RSモデルのKKグルオンの研究

RSモデルとKKグルオンの研究
ミニ研究会 「LHC での余剰次元研究」
9月7日
東京大学 素粒子物理国際研究センター
磯部忠昭
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コンテンツ
• RSモデルとKKグルーオン
• 高運動量トップクォークの同定
– サブジェットを用いたハドロニック崩壊トップの同
定
– Non-isolatedミューオンを用いたセミレプトニック
崩壊トップクォークの同定
• KKグルーオンの発見可能性
• まとめ
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RS余剰次元モデルとKKグルーオン
• RS warped extra dimension (L. Randall, R. Sundrum)
– Physical Review Letters 83 (1999): 3370–3373
• LHCにおけるKaluza-Klein stateのグルーオンの発見が予言されて
いる
– JHEP0709:074,2007
– KK stateのSMゲージボゾン
– クォークに対するカップリングがグラビトンより大きく、生成断面積が
M=1TeV/c2で~30pb@√s=14TeVと比較的大きい
• 4pb@√s=10TeV, 1.6pb@ √s=7TeV
– ただ幅が~17%と大きい
– カップリングは質量に強く依存し、ほとんどがトップクォーク対に崩壊
するttbar)=とされている
• Br(KKgluon→92.3%
• トップクォーク対というイベントトポロジーに注目し、ttbar resonance
を探索する研究が進んでいる
– KKグルーオンに限らずZ’探索にも適用
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KKグルーオンのGenerator
• 生成断面積、KKグルーオンの生成イベントトポロ
ジーはMADGRAPHを用いて計算
– TopBSM (R. Frederix and F. Maltoni,0712.2355)
– 但しleft /right handed quarkのカップリングの値を調整
M=1TeV
L R
u/d -0.2 -0.2
b
1 -0.2
t
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Breit-Wignerとpdf
によるlow-massのtail
GenerateされたKKgluonの質量分布
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KKグルーオン探索のバックグランド
• QCD-multijetが主なバックグランド
– 加えてSM-ttbarとW+jet
• QCDから来る多大なバックグランドの中からピークを
見つけなければならない
→トップクォークの同定が必須
– ★高い運動量(>500GeV/c)を持ったトップクォーク
QCD
B. Lillie et. al
JHEP0709:074,2007
KK gluon invariant mass distribution of bulk RS model
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トップクォーク対解析における
ターゲット崩壊チャンネル
• 1レプトン+ジェット
– いわゆるゴールデンチャンネル
– SM-ttbar解析でも特に重視されている
Missing EtとWからのレ
プトンの要求により、強
くQCDバックグランドを削
除できる
3ジェットによるトップ
クォークの同定
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High-pT top IDにおける問題
• High-pT top再構成の為に
は、通常のinvariant mass解
析では限界
– 例えばpT>500GeV/cのトップ
では、トップからくる粒子のほ
とんどが一つのジェットに含
まれてしまう
– 通常R=0.6とか0.4
• あたかもsingle jetのように
見えてしまい、topイベント
の再構成が困難に
• この様なブーストされた
ジェットの再構成の研究は
結構ホットな話題
この研究に特化した研究会も:
http://www-conf.slac.stanford.edu/Boost2009/
R  ( )  ( )
2
2
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2
High-pT top ID の手法
~Hadronic decay top~
1. Jetの不変質量
– M(jet)~M(top)
t→bW →bqq’
2. Jetのsub-structureを見る
– 一種のクラスタリングアルゴリズムにおいて、ジェット
同士をmergeする際の距離スケールを指標にする
– Hadornic decay topには3jet(bqq’)のsub-structure
– top→3jetを分けられれば、W質量も同定に使える
3. b-tagging
– high-pTではパフォーマンスが悪い
– Wからの寄与でさらに悪い
•
Sub-jetに対してapplyすることである程度の改善は期待でき
る
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Jetのsub-structureを見る
• QCD jetsがフラグメント化する際の(pT)ス
ケールが、heavy particleの崩壊におけるス
ケールに比べ指数関数的に小さい事を利
用する
– DGLAP QCD evolutionに即したjetのフラグメント
化
• ジェット中のsub-jetの数を数える
– 大きいジェット(R=0.6とか)中に含まれる小さい
ジェットの数を数える
– 小さいジェットはサンプルをもとに決定した、パ
ラメータをもとにexclusiveに再構成したジェット
kt ジェット構成アルゴリズムにおける
いわゆるジェット同士の距離スケール
dij  min(p , p )R / R
2
Ti
2
Tj
2
ij
2
dに対しexclusiveに制限をつける
Exclusiveに再構成
大きいRで再構成
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MCサンプルを用いたパラメータ調整
• KK gluon->ttbarサンプルを用いてパラメータを調整する
• pythiaによるstring fragmentation
• ここではアルゴリズムそのものを評価するため、Truthレベ
ルで調整を行っている(hadronic崩壊のみを使う)
• pTにあまりよらず一定の数のsub-jetがカウントできている
dcut=5GeV
dcut=10GeV
dcut=20GeV
dcut=40GeV
dcut=60GeV
Sub-jetの数 vs Jet-pt分布
プロットはX軸にプロファイルをとったもの
Sub-jet数のパラメータ依存性
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Jet sourceによる違い
pT>1TeV/cにおけるprojection
面積でnormalize
only hadronic decay
• High-pT topをもとに出したパラメータを使った上での、high-pT
hadronic W, high-pT b-quark, light-quark jetにおけるふるまい
•
予測されるとおりのふるまいを見せる
• 80%のW->qqが2jetと判定される
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Sub-jetを使ったtop-IDのパフォーマンス
Truthレベル
Top
~0.63
~0.17
W
~0.03
Light quark
レプトニック等すべて
の崩壊モードを含む
• #Sub-jet>=3を要求したカット
• Efficiency 63%に対してlight quark rejection 30
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Sub-jetを使ったtop-IDのパフォーマンス
ATLAS Fullシミュレーション
Efficiency of top/jet (ATLAS)
Cut: Nsubjet>=3
CMSの場合
Z’->ttbar
Z’->uubar
Include all of decay mode
(i.e. hadronic and leptonic)
Cut: Nsubjet>=3, Mjet~Mtop,
use W mass constrain
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High-pT top ID の手法
~Leptonic decay top~
t→bW →bln
1. Non-isolated muonを指標にする
– t->bW (W->mn)
•
b-jet中のレプトンを探す
– 電子はp0からのフェイクの寄与が大きいと予測さ
れるので難しい
2. b-tagging
– high-pTではパフォーマンスが悪い
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Non-isolated muonを使った
high-pT top-ID
• b-jetとmとの関係を用いたもので多くのパラ
メーターがproposeできる
m
– pt of m in jet
– pt fraction of m in jet
– Relative pt of m wrt jet
–
– xm≡1-m(b)2/m(b+m)2
Search muon
from W or b
• fraction of visible top mass carried by muon
(arXiv:0806.0023)
– m-isolation in dynamical cone (Mini-isolation)
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Mini-isolation
• Leading leptonに対し、isolation coneをjetの情報を
元にdynamicに変化させる
DR ~ ?
DR ~ mt / Ptt
DR ~ mb / Ptb
DR ~ mb / Ptb
m
n
n m
KKgluon(M=1TeV)
red,blue: QCD jet
B
B
tt
B
W
W
pT(m)/pTcone(dR<(15GeV/pT(m)))
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semileptonic Top-ID パフォーマンス
tagging based on non-isolated muon
w/ mini-iso
pT(m)/pTcone(dR<(15GeV/pT(m)))<0.85
non-isomuon-pT>20GeV
M(Jet+mu) > 60GeV/cc
• mini-isolation カットを使った場合の Rejection power は
3000~5000!.
• 単純なnon-isolated muonを使った方法に比べ良い結果
KKグルーオン解析:
ハドロニック崩壊トップ+セミレプトニック崩壊トップ
• 10TeV, 200pb-1を過程
– SM-ttbar約80000イベント
• 8fb-1ppbar 1.96TeVで約64000 SM-ttbarイベント
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カットサマリーと残るイベント数
(√s=10TeV 200pb-1)
KKg(1TeV)
KKg(2TeV)
QCD
Top
Wj
w/o cut
795.5
28.4
6.85e+8
7.47e+4
1.19e+6
2Jet-pT>20GeV
723.7
26.6
4.9e+8
6.43e+4
5.42e+4
MissEt>20GeV
683.2
25.5
5.92e+7
4.19e+4
4.62e+4
Nsubjet>=3
211.5
14.2
2.22e+5
1.66e+3
38.7
Muon-pT>30GeV
36.0
3.86
1.62e+3
79.9
8.93
MiniIso>0.85
26.1
2.69
37.3
36.0
8.93
xm>0.4
24.8
2.46
7.61
31.8
8.93
M(jet+m)>20GeV
23.6
2.42
6.81
29.9
0
QCDバックグランドに変わり、SM-ttbarがmajorなバックグランドに
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ニュートリノの再構成
• トップクォーク対の不変質量を再構成するには、
ニュートリノのpzをどうにかして、計算する必要がある
– px,pyはmissing-etから得る
• 再構成の方法
– Wの質量をもとにする
• 0~2個の解が存在する
– (n)= (l)と仮定する
True Mtt
True Mtt after cut
M(jet+jet+l+l)
M(jet+jet+l+l+n) same rapidity
M(jet+jet+l+l+n) W constrain
• もしくはcollinear approximation
– (n)= (l)の方がいい結果
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不変質量分布: 10TeV 200pb-1
• M=1TeV
• Reconstruction on the
assumption of (m)=(n)
• For optimized mass window
– M=1TeV, S: 15.1 N: 12.5
S/sqrt(N): 4.3
– Excludeは可能(95% C.L.)だが、
5s発見には275pb-1必要
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まとめと展望
• Bulk RS KK gluon はLHCでの1st dataにおける物理ターゲットのひと
つになっている
– 大部分がトップクォーク対に崩壊すると言われている
• KK gluonを探索するため、boosted topの同定法を開発
– サブジェットを用いたhadronic decay topの同定
– Non-isolated muonを用いたsemi-leptonic decay topの同定
• 10TeV, 200pb-1で4.3s significance(M=1TeV/c2)
• SM-ttbarが主なバックグランドとなり、さらなる探索のためには、
トップクォーク対ピーク幅の精度をあげる必要がある
• 実データに基づくsubjet解析の為のパラメータチューンが必要
– low-ptでの3jetからextrapolate
• 実データからのバックグランドの見積もり
– このままだとMC頼り
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