インターネット先進国 としての韓国

インターネット先進国
としての韓国
インターネット戦略研究所
The IPv6 Journal
三木 泉
韓国インターネットの普及
• 韓国インターネット利用者数2420万人(2001年9月末現在の7才以上
で月1回以上インターネットを利用する人の数、KRNICによる調査)。
ちなみに人口は4650万人
• 2Mbps以上の「超高速インターネットサービス」(日本で言うブロード
バンドインターネットサービス)加入は10月現在で726万。
• 13~18歳の71%、43~55歳の44%が「パソコンは生活必需品」
• 日本文化輸入規制でゲーム専用機の代わりにPCゲーム。オンライ
ンゲームへと進化でPC房が爆発的に増加
• 政府のインターネット促進策と通信自由化でADSLが低価格化競争
• ソウルと衛星都市に人口の25%が集中。人口の80%が都市生活者。
90%以上の世帯が電話局から半径4キロ以内に住み、アパート居住
者が4割という密度がADSL普及に拍車(726万のうち412万を占め
る)
どう使われてきたか
• 教育におけるインターネット利用の普及は見逃せない
(学校の宿題をインターネットで。政府認可のサイバー大
学も登場)。家庭の主婦も重要なインターネットユーザ(ア
パートから周辺の商店にインターネットで注文など)。生
活への密着が目立つ
• 地上波TV放送のストリーミングを除いて「ブロードバンド」
アプリケーションは意外にはやっていない。「常時接続」
を生かしたインタラクティブコミュニケーションツールとして
の利用。これまでのコミュニケーションを拡張するもの
• オンラインゲーム、チャット、掲示板、ビデオ電話を含む
VoIPで次々に話題となるサービスが登場
インターネットが生む新たな問題
• LANによるインターネットサービスがあらかじめ用意されている「サイ
バーマンション」でのセキュリティ対策
• インターネット中毒
「延世(ヨンセ)大学・心理学科の 黄相旻
(ファン・サンミン)教授は「今月13~19日、ネチズン1万3588人を対象
に実施したアンケート調査の結果、国内のインターネット中毒者は最
大738万人と推定された」とし、「米国(6%)よりも5倍以上高い中毒率」
だと指摘した。黄教授の調査によると、韓国の全人口のうち、6人あ
たり1人の割合でインターネット中毒にかかっているといえる。中毒の
症状は、インターネット使用時間が1日8時間以上、仕事以外の使用
時間が5時間以上、日常生活に支障を与える程のインターネット使用
などが挙げられている。年齢別には10代が51.6%、20代が42%、30
代が28.9%、40代が22.9%など、年齢が下がる程中毒者が多かっ
た。 」(朝鮮日報)
インターネットが生む新たな問題
• サイバー犯罪:001年に発生したサイバー犯罪約25,000件(10月まで。
インターネットゲーム関連犯罪はそのうち26%)
• 自殺、不倫、退学の奨励? 「去年から自主退学者のオンライン・
ミーティングとして始まった自主退学サイトが、最近、7~8の大型
ポータルサイトクラブとして活動する程急増した。このサイトは、連鎖
自殺を招いたインターネットの自殺サイトに続き、サイバー空間の人
気アイテムとなっている。 「学校外の人生を歩む人々」、「未来に
向けた第一歩」、「10代の反乱」、「理由なき自主退学者の部屋」など
の名前からも分かるように、息のつまるような学校の現実を吐露し、
それから“脱出”する方法まで論議する“脱学校運動”の面貌まで見
せている。このようなサイトに加入している生徒は、単純な自主退学
ではなく、「これ以上学校に通うことに意味がない」という“信念”を
もって自主退学するのが主流となっている。」(朝鮮日報)
韓国に学ぶ可能性と課題点
• 一方的なコンテンツ消費に比べコミュニケーショ
ンツールとしての利用が進んでいる
• インターネットは普及するほど効用が高まる(日
常生活に密着したサービスができるようになる)
• しかし逆に日常生活に求められないものをPCに
求めることが逃避や社会規範の変容につながる
(日本における携帯電話はすでに似た現象を起
こしつつある)