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大阪府地域医療再生計画「堺市・南河内医療圏」(概要版)
1 対象とする地域、計画期間
『対象とする地域』
堺市医療圏(ただし、救急医療体制については、南河内医療圏を包含して一体的に整備)
(理由)
堺市圏域の救急患者の多くが南河内圏域の救急医療機関に搬送される一方、南河
内圏域の救急患者の多くが堺市圏域等の救急医療機関に搬送されるなど、両圏域は
救急医療体制において密接に関連
テーマ
○堺市圏域、南河内圏域における救急医療体制の整備・強化
○堺市圏域における小児医療・周産期医療機能の整備・強化
【25億円】
3 目標
(1)堺市医療圏域
①救急医療体制
・救急搬送の管制塔機能を有した救命救急センターを整備
・重症患者搬送につき各医療機関の協力連携による受入れ体制構築
・小児急病診療施設を後送病院に隣接して整備
3次、2次、初期救急にわたる系統だった救急医療体制を構築
圏域で発生した救急患者を原則圏域内で対応する体制づくりを目指す
『計画期間』 平成22年1月8日~平成25年度末
②小児・周産期医療体制
2 現状の分析と課題
(1)堺市医療圏
①救急医療体制
・堺市圏域は府内二次医療圏で唯一、救命救急センターが未整備
このため、圏域の救命救急患者は、他圏域の救命救急センターおよび圏域内の二次
救急医療機関に搬送されており、これら救急医療機関の患者受入にも影響を及ぼし
ている
・また、搬送受入れの調整機能が十分でなく、救急搬送に時間を要するケースが目立つ
など、センターの未整備が、圏域内の救急医療の管制塔機能の脆弱化につながって
いる
・とくに吐下血や脳卒中など重症患者についての、二次救急医療機関の受入れ体制整
備が不十分
②小児医療・周産期医療体制
・現在の小児初期救急医療機関については、後送病院と離れた場所に設置されている
ことが深夜帯の当直医師の負担となり、住民への安定した小児初期医療提供への弊
害となっている
・重症小児患者の受入れを担う府立母子保健総合医療センターについては、手術待ち
患者が多数生じている
・ハイリスク分娩、母体合併症への対応が求められる中、圏域の人口当たりのNICU数
が絶対的に不足するなど、周産期医療機能が脆弱
(2)南河内医療圏
・救急医療体制について、病院選定までに要する平均照会件数が府内ワースト。とりわ
け吐下血や脳卒中など重症患者についての二次救急医療機関の受入れ体制整備が
課題
・小児初期救急につき、将来にわたり安定した24時間受入れ可能な体制を構築
・重症小児患者の受入れ体制を強化
・ハイリスク分娩、母体合併症への対応を強化
(2)南河内圏域
・重症患者搬送につき各医療機関の協力連携による受入れ体制充実を図る
4 具体的な施策
(1)堺市医療圏域
①救急医療体制の整備・強化
【堺市医療圏】
・救急医療体制の整備
13.3億円
・小児・周産期医療体制の整備 9.7億円
【南河内医療圏】
・救急医療体制の整備
2億円
《再生計画合計》
25億円
○市立堺病院に救命救急センター機能を整備
○同病院に、救急搬送の管制塔機能(救急搬送コーディネート)を整備
・コーディーネーターを担う救急医の確保
・各救急医療機関の情報収集はじめ救急搬送問合せシステムの整備
・総合・地域周産期母子医療センターとのネットワーク強化
○民間二次救急医療の連携協力のもと、重症患者の当番制受入れ体制を強化
②小児・周産期医療体制の整備・強化
○小児初期救急センターを市立堺病院の敷地内へ整備するとともに、医療機関との連
携により小児救急医療体制を24時間体制として充実強化
○重症小児患者の受入れを担う府立母子保健総合医療センターの施設設備の整備
○地域周産期母子医療センターであるベルランド総合病院に、NICUの増設とMFICU、
母体・新生児ドクターカーを整備するとともに、周産期医療を担う市立堺病院にNICU
を整備
(2)南河内医療圏域
○民間二次救急医療の連携協力のもと、重症患者の当番制受入れ体制を強化