2節 人は育つものか育てるものか ~能力開発の主体 従業員が能力開発に向かうように仕掛けを考えるのは企業側の仕事である。 そしてその仕掛けに乗って能力開発にどう取り組むのかを考えるのは従業員の 意思が必要。 企業から従業員への仕掛け ① より高い給与の保障。 ② 昇進確率の向上。 ③ 自分が取り組みたい仕事に就かせる。 ④ 仲間からの信頼 しかし、このような仕掛けだけで努力し続けるのは能力開発の 主導権はすべて企業側が握っているようなもの。 能力開発の主体が従業員ではない。 自己選択と自己責任 これからの能力開発は従業員が主導権を握り、「仕事の選択権」を従業員側が持 つことが必要! 「仕事の選択権」とは ・どのような仕事をするかを従業員自身が選び、どのような職業生活を送るかを 個々の従業員が選択できるようにしなければならない。 そして選択の結果については従業員個人が責任をもつこと。 そうすることによってどのようなメリットが生まれるのか ・従業員がやりたい仕事のために能力開発を行うようになり、従 来の企業側が主導権を握っていたような能力開発ではなくなる。 従業員主体の能力開発における企業側の役割 ①従業員が適切な能力開発が行えるように十分な情報を与える。 ・従業員自身がどのような状況に置かれているのか。 ・従業員が持っている能力を企業はどう評価しているのか。 ・企業側の期待度はどの程度なのか。 ②評価制度と評価基準を明確にする。 従業員は仕事に取組み、そして期末に成果に関する評価が行われ、評価結果が従業 員に対して納得がいくかたちで説明される。 ③企業側がその会社の教育訓練プログラムを作成し、従業員に提示する。 従業員は自分自身の職業能力育成を考えて必要なプログラムを選択する。 そのとき企業側は的確な助言を与え能力開発がプラスになるような選択をさせる。
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