新しい要求分析のあり方 4495027 小倉 亜樹子 文献紹介 情報処理 VOL.36 NO.10 pp921-928 「新しい要求分析のあり方」 小幡 孝一郎著 1995年 はじめに ソフトウェア製品は,実際に使ってみる前に それがどのようなものか、ユーザが理解する のは難しい。 開発の早い時点で、ユーザの要求を明確に 定めそれに従って開発することが重要 情報システムの開発手順 step 1 step 2 step 3 step 4 step 5 step 6 問題の確認と定義 目標(望ましい姿)の定義 目標に至るための代替案の検討 最適案の選択 実施 結果の確認と評価 従来の要求定義のプロセス 現状モデル 現状分析 アナリスト 確認 ユーザ 要求論理モデル 要求定義 アナリスト 確認 ユーザ 2つの暗黙の前提 1 現状の問題や到達すべき目標は「客観的」 に定義することは原理的に可能 2 「客観的な事実」を発見するのはアナリスト の役割。そのための情報を提供し、アナリス トが発見した「事実」に誤りがないかを確認 するのはユーザの役割 状況の変化 • 開発対象業務の質の変化 – 定型的から非定型的なスタッフ業務 • 開発・利用環境の変化 – 集中的な処理から分散的な処理 従来の要求定義のプロセスは意味 のある結果を期待できない 要求定義のプロセスが満たすべき条件 1 問題状況に対する関係者すべての深い 理解を促進する 2 対象世界は基本的には関係者1人1人の 認識の中にのみ存在する。という考えに基 づく 3 エンドユーザの主体性の下で要求定義が 行われることを保証できる SSM SSM(ソフトシステム方法論)とは「理想的 には終わりのない」学習過程を巻き起こすこ とによって改善をもたらすための方法論 認識表現 繰り返し 関係者 議論 SSMは3条件を満たすか 1 問題状況に対する関係者すべての 深い理解を促進する 今まで アナリストが主導権を持つ SSM アナリストもユーザも議論を繰り返 すため関係者すべての深い理解を 促進する SSMは3条件を満たすか 2 対象世界は基本的には関係者1人1人の 認識の中にのみ存在する。という考えに基づく 今まで SSM 「客観的に定義できる唯一の 対象世界が存在する」と考える 関係者の価値観を反映していくつも モデルを考え議論するので、主観 主義の立場にうえで共通の考えを 導くことができる SSMは3条件を満たすか 3 エンドユーザの主体性の下で要求定義が 行われることを保証できる 今まで アナリスト主体 SSM 関係者は終わりのない学習過程に 巻き込まれる。これは当事者が主 体的でなければ実行できない 海外での研究 要求工学 – ソフトウェア開発をする際に, ユーザの要求をいかに漏れなく elicitation 引き出すか – それをいかに正確に表現するか representation – 把握された要求が完全でしかも 矛盾がないことをどのようにして validation 検討するか SSMの研究 • SSMとSDMとの結びつき • データ分析とモデリングのへの適用
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