末梢性めまいと鑑別困難な小脳梗塞例のまとめ

末梢性めまいと鑑別困難な小
脳梗塞例のまとめ
H. Lee et al.
Cerebellar infarction presenting isolated
vertigo. Frequency and vascular
topographical patterns. NEUROLOGY
2006;67:1178–1183
臨床神経,47:522─525,2007
後下小脳動脈内側枝領域の小梗塞で,めまい・嘔吐・胸内苦悶
を呈した1例
細見 明子1)*, 山本 康正1), 濱中 正嗣1), 中川 正法2)
1)京都第二日赤神経内科2)京都府立医大神経内科
症例は66歳の男性.めまい,後頭部痛,全身倦怠感で発症し,
強い嘔気・嘔吐,胸内苦悶を示した.MRI拡散強調画像で右小
脳虫部に散在性の高信号をみとめた.小脳扁桃と虫部小節を
主座とする後下小脳動脈内側枝領域内の多発性小梗塞で,脳
血管撮影では右側の椎骨動脈V4部のtapered occlusionがみと
められ,これにより後下小脳動脈内側枝への動脈原性塞栓の
機序が推察された.
小脳虫部梗塞による偽性迷路障害
25例のまとめ
• 66歳以上が16例(64%)
• 脳卒中危険因子(高血圧,糖尿病,喫煙,心
房細動,弁膜症)のいずれか:3例(3例とも
65歳以上)
• 自立歩行が可能:6例(うち3例は65歳未満)
• 塞栓症疑いは10例(心房細動,弁膜症,卵
円孔開存,大動脈アテローム)