クリアリングハウスと 空間データ交換システムの連携 - メタデータとXML 平成11年2月10日 (株) NTTデータ 情報科学研究所 岩根 和巳 (C) 1999 NTT Data 概要 クリアリングハウスと空間データのサーバとの連携について 概観する。 メタデータの交換における問題点について述べる。 XMLを用いたメタデータの交換方法について考える。 -1- (C) 1999 NTT Data 用語 空間データ ベクトル・画像・統計などの、空間的属性を 持つデータ。 メタデータ 空間データに関する「言外」の情報を記述する データ。 空間データ 交換システム 空間データを保持し、それらのダウンロード サービスを提供するシステム。 クリアリング ハウス メタデータを保持し、それらの検索サービスを 提供するシステム。 XML 構造化テキストの仕様。 -2- (C) 1999 NTT Data メタデータとは メタデータ 空間データ メタデータ: • 空間データの様々な属性(所在情報、地理的範囲、品質情報 など)を記述するデータ。 • 基本的には{属性名、属性値}の集合。 • ISO TC/211において、国際標準としてのメタデータ仕様を 検討中(WG3, Work Item 15)。 • レベル1とレベル2の二枚立て。レベル1はレベル2の抜粋。 • レベル1に約60属性、レベル2に約450属性。 -3- (C) 1999 NTT Data メタデータと空間データの対応付け 1 メタデータ 空間データの全ての バリエーションに対し メタデータを付与すると、 冗長で、管理が煩雑。 空間データ フォーマットの 異なるデータ -4- レイヤー毎の データ 図郭毎の データ (C) 1999 NTT Data メタデータと空間データの対応付け 2 メタデータ 一対一に対応 論理的 空間データ交換 システムで対応を 管理(ディレクトリ) 空間データ 物理的 空間データ フォーマットの 異なるデータ -5- レイヤー毎の データ 図郭毎の データ (C) 1999 NTT Data 連携の概要 空間データ交換システム メタデータ登録 • 空間データ管理 • 空間データ提供 ダウンロード クリアリングハウス • メタデータ管理 • メタデータ検索 空間データの 所在情報 検索 クライアント 空間データのフォーマット、 範囲などを指定 空間データの属性に 関する条件を指定 -6- (C) 1999 NTT Data 連携における問題点 空間データ交換システム メタデータ登録 • 空間データ管理 • 空間データ提供 クリアリングハウス • メタデータ管理 • メタデータ検索 それぞれのシステムで、メタデータ(を構成する情報)の 管理方法・保持形式が異なる。 ディレクトリ単位の 管理情報ファイル v.s. -7- Relational Databaseの テーブル (C) 1999 NTT Data メタデータ交換形式の必要性 将来的に、独立に管理される 空間データサーバを接続しよ うとすると、問題は一層深刻 になる。 空間データサーバ A 空間データサーバ B クリアリングハウス 統一的な、メタデータの 交換形式が必要である。 空間データサーバ C -8- (C) 1999 NTT Data メタデータ交換形式に求められる条件 • 特定のプラットフォームに依存せず、加工しやすい。 • システム毎のニーズに柔軟に対応できる。 • 属性項目の追加・拡張が容易である。 • プロファイル(仕様のサブセット)の作成が容易である。 • ISO/TC211のメタデータ仕様を記述できる表現力を持つ。 • 階層構造を記述することが可能である。 • 属性項目の繰り返し記述が可能である。 -9- (C) 1999 NTT Data ISO/TC211メタデータの構造 A-3.2 Data quality information(M,1) Data quality(M,N) 1 ISO/TC211メタデータ仕様 Committee Draft (1998/07/09)の 一部を図案化したもの 1..* Data quality(M,N) Data quality level code(C,N) Data quality level description(C,N) Data quality extent(O,1) - A.3.12 Extent Information Data quality assessment(M,N) 1 1..* 0..1 Data quality assessment(M,N) Data quality report type code(M,1) Qualitative assessment(C,N) 0..1 Quantitative assessment(C,1) Qualitative assessment(C,N) 0..* Qualitative narrative report(C,1) Qualitative reference(C,1) - A.3.9 Citation Information 0..1 Quantitative assessment(C,1) Quantitative report(C,1) 0..1 0..1 0..1 Quantitative report(C,1) Quantitative conformance measure(C,1) Quantitative results(C,1) Quantitative reference(C,1) - A.3.9 Citation Information Quantitative conformance measure(C,1) 0..1 Conformance specification(M,1) Conformance explanation(M,1) Conformance code(M,1) 0..1 Quantitative results(C,1) Data quality value domain(M,1) 0..1 Data quality result(M,1) Data quality error statistic term(M,1) Quality date/time(O,1) - 10 - (C) 1999 NTT Data XMLとは XML (Extensible Markup Language): インターネット上で文書やデータを配布するために用いる、 マークアップ言語 「タグ」 <doc> <chapter> <title>第一章</title> <para>メタデータは多くの項目 から構成されます。</para> </chapter> <chapter> <title>第二章</title> <para>メタデータは検索に利用 できます。</para> </chapter> </doc> - 11 - • テキストである。 • 構造化されている。 • タグの定義はDTD (Document Type Definition) にて行う。 (C) 1999 NTT Data メタデータ交換形式としてのXML ISO/TC211仕様を XMLのDTDで記述 する。 メタデータをこのDTDに 従うXMLインスタンスと して作成し、交換に 利用する。 <!ELEMENT ISO15046-catalog(meta_file_id?, title, edition?, …, party+, …)> <!ELEMENT meta_file_id (#PCDATA)> <!ELEMENT title (#PCDATA)> <!ELEMENT edition (#PCDATA)> … <?xml version=“1.0” ?> <!DOCTYPE ISO15046-catalog system “http://www.nttdata.co.jp/iso211.dtd”> <ISO15046-catalogue> <meta_file_id>example1</meta_file_id> <title>数値地図2500(東京1)</title> <edition>95年3月更新版</edition> … </ISO15046-catalog> - 12 - (C) 1999 NTT Data XML形式のメタデータの流れ メタデータ作成 支援ツール XML 文書 XML→SQL 変換ツール メタデータ 作成者 ヘッダ情報 抽出ツール クリアリング ハウスの メタデータDB XML→管理 情報変換 ツール XML管理 ミドルウエア 空間データ - 13 - (C) 1999 NTT Data XMLを用いるメリット • 特定のプラットフォームに依存せず、加工しやすい。 基本的にテキストファイルである。 • システム毎のニーズに柔軟に対応できる。 • 属性項目の追加・拡張が容易である。 • プロファイル(仕様のサブセット)の作成が容易である。 DTDの拡張が可能である。 • ISO/TC211のメタデータ仕様を記述できる表現力を持つ。 • 階層構造を記述することが可能である。 • 属性項目の繰り返し記述が可能である。 十分な表現力を持つ。 - 14 - (C) 1999 NTT Data XMLを用いるデメリット • テキストなので冗長になる。 • 数値など、テキスト以外のデータを直接表現できない。 • が、そのための手法は検討されている。 • XMLそのままの形では、DBMSなどで管理できない。 • が、XML管理ミドルウエアが徐々に登場してきている。 • ある程度のコミュニティで合意された共通のDTDが無ければ、 その意義が損なわれる。 • 標準化は... - 15 - (C) 1999 NTT Data 標準化動向 メタデータDTDの「標準」はいまだ存在しない。 • ISO/TC211 1998/07/09付けCommittee DraftのAppendix → このDTDはバグが多く、使用不可。2月のCD2に期待。 • OpenGIS Consortium Topic 13, Catalog Services APIプロポーザル → XMLの利用が提案されたが、詳細は流動的。5月の 再提出に期待。 • 官民連帯共同研究 今年3月予定の最終原案にDTDが含まれるか? → 基本的にはISO/TC211と同一。タグ名の日本語化に期待。 - 16 - (C) 1999 NTT Data 今後の課題 •メタデータの流れを支える各種ツールを整備する。 • メタデータ作成支援ツール。 • メタデータ変換ツール。 • 標準をいちはやく取り上げる。 • タグだけの標準化では不十分。 • タグの中身のセマンティクスが重要(根が深い…)。 • メタデータの高度利用を考える。 • 検索サービスの次は何か? - 17 - (C) 1999 NTT Data 関連するURL等 ISO TC/211 XML OpenGIS Consortium 官民連帯共同研究 http://www.statkart.no/isotc211/ http://www.w3.org/XML/ http://www.opengis.org/ http://www.gsi-mc.go.jp/REPORT/GIS-ISO/KMGIS/kmindex.html - 18 - (C) 1999 NTT Data
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