Editing--its role and significance in improving

日本の学術誌における英文校閲を考える
December 12, 2005
 2005 Cactus Communications Pvt. Ltd.
英文校閲
日本発英文学術誌の
クオリティー向上に果たす役割
www.editage.jp
本日の講演目的

英文校閲が英語のクオリティー向上に貢献し、学術誌を読み易いもの
に仕上げている過程を明らかにする

学術誌のクオリティーの評価を正しく行い、改善できるよう、見解と具
体案を示す
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本日の講演議題

英語のクオリティーの重要性

英語のクオリティー向上における英文校閲の役割

学術誌側の英文校閲に対するスタンス

日本の学会における今後の課題と取り組み方

まとめ
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英語のクオリティーの重要性
学術論文は新たな発見を広く世間に伝えるために発表されるものである。そして、
その伝達方法が成功のカギを握っている。なぜなら、以下の3つの要素は相互に
関連し合っているからである。
英語の
英語の
クオリティー
クオリティー
低い
その結果
伝わり易さ
研究内容
-曖昧、冗長な文章
-十分に理論的な文章でない
-データーの不十分な説明
-研究成果や発見が正確に伝わらな
い、また、内容を欠いている
-読み手の注意を引きつけられず、
論文/学術誌の印象が薄くなる
-研究内容の重要性が失われる
-研究内容は優れていても、認知
されない可能性がある
-国際的に認知されない
-読者層が限られる
-引用回数が上がらない
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本日の講演議題

英語のクオリティーの重要性

英語のクオリティー向上における英文校閲の役割

学術誌側の英文校閲に対するスタンス

日本の学会における今後の課題と取り組み方

まとめ
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英語のクオリティー向上における英文校閲の役割
例
Nature と the Nature research journals は
以下の目的で英文校閲を行っている。
•確実に、正しい英語で読んでもらうため
•読み手の理解を高めるため
英語のクオリティーに留意することにより対象読者を惹きつけ、
読者数、引用回数、マスコミ報道数が増えるなどといった効果をもたらす。
情報源: www.nature.com/nature/authors/get_published/index.html
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英文校閲が英語のクオリティーに与える効果 (1/4)
例
著者が未校閲の論文を提出
著者は英文校閲を受け、原稿を再提出
学術誌側が英語に改善すべき
点があることを指摘し、プロの
英文校閲を受けることを提案
A. 未校閲原稿
Now, a lot of techniques exist
in an analysis of
phosphorylated peptides, but
many established methods
have many preparations like
antibody or enzyme reaction.
(3-6)
In this study we discussed
whether the measuring the
phosphate group in
phosphorylated peptides is
possible by using microscopic
Fourier Transform Infrared
spectrometer [FT-IR].
B. プロにより校閲された原稿
Although there are several
established techniques to
analyze phosphorylated
peptides, they require
extensive preparation for
antibody or enzyme reactions
(3-6)
In this study we investigate
the possibility of measuring
phosphate groups in
phosphorylated peptides by
using a microscopic Fourier
transform infrared
spectrometer [FT-IR].
原稿Bが満たし
ているもの
正しい文法
学術論文とし
て適切な文の
調子
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英文校閲が英語のクオリティーに与える効果(2/4)
例
B. プロにより校閲された原稿
Although there are several
established techniques to analyze
phosphorylated peptides, they require
extensive preparation for antibody or
enzyme reactions. (3-6)
In this study we investigate the
possibility of measuring phosphate
groups in phosphorylated peptides by
using a microscopic Fourier transform
infrared spectrometer [FT-IR].
1. 不適切なピリオドの位
置
2. ハイフンの誤用
(正しくは半角ダッシュ)
なぜ、依然として英語のクオリ
ティーが低いのか
- 見落としが多すぎる
(句読点など)
-読みやすさが改善されていな
い(冗長であるなど)
3. コンマの欠落
4. 余分なスペース
5. 誤った括弧の選択
原因は、
元の原稿の英語の
クオリティーの低さ
 校閲者が未熟である、
または、細部に注意を払う
能力がない
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英文校閲が英語のクオリティーに与える効果(3/4)
例
C. 句読点・スペル・文法などの簡単
なエラーチェックのみ
Although there are several established
techniques to analyze phosphorylated
peptides, they require extensive
preparation for antibody or enzyme
reactions (3–6).
In this study, we investigate the possibility
of measuring phosphate groups in
phosphorylated peptides by using a
microscopic Fourier transform infrared
spectrometer (FT-IR) and assess whether
this technique is easier and faster than
using established methods.
より簡潔な文章
より適切な単語の選択
専門知識を要する問
題であるために見落
とされた個所の訂正
D. 理論的な流れも考慮に入れた英
文校閲
Established techniques for analysis of
phosphorylated peptides require extensive
preparation, for instance, antibody or
enzyme reactions (3–6).
In this study, we report a new technique
for measuring phosphate groups in
phosphorylated peptides using a
microscopic Fourier transform infrared
spectrometer (FTIR), and assess whether
this technique is easier and faster than
using established methods.
英文としての誤りなし
英文としての誤りはなし
読み易さも改善
読み易さには改善が必要
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英文校閲が英語のクオリティーに与える効果(4/4)
効果的な英文校閲の結果
効果的な英文校閲に必要な条件
英語の修正
 文法・句読点の誤りなし
 スペルミスなし
 単語・表現の選択ミスなし
(1) 英文校閲者のプロとしての技術と力量 (優れた校閲者
を選択できるか否かは著者次第)
(2) 見落としがないかや、適切な文体を用いているかを
チェックするために英文校閲者が採用する手順と手法
読み易さの改善
 ネイティブの英語
 簡潔明瞭、学術論文として
適切な一貫性のある 文体
 曖昧な表現の排除された論
理的な文の流れ
(3) 元の原稿のクオリティー (著者、または、翻訳者の英
語の力量次第)
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本日の講演議題
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英語のクオリティーの重要性

英語のクオリティー向上における英文校閲の役割

学術誌側の英文校閲に対するスタンス

日本の学会における今後の課題と取り組み方

まとめ
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学術誌側の英文校閲に対するスタンス
1:著者の責任
2:学術誌側の責任
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1:著者の責任
利点:投稿前に原稿の英語クオリティーが改善
IEEE Microwave Magazine
IEEE Microwave Theory & Techniques Society
読み易さ
“この学術誌では、掲載される論文は同分野における他の学術誌よりも文章の読み易さと明瞭さにおいて、特に秀でて
いるものでなくてはならない。当編集委員会では提出論文の構成や英語を改善できる専門技術者を持たないため、そ
の責任は、著者に一任するものとする。必要に応じ、分野に精通した同僚、ネイティブスピーカー、執筆技術者、専門家
などに相談すること。”
投稿ガイドラインより一部抜粋
情報源: http://www.mtt.org/publications/Magazine/magazine.htm
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2:学術誌側の責任
利点: 万全なクオリティー管理体制
National Women’s Studies Association
(NWSA) Journal
Nature
Nature Publishing Group
Iowa State University
英文校閲
原稿受理後
“編集上の変更と一回目の校閲は共に当オフィスで行い、そ
の後、外部の校閲者、タイポグラファーの順に原稿が送られ
ます。著者へは途中、各段階(以下参照のこと)で問い合わ
せがあることがあります。
“受理された原稿は、校閲者が出版に向けた準備を行います。そ
れにより、本文や図表が幅広い範囲の読み手に伝わり易い明
瞭なものになります。原稿はまた、当誌の規定に準拠します。校
閲者はノンネイティブの著者へ助言を与え、そのような著者が執
筆した原稿の校閲には特に細心の注意を払います。”
1) 当オフィスでの校閲中 2) 外部の校閲者へ発注後 3)タイ
ポグラファーによる作業後”
情報源:
http://www.nature.com/nature/authors/get_published/index.html#a10
“問題が起きた際, NWSA誌はスタイルマニュアルとして、シ
カゴ・マニュアル第15版を使用します。フフォーマッティングと
メカニクス の例外に関してはNWSAスタイルガイドをダウン
ロードしてください。
情報源:
http://www.nwsaj.engl.iastate.edu/Editorial_Policy.htm
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本日の講演議題
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英語のクオリティーの重要性
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英語のクオリティー向上における英文校閲の役割

学術誌側の英文校閲に対するスタンス

日本の学会における今後の課題と取り組み方

まとめ
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日本の学会における今後の課題と取り組み方
今後の課題
学術誌の求めるクオリティーについ
て著者の理解を深められるよう、編
Step1 集方針の中に英語に関する項目を
設置する。
原稿は提出前に、学会が認定する
校閲者の校閲を受けることを義務
Step 2 化する。
英語のクオリティー、文体、語調、
フォーマットに一貫性のある論文に
なるよう、
Step 3 査読後に校閲やエラーチェックを受
けられる体制を整える。
取り組み方
1. 評判の高い学術誌のガイドラインや方針を参照にする。
2. プロの校閲者へサポートを求めたり、必要に応じて、
様々なスタイルガイドを参照する。
3. 提出原稿のテンプレートを作成する。
1. 少なくとも3~5人のプロの認定校閲者を用意する。
2. それら認定校閲者のリストををウェブサイトに載せ
る。
3. 著者に校閲証明書などの書類の提出を求める。
1. 編集組織内でプロの校閲者のチームを設ける。
2. プロの校閲者とパートナーシップを組む。
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Step 1:編集方針の中に英語に関する項目を設置
1. 方針を明確にする。
 英語のスタイル
イギリス英語、アメリカ英語
 学術誌が認定、奨励する文体
語調、最小限の特殊用語・冗長表現・
性差別表現
 科学的データーの提供
臨床試験と統計、
遺伝子タンパク質のデータ-ベース、
方程式、単位と数値、略語と頭字語
2. 原稿には英語に関する誤りがないようにすることを明確に示し、著者にそのための
指針を与える。
3. 原稿に英語に関する誤りがあった場合、学術誌側が取る対応を明確にする。
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Step 2:校閲者の認定
学術誌側へ認定校閲者を奨励するのは、
より高い、一貫したクオリティーの学術誌になることを確実にするため
原稿の編集処理速度を上げるため
執筆に不慣れな著者をサポートするため
最大限の効果を得るためには、
学術誌の方針が正しく準拠されるため
校閲者を認定するためのチェック項目
•学術誌の求めるクオリティーを
明確にする
•方針ついて詳細に伝える
英語の能力と対象の専門分野における知識の両方を持ち合わせているか
校閲のクオリティーは高く、一貫性があるか
対象となる研究分野で用いられるスタイルや語調に精通しているか
校閲プロセスの効率のはよいか
信頼性があり、かつ、継続的に校閲業務を提供できるか
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Step 3:査読後の校閲やエラーチェック体制の確立
→ 英語のクオリティー改善へ重要な役割を果たすが、
採用の可否は主に予算次第。
導入にはプロの校閲者の採用が必須。
プロの校閲者は
• 学術誌のスタイルに長けている (確かなクオリティーと一貫性の保証)
• スタイルガイドの開発や編集方針作成へ貢献する十分な能力がある
• 校閲作業、コミュニケーション、スケジュール管理などを手順立てて行える
• 予め決められた納期やスケジュールを守れる
• 必要に応じ、著者と直接コミュニケーションを図れる (学会側の業務負担を最小化)
• 仕事上において、継続的な信頼関係を築くことができる
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本日の講演議題
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英語のクオリティーの重要性
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英語のクオリティー向上における英文校閲の役割
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日本の学会における今後の課題と取り組み方
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まとめ
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まとめ
1.
学術誌の英語のクオリティーが高ければ、優れた研究論文を惹きつけるこ
とができ、結果的に知名度を上げることへとつながる
2.
間違いを修正することにより英語のクオリティーが上がり、読み易さを改善
することができる
3.
英文校閲に対する代表的なスタンスとは、著者の責任と学術誌側の責任
の2つである
4.
日本の学会の今後の課題と取り組み方
a)
編集方針の中に英語に関する項目を設置する
b)
原稿の提出前校閲を義務化する
c)
クオリティーの高さと一貫性を確実にするため、認定校正者を採用する
d)
読み易さを更に向上させるため、出版前に校閲やエラーチェックを行う
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本日はご清聴
ありがとうございました
Contact: Abhishek Goel
Director—Business Development
Cactus Communications Pvt. Ltd.
[email protected]
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