股関節疾患 ー 当科の治療方針 ー 福島県立医科大学整形外科 青田恵郎 【対象股関節疾患】 変形性股関節症(一次性,二次性) 大腿骨頭壊死症 関節リウマチ 骨系統疾患による股関節変形 THA後のインプラント不良 【治療方法1】 ー 変形性股関節症 ー 臼蓋形成不全(発育性股関節形成不全) 初 期 :適合性良, 年齢<50〜55歳 ・寛骨臼回転骨切り術(RAO),CPO ・棚形成 進行期 :適合性不良, 年齢<50〜55歳 ・キアリ骨盤骨切り+外反骨切り 末 期 : ・外反骨切り術 寛骨臼回転骨切り術 キアリ骨盤骨切り術 棚形成術 【治療方法1】 ー 変形性股関節症 ー 寛骨臼回転骨切り術(RAO) 皮切25cm Curbed periacetabular osteotomy(CPO) 皮切10-12cm 【治療方法2】 ー 変形性股関節症 ー 一次性,二次性 進行期〜末期股関節症 :THA(MIS,通常法) 脱臼性股関節症 末期 :転子下骨切り併用THA,延長THA 【治療方法3】 ー 関節リウマチ ー THA(MIS,通常法) ー 骨系等疾患 ー キアリ骨盤骨切り術 外反骨切り術 内反骨切り術 【治療方法4】 ー 大腿骨頭壊死症 ー 健常部が前方,後方に存在 大腿骨頭回転骨切り術(前方回転,後方回転) 健常部が少ない場合 THA(MIS,通常法),人工骨頭 【治療方法5】 ー 人工股関節の不都合 ー ゆるみ,摩耗,脱臼,骨折,他 再置換(同種骨移植) 【治療方法】 ー 人工股関節の不都合:脱臼 ー 人工靱帯による制動術 【治療方法】 ー 手術症例(THA,REV) ー 200 症例数 100 0 H12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 【治療方法】 ー 治療成績 ー 過去5年 ・感染率: 0.3% (表層0.2%, 深部0.1%) ・脱臼率: 初回THA 1.2%, 再置換 1.4% ・症候性VTE: 0%(幸運なだけ) ・神経麻痺: 0.1% ・出血量: 150g以下,60分 【治療方法】 ー 紹介受診〜手術〜退院の流れ ー 術前検査 貯血 紹介 OPまで :2-3ヶ月 入院翌日OP 入 1Mo 3Mo 6Mo 1Y ごと 院 パス 初回THA:2-3W 再置換 :4W 骨切り :4W 先生方と 連携パス (チェックポイント入り) 【THA】 ー THA後のチェックポイント ー 全身一般 ・発熱 ・歩容,骨盤側方傾斜 局所一般 ・創部:熱感,腫脹 など ・大腿部痛(腸脛靱帯炎)など ご連絡,受診 XP ・骨盤傾斜 ・骨萎縮(stress shielding),骨溶解 ・インプラント沈み込み,脱転,ゆるみ ・ポリエチレン摩耗,メタローシス 【THA後のXPチェックポイント】 ー セメントレス ー ・アライメント (経時的変化) 沈み込み,移動 ・骨萎縮,骨溶解 ・Clear line ゆるみ 【THA後のXPチェックポイント】 ー セメントレス ー ・アライメント (経時的変化) 沈み込み,移動 ・骨萎縮,骨溶解 ・Clear line ゆるみ 放置で良いこと無し 骨ストック無くなるのみ 骨折 【人工骨頭のXPチェックポイント】 ー セメントレス ー 骨頭の偏位 骨溶解像 進行速くなる 人工股関節の不都合(ゆるみ,摩耗,脱臼,骨折,など) 無症状が多い 症状出た場合,かなり骨溶解を来している 骨盤側方傾斜の変化 術前 残存率 % ( 46例 ) 67 術直後 (傾斜+) 術後3Mo (傾斜消失) 35 15 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 0 1年 0 2年 骨盤側方傾斜の変化 変形性股関節症 股関節周囲の軟部組織の拘縮 + THA施行:脚長の補正、ネック長の増加など 股関節周囲の軟部組織の緊張増強 新たに側方傾斜が出現 軟部組織の緊張が改善 術後経過 側方傾斜は消失 軟部組織の緊張増強 骨盤側方傾斜 ー 骨盤側方傾斜による脚長差で跛行 ー 【術直後】 骨盤側方傾斜 ー 横ストレッチ ー 術後の体操 骨盤側方傾斜 ー 伸展ストレッチ ー 術後の体操 ずっと避けるべき仕事・運動 ・早期摩耗,破損のおそれから 重労働,機械を使わない農作業 ・脱臼や骨折のリスクから 野球,バスケット,バレーボール,ジョギング ハイレベル登山,柔道,スキー,スケート 転倒など,無理な曲げ,内側に回す力が加わりうる動作・運動 ずっと避けるべき動作 ー 脱臼防止 ー 女の子座り 屈みすぎる 捻りすぎる ありがとうございました 股関節グループ 青田恵郎 大橋寛憲 荒 文博(外来) 北野尚子(期待の新人) 何かありましたら,ご連絡ください
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