教員研修講座 2722 「ネットワーク社会における学校情報の管理」 コンピュータネットワーク利用における 個人情報保護について 教育委員会 研修管理課 情報処理研修室 個人情報とは? 個人に関する情報 ・文書記述、画像、音声、記号等により当該個人を識別 ・その情報単独では個人を特定できないが 他の情報との組み合わせで個人を照合 氏名 生年月日 年齢 住所 電話番号 職業 家族 クレジットカードNo 保険証書番号 キャッシュカード暗証番号 教科・科目の成績 出欠情報 就職・進学先 等 基本的な考え方 1 岐阜県個人情報保護条例等の遵守 ・個人情報の取り扱いには細心の注意 ・外部への漏洩が生じないよう最善の対策 2 コンピュータネットワークの管理徹底 ・情報ネットワークの危険性の認識 3 個人情報記録媒体の管理徹底 ・記録媒体:ハードディスク CD-ROM MO DVD 各種半導体メモリ 4 利用規程等の作成と遵守 ・コンピュータや校内LAN等 日常の情報管理① 1 デジタル情報の総括的管理の実践 ・種類、内容や量 ・記録されている場所 ・利用許可範囲 ・管理責任者 等 2 ネットワーク機器の管理の徹底 ・個人的に設定変更を行わない ・パソコン等の使用記録簿作成 ・個人のノートパソコンを勝手に接続しない 3 パスワード管理の徹底 ・パスワードの自己管理の徹底 ・定期的なパスワード変更による漏洩防止 日常の情報管理② 4 ホームページの管理 ・掲載情報の更新 ・情報の掲載は所属長の決裁後に行う 5 ホームページへの個人情報の掲載 ・個人が特定できる情報は掲載しないのが原則 ・掲載時は、本人及び保護者の承諾 6 所属宛て電子メールの確認 ・一日1回以上の確認、通常の事務文書規定と同様の扱い ・不審、不明な電子メールの取り扱いに注意 7 ネットワークの監視によるウィルス感染予防 個人情報漏洩事例と対策① 個人情報であることを認識していなかった場合 例1 学校のHPに部活動の情報を掲載 本人と保護者の承諾のない顔写真の画像 個人の氏名、肖像、活動成績が第三者に特定 承諾されていない個人情報は掲載しない 例2 卒業記念に「CD-ROMアルバム」を配布 卒業生の「住所録」や「進路先」データも記録 数年後、HPに実名入りで一覧表が掲載 承諾されていない個人情報は掲載しない デジタルデータの取り扱いを使用者に注意 個人情報漏洩事例と対策② 個人情報の認識はあったが取り扱いを誤った場合 例3 部活動の選手名簿を電子メールで対戦相手に送付 送信先のメールアドレスを間違えた 第三者に選手名簿が漏洩 機器の取り扱い・作業は慎重に 例4 成績処理システムを校内LANのサーバ上に保存 「パスワード」が第三者に知られた 蓄積されていた成績データが外部に漏洩 パスワードの管理徹底 個人情報記録媒体の管理徹底 個人情報漏洩事例と対策③ セキュリティ過信による場合 例5 職員用と生徒用のネットワークを機器設定で分離 職員用ネットワーク上で進学先情報を共有 外部からの不正アクセスで機器設定が変更 外部に「進学先情報」が漏洩 セキュリティレベルの再確認 機器の設定用パスワードの管理を厳重に 個人情報漏洩事例と対策④ セキュリティ過信による場合 例6 電子メールにより生徒と教育相談的な指導を実施 ・メールアドレスの間違いもなかったが・・・ 通信情報を第三者に「傍受」されていた 相談内容がインターネットの「掲示板」に掲載 外部ネットワークでは常に通信傍受の可能性 メールの内容は慎重に! 個人情報漏洩事例と対策⑤ セキュリティ過信による場合 例7 個人情報を保存したパソコンをインターネット接続用に使用 ・セキュリティを考慮し、ウィルス対策ソフト も最新のものとしていたが・・・ 対策ができていない「新種のウィルス」に感染 ハードディスク内のファイルが自動的に添付され 複数の宛先に配信された ウィルス付きメールの受信者を介し 不特定多数に個人情報が漏洩 個人情報記録媒体の厳重な管理の徹底 ウィルス対策ソフトが常に安全とは限らない! 個人情報の漏洩防止対策① 1 外部ネットワークと接続されたコンピュータでは → 個人情報を扱わない 2 個人情報を記録したハードディスク → ネットワークに接続しない 3 個人情報を記録した媒体 → 耐火金庫での保管等 個人情報の漏洩防止対策② 4 厳重なコンピュータウィルス対策の実施 → 最新のウィルスに対応可 5 ウィルスに感染したら → 速やかに最善の措置の実施 → ウィルスの拡散増殖の防止 6 パソコン本体、記憶媒体の廃棄 → 記録媒体の物理的な破壊 → 個人情報の完全な消去の実施 情報通信ネットワーク上での 不適切な行為の例 不適切な行為の例① 1 不正アクセス ・不正にコンピュータにアクセスする行為 2 不正コピー ・著作物を著作者に無断で複製する行為 3 ソフトウエアの不正使用 ・不正にコピーしたソフトや不正入手の起動パスワードでの ソフトウエアの使用 ・契約外のソフトウエアの使用(台数、使用場所、使用者等) 4 マルチ商法 ・新規会員から上納金を徴収し、参加者を募集する行為 5 プライバシー侵害 ・個人の情報を不正に入手したり、あばく行為 不適切な行為の例② 6 誹謗・中傷 ・他人を悪く言ったり、名誉を傷付ける行為 7 差別 ・正当な理由なしに、あるものを他より低く扱う行為 8 なりすまし ・他人の名前やメールアドレスをかたって他人になりすま し、偽造メッセージ等を送付する行為 9 デマ ・真実でない情報を流布する行為 10 くもがくれ ・Web上の商取引等で代金を受け取って商品を渡さず、 連絡を絶つ行為 不正行為に関連する法令① 1 不正行為全般 ・民法 709条:「不正行為の要件と効果」の規定 2 虚偽情報の公開等 ・刑法 230条:名誉毀損 231条:侮辱 233条:信用毀損及び業務妨害 ・証券取引法 158条:風説の流布、偽計利用等の禁止 3 わいせつな表現 ・刑法 175条:わいせつ物頒布等 ・風俗営業法:映放送信型性風俗特殊営業者の届け義務 ・関税定率法:輸入禁制品の指定 ・児童買春・児童ポルノ処罰法 不正行為に関連する法令② 4 不正アクセス、パスワード漏洩 ・不正アクセス行為の禁止等に関する法律 5 電子商取引等 ・民法 95条:錯誤 96条:詐欺と脅迫による意思表示 ・訪問販売法 ・割賦販売法 ・無限連鎖講防止法 ・刑法 246条の2:電子計算機使用詐欺罪 185条:賭博 6 業務妨害、窃盗、恐喝、偽造 ・刑法 233条:信用毀損及び業務妨害 234条の2:電子計算機損壊等業務妨害 249条:恐喝 235条:窃盗 134条:秘密漏示 155条:公文書偽造等 158条:偽造公文書行使等 159条:私文書偽造等 161条の2:電磁的記録不正作出及び供用 ・電波法 106条:虚偽の通信 7 知的所有権 ・著作権法、特許法、意匠法、実用新案法、商標法、不正競争防止法 コンピュータセキュリティに かかわる問題 デジタル時代の情報モラルを考える 著作権・プライバシー相談室 http://www.askaccs.ne.jp/ 教育が最大のセキュリティー対策 「・・・・・」をやってはいけない! ではなく 「・・・・・」をやったらどうなる? 影響や結果、責任などの具体例を 見せて、考えさせる!! チェック項目 □ 個人情報を取り扱う事務についてその事務を明確にしている か。 □ 事務の目的達成のために必要な範囲を超えて個人情報を収集 していないか。 □ 個人情報を本人から収集しているか。 □ 事務の目的以外に個人情報を内部で利用したり、外部に提供し たりしていないか。 □ 個人情報を外部に提供する場合は、提供先に対して必要な保護 措置を講ずるよう求めているか。 □ 保有する個人情報は、常に最新かつ正確に保つようにしている か。 □ 個人情報の漏えい、滅失及びき損を防止するための必要な措置 を講じているか。 □ 保有する必要のなくなった個人情報を確実かつ速やかに廃棄し ているか。
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