4章までのまとめ ー 計量経済学 ー 計量経済分析の手順 モデルの定式化 モデルに含まれる変数と実際のデータの対応 パラメータの推定 不合格 モデルのテスト 合格 政策・予測への応用 分析結果の解釈 • 最小2乗推定値の検討 – 係数推定値 – 決定係数、自由度修正済み決定係数 – t値 • 最小2乗推定値が信頼できるかの検討 – 多重共線性 – 系列相関 – 不均一分散 最小2乗推定値の検討(1) • 係数推定値 – 符号が分析前に想定したものと一致するか。 • 決定係数および自由度修正済み決定係数 – 回帰直線の説明力を示す指標。 – 0と1の間の値をとり、1に近いほど回帰直線が 説明力を持つと解釈できる。 – 重回帰分析の場合、決定係数の欠点を補う指 標が自由度修正済み決定係数。 最小2乗推定値の検討(2) • t値 – 個々の回帰係数について H0: b = 0 という仮 説検定をおこなう検定統計量。 – Y=a+bX において、 H0: b = 0 という帰無仮 説が採択された場合、Yの値はXの値に関係 なくなるので、分析の意味がなくなる。 諸問題が起こる状況 単回帰 重回帰 時系列データ 系列相関 不均一分散 多重共線性 系列相関 不均一分散 クロスセクションデータ 不均一分散 多重共線性 不均一分散 最小2乗推定値の信頼性(1) • 多重共線性(相関係数行列が判断指標、VIFを計算し てもよい) – 説明変数間の相関が高いときにおこる。 – 多重共線性の症状 • R2は大きいのに、t値は有意ではない。 • 係数の不安定性。 • 推定値の符号と理論の不一致 – 対処法としては説明変数を除去するなど。 最小2乗推定値の信頼性(2) • 系列相関(残差プロット、Durbin-Watson が判断指標) – 誤差項間の相関が高い状態 – 系列相関の症状 • 標準誤差を過少推定するため、t値などを大きめに 計算してしまい、妥当でないモデルを妥当とする。 – 対処法としては重要な説明変数を追加する。 – モデルが妥当であるなら、コクラン・オーカット 法などの最小2乗法以外の推定法を使う。 • 系列相関その2(Durbin-Watson が判断指標と ならない場合) – 説明変数に被説明変数のラグつきのものが 含まれている場合(Y = a + bX + cY-1) – DW統計量は2に偏りを持つので、ダービンの h統計量(Durbin’s h)を用いて系列相関の検 定をおこなう。 最小2乗推定値の信頼性(3) • 不均一分散(残差プロット、LM het test† が判断指標) – 誤差項の分散が均一ではない状態。 – 対処法としては対数変換などの変数変換や加 重最小2乗法などを用いる。 † LM het test について • 不均一分散の検定の1つに、ラグランジュ乗数(LM)検定がある。 • TSPのOLSQコマンドでは、この検定の統計量を自動的に計算してくれる。 • この統計量の後にあるカッコ内の数値は、有意水準何%の検定で帰無仮説 (この場合は分散が均一であるということ)を棄却するかを示すもの(これをP 値という)で、0.05を下回れば、有意水準5%の検定において帰無仮説が棄 却される。
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