ソウル市における景観的特徴の類型化 高密度な都市空間の景観的特徴とその影響に関する研究 目次 1.序章 1.1研究の背景と意義 1.2研究の目的と構成 1.2.1研究の目的 1.2.2論文の構成と研究のフロー 1.2.3研究の方法 2.ソウル市について 2.1ソウル市の沿革 2.2ソウル市の概況 4.景観写真分析 4.1分析の方法 4.2景観写真の整理 4.3分析指標の抽出 4.4データベース 4.5数量化Ⅲ類 4.5.1カテゴリースコア(軸の解釈) 4.5.2サンプルスコア 4.6クラスタ分析 5.景観阻害の把握 3.現地調査 3.1調査の方法 3.2調査地点の抽出 3.3調査事項 3.4調査結果 6.総括 7.謝辞・参考文献 研究の背景 ・都市空間の密度とそこに現象する景観の特徴・景観阻 害には、深い関係があると考えられる。 ・韓国の都市は、一般的に日本の都市の3倍の密度があ るとされる。 研究の目的 ・ソウルを対象として、高密度な都市空間の実態と、そこに現 象する景観の形態の特徴をさぐる。 ・画像の類型化と景観阻害の現状を把握する。特に高層建 築との関連を見る。 フロー 調査地域の設定 マトリクス表 現地調査 画像データベースの作成 多変量解析の数量化Ⅲ類による類型化 用途地域、地形条件を考慮し、 地図より撮影地点を抽出。 84地点で計731枚の写真を撮影 写真にコードを与え整理、 サンプルの抽出 ワークショップをかさね Itemの決定 ソウル景観の類型化 ソウル景観の特徴を把握 現地調査 用途地域、地形条件を考慮し、 地図より撮影地域を抽出した。 1998年8月に調査員6名と 現地の学生の協力により調査 を実施。(84地点731枚) あらかじめ調査票を作 成し、写真撮影時に記 入。 帰国後、写真をコ ンピュータに入力 し、整理。 コード C012201 C012301 C016401 C018201 C022401 C032501 C042701 C052801 C052901 C063001 C063101 C067701 C067801 C073201 住居地域 商業地域 緑地地域 工業地域 計 平地 河川付近 山 丘陵 計 7 3 1 4 13 0 0 1 5 0 5 4 4 0 0 0 29 3 6 9 撮影地点 地域 No 地点名 No 地域名 22 Suyu交差点 1 Suyu 23 Ui1橋上 1 Suyu 64 Midopaデパート前 1 Nowon 22 Kangmk区役所前 1 Suyu 24 Pulgwang駅前 2 Pulgwang 25 Songsin女子大学 3 Donam 27 Chongnyangni駅 4 Chongnyangni 28 Sechonno交差点 5 Chongno 29 Chonnmyo前 5 Chongno 30 南大門 6 Sungnyemun 31 Seoul駅 6 Sungnyemun 77 明洞 6 Sungnyemun 78 乙支路 6 Sungnyemun 32 Shinchon駅前 7 Shinchon 15 14 14 4 47 用途 地図 撮影 撮影者 撮影日 地域 番号 枚数 商業 6 若林 8/29 4 商業 6 若林 8/29 4 商業 4 若林 8/29 1 商業 6 若林 8/29 1 商業 9 若林 8/30 3 商業 18 李 8/26 16 商業 9 李 8/29 10 商業 25 若林 8/30 18 商業 25 若林 8/30 12 商業 29 李 9/1 25 商業 29 李 9/1 22 商業 29 李 9/1 14 商業 25 李 9/1 21 商業 24 若林 8/30 12 ワ-クショップで構築した考えをもとに 景観構成要素によるアイテムを決定。 Itemの決定 1.自然構成要素~遠・中・近景に分けない。 ・山、丘陵 ・河川 ・樹林 2.建築物~遠・中・近景に分けて用いる。 ・住居~ビラ ・低層建築物~6階程度まで。 ・中層建築物~10階程度まで ・高層建築物 ①アパート ②ビル ・住居群 ~複数の建物群。 ・高層建築物群~ 〃 3.その他構成要素 ・道路1~連続性のある道路。Path ・道路2~連続性のない道路、及び広場など。 ・街路樹 ・高架道路、鉄道 ・橋 ・看板~あまりに少数な場合は除く。 ・標識、信号~近景に限る。 ・電柱、電線~ 〃 。 ・街灯 ~ 〃 。 ・鉄塔、煙突 ・クレーン データベースの作成 例) G075120 ア イ テ ム 山 、 丘 陵 コード G075120 1 河 樹 低 低 低 住 住 住 中 中 中 川 林 層 層 層 居 居 居 層 層 層 建 建 建 1 2 3 建 建 建 、 湖 築 築 築 築 築 築 物 物 物 物 物 物 1 2 3 1 2 3 1 1 1 1 1 1 高 層 建 築 物 1 高 層 建 築 物 2 高 層 建 築 物 3 高 層 ア パ ー ト 1 高 層 ア パ ー ト 2 1 高 住 高 層 居 層 ア 群 建 パ 築 ー 物 ト 群 3 1 1 VARIABLE 山、丘陵 河川、湖 樹林 低層建築物1 低層建築物2 低層建築物3 住居1 住居2 住居3 中層建築物1 中層建築物2 中層建築物3 高層建築物1 高層建築物2 高層建築物3 高層アパート1 高層アパート2 高層アパート3 住居群 高層建築物群 道路1 道路2 街路樹 高架道路、鉄道 橋 看板 標識、信号 電柱、電線 街灯 鉄塔・煙突 クレーン COUNT 130 32 153 119 108 20 34 55 28 27 58 12 41 83 55 31 95 42 49 118 146 66 132 16 24 64 110 112 134 26 34 CATEGORY SCORE 数量化Ⅲ類 Ⅰ軸 近景 遠景(眺望的) Ⅱ軸 低層 高層 Ⅲ軸 商業地域 住居地域 CATEGORY 山、丘陵 河川、湖 樹林 低層建築物1 低層建築物2 低層建築物3 住居1 住居2 住居3 中層建築物1 中層建築物2 中層建築物3 高層建築物1 高層建築物2 高層建築物3 高層アパート1 高層アパート2 高層アパート3 住居群 高層建築物群 道路1 道路2 街路樹 高架道路、鉄道 橋 看板 標識、信号 電柱、電線 街灯 鉄塔・煙突 クレーン 固有値 相関係数 axis1 0.645773 1.361796 0.806329 -0.53921 -0.15876 2.594679 1.80812 1.88871 2.69639 -1.3409 -0.64578 1.334295 -1.5777 -0.88332 -0.16 -0.30993 0.380219 1.400845 2.15045 0.72839 -0.80635 -0.64074 -1.1577 1.440477 1.338694 -1.0819 -1.04914 0.08028 -0.8137 0.820751 0.537673 0.46935 0.685091 HI LOW axis2 0.375059 -3.2904 -0.05479 0.417595 0.4315 0.573303 1.90804 1.85762 1.67541 0.755534 0.500783 1.004838 0.633092 0.186934 -0.59101 -1.7023 -1.5547 -1.0208 1.68996 -1.32983 0.224752 0.02478 0.141701 -0.29625 -3.6187 0.700327 0.156777 0.408149 -0.3787 -0.38638 0.241927 0.331815 0.576034 axis3 0.29304 0.978809 -0.10155 -1.27785 -0.46682 1.565025 -1.2383 -0.16639 1.382822 2.12227 1.5154 2.41281 1.98894 1.47465 1.59327 -1.9482 -1.0154 1.041165 0.446993 -0.32877 -0.28763 -0.35497 0.252514 0.698506 1.375238 -1.12629 0.239385 -1.33222 0.491377 -0.83786 0.572272 0.261893 0.511755 CATEGORY SCORE 低 層 住居1、2 住居3 住居群 中層建築物1 看板 高層建築物1 遠景 Ⅰ軸 近景 高層アパート3 高層アパート1 高層アパート2 河川、湖 層 Ⅱ 軸 高 橋 CATEGORY SCORE 商 業 地 域 中層建築物1 高層建築物1 高層建築物2 中層建築物3 高層建築物3 中層建築物2 高層アパート3 住居3 住居群 Ⅰ軸 近景 住居2 高層アパート2 高層アパート1 住 居 Ⅲ 地 軸 域 住居1 遠景 サンプルスコア code C012201 C012202 C012203 C012204 C012301 C012302 C012303 C012304 C016401 C018201 C022402 C022403 C032501 C032502 C032503 C032504 C032505 C032509 C042701 C042702 C042703 C042705 C042708 C052803 C052808 C052810 C052811 C052814 C052815 axis1 -0.74315 -0.69215 -0.47485 -0.67468 0.67135 0.4998 0.49216 -0.33089 -0.50239 -0.8034 -0.59246 0.20615 -0.42176 -0.01958 -0.34027 -0.36997 -0.33816 -0.07512 -0.19259 -0.75394 -0.4704 -0.4704 -0.66237 -0.76209 -0.79595 -0.54589 -0.75698 -0.55408 -0.73605 axis2 0.21009 0.21897 0.2221 0.26661 -0.03631 -1.34017 -0.83197 0.15449 0.12557 0.25018 0.34967 0.43731 0.35017 0.59666 0.42518 -0.03983 -0.29252 0.50889 0.06187 0.3809 -0.103 -0.103 0.20536 0.13323 0.09771 0.1524 0.31318 0.17484 0.27341 axis3 -0.44401 -0.55791 -0.26102 0.33576 -0.5153 -0.35859 -0.25618 -0.32512 0.67979 0.08258 -0.33909 -0.33876 -0.9659 -0.89819 -0.74619 -0.45788 -0.37608 -0.25499 -0.80228 -0.9197 -0.94363 -0.94363 -0.21183 0.47106 0.55254 0.02225 0.57684 0.54052 0.52402 クラスター分析 ・Ⅰ軸~Ⅲ軸までを使用 ・5類型に類型化 ・ユークリッド平方距離 ウォード法を適用 クラスタ別の サンプルスコア平均 サンプル数 CLUSTER Ⅰ軸(平均値) Ⅱ軸(平均値) Ⅲ軸(平均値) サンプル数 TYPE1 TYPE2 -0.32896 -0.6733 0.288699 0.186555 -0.51479 0.418379 52 85 TYPE3 0.994554 0.588174 0.024522 58 TYPE4 0.655653 -1.14699 0.352497 31 TYPE5 -0.05248 -0.42039 -0.30204 70 SAMPLE SCORE 低 層 近景 遠景 高 層 type1 type2 type3 type4 type5 SAMPLE SCORE 商 業 地 域 近景 遠景 住 居 地 域 type1 type2 type3 type4 type5 TYPE1 TYPE1 低層な建築物によって構成さ れる、ストリートの景観。 特徴ともなりうる要素なのだが 看板などが多く、色のばらつき が目立つため、雑然とした雰 囲気がする写真が多いように、 感じられる。 TYPE2 TYPE2 超高層建築物によって構成 される、中心地(商業地域) の高密な景観。 都市の景観としては、一般 的だと思われるが、右の写 真や南大門のように、歴史 的建築物が、埋もれてしま うことが見受けられる。 TYPE3 TYPE3 住居(ビラ)によって構成さ れる、郊外の住居地域。 眺望的景観が多く、景観的 には、悪いと感じられない。 ただし、高層アパートなど が隣接して建築されること があり、それが景観を破壊 することもある。 TYPE4 TYPE4 河川沿いの景観であり、そ の構成要素はほとんど超高 層アパートで、連立して建ち 並び壁のようである。 特に、問題提起してきた高 密度な空間が広がっている。 スカイラインの破壊が目立 ち、景観破壊が深刻である。 TYPE5 TYPE5 超高層アパートが景観構成要 素のメインであり、そのため大 変高密な空間になっている。 アパートが屏風のように建ち 並び、圧迫感を感じる。 低層な建築物と、高層な建築 物が隣接していることが多く、 問題であると感じられる。 今後 クラスタの性質の分析 ・クラスタの地理的分布 ・クラスタと用途地域の関係 ・クラスタと地形の関係 クラスタ別に景観的な課題を分析 ・ ・・・・?
© Copyright 2025 ExpyDoc