福島第一原子力発電所における 熱中症教育(15分版) 産業医科大学産業医実務研修センター 平岡 晃 森 晃爾 熱中症の症状 • 熱中症の症状は、 – 軽度ではめまい、失神、こむら返り – 中等症では、頭痛、吐き気、倦怠感 – 重症では、意識障害や痙攣、高体温 などです。 • 重症では、命にかかわる状態になります。 (毎年作業中に数十人が死亡しています) • 突然、重症になることもあります。 第一原発での作業 において、 熱中症に対して、 あなたが注意すべきことを お話しします。 これだけはしよう! • 作業員自身がすべきこと ① ② ③ ④ ⑤ 健康管理の確認 作業前日から当日朝の注意 作業前のチェック 定期的な休憩と適切な飲水 クールベストの着用 ① 健康管理の確認 • 定期的に健康診断を受けていますか? • 医師から、仕事について制限を受けていませ んか? • 治療が必要といわれた病気があるのに、放 置していませんか? • 病気を治療していたのに、薬切れや自己判 断で中断していませんか? 特に、糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病など と診断されている方 ②作業前日から当日朝の注意 • 作業前日は飲酒は控えめにして二日酔いは 絶対に避けましょう! • 睡眠不足も熱中症の危険性が高まります。 前日は夜更かしをせず、早めに就寝しましょ う! • 必ず朝食は摂りましょう! ③ 作業前のチェック 発熱・下痢などの症状は熱中症を おこしやすい状態です。 そのような時は絶対に屋外作業は しないでください! 作業前の体調不良は、熱中症の発生率に大きく関 わります。 ④定期的な休憩と飲水(1) • 休憩 • 作業内容や強度にもよりますが、できる だけ20~30分に1回、長くても1時間に1回 は空調の効いた涼しい休憩室や車内で 休憩を取るようにしましょう。 • 保護具をはずし、リラックス! ④定期的な休憩と飲水(2) • 休憩 • 飲水 • 作業前および休憩のたびに、コップ1杯~2杯程 度(150mL~250mL)以上の経口補水液やスポー ツドリンクを必ず飲むこと! (喉が渇いていなくても、自分を守る保護具だと 思って確実に!) • OS-1がベストです! (な ければ、ポカリやアクエリアス) ※水やお茶は塩分が含まれていないため、飲み続け ると塩分が不足してしまう ※ナトリウムが十分入っているOS-1なら、トイレには行 きたくなりにくい ⑤クールベストの着用 • クールベストを必ず着用しま しょう。 • 防護服の下は薄着にしましょう。 具合が悪くなったら めまいや頭痛などの症状が発 生したら、無理をせず、周囲に 訴えてください。 ちょっとした無理が命取りに なることがあります! 周りに具合の悪い作業員がいたら すぐに医療班に連絡してくださ い。 1F医療班連絡先 •○○-○○-○○ •内線○○(医療班班長) 早めの対応が大切です。 終わりに • 熱中症は状況によっては死に至る病気です。 万全の準備をして作業に臨みましょう。 • 体調が心配のときは、Jヴィレッジまたは緊急 対策室(1F免震棟)の医師に相談してくださ い。 • 万が一の時は迅速な行動をお願いします。 必ず医療班へ連絡を!
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