(第15週) 第5章(2) 先週のおさらいとキーワード(p.91〜104) §1 金融仲介機関の機能 (i) 金融仲介機能と「情報生産」 (ii) 資産転換機能 (iii) 担保の役割と問題点 §2 貸付債権の証券化 (i) 資産担保証券 (ii) 特別目的会社 金融論(第15週) 1 §1 確認:直接金融を困難にする問題 ◆ 非対称情報がもたらす逆選択やモラル・ハザード ◆ ・ ・ ・ 直接証券の取引にともなう問題 価格変動に関する不確実性 債務不履行(default)のリスク 満期や流動性に関する選好のミスマッチ 金融論(第15週) 2 (i) 金融仲介機能のまとめ ▶ 金融仲介機関は情報生産に長けている ← ・ 規模の利益 ・ 長期継続による専門化(特化)の利益 ▶ 金融仲介機関の情報生産能力が優れていれば、 ・ 逆選択回避のための審査費用が低減 ・ モラル・ハザード回避のための監視費用が低減 → 貸出金利の低下、貸出額の増加をもたらす 金融論(第15週) 3 (ii) 資産転換機能 ◆ 満期の短い(流動性の高い)間接証券への転換 ← 大数の法則 ◆ リスクの小さい間接証券への転換 ← ・ 貸出先の審査や証券の安全性を調査 ・ 分散投資の利益 ・ 銀行の株主によるリスクテイク ※ 運用収益のリスクが全てカヴァーされる訳ではない (iii) 担保の役割と問題点 金融論(第15週) 4 §2 貸付債権の証券化 (i) 資産担保証券(ABS) ・ 保有証券を担保とする間接証券 ・ 極端な満期のミスマッチにともなうリスクを遮断 ・ 貸付債権のオフ・バランス化 (ii) 特別目的会社 ・ 資産担保証券を組成し投資家に発行 ・ 銀行から貸付債権の譲渡を受ける ・ 投資家に対する銀行の経営リスクが遮断される 金融論(第15週) 5 サブプライムローン問題(p.102,コラム) ■ → → → 2001年頃から米国で住宅ブーム 住宅金融会社がサブプライムローンを拡大 サブプライムローン、住宅を担保にABSを組成 各国の銀行やファンドがABS(RMBS)を大量購入 ■ 2005年頃から米国経済が悪化、株価・地価下落 ・ ABS(RMBS)のリスクが世界的に波及 ・ 2007年夏に世界的な株価暴落 ・ ABSを保有していた各国金融機関のB/S悪化 金融論(第15週) 6 §3 銀行以外の金融仲介機関(p.104〜108) ■ 保険会社 ・ 保険証券を発行 ※掛け捨て保険 ・ 徴収した保険料を直接証券に運用 ■ 投資信託委託会社 ・ 投資信託受益証券を公募形式で発行 ・ 集めた資金を直接証券に投資 ■ ファンド ・ 狭義のファンド :私募形式の信託 金融論(第15週) 7 ◯ 問題演習(配布資料)の解答 §1 Q1) エ Q2) イ Q3) ア §2 Q4) エ §3 Q5) イ 金融論(第15週) 8 来週の期末テストについて ・ 持ち込み不可 ・ 配布した解答用紙の裏面には書き込み可 (ただし手書きに限る) ・ 出題範囲:講義で解説した第1章~5章 ・ 形式 [1] 語句うめ (2点×15) [2] 文章の正誤選択 (4点×5) [3] 語句の説明 (5点×4) [4] 記述問題 (10点×3) ・ 小テスト得点も加点 (期末テスト得点平均が70以上の場合は50%加点) 9 2011年度講義終了 おつかれさまでした 金融論(第15週) 10
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