日本語音韻・音声

文字の機能
1)文字:言語を記録する手段、言語。
文字は言語を記録する手段であって、言語そのものではない。
音声によって伝えられる言語が存在して、はじめてそれを記録
するための文字が生まれる。
文字の発明は、言語の発生よりもずっと新しい。
2)文字を持たない言語: フィリピン語、ベトナム語等。
3)文字言語:音声言語(補い合う関係)
文字言語は文字によって表された言語の総体。
音声言語を基礎に成立したが、必ずしも音声言語の歴史的変化と
呼応せず、 むしろ独自のシステムを作り出した。
このおかげで文章の表現や構成ができ、読むということもできるようになっ
た。
文字は口から発せられた消えやすい音声言語を写しとり、記録し、固
定化するシステム。
文字化されることによって、人間は言語情報を時間や空間を伝達した
り、伝承したりすることができるようになった。
文字の種類と言語
1.音素文字:一字が一音素を表す文字。
字形が単純で、字母数も少ない。 表音性が優れている。
例:英語のアルファベットなど。
2.音節文字:一字が一音節を表す文字。
音素文字より字母数がおおいので、字形も複雑。
表音性は表語文字と音素文字の中間くらい。
例:日本語の仮名など。
3.表語文字(形態素文字):一字が一語を表す文字。
文字の数が厖大。字形も複雑。表音性は劣るが、表語性は優
れる。
例:中国語の漢字。
漢字の借用(六書)
1)象形:現実の形象を記号化したもの。
例:日、月、山
2)指事:抽象概念を図形化、記号化したもの。
例:一、二、三、
3)会意:要素文字(意符)を組み合わせたもの。
例:明、東、信
4)形声:音と意味を表す要素文字(音符と意符)の合成。
例:清、情、精
5)仮借:意味を無視、同音の語または近似した音の借り、
当てる。
例:亜米利加
6)転注:既成の文字を意味上関連のある別の語に当てたもの。
例:音楽の「楽」-たのしいの意の「楽」
日本語の中の漢字
• 漢字の音読み:中国語の発音が変化し、日本
語音化する。
• 漢字の訓読み:漢字を直接固有日本語でよむ。
行:行政[ぎょうせい]
銀行[ぎんこう]
行脚[あんぎゃ]
漢字音の種類
1)呉音系字音:5,6世紀の江東の音
古い漢語や仏教関係の語が多い。
例)行;ぎょう、大;だい、米;まい など
2)漢音系字音:7世紀以後、隋から唐代中期の音。 長
安を中心とする中国西北方言の音。
例)行;こう、大;たい、米;べい など
3)唐音(宋音)系字音:10世紀以後、唐末から明、清
代に伝えられた。
例)行;あん、子;す(柚子)、団;とん(布団)
漢字の訓
• 音以上に複雑
• 漢字を日本語として順応させる方。
• 多義的な漢字の意味、用法に応じた日本語を
そのまま漢字に当てはめたこと。
例)方;ひら、つねに、のり、ならぶ、うるはし等
たつ;立つ、経つ、建つ、絶つ、
なく;鳴く、泣く、無く、など