書評 五十嵐敬喜・小川明雄著 『 道路をどうするか』

書評
五十嵐敬喜・小川明雄/共著
『道路をどうするか』
岩波新書、2008
06A2137C 長谷川泰史
道路とは
• 日本独自の中央集権体制・・・道路族議員
• 日本の道路財源
1.道路特定財源(使途は道路限定)
2.一般財源(使途は不特定)
3.有料道路からの料金収入(高速道路)
4.借入金(財政投融資、債券など)
• 国と自治体との費用の分担
・・・負担金と補助金のがんじがらめ
道路特定財源とは
• 1949 揮発油税(一般財源)再導入
• 1953 道路整備臨時措置法提出(議員立法)
・・・道路特定財源の開始(五箇年計画)
・・・計画は建設大臣策定→閣議決定で成立
・・・5年ごとの時限立法(緊急的な暫定措置)
• 1974 暫定税率導入(揮発油税などを約2倍)
• 1976 暫定税率導入(軽油引取税を2.1倍)
• 2008 ガソリン国会(5年→10年ごとに延長)
問題点
• 政官業の権力の源泉(中央集権)
・・・利権の中心?
• 建設国債(公債)残高の累増
・・・借金をしながら多額の道路事業
• 道路関係四公団の民営化(2005)
• 道路特定財源と暫定税率
・・・一般財源化問題
• 一般財源化に反対するさまざまな利権集団
道路改革への著者の提案
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道路特定財源の一般財源化
中央主権の道路事業の地方分権を徹底
霞ヶ関の抜本的な改革の実行
官僚の計画立案→閣議決定の方法の中止
官僚の天下りの全面的禁止
• 高速道路の計画、建設の凍結
• 赤字を隠してしまうプール制の中止
まとめ
• 道路の強固な利権構造
• 道路計画と過大な需要予測
• 道路特定財源と暫定税率の一般財源化
• 私たちの生活に必要な道路とムダな道路