安全教育へのアプローチ (KYTの導入)

それでは、 「硫酸の希釈」を例に 練習してみましょう。
高等学校(工業)
工業科目における安全教育
例題
硫酸の希釈
例題
1R(現状把握)
どんな危険が潜んでいるか?
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 一気に水に硫酸を入れると、
突沸して、ビーカーが割れ、
眼や身体にかかる。
② 硫酸の瓶を持ったとき、
外側に硫酸が付着していると、
滑って瓶を落とす。
③ 徐々に硫酸を入れていったとき、
硫酸がビーカーの外側に伝わって、
持っている手を火傷する。
④ 硫酸がビーカーに入るとき、
ビーカー内の希硫酸が飛び跳ねて、
しずくが手にかかる。
それでは、どんな危険が
例題をやってみましょう。
第1Rでは、
すると この作業で
①~④に示すような
危険性が
潜んでいるかを
考えられます。・・・・
考えます。
これは、
水を入れたビーカーに
濃硫酸を入れて
希硫酸に薄めているところです。
例題
2R(本質追究)
絞り込み(関心・重大事故・緊急対策)
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 一気に水に硫酸を入れると、
突沸して、ビーカーが割れ、
眼や身体にかかる。
② 硫酸の瓶を持ったとき、
外側に硫酸が付着していると、
滑って瓶を落とす。
③ 徐々に硫酸を入れていったとき、
硫酸がビーカーの外側に伝わって、
持っている手を火傷する。
④ 硫酸がビーカーに入るとき、
ビーカー内の希硫酸が飛び跳ねて、
しずくが手にかかる。
次に、 第2Rで 「特に関心のあること」や、
すると、 眼や 身体といった ところへの 危険が多い ことが分かります。
「重大事故」、 「緊急に 対策しなくては ならないこと」に 絞り込みます。
例題
3R(対策樹立)
① 一気に水に硫酸を入れると、突沸してビーカーが割れ、
眼や身体にかかる。
② 硫酸の瓶を持ったとき、外側に硫酸が付着していると、
滑って瓶を落とす。
③ 徐々に硫酸を入れていったとき、硫酸が瓶の外側に
伝わって、持っている手を火傷する。
④ 硫酸がビーカーに入るとき、ビーカー内の希硫酸が飛び
跳ねて、しずくが手にかかる。
あなたならどうする?
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 少しずつ硫酸を入れる。
② 水浴中で冷やしながら入れる。
③ 試験瓶に硫酸が付着していないか確
認する。
④ 保護メガネ、ゴム手袋を着用する。
⑤ ビーカーの取扱いに注意する。
⑥ ガラス棒に伝わせながら入れる。
そして、 第3Rでは
すると それぞれの 危険について いくつもの 方策が 出てきます。
こうした 眼や 身体への 危険に対しての 方策を 出していきます。
例題
4R(目標設定)
私たちはこうする。
水を入れたビーカーに、濃硫酸を入れ、
15%希硫酸に薄めている。
① 少しずつ硫酸を入れる。
② 水浴中で冷やしながら入れる。
③ 試験瓶に硫酸が付着していないか確
認する。
④ 保護メガネ、ゴム手袋を着用する。
⑤ ビーカーの取扱いに注意する。
⑥ ガラス棒に伝わせながら入れる。
最後に、第4Rでは
この場合は、
そして、
最後に
全員で
この目標を
声を合わせて
実行するための
「保護メガネをして、水浴中で冷やしながら、ゆっくり硫酸を滴下する」ことを目標としました。
「○○ヨシ!」という
大きな声で
全員で ポイントを絞り込んで
スローガンを
短い言葉の
言って
目標を
スローガンを
指差呼称します。
設定します。
決めます。
大きな声で 指差呼称 してみましょう。
指差呼称
4.右手を耳元へ振り上げる
2.呼称項目を言う
3.右腕を伸ばし、指で対象を指す
5.「ヨシ!」と唱えながら振り下ろす
1.対象を見る
スローガン
本当に
よいか?
水浴・ゆっくり滴下
ヨシ!