第6回 電流と磁場(2)

第6回:電流と磁場(2)
・電流が磁場から受ける力
・磁場中の荷電粒子が受ける力とその運動
今日の目標
1.電流が磁場から受ける力を説明できる。
2.電流間に働く力と電流の単位を説明できる。
3.電束密度の定義を説明できる。
4.円電流の物理的現象を説明できる
5.磁場中の荷電粒子の運動を説明できる。
6.質量分析の原理を説明できる。
7.サイクロトロンの原理を説明できる。
8.ホール効果を説明できる。
電流が磁場から受ける力
F=μ0IlH
F=μ0lI×H
F=μ0IlHsinθ
フレミングの左手の法則
電流間に働く力と電流の単位
I1
電流I1が距離dの同心円状に
つくる磁場
2I1
[A/m]
H1=k
d
I2
電流I2が磁場Bから受ける力
F
d
l
F=k’ H1I2l
I 1I 2 l
F=kc
d
μ
kc=2×10-7[N・A-2] =2× 0
4π
透磁率:μ0=4π× 10-7[N・A-2]
μ0
F=
4π
2l I I
d 12
電束密度
I
ΔF=
ΔF
B=
lΔI
ΔI
ΔF
μ0
4π
2l
r IΔI
μ0
= 4π
2I
[N・m-1 ・A-1]
r
l
[Wb・m-2]
[T](テスラ)
r
B= μ0 H
I
H= 2πr
[Wb]=[N・m ・A-1]
[A・m-1]
[N・Wb-1]
単位磁荷に働く力
円電流
トルク:N=bFsinθ=abIBsinθ=SIBsinθ
B
a
N=I S×B
b
N=I S×μ0H=Pm×H
I
F=aIB
Pm=μ0IS
・
×
円電流は磁気モーメント
θ
S
B
モーター
N
S e
v 磁気双極子
磁場中の荷電粒子が受ける力とその運動
電子数n[m-3]
e- e- e- - e速度
e
e
e
e
e
v[m・s-1]
e e e
断面
S[m2]
電流
I=-enSv[C/s]
l
F=lIB=-enSvlB
電子1個当たりに働く力
B
B
B
F
-e v
電流
f=
F =-evB
nSl
f=qv×B :ローレンツ力
電荷qに働く力 f=q(E+v×B)
質量分析器
V
e-
電子銃
ローレンツ力=遠心力
m
q
:比電荷
質量分析器
×
×
×
×
磁界B
×
×
×
×
×
×
半径r
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
周期:
v
サイクロトロン
周期:
サイクロトロン周波数
1
qB

T 2m
軌道半径
m
r0 
v0
qB
f 
加速用電圧
初回加速:v0
1回加速:v1
・
n回加速:vn
m
r1 
v1
qB

m
rn 
vn
qB
z
y
x
電荷qに働く力 f=q(E+v×B)
B
f=qv×B :ローレンツ力
θ
N
q
v =(vcosθ, 0, vsinθ)
S
B =(B, 0, 0)
y-z面で等速円運動
x軸方向に等速度
周期:
移動距離:
ホール効果 B
h
I
-
d
S=hd
-
-
-
ローレンツ力f=-evB
+ 電場E
+
+ +
+
+
- - d
V
自由電子の数:n[1/m3]
-
ローレンツ力と電場の釣り合い
evB=eE
電流:I=envS=envhd
電子の平均速度
v=I/enhd
IBd
IB
V=Ed=vBd= enhd = enh
演習
1.2枚目のスライドの左上の図のように質量m[kg]の導線の
ブランコを磁場H[A/m]に垂直におき、電流I[A]を流したところ、
ブランコの紐は鉛直に対してθ傾いて釣り合った。磁場中の電流
の長さはl[m]、重力加速度g[m/s2]として、tanθを求めなさい。
2.地上のある場所で磁場を測定したところ丁度南北に向かって
24[N/Wb]であった。10Vの電圧で加速した電子を西から東に
向かって照射するとどんな円を描くか。
3.水素イオンと重水素イオンを1.0kVの電圧で加速し、0.50Tの
磁場に垂直に入射した。半径の違いを計算しなさい。
今日の用語
フレミングの左手の法則、磁束密度、テスラ(T)、円電流、
ローレンツ力、質量分析器、比電荷、サイクロトロン、
サイクロトロン周波数、ホール効果
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和田義親
[email protected]
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