネット自動車プロジェクトは、自動車をインターネットに接続し、情報交換をするためのシステムの研究を、1996年よ り行なってきました。自動車は人間と共に自由に移動し、バッテリを搭載しているため、インターネット移動体通信技術のテス トベットとして適しています。また、当研究グループでは、自動車をインターネットにつなげることによって自動車の持つ情報を 有効活用できると考え、移動体におけるデジタルコミュニケーション環境を実現していくことを目的としています。 映画配給会社 ゲーム会社 コンテンツ製作会社 音楽配信会社 タクシー会社 バス会社 物流・宅配会社 気象情報会社 交通情報センター 安全運転・省エネ・低燃費 プローブからの天候・渋滞など ガソリンスタンド 駐車場 空き状況確認 予約 車両診断 広告配信・音楽配信・マーケティング ホテル 宿泊施設 レストラン・CVS イベント会場・チケット業者 旅行代理店・観光業界 共通サービス 基盤 安 全 性 輸 送 効 率 快 適 性 路側インフラ 環 境 通信 ネットワーク 車載端末 官公庁・自治体 道路管理者 交通管理者 交通調査 環境調査 CO2 道路メンテナンス 広告配信・マーケティング マイホーム マイオフィス アクセス セキュリティ会社 保険会社 ロードサービス 修理工場 予約・代金照会 ディーラー 中古車販売会社 リース会社 レンタカー会社 走行距離履歴・車両診断・運転診断 走行履歴・事故履歴 当研究グループでは、IPCarプロジェクトに携わり、プローブ情報サービスの研究開発を行ってきました。また、イ ンターネットITSプロジェクトにも携わり、ITS(高度道路交通システム)のインフラとしてインターネットを活用するた めの研究を行ってきました。そしてこれらの活動を通して、研究成果の実証実験を行いその有効性を確かめてきま した。研究成果を実際のサービスに組み込むことは新たな研究課題の発見につながります。 関連URL http://www.sfc.wide.ad.jp/InternetCAR/ http://www.internetits.org/ インターネットを使った自動車情報化実験の推移 年度 特徴 Internet CAR(WIDE) 1996 1997 1998 初めての実 Mobile IPの導 専用機の投入 験 入 IPCar(JSK) 1999 2000 プローブの可能性 社会実験 検証 2001 精度向上 Internet ITS 2001 2002 基盤技術の確立、 ビジネスモデ IPv6 ル模索 台数 地域 1 藤沢 7 藤沢 10 港北 270 横浜 270 横浜 1640 川崎、名古屋 1490 名古屋 車種 •実験車 •一般車 10 藤沢、奈良、石 川 •一般車 •実験車 •タクシー •バス •タクシー •一般車 •タクシー •PC •Note PC •sic2000 •専用機 •タクシー •バス •営業者 •トラック •塵芥車 •専用機 •専用機 •専用機 •専用機 取得情報 •位置 •車速 •ワイパー •ライト •位置 •車速 •ワイパー •位置 •車速 •ワイパー •位置 •車速 •ワイパー •位置 •車速 •ワイパー •位置 •車速 •ウインカー •サイド 通信機器 •DoPa •DoPa •PHS •無線LAN •DoPa •無線LAN •DoPa •DoPa •DoPa 車載機 2003 ビジネスモデ ル確立、モバ イルネット ワーク 1490+30 名古屋、横浜 •バス •タクシー •専用機 •車載ルータ •センサーノー ド •位置 •位置 •位置 •車速 •車速 •車速 •ワイパー •車外カメラ •実車/空車 •温度 •加速度 •ウインカー •DoPa, CPA, •DoPa •DoPa PHS, AirH”, 無線 •SWIFTCOM •無線LAN LAN, DSRC •AirH” デモ概要 自動車は移動するため無線通信メディアを利用しますが、無線通信メディアはセル範囲が限られているので、必要に 応じて基地局を切り替える必要があります。基地局を切り替えることは、一般的に、インターネット接続ポイントの変更 を意味します。インターネットの接続ポイントを変更するとインターネット上での計算機の識別子であるIPアドレスが変化 するため、接続中のセッションが切断されたり、通信相手が特定できなくなる問題が起こります。これらの問題を解決す るために、Network Mobility(NEMO)という技術が考えられており、当研究グループではこの技術のデモ展示を行って います。 1. Internet CarがどこにいてもwebカメラのIPアド レスは変わらない。よって、常に同じアドレスで webカメラにアクセスできる。(着信可能性) 2. Webカメラを見ているときにInternet Carが接 続するネットワークが変わってもIPアドレスは変 わらないので、通信は途切れない。(移動透過性) PC@home HA IPセンサのIPアドレスは変わらない。よって、IPセ ンサの情報を管理するcenter01 webサーバは 容易にセンサのデータを収集できる。 Center01 Web サーバ router Network1 Network2 Network3 Network4 Mobile Network内にいる計算機のアドレスは変化 しない。ネットワークを移動しても、音楽ストリーミン グが途切れることがない。 MR IP センサ Web カメラ CN MRが作り出すネットワークは、Internet Carが移動しても、ネット ワークアドレスが変化しない。そのため、車内ネットワークに接続 する計算機はつねに同じIPアドレスを使って通信できる。 当研究グループではInternet Carにたくさんの計算機、センサを 搭載する研究を行っており、この技術はInternet Carにとって必 須の技術である。 MNN Internet Car トポロジ図 ルータ Network1 2001:1::/64 音楽 streaming server Network2 Network3 2001:2::/64 2001:3::/64 Network4 2001:4::/64 2001:1::2 家のパソコン HA MRはどのネットワークに接続 しても、HAの移動体支援に よって下流のネットワークプレ フィクスを変更する必要はない。 CoA(上流のネットワークからも らうアドレス。) MR Mobile Router Address 2001:1:0:1::1 2001:2::2 CN1 Center01 webサーバ 音楽ストリーミングサーバ Internet Carはどのネット ワークに接続してもMRが 作り出すネットワークプレ フィクスは変わらない。 IPセンサ Webカメラ 2001:1:0:1::/64 Mobile Network (Internet Car) MNN Network Mobilityの概要 Binding Cache 1. 自動車に搭載されたMRは移動先の Binding Update MRがHAに現在の CoAを知らせること。 BC MRのHoAとCoAとの対応付け を管理するデータベース ネットワークからCoAを取得する。MRはそ のCoAを自らのMobile Router Addressと 一緒にHAへ教える。(Binding Update) 2. HAはMRから教えてもらったCoAをMR Home Agent Binding Cacheを 管理し、Mobile Network宛のパ ケットの転送を行 うルータ Interne t HA MNN ネットワーク カメラ CN 3. MRとCNとの通信はいったんHAが受け Correspondent Node 取り、HAはそのパケットをBinding Cache 通信相手の計算機 に入っているデータをもとにMRに転送す る。 Network1 Mobile Router ネットワークを移 動するルータ MNN のMobile Router Addressと対応付けて Binding Cacheに格納する。 ワイパー センサ 4. MRのCoAが変化してもCNにはその変 Care of Address CoA MNが実際に接続 しているアドレス MR MNN MNN 加速度 センサ 気温 センサ … 自動車はたくさんのノードの集合体 化を意識することはない。CNはつねにMR のMobile Router Addressと通信することが できる。 Mobile Network Node 移動ネットワーク上の 計算機たち MRは常に同じprefixを広告することができ るので、MRからRouter Advertisementを受 け取るノードは全て、自らのアドレスが変 わらないという利点を享受できる。 Network Mobilityがなかったら IPv6のIPアドレス Interne t 通信相手 Network prefix 2001:1::ABCD?? 2001:2::ABCD?? ネットワークを移動 すると変化する 2001:1:1:: Network1 Network2 2001:1::/64 2001:2::/64 ルータ 2001:1::A:B:C:D ルータ 2001:2::A:B:C:D Interface ID Interface固有のID A:B:C:D IPv6のアドレスは「Network prefix + Interface ID」からなっている ため、接続するネットワークが変わると自動車に搭載している ルータのIPアドレスは変化してしまう。 1. そのため、通信相手は変化したIPアドレスと、もとのIPアドレス を同一の計算機のIPアドレスであることを認識できない。 2. また、通信相手は自動車に搭載したルータのIPアドレスが 次々変わるため、そのアドレスを特定できない。 IPセンサの概要 IPセンサはネットワーク機能(TCP/IPv6)を備えた超小型センサです。センサデータはSNMPによって取得する ことができます。 IPセンサ ■特徴 •OSにμITRON(NORTi)を使用 サーバに 情報収集 internet MR •組み込み機器に良く使われるH8マイコン (H8/3069F)を使用 Network(TCP/IP) •ROMは、マイコンに内蔵 •IPv6通信機能 •イーサネット経由での電源供給 Power on Ethernet(IEEE802.3af)に対応 •基板サイズが名刺サイズと小型であるため、取り 付けが容易 ・・・・・ SNMP proxy ブレー キ 温度 ワイパ シート ベルト IPv6 SNMP IP Sensor
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