マクロ経済学初級I (春学期) タイプIIクラス

マクロ経済学初級I (春学期)
2005年
白井 義昌
4月19日
マクロ経済学初級I
参考書
•
Principles of Economics, 2nd edition
N. Gregory Mankiw, The Dryden Press, 2000.
http://www.harcourtcollege.com/econ/mankiw
購入は洋書店かhttp://www.amazon.co.jpにて。
• 邦訳本 マンキュー経済学IIマクロ編 東洋経済新報社
4月19日
マクロ経済学初級I
成績評価
• 期末テスト
4月19日
マクロ経済学初級I
講義の目標
• 経済学の問題とそのアプローチを理解する。
• 新聞などで報じられる経済問題を自分の頭
で理解、検討できるようにする。
• 経済学に一層の興味を持てるようにする。
4月19日
マクロ経済学初級I
講義予定1
• 経済学とは何か
–
–
–
–
4月19日
経済学の十大原理 (第1回講義)
経済学者の考察方法 (第1回講義)
相互依存と貿易の利益 (第2回講義)
市場、需要と供給(第2回講義および第3回講義)
マクロ経済学初級I
講義予定2
• マクロ経済学
–
–
–
–
–
–
–
–
–
4月19日
マクロ経済学のデータ (第3回講義)
経済全体の取引をどのように把握するか? (第4回講義)
経済循環図 (第3回講義)
国民所得勘定 (第3回講義)
長期における生産性、総生産、雇用 (第5回講義)
総生産水準の決定、消費と貯蓄(第6回講義)
消費関数と総需要 (第7回講義)
投資の理論 (第8回講義)
資産市場と貨幣 (第9回講義)
マクロ経済学初級I
第1回講義
経済学とは何か?
4月19日
マクロ経済学初級I
経済学の考察
• 資源の希少性 Scarcity of resources
• 経済学は
社会がその希少な資源をどのように管
理するかを考える学問である。
Economics is the study of how society
manages its scarce resources
• 資源配分 resource allocation
4月19日
マクロ経済学初級I
社会的資源配分を考察するに
あたっての重要な要素
• 主体の意思決定 Decision making
• 主体の意思決定の相互依存
Interaction of decision making
-市場を通じて
-非市場的組織を通じて
• 経済全体をどう表現するか。社会会計
• 経済は全体としてどのように動いている
か?
4月19日
マクロ経済学初級I
経済学の十大原理
• 主体はどのように意思決定をするか
How people make decisions.
• 主体はどのような相互依存関係にあるか
How people interact
• 経済は全体としてどのように動いているか
How the economy as a whole works
4月19日
マクロ経済学初級I
主体はどのように意思決定
をするか
第1原理:
経済主体はトレードオフに直面している
第2原理:
ある選択の費用はその選択をとることによっ
て放棄した選択によって測られる。
機会費用
4月19日
マクロ経済学初級I
主体はどのように意思決定をするか(続き)
第3原理:
合理的主体は限界原理にもとづいて意思
決定する。
Rational people think at the margin.
第4原理:
主体はさまざまな誘引に反応する。
People respond to incentives
4月19日
マクロ経済学初級I
主体はどのような
相互依存関係にあるか
第5原理:
交換によって全ての主体が豊かになる
ことが可能である。
Trade can make everyone better off.
交換の利益、貿易の利益 Gains from trade
4月19日
マクロ経済学初級I
主体はどのような相互依存関係にあるか(続き)
第6原理:
市場は経済活動を運営するうえで通常は
有益な方策である。
市場経済
第7原理:
政府は時によって市場取引の成果を改善
することができる。
市場の失敗、外部性、市場支配力
4月19日
マクロ経済学初級I
経済は全体としてどのように
動いているのか
第8原理:
一国の生活水準はその国の財サービスの生産能
力に依存する。
第9原理:
政策当局が貨幣を増発すると諸価格は上昇する。
第10原理:
社会は短期的にインフレと失業の間のトレードオ
フに直面する。
4月19日
マクロ経済学初級I
経済学者の考察方法
4月19日
マクロ経済学初級I
経済学の特徴
• 主体、取引対象を分割する。
• 社会会計
誰かの支払いは誰かの受け取りになって
いるという原則に着目し、主体、取引対象
について整理することができる。
4月19日
マクロ経済学初級I
モデルで考える
•
•
•
•
主体の行動仮説 (原理1,2)を想定する。
主体の行動環境についての仮定をおく。
その経済的な帰結を演繹する。
説明しようとした経済現象との照らし合わ
せをデータを用いて行う。
4月19日
マクロ経済学初級I
ミクロ経済学とマクロ経済学
• マクロ経済学
集計された変数についての考察
GDPの決定、成長、
物価上昇率、失業率、利子率のふるまい
• ミクロ経済学
主体の意思決定過程を明確にし、主体間
の資源配分についてその帰結を考える。
4月19日
マクロ経済学初級I
実証分析と規範分析
• 実証分析 positive analysis
ある経済現象についてなぜそうなるかを
説明しようとする分析
• 規範的分析 normative analysis
ある資源配分が何らかの意味で望ましい
かどうかについての分析
4月19日
マクロ経済学初級I